どーも、ワシです。今回は山形県米沢市簗沢(やなざわ)にある最上川水系の杉沢溜池を目指します。アクセスは説明が難しいんですが、まず国道121号沿いにある
口田沢(くちたざわ)郵便局の西側にある道を入ります。その目印は「小野川温泉」と表示のある標識。その道をしばらく行くと太田川という細い川を越えるので、次にその太田川に沿う道を右折して進んで行くと溜池の左岸に到着します。
到着しました。これですね。
貯水側から見た様子です。ピントが合っていません。なぜだろう。
これがいわゆるダム上。行ってみます。これもピンボケ。うーむ。
ダム上、中央から見た貯水側の様子です。またまたピンボケ。どないなってんねん!
同、下流側の景色。あれれ、これはピントが合っとる!
ダム上、中央にある何らかの建物の壁面です。なんかオシャレ〜。
対岸(右岸)に来ました。振り返るとこんな感じ。ありゃ、またまたピンボケやん。もしかして、ダム上に何かおるん?
右岸に唯一ある公的看板。ここは杉沢地区にある溜池なので溜池の名称は「杉沢溜池」なのでしょう。看板にもそう記されていますし。
ところがですよ、この場所はグーグル先生の地図で見ると「鬼面川(おものがわ)貯水池」と記されています。また国土地理院の地図もそう。Yahoo地図もNAVITIME地図もそうなんです。だけど、この場所に「鬼面川貯水池」なんて表示はどこにもないんです。いったいこの名称はどこに由来するものなんでしょうね。
地図で確認すればわかりますが、そもそも鬼面川とこの溜池とはだいぶ離れています。この溜池から流れ出た水は太田川となって下流で大樽川に流入します。そしてさらに下流で初めて鬼面川に合流するのです。だから当該の溜池を「鬼面川貯水池」とするのは違和感を覚えるわけです。先ほども書きましたが溜池周辺にはこれについての説明が一切ありません。地図だけが勝手に「鬼面川貯水池」と名乗っているんです。なんだかなぁ。
【鬼面川の由来】
ちなみに鬼面川という名称は、あの六歌仙のひとりで美女としても名高い小野小町が病が癒えた後、この川を覗いたところそこに映った自身のやつれた顔が鬼のように見えたことから命名されたという説があるそうな。
小野小町の出生地については諸説あるようですが、平安時代初期に出羽国(現在の秋田県と山形県)を統治していた小野一族のひとりだとすれば現在の秋田県湯沢市小野で生まれたとする説は有力かなあとも思います。またこの頃に出羽国の北方で蝦夷の反乱があったため出羽国府を現在の山形県酒田市にある
城輪柵(きのわさく)へ移したという史実があるので彼女もその辺りに居住していた可能性は十分に考えられます。
…とすると、彼女がこの川を覗いて云々とする説は真実味を帯びてきますね。さらにさらに鬼面川という名称はアイヌ語で「氾濫する川」という意味があるんだとか。ほほぉ。
そういえば、この溜池の洪水吐が見当たりません。どこかなあと見回していると左岸の貯水側にありました。奥にあったので気づかなかったのです。
たかが溜池なのに、されど溜池。案内板がないせいで、色々調べちゃいましたよ。ありがとう!