ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

県境にある相川ダム

2024-07-06 06:58:04 | 宮城(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。今回は宮城県登米市東和町錦織(とめし とうわちょう にしきおり)にある北上川水系相川(あいかわ)に築造されている相川ダムを目指します。アクセスは説明が難しいのでグーグル先生の地図もしくは国土地理院の地図で「相川ダム」と検索すると出てくるのでそれを参考にしてください。

相川ダムは宮城県と岩手県の県境にあり、左岸側の住所が宮城県なのでこのカテゴリーに入れます。左岸沿いの道を上流からダムへ向かっていくと駐車場があり、そこには相川ダムの案内板があります。それに記された諸元を見ると相川ダムの高さは40.3m、長さは168.0mで、中心遮水ゾーン型ロックフィルダムだそうです。

近くにある別の案内板によれば、当該ダムは平成5年(1993年)に国営農地開発事業により築造に着手され、平成10年(1998年)に完成したものだそうです。ダム便覧では「1983年着手、1996年竣工」となっていますが、その出典はどこからなんでしょうね。(参考

ダム湖名は「まさぼう湖」で、その由来はダムのすぐ下流にかつて「正坊(まさぼう)滝」という落差4メートルの滝があり、その滝壺には巨大ウナギが住んでいて村人を震え上がらせていたという伝説に由来するそうな。いや、その説明では「まさぼう」の由来がわかりません。ウナギの名前が「まさぼう」なんでしょうか。ダム便覧の記述によれば「かつて昌坊滝という滝があって、ダム建設により水没した。昌坊という名は、そういう名の農夫がいたという伝説に基づいている」と書かれていますが、この説明でも「まさぼう」と滝の関係がよくわかりませんね。だいたい「正坊」と「昌坊」の字が違っているのでこの説明もなんだかなあという感じですが。

で、その付近からダム方向を見るとこんな感じ。

向こうには管理所らしき建物が見えます。

さらにダムへ向かっていくとダム横に行く道がありますが、なんと行けず…。

仕方なくダム下へ行ってみることに。洪水吐の下から見上げるとこんな感じ。

この洪水吐から溢れ出た水はあちらへ向かって流れてゆきます。


帰宅して調べてみると相川ダムから直線距離にして1.0kmほど北の岩手県側に「東北農政局藤沢開拓建設事務所 相川ダム管理所」なるものがあります。これは実際に見ていませんが、ストリートビューで見る限り管理所というよりロッジといった雰囲気が漂っています。
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青下水源地(2)…青下第2ダムなど

2024-07-05 07:53:03 | 宮城(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。前回の続きになります。仙台市水道記念館の敷地に入り、記念館の奥に青下川(あおしたがわ)があるんですが、右へ降りていくと青下第1ダムが、そして、左へ歩いて行くと、つまり青下第1ダムの上流に今回目指す青下第2ダムがあります。

青下第2ダムの近くにある案内板。それによれば、この「第2」が築造されたのは昭和9年(1934年)であり、下流の「第1」も、また以前訪れたこの上流にある「青下第3ダム」も同じ年に築造されていることから青下水源地にある3つのダムはすべて同時に築造されたことがわかります。

ダムへさらに近づくと青下第2ダムの案内塔があります。

その説明によると「第2」の高さは16.28m、長さは39.2mと表示されていますが、文化庁の登録有形文化財のデータベースをみると高さは14.4mになっています(参考)。またダム便覧では高さは17.4m、そして竣工年は1933年となっていて(参考)、もう数値がバラバラ。どうなってんねん。


で、ここがダムへ降りていく通路なんですが、ご覧の通り行くことはできません。とほほ。


というわけで、青下水源地にある3つのダムのうち、この「第2」だけが直接目で見ることができませんでした。

水道記念館の敷地にはほかに青下ダム旧管理事務所があります。これは「第1」と「第2」の間にあって昭和8年(1933年)に建設されたもの。曲面状の階段室や丸窓のデザインが国際様式を指向した昭和初期の建築様式の特徴を示しており、「造形の模範となっているもの」と評価されたことから1999年6月にこれも登録有形文化財に指定されています。(参考


ただ、なぜか旧管理事務所に付けられたスピーカーからはラジオの音声が大音量で流されていて、敷地内のこんな爽やかな場所にまで響き渡っていて不快極まりないなと思っていました。こういう場所では静寂が相応しいと思うからです。

この大音量があまりに不自然に思えたのでその理由を水道記念館に行って尋ねてみました。

記念館の中には仙台市の水道事業についての様々な展示物があり、歴史なども学ぶことができます。

一通り見学したのち、そこにいた職員の方に「大音量の理由」を聞いてみると、これは要するに熊除け対策のため流しているそうな。なるほど、そういうことでしたか。でもねえ、気持ちよく散策できないなあ。

そんなことを職員の方に伝えると「まったくその通りですね。ただ、安全を考慮すると仕方ないんですよね」と申し訳なそうにおっしゃる。いろいろとお話を伺ったのち上に載せた水道記念館の写真を撮ろうと外へ出ると、職員の方が慌てて出てきました。

「あの、記念写真を撮りましょうか?」
「いやいや、ただ単に水道記念館の写真を撮るだけなので結構ですよ」

また、その場で10分ほど雑談。丁寧、かつ人懐っこい対応に恐縮しました。職員の高橋さん、ありがとうございました。

こういう「ふれあい」、いいよね。
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青下水源地(1)…青下第1ダムなど

