きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「シルヴィ・ギエム ファイナル」

2015年12月30日 | バレエ・ダンス
明日もギエムは踊りますが、
バレエ公演としては今日が最後です。


「イン・ザ・ミドル」は今日の組の方が断然良い!
特に秋元さんの粘り具合が良かった。
手足を伸ばした先にもう一捻り。
川島さんもなかなかネチっこかった。
渡辺さんは綺麗すぎる部分もあるけど長い手足に表現力がある。
高橋さんもキレキレネバネバだった。
松野くんも良かったよ。コンテもいけるじゃん。

上野&柄本だと
「中身はないけど都会的な綺麗なお姉さん& 頑張って食らいつく若者」で
弾くんの成長を促すには別なペアの方がいいのかも、
でもいないよね、
吉岡さん?
と思うのは川島&秋元組が刺激しあっているのを見たから。
秋元さんと弾くんの間にはいろんな開きがあるけど
水香ちゃん(と組むことによって得られるモロモロ)じゃ埋めらないよなあ。

「TWO」は、1階席で初めて見た。
この距離だと、なんでもない動きにだんだん手足に光が宿って行くのがわかった。
とても良かった。
近年のギエム作品は1階席で見たら
きっとどれもが素晴らしいんだろうなあ。

「ドリーム・タイム」は今日も美しかった。
夢の時間というよりは、
微睡みとか、夢に落ちる前の幸福で光り輝く瞬間のようにも思える。
夢だとハッキリしたなにかだけど、
その前のあやふやななんとも言えない時間を視覚化したかんじ。

「イン・ザ・ミドル」は言ってみれば様式美で、
身体が作り出すフォルムがなにより大事で、
今の東バでは全く料理しきれていない。
しかしこれをレパートリーに入れられたのはとてもラッキーだ。
繋いでくれたギエムには大感謝。
もっと躍り込むとなんとかなるのかな。
「ドリーム・タイム」は音楽が雄弁なので
身体から音楽が発せられれば魅力的な作品になる。
だから東バでもなんとかなる。

そして「ボレロ」は、
とてもエネルギッシュだった。
時代の先端を走り闘って切り拓いてきた彼女が
後輩達に「あなた達も闘い続けて!」と鼓舞しているようだった。
戦の女神ではなく、同じ人間、同志にバトンを繋ぐかのよう。
リズムを見る目は優しいけど、
慈愛とは違う、なにかを伝達し、それを確認しているかのよう。
いままで見た中で一番感動した。

以前のギエムのボレロは、
ニケと命を捧げる戦士のようだったけど、
今日は人間同士なかんじ?
戦いの女神と、彼女のために命を賭ける戦士といえば
アテナと聖闘士とか思っちゃった。
しかしギエムは守られる姫では決してないからなあ。

身体はまだまだキレ良く動くけど、
ここで引退も一つの道だよね。

ボレロのカテコでギエムを見る永田さんが感無量な表情だった。
後輩達、受け継いでくれよ。
永田さんもキャラクターだけでなくもっと踊りが見たいね。

カテコはこれまでのギエムの舞台写真が映し出され、
ギエムは客席に背を向けて見ていたけど、
泣いているようだった。

客席からの花束も受け取っていた。
持ちきれなくなるとリズムの男の子たちが回収。

東バがひとりひとり花を渡すのは舞台裏でやればいいんじゃないかなあ。
際限ないのでギエムが切ったけど。
組と同期からの二つの花束で収めるのは合理的なんだな。

NBSが世界の皆様からサヨナラショーを託されたかんじなんだよね。
ペンライトの考えは良かったけど、
たぶん意図した前からお客さんは振り始めたんだよね。
慣れないこととはいえグダグダ気味だった。
うちのサイトーか大介を(ry

今日は頑張って1階A席を取ったけど、
前の人の座高が高くて舞台の1/4ぐらいが見えなかった。
インザミドルも見えない部分があり、もっと全体を見たかったなあ。
ボレロのギエムは見えたけどリズム4人を同時に捉えることはできなかった。
1階はこれがあるから辛いんだなあ。


◆ 配役 ◆
- 東京バレエ団初演 -
イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド
振付:ウィリアム・フォーサイス  音楽:トム・ウィレムス(レスリー・スタックとの共同制作)
演出・照明・衣裳:ウィリアム・フォーサイス  振付指導:キャサリン・ベネッツ

川島麻実子  渡辺理恵  秋元康臣
河合眞里  崔 美実   高橋慈生  伝田陽美  松野乃知  吉川留衣


TWO
振付:ラッセル・マリファント 音楽:アンディ・カウトン 
照明デザイン:マイケル・ハルズ  

シルヴィ・ギエム


ドリーム・タイム
振付・演出 :イリ・キリアン  振付助手:エルケ・シェパース
音楽:武満徹 オーケストラのための「夢の時」(1981)
装置デザイン:ジョン・F. マクファーレン  衣裳デザイン:ジョン・F. マクファーレン
照明デザイン:イリ・キリアン(コンセプト)、ヨープ・カボルト(製作)  技術監督、装置・照明改訂:ケース・チェッベス

吉岡美佳  乾 友子  小川ふみ
木村和夫  梅澤紘貴


ボレロ
振付:モーリス・ベジャール  音楽:モーリス・ラヴェル

シルヴィ・ギエム
森川茉央  杉山優一  永田雄大  岸本秀雄


◆上演時間◆
「イン・ザ・ミドル...」「Two」 16:00 -16:40
休憩 20分
ドリーム・タイム 17:00 -17:20
休憩  10分  
ボレロ 17:30 -17:50
コメント
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