ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

今昔の響きの違いに想う

2009-10-21 04:45:21 | 音楽あれこれ


先日の日曜日、日比谷公会堂開設80周年の催しがあったので出かけてきました。こんにちまでイヴェントは何かしら行なわれているはずなのですが、この仕事をするようになってから何と一度も出かけていなかったことに気づき、吃驚。

この建物は当時の建築技術の粋が集められたものとのこと。確かに至る所にモダンな雰囲気が漂っています。二階の座席からステージを見るとこんな感じ。



まあ全国各地の歴史あるホールとさほど変わらないかもしれません。ただ近年に建てられたホールと決定的に違うのは残響がデッドであることです。デッドというのは残響時間がほとんどなく音がすぐに消えてしまうことを意味します。

たとえばオーケストラが一斉に音を鳴らしたとしますね。その場所が現代のホールだと「ドゥワァ~ン」というふうに響きます。これは楽器の音とその音が響いた音とが融合するのでそんな感じに聴こえるのです。

ところがデッドなホールだとどう鳴るのかというと、同じように大音量で鳴らしても「ダン!」でおしまい。「アレレ、消えちゃったよ…」てな感じ。現代のホールの音に慣れてしまった耳には何とも物足りなく感じることでしょう。だって残響がないんですからね。

当日は記念の催しのほかに、オーケストラによる演奏会も行われました。その演奏を聴いていて思い浮かんだのはトスカニーニやフルトヴェングラーといった昔々の指揮者たちの録音です。今聴けばモノラルで古めかしいと感じるでしょう。彼らの演奏に特別な思い入れはありません。

ただ、あの響きはまさにここのようなデッドな響きに近いんですね。もちろんそれはマイク・セッティングの仕方をはじめとする録音技術にも関係があるでしょう。だから一概に両者が同じとはいえません。しかし演奏者が伝えようとする音、そして音楽が聴衆の耳へストレートに届いたのは紛れもない事実なのでした。残響というフィルターがないぶん楽器が発した音は直接耳へ伝わるので、ステージと客席が近く感じます。

もっとも、残響があるのがいいのかないほうがいいのかは難しい問題です。作品によっては残響がないほうがいいこともあるでしょう。でも、そんな場所でたとえばドビュッシーの作品なんかはアチャーという気もします。音のパレット上の色彩の変化で勝負しようというのに、そのパレットがスポンジでできてて音の絵の具を吸い込んじゃって話にならない…みたいな。実際は演奏者の手腕にかかってくるんでしょうけどね。

さて、最後に時代を感じさせるものをご覧に入れます。



不思議に思いませんか。そうです、座席と座席の間に「肘掛け」がないんですね。どうしてなんでしょうか。どんなビッグ・ヒップの人であっても座れるよう配慮されたんでしょうか。たとえば相撲取りとかも…。

現在のほとんどのホールの座席には座席と座席を仕切るように肘掛けがあります。一体いつから全座席に肘掛けが標準装備されるようになったんでしょうね。興味は尽きません。
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後輩の「やる気」に期待!

2009-10-13 04:54:43 | 脳みその日常
「ありがとうございます! ありがとうございます! 頑張ります!」

都内のある編集オフィスから電話。なんでも正社員を雇用したいとのこと。ついてはお知り合いで誰かいませんかというご相談。このオフィスとはもう20年ほどのお付き合いがあり、何かあると相談を受けるのです。

でも、紹介するにしても誰でもいいってわけじゃありません。仕事には適性というものがありますからね。箸にも棒にもかからない人を推薦しても会社にとってはデメリットになります。それにオフィスにしてみればワシを信頼して相談してくれてるのですから「困ったちゃん」を紹介するわけにもいきません。

一応、編集経験者が望ましいとのことですが、そんな人はなかなかいません。少なくともワシの知り合いの経験者はみなどこかの会社に所属し活躍しているので…。そうなると編集経験のない後輩たちの中から適任と思われる人を選ぶよりほかありません。

これは思いのほか大変でした。正社員の募集ですから学生はまず対象外。そうすると卒業生となるわけですが、この時期、ほとんどの人は何かの仕事についてます。数人に声をかけてみましたが、案の定無理との返事。

さて、困ったぞ。誰かいないかな…。

というわけで思いついたのは現在地方で就職している後輩でした。この人は大学で学んだことを仕事に活かしたいと思っていたそうですが、なかなか希望の仕事に出会えず。遂には専攻したのとは全く関係のない仕事についていました。

本人に連絡をとると、すぐに今の仕事を辞めるわけにはいかないという返事。そりゃまあ、普通はそうです。無理もありません。こちらが想定していた返事だったので「じゃあ、また何かあったら連絡するよ」と電話を切りました。

15分ほど過ぎた頃、折り返し電話が。「先ほどの件ですが、ぜひ紹介してもらえませんか?」と。未経験で不安はありますが、今回のお話をひとつのチャンスとして捉えたいという前向きな返事でした。

まだ正式に採用が決まったわけじゃありません。でも本人にしてみれば嫌々やっている現在の仕事から脱出できるチャンスだと思ったのでしょう。未知なる可能性に賭けようという人のエネルギー、つまり「やる気」にはすごいものがあります。これはいい結果をもたらすかもしれないなと思いました。

その電話を切るまで後輩は何度も何度も「ありがとうございます!」を連発。そう言われれば誰だって嬉しい気持ちになるかもしれません。でも、ワシにしてみれば当たり前のことをしただけ。自分も若い頃には多くの先輩に導かれたのですからね。

よく義理堅い人っているでしょ? 何がなんでもその相手に「お返し」をしなきゃいけないって思う人。「お返し」自体は悪いことじゃありません。しないよりしたほうがいいとは思います。

