北朝鮮が、核兵器の保有を認め、また、近く核実験を行うことを示唆しており「米国の出方によっては完成した核兵器の輸出もする」と北朝鮮はお得意の「恫喝外交」をさらにエスカレートさせている。
イラク独裁政権の崩壊を目の当たりにした金正日は、核問題での協議を多国間で応じるそぶりを示したが、4月23日から北京で始まった協議には、日本、韓国、ロシアを抜いた米国、支那の2ヶ国だけが参加し、その協議の初日に北朝鮮の代表の李根・外務省米州局副局長から公式協議終了後のレセプションの席上、核兵器の保有が米国側に伝えられたとのことである。
当初、北朝鮮は多国間協議に応じることを示唆したのは、やはりイラクの崩壊であったと思われるが、実際に協議が始まってみれば、日本や韓国は協議の相手ではなく、27日から平壌で始まった経済協力を議題とする南北朝鮮閣僚級会談で、韓国側が北朝鮮側に核兵器の放棄要求したが、北朝鮮はこれに答えなかったそうである。
であるから、北朝鮮は、核兵器というカードをちらつかせて、世界の強国である米国に頭を下げさせ膨大な援助を得たいからであり、日本や韓国など最初から相手にしていないのである。
北朝鮮に核を廃棄させることはできるであろうか。北朝鮮は、米国に対して、相互不可侵条約の締結、金正日体制の保証、膨大な援助などを求めてくるであろう。しかし、米国が譲歩することや見返りを与えることなどあり得ないであろうし、北は核を放棄しないと言っているのだから、3ヶ国協議が何ら解決策を見いだせないまま決裂する可能性が高いと思う。
日本では、国の安全を脅かす核問題の他に、極めて重大な人権侵害である拉致事件が未解決である。であるから、拉致問題が核問題の陰にかすんでしまわないように、北朝鮮に対しては毅然とした姿勢を示さなければならない。だが政府の腰に座っていないと言うか、解決のためには北朝鮮にあらゆる圧力を掛けなければならないのに、その気概があるのか。また拉致被害者の奪還のための行動を起こしているのか疑問に思う。
そのような北朝鮮に舐められないように、北朝鮮への経済制裁をして圧力を掛けようという、自民党の若手有志議員らで作る「対北朝鮮外交カードを考える会」は、その法案を作ったとのことである。安倍官房副長官は「北朝鮮への交渉力が強くなる」と法案に理解を示したそうだが、政府・自民党内では「日本単独で経済制裁を行っても効果がないだろう」との慎重論とが強いという。
北朝鮮が国際合意を無視して、密かに核開発を継続して核兵器の保有を認めるまでになり、ミサイルを発射し、拉致事件を起こすなどやられっぱなしの日本としては、その脅威に対抗するには北朝鮮への経済制裁を行って、対抗措置をとることすらしないのであろうか。
福田官房長官は「二国間における経済制裁が、どれだけ実効性があるのか考えてほしい」と否定的な考えを示したとのことだが、「対北朝鮮外交カードを考える会」の法案の中にある朝鮮総連の不正送金を禁止する外国為替法改正法案と、万景峰号など北朝鮮船舶の入港拒否を目的とした特定船舶入港制限法案が成立すれば、経済制裁の効果が全くないことはないだろう。このような危機的な事態になっても慎重論を唱える人がいるとは情けない、日本単独でも北朝鮮への経済制裁を行うべきである。
(2003/04/28)
この記事は「今日のコラム」
「日本単独でも北朝鮮への経済制裁を」
としてHPに掲載されていたものです。
イラク独裁政権の崩壊を目の当たりにした金正日は、核問題での協議を多国間で応じるそぶりを示したが、4月23日から北京で始まった協議には、日本、韓国、ロシアを抜いた米国、支那の2ヶ国だけが参加し、その協議の初日に北朝鮮の代表の李根・外務省米州局副局長から公式協議終了後のレセプションの席上、核兵器の保有が米国側に伝えられたとのことである。
当初、北朝鮮は多国間協議に応じることを示唆したのは、やはりイラクの崩壊であったと思われるが、実際に協議が始まってみれば、日本や韓国は協議の相手ではなく、27日から平壌で始まった経済協力を議題とする南北朝鮮閣僚級会談で、韓国側が北朝鮮側に核兵器の放棄要求したが、北朝鮮はこれに答えなかったそうである。
であるから、北朝鮮は、核兵器というカードをちらつかせて、世界の強国である米国に頭を下げさせ膨大な援助を得たいからであり、日本や韓国など最初から相手にしていないのである。
北朝鮮に核を廃棄させることはできるであろうか。北朝鮮は、米国に対して、相互不可侵条約の締結、金正日体制の保証、膨大な援助などを求めてくるであろう。しかし、米国が譲歩することや見返りを与えることなどあり得ないであろうし、北は核を放棄しないと言っているのだから、3ヶ国協議が何ら解決策を見いだせないまま決裂する可能性が高いと思う。
日本では、国の安全を脅かす核問題の他に、極めて重大な人権侵害である拉致事件が未解決である。であるから、拉致問題が核問題の陰にかすんでしまわないように、北朝鮮に対しては毅然とした姿勢を示さなければならない。だが政府の腰に座っていないと言うか、解決のためには北朝鮮にあらゆる圧力を掛けなければならないのに、その気概があるのか。また拉致被害者の奪還のための行動を起こしているのか疑問に思う。
そのような北朝鮮に舐められないように、北朝鮮への経済制裁をして圧力を掛けようという、自民党の若手有志議員らで作る「対北朝鮮外交カードを考える会」は、その法案を作ったとのことである。安倍官房副長官は「北朝鮮への交渉力が強くなる」と法案に理解を示したそうだが、政府・自民党内では「日本単独で経済制裁を行っても効果がないだろう」との慎重論とが強いという。
北朝鮮が国際合意を無視して、密かに核開発を継続して核兵器の保有を認めるまでになり、ミサイルを発射し、拉致事件を起こすなどやられっぱなしの日本としては、その脅威に対抗するには北朝鮮への経済制裁を行って、対抗措置をとることすらしないのであろうか。
福田官房長官は「二国間における経済制裁が、どれだけ実効性があるのか考えてほしい」と否定的な考えを示したとのことだが、「対北朝鮮外交カードを考える会」の法案の中にある朝鮮総連の不正送金を禁止する外国為替法改正法案と、万景峰号など北朝鮮船舶の入港拒否を目的とした特定船舶入港制限法案が成立すれば、経済制裁の効果が全くないことはないだろう。このような危機的な事態になっても慎重論を唱える人がいるとは情けない、日本単独でも北朝鮮への経済制裁を行うべきである。
(2003/04/28)
この記事は「今日のコラム」
「日本単独でも北朝鮮への経済制裁を」
としてHPに掲載されていたものです。