いま、「ひろかずのブログ」では、昭和20年代の「加古川市広報」から記事を紹介していますが、昨日(17日・火)の神戸新聞に常楽寺(加古川市大野)の十三重塔が市の指定文化になったことを大きく報じました。
このブログでも、余話としてこの記事をお借りします。
常楽寺は、記事にもあるように文観(もんかん)と関係がある寺です。
文観については、次号で少し説明しておきましょう。
石造十三重塔(加古川市大野)市文化財に
加古川市教育委員会は、同市加古川町大野の常楽寺にある「石造十三重塔」を市文化財に指定した。
一部が失われているが、優れた技術で造られており、市内にある鎌倉時代末期の石造品群の中でも代表例の一つに位置づけられるという。
仏塔の一種である石塔十三重塔は同寺の東側にあり、高さ4㍍超。
地元の石材である凝灰岩(竜山石)で造られている。
現在の姿は十一重塔だが、元々は土三重塔として建立された。
その後、下から第1、第12、第13層の「笠」と最上部の「相輪」が失われ、別の石造品の相輪と笠一層が付け加えられたと考えられるという。
そのため指定は、基礎部と塔身部、第1~10層の傘までで高さ約3.4㍍。
過去の記録によると、塔身には制作年代を示すとみられる銘文が刻まれていた。
判読できるのが一部分のみだったため、文安2(1445)年とする説もあるが、形式などから正中2(1325)年の建立の可能性が高いという。
同寺は、後醍醐天皇に重用された真言宗僧、文観ゆかりの寺で、文観が正和4(1315)に建立したとされる石造塔(県指定文化財)どもある。
市文化財審議委員会から新たに指定するよう答申があり、今月2日付で指定。市指定文化財は65件1395点点となった。(切貫滋巨) (no3512)
*写真:市文化財に指定された常楽寺(大野)の十三重の層塔