でも先輩と後輩の関係とか年長者と年少者の関係ってのは何もその相手に「お返し」をする必要はないんです。たとえ先輩からいろいろな恩恵を受けたとしても、それに対する「お返し」は今度は自分の後輩にすればいいのです。

そうした連鎖によって人間関係は形成されていくのでしょうし、ゆくゆくはみんなが幸せになれるかもしれないのですから。もっとも、先輩の中には「見返り」を要求する心の狭い人もいるでしょうが、そんなのは華麗にスルーすればいいだけのこと。

なにはさておき、この後輩の「やる気」には期待したいところです。
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ネギとの遭遇

2009-10-12 14:04:53 | ドライブ関連
え~、五歳くらいの女の子にはなぜかモテるワシです。子供は本当に苦手なんですが、まとわりついてくるんですよね。格好の遊び相手なんでしょうか…。15年後くらいにお会いできればと思うんですけど(苦笑)

そんなわけで(どんなわけだ!)、今回は気が向いたのでフラっとR17を下ってみることに。もちろんそのまま行けば新潟まで行っちゃいます。それでは困るので午前2時まで行けるところまで行って、時間がきたら最寄りのインターから高速で帰る方法をとりました。

まあ、出発したのが午後10時半ですからね。さほど遠くまでは行けず。結局、関越の月夜野インターから帰京することに。


甘いものが食いたくなったので、赤城高原S・Aへ。ここのソフトクリームはうまいです。あっ、肝心の写真を取り損ねました。


次に立ち寄ったのは上里S・A。なにかネタになるものはないかと探していると…。


ありました。売店の片隅にそれこそ無造作に下仁田ネギが束で…。525円が高いのか安いのか、それは知りませんけど。

今回の走行距離は約300キロ。
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独立展の宣伝

2009-10-11 04:43:18 | 脳みその日常


独立展」のお知らせが来ました。場所は昨年に続き六本木にある国立新美術館だそうです。興味のある方はどうぞ。

なお、上の独立美術協会のサイトにも書かれていますが、学生、障害者、75歳以上の入場は無料とのこと。
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要確認!

2009-10-09 04:39:15 | 音楽あれこれ


上の写真はレコード会社が新譜をリリースする際、メディアに配布するいわゆる「リリース原稿」の一部分。メディアは配布された資料をもとに広告原稿を作ったり宣伝をするわけです。そうした性質上、このリリース原稿が一般の方々の目に触れることはまずありません。

で、写真で注目していただきたいのは真ん中あたり。「BLAKIREV」とありますよね。この段階で「うへぇ」と感じる方はそこそこのクラシック通です。

実はこれは作曲家の名前なんですが、本当のことを言うとこんな作曲家はいません。もしそれらしき作曲家がいるとすれば「BALAKIREV」でなければならんのです。

「BALAKIREV」は19世紀ロシアの作曲家で、通称ロシア五人組と呼ばれる作曲家のひとり。カタカナ表記すれば「バラキレフ」となります。でも、上の表記をカナ書きするなら「ブラキレフ」となってしまいます。誰ですか! ブラキレフって!…ってなことになるわけですよ。

そんな細かい間違いをいちいち指摘するなと思われるでしょう。ごもっともです。でもね、先にも書きましたが、これは商品を売るための立派なリリース原稿なわけです。ところが、自分とこの商品の内容が堂々と間違って表記されている。そんなこと常識的にはありえないじゃないですか。そもそも「売ろうとしている商品に対する愛が足りないぞ!」ぬぁんて、ワシはついつい思ってしまうんですけど。

ちょっとした間違いといえばそれまでですが、やっぱりねちゃんと最終確認すべきなんですよ。このリリース原稿を作成した担当者はツメが甘いなと思われても仕方ありません。もしバラキレフのことを知らないメディアの人が見たらどうなると思います? それこそ「このアルバムにはブラキレフという作曲家の作品が収録されています!」なんて書かれちゃうんですよ。

で、興味を持ったファンが「一体どんな曲なんだろうな…」と思いすぐに商品を購入します。ところが収録されていたのはバラキレフの作品。まあ普通なら詐欺ですわな。そうなるとクレームはメディアよりもむしろ当のレコード会社に殺到することになります。下手をすればその商品を回収する事態にもなりかねません。

まあ、実際にここまで騒ぎが発展することはないでしょう。ただ、フロントとなる担当者はそれくらいの事態になることを予想して、そうならないために責任をもってもらいたいのです。ちょっとした見落としが大問題に発展するのはよくあることなんですから。

ついでにフォローしておきますが、このリリース原稿の別の場所にはちゃんとカナ書きで「バラキレフ」と記されています。なぁ~んだこの担当者バラキレフを知ってるじゃないですか。だったら余計に欧文表記にも注意を向けろよとなるわけなんですけどね。
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虫対策?

2009-10-05 04:22:26 | ドライブ関連


気づけば、もう10月。やんなっちゃいますねえ。今年になって9ヶ月の間、何をしていたんでしょうか。もはや忘却の彼方です。

さてさて、先日ちょいと三浦半島をドライヴしてきました。上の写真はたまたま立ち寄った三浦市にあるコンビニです。なにか違和感を覚えませんか?

そう、入り口が通常とは違うんです。ドアが2つあるんですよ。この店に入るには、まず手動でドアを横に引きます。2つ目のドアは通常と同じ自動ドアです。

どうしてこんな構造になってるんでしょうか。店員に尋ねてみればよかったのですが、うっかり忘れてしまいました。そこで勝手に推測してみることにします。

この店舗は裏側が海に面しています。ということは夏場はこのあたり虫がたくさん出るのかもしれません。つまりこの外側の扉を設置することで虫が店内に入ってくるのを防ぐ役割を果たしているのではないだろうか…。

まあ、そんな気がするんですけどね。
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