どーも、ワシです。えー、今回は上京するついでに東京都にあるダムを訪れました。東京都といっても住所は青梅市成木8丁目で、ほとんど山の中。そこにあるのが栗平林道治山ダムです。アクセスは都道193号沿いにある神明神社と赤仁田愛宕神社の間の細道(栗平林道)を南下して行くと最初のヘアピンカーブのところに当該ダムがあります。
グーグル先生の地図では「治山ダム」と表記されていますが、実際に行ってみると、ご覧の通り谷止工(たにどめこう)1基と床固工(とこがためこう)3基のコンボでした。もっとも、治山ダムは谷止工や床固工と呼ばれるものの総称なので表記上は間違いじゃないんですけどね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/c6/a935d43c64822eb11a2baf02339d5e3c.jpg)
近くには案内板があります。これによると1992年に最も上流にあるコンクリート製の谷止工が築造されましたが、2011年の集中豪雨によりこれが被災。そのため2014年には下流側に床固工をまず築造。さらに翌2015年にはその上流側と下流側に1つずつ床固工を追加築造しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/4f/33f400e43dbb3498e738626beca536bc.jpg)
築造順に見ていきましょう。最上流に築造されたコンクリート製の谷止工です。確かに本体には平成4年度(1992年)のプレートが見えます。おそらく上にも書いたように2011年に集中豪雨が発生するまでこれが渓谷を守っていたんでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/4a/2e2983acbdb6ef342fbcc0d1dfdea746.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/a9/c0069e9f84e6a1942b847da8b9ff3a99.jpg)
その谷止工から見た上流側は、こんな感じ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/fb/f2f624cd1542266ddf819cee8e88d5a0.jpg)
そこから下流側を見ると、こんな感じです。向こうに見える道が栗平林道。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/f0/de3d5cd46c7b1a7576d3f5203e269ef7.jpg)
しかし、2011年の集中豪雨でコイツは土砂を防ぎきれず、ついに流出。そこで東京都は対策として2014年、その下流に床固工を築造します(3つある床固工のうちの真ん中)。注目なのはその工法。木製校倉(あぜくら)式を導入しているんです。木製校倉式は丸太を井桁のように組み、井桁の中に土石を詰める工法のこと。このメリットは材料が軽量で工期が短くて済む割りに構造が強固で、外からの力を柔軟に受け止めることができる点にあります(参考)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/b2/a91aa4037cb7f87e37dc455605315470.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/a3/c9fff48fd445988f7f3207d1a68aecee.jpg)
ところが、東京都はそれではまだ対策が不十分と判断したのでしょう。翌2015年にはその床固工の上流側と下流側にひとつずつ、やはり木製校倉式の床固工を築造して強化を図ります。写真は上流側の床固工。(写真奥に見えるのが1992年築造の谷止工)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/85/8a523cf9e518a71554800d144a3faf8b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/06/dcb8938cf7d6b593a6c336296d4ed7ed.jpg)
これを上から見ると井桁の中に土石が詰められているのがわかりますね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/75/c2296459529d4b2da26f5b4ed5a2ae09.jpg)
下流側の床固工は省略します。
こんなスカスカなものでいいのか?と思いますが、治山ダムの目的は山地の斜面崩壊を防ぎ、荒廃させないことにあるし、別に貯水するわけじゃないのでこれで良いんでしょうね。
それにしても校倉造といえば学生時代に習った奈良県の正倉院が思い出されますが、まさか同じ工法によるものが治山ダムに適用されているとは知りませんでした。ただし、正倉院とこことの違いは井桁の中身。治山ダムで詰め込まれているのは土石ですが、正倉院のほうは穀物などの「租税」なんですがね。
整いました:
校倉式の治山ダムとかけて正倉院と解きます。そのこころはどちらも中身が大切…。
デデン。
グーグル先生の地図では「治山ダム」と表記されていますが、実際に行ってみると、ご覧の通り谷止工(たにどめこう)1基と床固工(とこがためこう)3基のコンボでした。もっとも、治山ダムは谷止工や床固工と呼ばれるものの総称なので表記上は間違いじゃないんですけどね。
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近くには案内板があります。これによると1992年に最も上流にあるコンクリート製の谷止工が築造されましたが、2011年の集中豪雨によりこれが被災。そのため2014年には下流側に床固工をまず築造。さらに翌2015年にはその上流側と下流側に1つずつ床固工を追加築造しています。
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築造順に見ていきましょう。最上流に築造されたコンクリート製の谷止工です。確かに本体には平成4年度(1992年)のプレートが見えます。おそらく上にも書いたように2011年に集中豪雨が発生するまでこれが渓谷を守っていたんでしょう。
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その谷止工から見た上流側は、こんな感じ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/fb/f2f624cd1542266ddf819cee8e88d5a0.jpg)
そこから下流側を見ると、こんな感じです。向こうに見える道が栗平林道。
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しかし、2011年の集中豪雨でコイツは土砂を防ぎきれず、ついに流出。そこで東京都は対策として2014年、その下流に床固工を築造します(3つある床固工のうちの真ん中)。注目なのはその工法。木製校倉(あぜくら)式を導入しているんです。木製校倉式は丸太を井桁のように組み、井桁の中に土石を詰める工法のこと。このメリットは材料が軽量で工期が短くて済む割りに構造が強固で、外からの力を柔軟に受け止めることができる点にあります(参考)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/b2/a91aa4037cb7f87e37dc455605315470.jpg)
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ところが、東京都はそれではまだ対策が不十分と判断したのでしょう。翌2015年にはその床固工の上流側と下流側にひとつずつ、やはり木製校倉式の床固工を築造して強化を図ります。写真は上流側の床固工。(写真奥に見えるのが1992年築造の谷止工)
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これを上から見ると井桁の中に土石が詰められているのがわかりますね。
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下流側の床固工は省略します。
こんなスカスカなものでいいのか?と思いますが、治山ダムの目的は山地の斜面崩壊を防ぎ、荒廃させないことにあるし、別に貯水するわけじゃないのでこれで良いんでしょうね。
それにしても校倉造といえば学生時代に習った奈良県の正倉院が思い出されますが、まさか同じ工法によるものが治山ダムに適用されているとは知りませんでした。ただし、正倉院とこことの違いは井桁の中身。治山ダムで詰め込まれているのは土石ですが、正倉院のほうは穀物などの「租税」なんですがね。
整いました:
校倉式の治山ダムとかけて正倉院と解きます。そのこころはどちらも中身が大切…。
デデン。