ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

ドラマチック忘年会

2010-12-18 04:16:39 | 脳みその日常
少し前に親父は退院しました。いや、正確に言うと退院させました。というのも、入院していた病院では本人の治療が十分でないと思ったからです。そこで、今は必要な治療が受けられそうな病院に入院するための準備をしています。

幸いなことに地元で同級生が医者をやっているので、彼に相談。いろいろと手配してもらい次の治療段階になりそう。ありがたいことです。

その彼が「おい、久々に呑もうぜ!」と提案。ワシが帰省した際に呑むことになりました。その飲み会は何と彼が勤務する病院の忘年会。そう、飛び入り参加です。

何というか、まあこれは異業種間交流みたいなもので面白かった。普段交流のない人たちと話ができるのは貴重な経験ですからね。夕方からハイ・ペースでガンガン呑み進めていきました。

呑み始めて2時間ほど経った頃です。同席していた高齢の先生の顔が突然青ざめてきました。そして何と急性アルコール中毒に!

でも、周囲は医者や看護師ばかり。適切な処置をした上で先生は救急車で搬送されていきました。もちろん友人の勤務する病院へ。笑っちゃいけませんが、ご丁寧に看護師が予め「これから●●先生が搬送されるのでよろしく!」と連絡したとか。至れり尽くせりです。

そうはいっても突然のことだったので、同席した者はみな「びっくりしたね~」「●●先生、大丈夫かしら」と今度はその話で盛り上がっていました。そのうちエンターテイナーな医者がこれまた飛び入り参加(実はこの先生、ワシの高校の先輩で、ルパン三世のコスプレをすることなどで有名。なんともハジけちゃってます)。

それから1時間ほど過ぎた時、先ほど死にかけた●●先生が戻ってきたじゃありませんか。

「おい、復活したぞ!」

その場にいた人たちは全員唖然、そして爆笑。聞けば、病院に到着してすぐに点滴を受けて快復したとか。この酒宴が音楽関係者だったら、きっと思わず「おおっ、マーラー!」と叫んだでしょうが、そんな関係者は誰もいません。だから、ワシは心の中でひとり叫んでいました。

  (注)なぜ「マーラー」かというと、マーラーという作曲家の書いた《交響曲第2番》には「復活」というタイトルが付けられているからです。ただそれだけの理由ですが(笑)

午後11時頃、一次会終了。そこから有志で二次会のカラオケ。もちろんアルコールのペースは落ちません。どれほど歌ったかも思い出せないほど歌いました…午前5時まで。

いや~、医療関係者は体力あるね。みんな昼間勤務していたはずなのにお開きになるまで常にハイ・テンション。おまけにみな歌が上手い。驚きました。
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説明の方法

2010-12-17 04:33:42 | 脳みその日常
前回は老人医療の現場のことを書きましたが、今回はその周辺の話をします。親父のこのたびの入院で要介護の認定がされたため、介護保険を申請する手続きをしました。介護保険制度そのものは、まあいいのですが、今回経験したのはそれを扱う社会福祉士(ソーシャル・ワーカー)の段取りの悪さでした。

こちらは介護保険制度については全くの素人なので、社会福祉士の指示通りに動くしかありません。そのため「これこれの書類が必要なので揃えてください」と言われれば、その通りに行動します。

ところが、いざ必要な書類を提出すると、「ああ、これは自治体の申請が通ってから提出するものなので、それ以前の日付があると困る」などと抜かす。おいおい、それを先に言えよ。なぜ後になってから言うかな…。それじゃ、二度手間だろうが。

そんなことが続いたので、思わず苦情を言うことに。

「あのさ、最初にちゃんと説明してもらわないと困るんですよ」
「はぁ」
「こちらはそちらの指示通りにやってるのに、これじゃ二度手間でしょ?」
「……」
「段取り良くやってくださいよ。こちらは限られた時間の中で行動しているんですからね」
「……」

無茶な要求をしているんじゃありません。無駄なくスムーズにやってくれとお願いしているんです。でも、この社会福祉士、自分の非を認めようとしない。挙げ句の果てに出た言葉が、

