ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

志方町を歩く(131):東志方野尻②・明治の地価・地租

2011-10-18 07:46:15 |  ・加古川市東志方

『播磨地種便覧』から明治時代の野尻新村の税をみておきます。

同書の前書きに「一、戸数人口は明治14年1月御調ヲ以載ク」とあるので、明治14年の数字です。

 明治新政府は、明治6年(1873)から「地租改正」を行い、米を納める年貢をあらため、土地の所有者から貨幣で定額の地租を取ることにしました。

地租改正では、耕地の面積をはかりなおし、新たに地価を定め、その3%を地租としました。

019 一般的に、新政府の収入が減らないように高めに設定されたため、農民の負担は江戸時代と比べても軽くなりませんでした。

そのため、各地で「地租改正」に反対する激しい一揆がおこり、これに押された政府は、地租を地価の2.5%(明治10年)に切り下げました。

『地種便覧』は、各村の人口、家数、田、畑の面積ならびに地租の額等を記録した本です。

今日の報告は数字ばかりになってしまいました。史料としてご覧ください。

野尻新村の地租・地価(明治14年)

       戸数 48戸

       人口230人

 (現在35戸の集落となっています)

一 田 22町6反8畝21歩

      地価 11319円53銭3厘

      地租 283円3銭5厘

一 畑  4町6反1畝27歩

      地価 1039円13銭3厘

      地租 25円98銭6厘

一 宅地 1町3反9畝11歩

      地価 702円17銭2厘

      地租  17円55銭8厘

一 山林96町6反8畝 2歩

      地価 608円67銭

      地租  15円21銭5厘

(草山・林・藪地・草生地・芝地・土砂捨場略)

合計 反別264町3反5畝7歩

      地価12796円82銭7厘

      地租 344円97銭4厘

*草山・林・藪地・草生地・芝地・土砂捨場野地租は少なくここでは省略しました。

<参考>

 白米(東京における10kg)の小売価格(『値段の風俗史』・朝日文庫より)

     明治 5年36銭   

     明治1051

     明治1582

 *写真:現在の野尻集落の一部

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