人は誰しも社会の中で何らかの役割を担っています。人の上に立つ者もいれば、そうでない者もいますね。現代には封建制度のような身分制度はありません。ですが、何かを行なおうとする際、必ずリーダーが必要になります。誰かが音頭をとらなければ物事は始まらないからです。
では、リーダーに求められる資質とは何でしょうか。さまざまな要素があると思いますが、何より重要なのはその人が他人からどれだけ信頼される人物なのかということではないでしょうか。安心して付いて行ける人、頼れる存在、それがどんな分野においても共通するリーダーの特徴だと思います。逆に言えば、周囲からみて、どうにも頼りない者はリーダーには相応しくないということになりますね。
昨日、道路特定財源を10年間維持する改正道路整備財源特例法が衆議院で成立しました。また先月はガソリン税など暫定税率を復活させた4月の税制改正関連法が可決されています。これらは国家を導く人たちが行なった最近の決断です。ものすごく簡単に言えば「国にはカネがないよ。だからお前ら国民からカネをふんだくるからな!」というようなもの。
なんだか釈然としません。「道路は必要だから作るのだ」という地方自治体の声は理解できますよ。彼らにとっては死活問題につながる可能性があるからです。それに限定するならば道路特定財源に相当する費用を負担してもいいなとは思います。
でも、なんですか! それを「一般財源化する」っていうトチ狂った発想は! この発想はどうみたって国民をナメているとしか思えません。誰が考えたってそれが矛盾していることはわかります。要するにこれは頭の悪い奴が詐欺を働く際、「そりゃ詐欺だろ」ってすぐにバレてしまうセリフを吐いているようなもの。こんな発想をする人が国家をリードしているとは情けないったらありゃしませんよ。
ただね、そうしたアホな発言をしなきゃならない背景にはたぶん別の理由があるんじゃないかと思うんですよ。そう、つまりは我が国の累積する財政赤字のことです。
ご存知の通り、日本の財政赤字は1,000兆円を越しています(
参考サイト)。想像を絶する金額です。こんなワケのわからん金額をみていてフト思うのは、なぜ国家の赤字は「踏み倒し」が認められないんだろうという素朴な疑問です。公的機関が財政破綻した時には銀行の損失がチャラにされましたね? 社会的な影響力があるからという理由で…。だとすれば国家の累積した財政赤字にだってそれが適用されてもいいように思うんですけどねえ。なぜダメなんでしょうかね。
また、我が国は借金まみれのくせにODAをはじめとして他国に資金援助を行なっています。これはいうなれば借金で首の回らない奴が他人にカネを貸している(与えている)ようなもの! こんなこと、個人レヴェルで考えたらありえんでしょ。フツーに考えても頭おかしいですよ。一体どこまで見栄っ張りなんですか。人道的支援とか言ってますが、今の我が国はそれどころじゃないでしょうが。むしろ支援されなければならない立場だと思うんですけどね。
ついでに書いちゃいますが、そもそもなぜ財政赤字なんてことになったんですかね。これこそが実は最も深刻な問題じゃないですか。さかのぼればバブル期に頭の弱い役人どもが全国に無駄な「ハコモノ」を何の見通しもなく作ったからですよ。もちろんそれだけが赤字の原因じゃないでしょうけど。
問題なのは、それによって発生した赤字に対して役人どもが誰も弁済していないことです。なぜ累積赤字は存続して、役人の「踏み倒し」は許されるのでしょうか。こんな理不尽なことはないでしょう。役人ったって、所詮は国民の公僕でしょ? 公僕が主権者である国民に財政的なツケを払わせるなんて図々しいにもほどがあるってもんですよ。
ちょっと前に問題となった国民年金の問題だって同じです。人様のカネを預かっておきながら、ちゃんと管理できないってどういうことですか。それはまだしも横領したとか着服したとか、もう理解不能ですよ。こうした問題によって発生した損失や出費は誰が起こしたのでしょうか? そう、当事者である役人ですね。ならば彼らに全額弁済してもらうのは当然のことじゃないですか。そうだよ、役人ども! お前ら、冗談抜きで全額弁済しなさい! 頼むから国民に迷惑をかけるなよ!
いやいや、ちょっと怒りが爆発しちまいました。
ま、そんなわけで、話を元に戻します。ワシが何を言いたいのかというと、要するに人の上に立つ人間はもっとうまくやれよということなんですよ。国家財政が逼迫しているのは誰だって知っていることです。ただ、そこで国民にだけカネの負担をさせるなんていうのはあまりに愚かすぎますよ。先にも書きましたが、実は予算の中には「ムダなカネ」が相当あるはずです。これも以前ブログで書きましたが、たとえば役人をはじめとする公務員のボーナス。これだって理論上は出てはならない、いや、出る必要がないものです。
「損して得とれ」という言葉とはちょっと意味が違いますが、人様からおカネを頂戴するのに単に「おい、カネ出せよ!」といったって反感を買うだけです。国民に理解が得られる簡単な方法があるのに、なぜそれをしないんでしょうね。
その方法とはまず行政の側で徹底的な経費削減を行なうのです。国家が転覆しかかっているのですから、政治家や議員の給与だって大幅に減額することだってやむを得ないでしょう。もしかするとこれだけで予算の相当な金額が確保できるかもしれません。
こうして国を主導する側が「もうこれ以上我々には削るところがありません」と表明した上で「それでも国家の財政は赤字なのです。どうか国民の皆様、ご協力を!」と懇願すりゃあ、よほどのヘソマガリでない限り国民は税金の負担をするでしょうよ。
これはある意味で理想論かもしれません。でもね、支持率が低いのはこの人のアタマが弱いからではなく、国民の気持ちがわかってないからにほかならないんですよ。こんな人がリーダーになって国家をうまく操縦できるわけがない。国民に理解されたいのであれば「説明が足りませんでしたね」などと言い訳せず、理解されるような方法を実践すればいいだけのこと。やっぱりさあ、リーダーってのは子分(国民)のことを心配する親分肌じゃないとダメなのかもね。といって、仮に政権交代したとしても、こちらはこちらで頼りないし…。