名護市長、辺野古移設を拒否 「普天間」で鳩山首相と会談
2010年5月4日
【名護】名護市の稲嶺進市長は4日、鳩山由紀夫首相と就任後初めて会談し、「(普天間移設問題が)辺野古に戻ることはあってはならない」と、米軍普天間飛行場の市内への移設反対を強調した。一方で鳩山首相は「海というものを汚さない形での決着がないか模索するのも重要だと考えている」として、くい打ち桟橋方式による県内移設を検討していることを示唆した。稲嶺市長は会談後、辺野古移設を政府が打診してきても交渉に応じない考えを示した。
稲嶺市長は「名護市長選挙の結果や県民大会の成功は県内移設NOの意志をはっきり示した」と県内移設反対の民意が高まっている状況を説明。鳩山首相は県外移設を模索した経緯を話しながらも「(海兵隊の)抑止力の観点から沖縄や沖縄の周辺の皆さんに引き続き負担をお願いせざるを得ない状況になってきている」と完全な県外移設が困難との認識を示した。
稲嶺市長は会談後、記者団に対し「最初から駄目と言っているのだから、これ以上(面談を)受けても無理な話。お会いしても新しい道は開けない」と述べた。
【琉球新報電子版】
(引用終了)
鳩山総理が4日、就任後初めて沖縄県を訪れたそうだが、米軍普天間飛行場の移設問題での自身の迷走発言から、沖縄県民は鳩山総理に裏切られたと思っているであろうし、民主党政権になれば、自民党政権でも出来なかった普天間の国外または県外への移設が実現されるとの期待を持たせていたのだから当然であり、この普天間問題に限らず、民主党が掲げていた選挙公約が、ほとんど実現していないことから、民主党を支持した国民は詐欺の被害にあったようなものではなかろうか。
罵声を浴びせられることは分かっていながら、敢えて沖縄を訪れた鳩山総理は、高校生にも「具体的な話がない」とまで言われたそうだが、普天間問題は、自民党政権時代に14年も掛けて、沖縄県や移設先の同県名護市辺野古周辺の住民などを説得し、渋々納得したことから、移設工事に向けての事前の環境調査を行って、それがようやく終わりになり、工事が着工される寸前になって政権交代を果たし民主党が、自民案だとして潰したことが間違いなのである。
昨年夏の衆院選で、鳩山総理は普天間の国外または最低でも県外への移設を目指すことを訴えていたが、具体的な移設先を明らかにしておらず、雲をつかむような選挙公約であったし、さらに民主党は、今年1月の名護市長選挙でも、辺野古移設反対を掲げていた稲嶺現市長を推薦していたことから、もし、稲嶺氏が当選すれば自民案は確実に潰れることは分かっていた筈ではないのか。
報道によれば、稲嶺名護市長と会談した鳩山総理は、くい打ち桟橋方式による辺野古への移設を示唆したところ、稲嶺市長は普天間の市内への移設反対を強調し、会談後、辺野古移設を政府が打診してきても交渉に応じない考えを示したとのことである。
民主党の推薦を受けて当選した稲嶺市長が、民主党の代表でもある鳩山総理の普天間の辺野古への移設を門前払いした訳だが、この稲嶺市長に言わせれば、普天間は最低でも県外移設されると思っていたものの、もし、それが万一実現されなかったとしても市内へ移設には反対するとして、それを選挙公約に掲げて当選した訳であるからして、今更、辺野古への移設を示唆されても「ふざけるな」と言いたいであろう。
普天間移設問題で、鳩山総理が考えていた案は全て実現出来なくなった訳だが、自民党案との理由だけで、それを反故したことから、鳩山総理の迷走が始まった訳であり、沖縄県民を騙し、また対米関係まで悪化させてしまったのでは鳩山総理は議員辞職をして責任をとることにして、辺野古に移設させるか、沖縄県民が移設に反対を貫くならば普天間固定化で決着するしかないであろう。
(2010/05/05)