加古川市の水害
加古川市広報(15号・昭和27年7月発行)は、加古川市内の水害を大きく取りあげています。
以下は、「加古川市広報」からの抜粋です。(文字等一部変えています)
写真は、昭和36年の加古川駅前通りの水害のようすです。
根本的対策を急ぐ!
(昭和27年)6月末から降り続いた雨は、7月に入り熱帯性低気圧の影響を受けて、さらに、ものすごい豪雨となったため各河川は刻々と増水しはじめ、2日夜8時頃には徐々に低地から浸水し始め・・・・、3日、ついに水は市街地へ浸水し、家屋への浸水.田畑の流失埋没等の被害があった。
毎年雨季に発生するこうした水害の原因は、加古郡天満村に源を発する「曇川(くもりがわ)」の最下流が、市内の灌漑用水を運ぶ.五ヶ井水路に直結しているため,豪雨等によって増水し、曇川樋門を通じて加古川本流への放出が困難となった場合、この水が市内の水路で通水しきれなくなり、こうした浸水を引おすことになるのであります。
この被害根絶の対策としては、曇川樋門の増設と、別府川に通ずる水路全体の改修工事の実施の外はないので、この点について県当局にもしばしば陳情してきたのでありますか、県財政の関係等で今日まで未解決となっているのであります。
市においては、7月4日、市長.助役及び市会関係議員等が、重ねてこれが根本的な封策について早急な実現を陳情した結果、県当局においては、この水害を重要視し、14日に現地察査等を実施の上、近く具体化することになりましだ。
ちなみに、先の豪爾による被害は,次の通り、
家屋の床上没水 62戸
〃 床下没水 1452戸
田畑冠水 8300反
〃 流夫埋没 415 反
道路の決潰 4ヶ所
橋梁流夫 3
堤防決潰 7ヶ所
その他 7 (no3508)
*写真:加古川駅前通りの水害(『加古川・高砂の昭和』樹林舎より)