道は、大池の手前で左に折れ、西牧(にしまき)に入ります。
すぐに左手の山麓に「大歳神社」があり、草刈りをされた後でしょうか、草に火が入れられ、煙が風で神社と反対側に流れていました。
煙の向こうに、「皇紀二千六百年」の碑がありました。
この碑は、他の多くの神社でもよく見かけます。
若い方にとっては、何が2600年であるのか、意味もよく分からない方も多いと思いますので、ここでこの碑を取り上げておきます。
皇紀二千六百年
2月11日は、「建国記念の日」です。
伝承では、この日、初代の天皇・神武天皇は奈良の橿原で天皇になる儀式をしたといいます。
昭和15年(1940)の2月15日は、その式典から数えて2600年目(皇紀2600年)にあたるというのです。
昭和15年は、日独伊三国同盟・大政翼賛会の結成等、日本は着実に戦争準備を整えていました。
「皇紀2600年」を祝う式典も戦争に備えて、国民の意識を高め、団結を強める意味がありました。
昭和16年12月8日、日本は真珠湾を攻撃し、無謀な戦争へ突入しました。
私の父もこの戦争で戦死しました。
少し付け加えておきます。
皇紀2600年の式典のあった、1940年をさかのぼること2600年前は、縄文時代であり、天皇は、もちろん存在していません。
あくまでも神武天皇は、神話(伝説)上の人物で、実在した天皇ではありません。
*写真:大歳神社の「皇紀二千六百年」の碑