「あと何回君たちに会えるのかな…」
数年前のとある集いで某先生が発した言葉です。それを聞いた時、何を弱気なことを仰っているのかと思いました。ところが、つい最近ワシも似たようなことをふと思ったのです。
それはドライヴしている最中でした。見慣れた景色を見ながら
「あと何回この景色を見るのだろうな…」
という思いが頭をよぎりました。別に感傷的な気分になっていたわけじゃありません。自然に浮かんできたのです。
でも、考えてみればそういう思いが浮かんでも不思議ではありません。人生はいつか終わりを迎えるのですからね。具体的に「あと何回」という数値を出そうと思えば出せるはずです。
ただ、幸いなことに誰も自分の終わる瞬間を知りません。人生が有限であることはわかっていても、最後の瞬間がわからないがゆえに楽観的でいられるわけです。昔読んだ本にこんなことが書いてありました。「人間は楽観的であるがゆえに生き続けられる」と。
なるほど、そうかもしれません。すべてのことについて悔やんでみたり、毎度絶望していたら生きていられませんもんね。生きることが辛くて仕方がなくなってしまうでしょうから…。
誰にも「生きたい」と思う本能はそなわっています。だから具合が悪くなれば早く治癒したいと思うのです。健康な状態の時には決してそんなことは思わないのにね。
こんなことを思うようになるのは歳を取ってきた証拠なのかもしれません。上の写真は毎度おなじみの羽田空港で撮影したものですが、今まで写したもののなかでは最もクリアーに撮れているように思います。撮影する条件によって結果も違ってくるのは当然ですが、撮影しながら、やはり
「あと何回ここに足を運ぶのだろうか…」
と、ふと思ったりもしました。