2024-07-04 06:52:42 | 宮城(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。えー、今回は宮城県仙台市青葉区熊ヶ根大原道(おおはらみち)にある名取川水系青下川の青下(あおした)水源地を目指します。ここには3つのダムがあり、以前その最も上流にある「青下第3ダム」は見ることができましたが、残る2つのダムは時間の関係で見ることができませんでした。時間の関係というのはつまり「第1」と「第2」は仙台市水道記念館の敷地からでないと行けず、その時は営業時間外だったというわけ。そこで今回は営業時間内に入ることにしました。

水道記念館の奥の道を降りていくと青下第1ダムがあります。いや〜、職人仕事を思わせますね。

案内板。青下第1ダムは昭和9年(1934年)に水道用水確保のために築造された重力式コンクリートダムで、コンクリート本体の表面に玉石が貼られています。

近くには青下第1ダムとその取水塔が登録有形文化財となったことを示すものが。

青下第1ダムの説明書き。これによると高さ=13.0m、長さ41.5mと記されていますが、文化庁のデータベースでは高さ=13.4m、長さ=41.8mとなっています。ただ、その下部の解説文には現場の説明書きの文章が転記されています(参考)。ところがダムカードのデータでは高さ=18.0m、長さ=43.4m。いや、もう、どれが正しいのやら…(このダムカードのデータはダム便覧に出ています)。高さ表記がまちまちなので、これをダムと呼んで良いのか堰堤と呼ぶべきなのかは難しいところです。


取水塔は前年の昭和8年(1933年)に完成。現場の説明書きには内径2.4m、高さ16.97mの鉄筋コンクリート製と記されています。一方、文化庁のデータベースでは高さ=15.5m。その下部の解説文では現場の説明書きが転記されています(参考)。


右岸から見た管理橋。早速歩いてみましょう。

管理橋中央から見た上流側の景色。

一方、真下を覗き込むとこんな感じ。副ダム(副堰堤)が備えられていますが、しっかり玉石が貼られていて、もはや感動もの!

下流方向の遠景。

対岸(左岸)に来ました。振り返るとこんな感じ。

この円筒状の装置が取水塔(写真中央)。

左岸から見たダム下(堰堤下)の様子。ここから見ても丁寧な仕事に惚れ惚れします。


ところで、青下第1ダムへ向かう手前のところにはこんなオブジェがあります。一体なんでしょうね。

近寄ってみるとこれは青下ダムが完成した1934年に設置された記念碑で、

これも登録有形文化財に指定されています。(参考

記念碑の表側には山羊の頭の噴水口。なぜ山羊なんだろうか…。

裏側には一連の拡張工事に尽力した人たちの名が刻まれています。


続きます。
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馬見ヶ崎川合口頭首工

2024-07-03 06:57:05 | 山形(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。今回は最上川水系の馬見ヶ崎川(まみがさきがわ)に設置されている馬見ヶ崎川合口頭首工を目指します。住所は山形県山形市妙見寺(みょうけんじ)。アクセスは山形蔵王インターチェンジに近い国道286号沿いにある「麺家かぐら本店」を目指し、その近くにあります。

到着しました。左岸、下流側から見た様子。

左岸の頭首工横から見るとこんな感じ。ご覧のように管理橋は立入禁止。

水利使用標識

左岸、上流側から見た様子。

写真中央に見えるのが銘板のようですが、目視はおろかズームしても内容がわからず…。


帰宅してから調べてみると、これは昭和55年度に着手され、昭和61年(1986年)度に完成したもののようです(参考)。ところで、「合口」はなんて読むんでしょうか。「あいくち」かな?
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今度は行けた!…蔵王ダム

2024-07-02 06:58:32 | 山形(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。今回は山形市上宝沢(かみほうざわ)にある最上川水系の蔵王(ざおう)ダムを目指します。アクセスは国道286号沿いにある「山形道 関沢7キロ」の表示板の先を右へ入り、すぐの突き当たりを左へ。県道272号をそのまま進んでいくと到着するようです。

そのまま行けば左岸のダム横に到着しますが、まずはダム下から「御尊顔」を拝みます。

県道272号に戻り、ダム横に向かいます。もうすぐというところで木々の間から顔を覗かせるダム。

左岸、ダム横に来ました。そこに掲げられた案内板。蔵王ダムは洪水調節、灌漑、水道用水の確保、発電のための多目的ダムで、高さは66.0m、長さは278.0m。ダムの内部が空洞になっている中空重力式コンクリートダムだそうで、昭和45年(1970年)完成。なお、当該ダムはダム便覧に掲載されていますが、そこでは長さは273.8mになっています。これはダム・カードの記載と一致しますが、果たしてどちらが正しいんでしょうね。(参考

ダム本体の親柱に嵌め込まれた銘板。正確な竣功は昭和45年3月らしい。

で、これがダム上なんですが、ご覧の通り行くことができません。とほほ。

仕方がないので左岸ダム横からダム湖(蔵王湖)を眺めます。ダム湖へは葉ノ木沢と八方沢の水が流れ込みます。

一方、下流側はこんな感じ。ダムから下流は馬見ヶ崎川(まみがさきがわ)という名称に変わります。

左岸、ダム横にあるこの建物は管理所でしょうか。それを示すものは見当たりませんでした。

左岸、上流側から見たダムの様子。


実は、ここ、2021年に訪れようとしたんですが、その時は運悪く県道272号が土砂崩れのため通行止めでした。なので、今回は無事行くことができてよかったです。
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