少し前ですが、ある音楽家の記者会見に行ってきました。ジャーナリストでもないワシがなぜ呼ばれたのかは今でも不思議なのですが、とりあえず面白そうだったので出席することにしたのです。
記者会見といえば一般にカメラのフラッシュがパシャパシャと眩しいほどにたかれますよね。主役が芸能人なんかだと質問する側がかなりエゲツないツッコミが入ったりします。しかしクラシックの音楽家の場合はちょっと違います。確かにフラッシュのパシャパシャ音はあるのですが、その場は基本的に大人しい雰囲気です。きっと対象となる音楽家の立場を尊重しているのでしょう。
会見では音楽家がどのような活動をしていくかの説明がなされました。まあ、それで何となくその人のスタンスは理解されたと思います。
一通りの説明に続いて質疑応答のコーナーに。一体どんな質問が出るのかなと興味津々でした。ところが結論から言えばほとんどがガッカリな質問内容でした。たとえば、
「今回の来日についての意気込みを教えて下さい」
いやいや、そんなこと聞いてどうするんですかね。意味がわかりません。それとか、
「今回はどのような演奏をしようと考えておられますか?」
そんな抽象的な質問をされても困ると思うんですけどねえ。大体どのような演奏をするかは聴けばわかることでしょう。そもそも音楽家は音で表現する人なのですから、どのような演奏かを言葉で表現させるのは酷というものじゃあありませんか。
なぜこういった質問をするのでしょうか。質疑応答を聞きながらいろいろ考えてみました。すると、あることに思い至ったのです。つまり上のような質問はマニュアル化されたものなのではないかということ。別にこの音楽家でなくてもそれらの質問は通用するわけですよ。要するにこれらの質問はパターン化されたものなのでしょうね。
誰にでも通用するような質問だなあということがわかってしまうと、同時にその質問者の見識や理解度の浅さもみえてしまうものです。残念なことにこうした質問をするのは新聞社の連中でですね、この音楽家の音楽性に特化した質問などは全くしません。
そんななか、興味深い質問がなされました。
「来日プログラムには『○○』や『▲▲』という曲目が並んでいて興味深いのですが、それを選ばれた理由を教えて下さい」
そうそう、こういう質問だとその音楽家の考え方がわかって面白いんですよね。これを質問したのは新聞記者ではなく、音楽のことを理解している人でした。ところが、あろうことか通訳の女性がこの質問内容を正しく伝えないというハプニング! 当然のことながら音楽家の応答はその質問とはかけ離れたものでした。こういった質問はNGだったのでしょうかねえ。なにやら胡散臭いものを感じたわけですよ。
これはイカン。半ば傍観者のように聞いていたワシでしたが、この瞬間に「火」が点きました。よっしゃ、もっと踏み込んで聞いてやろうじゃないか、と。そしてまさに挙手しようとしたその時、司会者が、
「それではこれにて記者会見を終了させていただきます」
なんすか、このおざなりな会見は! あまりに空虚すぎやしませんかね。まあ、記者会見なんてものはそんな程度で良いのかもしれません。こちらが期待し過ぎだったのかも。でもわざわざ関係者を集めて会見するんだから、もうちょっと、こう内容のあるものにしたら良いのにというのが率直な感想でしたね。
記者会見といえば一般にカメラのフラッシュがパシャパシャと眩しいほどにたかれますよね。主役が芸能人なんかだと質問する側がかなりエゲツないツッコミが入ったりします。しかしクラシックの音楽家の場合はちょっと違います。確かにフラッシュのパシャパシャ音はあるのですが、その場は基本的に大人しい雰囲気です。きっと対象となる音楽家の立場を尊重しているのでしょう。
会見では音楽家がどのような活動をしていくかの説明がなされました。まあ、それで何となくその人のスタンスは理解されたと思います。
一通りの説明に続いて質疑応答のコーナーに。一体どんな質問が出るのかなと興味津々でした。ところが結論から言えばほとんどがガッカリな質問内容でした。たとえば、
「今回の来日についての意気込みを教えて下さい」
いやいや、そんなこと聞いてどうするんですかね。意味がわかりません。それとか、
「今回はどのような演奏をしようと考えておられますか?」
そんな抽象的な質問をされても困ると思うんですけどねえ。大体どのような演奏をするかは聴けばわかることでしょう。そもそも音楽家は音で表現する人なのですから、どのような演奏かを言葉で表現させるのは酷というものじゃあありませんか。
なぜこういった質問をするのでしょうか。質疑応答を聞きながらいろいろ考えてみました。すると、あることに思い至ったのです。つまり上のような質問はマニュアル化されたものなのではないかということ。別にこの音楽家でなくてもそれらの質問は通用するわけですよ。要するにこれらの質問はパターン化されたものなのでしょうね。
誰にでも通用するような質問だなあということがわかってしまうと、同時にその質問者の見識や理解度の浅さもみえてしまうものです。残念なことにこうした質問をするのは新聞社の連中でですね、この音楽家の音楽性に特化した質問などは全くしません。
そんななか、興味深い質問がなされました。
「来日プログラムには『○○』や『▲▲』という曲目が並んでいて興味深いのですが、それを選ばれた理由を教えて下さい」
そうそう、こういう質問だとその音楽家の考え方がわかって面白いんですよね。これを質問したのは新聞記者ではなく、音楽のことを理解している人でした。ところが、あろうことか通訳の女性がこの質問内容を正しく伝えないというハプニング! 当然のことながら音楽家の応答はその質問とはかけ離れたものでした。こういった質問はNGだったのでしょうかねえ。なにやら胡散臭いものを感じたわけですよ。
これはイカン。半ば傍観者のように聞いていたワシでしたが、この瞬間に「火」が点きました。よっしゃ、もっと踏み込んで聞いてやろうじゃないか、と。そしてまさに挙手しようとしたその時、司会者が、
「それではこれにて記者会見を終了させていただきます」
なんすか、このおざなりな会見は! あまりに空虚すぎやしませんかね。まあ、記者会見なんてものはそんな程度で良いのかもしれません。こちらが期待し過ぎだったのかも。でもわざわざ関係者を集めて会見するんだから、もうちょっと、こう内容のあるものにしたら良いのにというのが率直な感想でしたね。