「私の言葉が足りなかったということでしょうか?」

全身の力が抜けましたよ。だめだな、こいつは。あとで地域に住む人たちに聞けば、この人、すこぶる評判が悪いそうな。合点がいきました。説明する側の立場なのに十分な説明ができないんですからね。きっと説明不足のせいであちこちでトラブルを起こしているんだと思います。問題なのはそのことを本人が気づいていないということ。悪気はないのに誤解されてしまうという典型例です。

物事を説明するには「しすぎる」くらいがちょうどいいんです。自分が理解していても相手はわかっていないというスタンスでやらなければ相手は理解してくれないんですよね。それは何事にもいえることですが。
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尊敬すべき人たち

2010-12-15 03:29:15 | 脳みその日常
自分ができないことができる人は本当に尊敬します。昨日の記事の続きになりますが、老人の医療や介護をする人たちには心から頭が下がります。当事者からすれば「仕事だから当たり前」なのかもしれません。でも、とてもワシにはできません。

身内ならともかく、赤の他人の汚物にまみれたケツを拭いてあげたり、おむつ交換を日常的に行なっているのですから。また便秘が続く患者は下剤を服用しても排便できないことがあります。そんな時には看護師さんが老人の肛門に指を突っ込んで排便を促す「荒技」をすることも…。そのほかいろいろなことがあるのでしょうが、本当に大変な仕事だと思います。

介護福祉士の仕事も大変だなあと思いますね。彼らは身体の自由がきかない老人の世話をするのですが、ベッドから老人を抱き上げたり、寝かしたりと重労働。身体の大きな老人ならばなおさらです。おまけに老人は耳が遠い人もいるので大きな声で明確に話しかけなければいけません。ストレスが溜まるだろうなと思います。

介護福祉士は過酷な労働により離職率が高いそうですが、それも頷けます。でも彼らはいつも明るく老人たちに接する。それを見ていて、ただただ感謝の言葉しか出てきません。
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老人病棟の日常

2010-12-14 04:34:53 | 脳みその日常
田舎の病院、それもそこそこの入院設備の整った病院の病棟には老人がいっぱい。基本的には治療のための病棟なのですが、むしろ老人ホームと化しています。だから入院患者の大半はお年寄りばかり。若い入院患者なんてほとんど見ません。

病棟に行けば、どこもかしこも老人ばかり。それも半数以上は介護を必要とする人で、痴呆がかなり進行している人もいます。申し訳ないけれど、その光景は想像を越えた世界。

「ぅお~い! ぅお~い!……」

寝ている時以外、絶えず呼び続けるジイさん。それが一種の「発声練習」となって、声が通るったらありゃしない。病棟中に響き渡るので、通常の神経をもつ患者なら頭がおかしくなってしまうかもしれません。でもそこに入院している患者さんたちは何食わぬ顔をしている。う~む。


「あの、ちょっとお願いがあるんですが…」

病棟の廊下を歩いていたら、車いすに乗った老女に呼び止められました。

「はい?どうしました?」
「私、あの病室なんですけど、連れて行ってもらえますか?」
「ええ、お安い御用です」

指し示された病室に老女を連れて行くと、そこは大部屋。しかもすべてのベッドに患者さんが寝ている。

「う~ん、おばあちゃん、ここじゃないみたいだね」
「そうですか…。じゃあ、どの部屋なんでしょうね」
「いや、ワシに聞かれても…。とりあえず廊下に出ましょう」

困惑しながら車いすを押して廊下で彷徨っていると、遠くのほうから看護師さんが駆け寄り、開口一番、

「だめじゃないの! ●●さん、また他の人に迷惑をかけて!」
「ご、ごめんなさい…(老女、涙ぐむ)」

そして看護師さん、ワシに向かって「すみませんね、このおばあちゃん、いつもこうなんですよ」

まあ、こんなことは老人医療の現場では日常茶飯事らしい。いろいろなことを考えさせられます。
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