ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

志方町を歩く(61):円福寺②・嘉吉の乱

2011-07-27 12:25:44 |  ・加古川市東志方

今回と次回の「志方町を歩く」は、嘉吉の乱の復習で志方町は登場しませんがご了承ください。

    満祐、義教(足利六代将軍)を殺害

Photo_2 「・・・新邸の池のカモの子がたくさん生まれました。水面をすべる様子がいかにもかわいく、ぜひともお運びくださるように・・・」

嘉吉元年(1441)旧・六月、義教(足利六代将軍)のもとへ、こんな招待状が届きました。

新邸の主(あるじ)は、赤松満祐でした。

義教は就任以来続いていた戦いに勝ち抜き満ち足りた気持ちのときでした。

義教と仲が悪くなっている満祐からの招待でしたが、喜んでこの招待を受けました。

六月二十四日(午後四時)、新暦ではちょうど今頃です。義教は多数の重臣とともに赤松邸に入りました。

庭先の猿楽は三番まで進み、酒はすでに五杯目。宴たけなわのころでした。

この時、明かり障子がドット開き十数名の武士が義教めがけて突進してきました。

義教は、叫び声もあげる間もなく首をかき切られたのです。

満祐は、その日の夜のうちに、京都二条にある屋敷を焼き払い、家臣たち700名を伴い、長刀の先に将軍の首を貫いたのを家臣に持たせ播磨の坂本城(姫路市)に引き上げました。

満祐に味方するものは誰もいません。

赤松満祐は、急ぎ合戦の準備をしました。

幕府軍は、坂本城を攻め、これを陥落させました。

満祐は、揖保郡にある城山城(きやまじょう)で最後の一戦をするものの、赤松軍はすでに五百騎あまり、九月九日に攻撃が始まり、九月十日、城山城はついに陥落しました。

満祐は、これまでと自害し、ここで赤松本家(前期赤松氏)はいったんほろびました。

しかし

しかし、赤松満祐の弟の子である千代丸がひそかに家臣によって城山城から脱出し、後に赤松氏を復興(後期赤松氏)させます。

もう少し、嘉吉の乱の顛末を続けます。

*絵:足利六代将軍(義教)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

志方町を歩く(60):円福寺(東志方・高畑)①

2011-07-27 08:40:58 |  ・加古川市東志方

    満祐山・円福寺

Ennfukuji_3歴史散策をしていて、ときどき「ものすごい」話題にぶつかることがあります。

「歴史上ホントのことだろうか」と思うことがあるのです。

いま、東志方町を歩いていますが、高畑の円福寺(写真)もその一つです。

円福寺の山号を「満祐山(まんゆうさん)」といいます。

ピンと来ないと方も多いと思います。

満祐は歴史書では「みつすけ」として登場する人物で、満祐の姓は赤松、つまり赤松満祐です。

もうひとつ、満祐が赤松満祐である証拠があります。

満祐の法号(戒名)は、「慈徳院殿性具円福大居士」です。

つまり、高畑の「円福寺」は、満祐の法号(戒名)から付けられています。

歴史上、満祐はあまりにも名高く「ウッソー!」とつい叫んでしまいました。

満祐は「嘉吉の乱」を起こします。

少し、長くなりますが「嘉吉の乱」の復習をしておきます

    くじびき将軍

室町時代の四代将軍・義持(よしもち)は42才で亡くなると、その子の義量(よしかず)は、五代将軍となりました。

ところが、彼は酒飲みであったため若死にしました。

その義量には子供がなく、後継ぎをめぐって大問題となりました。

結局、将軍候補者(義持の弟たち4人)の中から「くじ引き」で将軍を決めることになりました。

「くじ引き」で、次の将軍を引き当てたのが義教(よしのり)で、「くじびき将軍」と陰口されました。

当時、播磨・備前・美作(みまさか)の守護を兼ねる赤松家でも異変が起きました。

赤松家三代総領の義則(よしのり)が1427年に亡くなりました。

将軍・義教は、守護の力が大きくなることを嫌っていました。

守護の内輪もめをつくり、干渉し、多くの有力な守護を没落させたのです。

   次は赤松!

 義教は、赤松の追い落としを狙いました。

永享12年(1440)、満祐の弟の領地(摂津・西宮)をことごとく召し上げ、細川氏に渡せとの命令が出ました。

次は、満祐本人が狙われていることが確実な情勢となりました。

そこで、起きたのが世に有名な「嘉吉の乱(かきつのらん)」です。

「嘉吉の乱」については次号であら筋をおってみます。

 *写真:円福寺(東志方町高畑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする