ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

地域(加印)の風を読む(41) 近江絹糸工場誘成る

2017-03-16 08:41:00 | 地域の風を読む

 「加古川市広報」(昭和295月号)で、「近江絹糸株式会社加古川工場の誘致成る」のタイトルで、近江絹糸の加古川市への誘致を以下のように大きく報じました。

 近江絹糸の建設予定地は、もと加古川飛行場跡地で、保安隊(現:自衛隊)の利用計画も考えられていたようです。

    近江絹糸工場誘成る 

 市内に大会社工場を誘致して、都市産業の拡充をはかり、市勢の発展基盤を充実して、市民生活の向上を図ることは、いずれの都市も計画するところです。

 加古川市も市政発展以来市政の充実発展の方途について、市民各位の要望にこたえるよう努力してまいりました。

 特に、工場の誘致については格段の注意払いつつ政界、実業界各方面にわたって努力を傾倒して参ったことは、皆さんご承知のことと存じます。

 たまたま、昨年の7月以来、大阪に本社をもち全十大紡績の一つに数えられております近江絹糸紡績株式会社が、新工場建設計画を持っていることを知り、県当局と協力してこれを加古川工場として誘致する交渉を開始したのであります。

 その敷地としては保安隊(現:自衛隊)飛行場として復活されようとしておりました尾上の元飛行場跡の滑走路を中心とする一帯の土地を充てることにしたのです。

 同地は、海陸の交通その他工場用地としての立地条件に恵まれており、県の臨海工場発展計画指定の地域であり、工場誘致には最適の場所であります。

 即ち

 1 同地が保安隊飛行場として復活することに対する反対運動から

 2 同地が現に充当されている保安隊自動車訓練場の即刻中止を陳情

 3 元飛行場滑走路を含む国有地約10万坪の払い下げの陳情

 4 この周辺開拓地の転用譲渡につき交渉陳情等々

 これらの困難な諸問題の解決について、市並びに市議会の総力を挙げて、県当局の絶大なる協力のもとに、陳情交渉をした次第です。

 幸いにも・・・当市関係者の熱意と努力に深き理解と同情をいたきまして、本年度に入るやますます誘致可能の未通しが明らかになり、次いで、去る4月23日、当市と会社側との契約書、覚書等の交換調印をするに至り、ここに多年宿望の工場誘致建設の第1号が、ようやく具体化するに至たりました。(以上、「加古川市広報」より)(no3510

 *写真:写真中央が近江絹糸工場(右上のグランドは、尾上小学校運動場、昭和57年の発行の写真(神戸新聞)よりお借りしています。現在の近江絹糸工場の周辺は、大型販店や住宅へと大きく変わっています)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする