私の主張・ひとりの日本人として

新聞やテレビの報道で特に偏向マスコミや反日日本人などに憤慨することが多くなり、暇な時に思いつくまま書き綴ったブログです。

政府の武装工作員対応マニュアルで国が守れるか

2002年12月19日 23時24分41秒 | 政治
~SATに犠牲者が出てから自衛隊出動では遅い~

 他国の武装工作員らが、原子力発電所などで破壊活動を行った際の政府の対応マニュアルがこのほど明らかになった。マニュアルによると、武装工作員に対しては基本的には警察力で対処するとし、潜伏場所周辺で、緊急配備を行い、ヘリコプターなどでの捜索、封鎖線を構築するという。ただし、武装工作員が小銃、機関銃、手榴弾などで武装している事態では、自衛隊による治安出動を想定しているとのことである。であるから、最初は「SAT」が出動するが、警察力を越えたら自衛隊が治安出動するというの対応マニュアルになっている。

 この記事を読んでいて、政府は、武装工作員のことがまったく分かっていないのではないか。以前、韓国沿岸で北朝鮮の潜水艦が座礁し、武装工作員が韓国に上陸した事件があった。あの時、韓国軍は、数万という部隊を出動させて、その鎮圧に当たったが、住民を巻き込んで大きな犠牲者を出したことは記憶に新しい。であるから、わずか数人の武装工作員を鎮圧するのに、長い時間と大量の部隊を投入しなければならないのに、数十名の警察の特殊部隊の「SAT」で何とかなると思っているとは、何とも甘いと言わざるを得ない。

 相手は軍隊の中で、最も厳しい特殊部隊としての訓練を受けているのであろうから、その鎮圧には、相当の困難を伴うであろうし、武装されていない警察のヘリコプターなどは、工作員の持つロケット砲の攻撃を受ける可能性がある。であるから、政府の対応マニュアルは、警察官(SAT)に犠牲者が出てからでないと、自衛隊に治安出動を命じることはないらしい。

 SATが保有する武器は、ライフル以外に、どんなものがあるか詳しく知らないが、武装工作員が保有する武器は小銃、機関銃、手榴弾どころか、奄美大島沖で自沈した北朝鮮の工作船からは、携行対空ミサイル、対戦車ミサイルなどが発見されており、このような重火器を所持する軍隊と同じような武装工作員に対して、政府は警察組織であるSATに殉職覚悟で戦えと命じているのである。

 これでは、「SAT」隊員とて、命令とはいえ、大きな犠牲者が出ることを覚悟しておかねばなるまい。映画ではないが、SAT隊員から「指揮官が優柔不断じゃやってられねえんだよ」との声が聞こえそうである。実際、SAT隊員は、この政府の対応マニュアルを読んでどう思っているであろうか。SAT隊員の生の声を聞きたいものである。

 また、政府の対応マニュアルに書いてあるか分からないが、武装工作員を捜索中、これを発見した場合は、逮捕することなど考えてはいけない。即時全員射殺せよと明記しなければならないと思う。これはSAT隊員の安全を最大限に考えてのことであり、それと武装工作員は捕まることを想定しておらず、捕まりそうになったら、自殺することが予想され、その際にSAT隊員が巻き添えになることがあるからである。それは、治安出動をした自衛隊員も同じであろう。

 今年の10月に「宣戦布告」と言う映画が上映されたが、この映画は、今回の政府の対応マニュアルと同じ、自衛隊の治安出動をためらい、警察で何とかなるであろうと最初は「SAT」で対応し、大きな犠牲者が出てから自衛隊を治安出動させ、最後は対戦車ヘリコプター「コブラ」のバルカン砲で制圧するというものあった。どうして政府は自衛隊の出動をいまだに一段高い位置に置いているのであろうか。自衛隊は安易に出すべきではないとの意見もあるが、当然出すべき時に出られない、出せないでは困るのである。

 警察官がやられてからでないと、自衛隊の出動ではあまりにも遅い対応と言わざるを得ないし、これで国は守れるのかと国民の不安は増すであろう。国民の安全を考え、不安を除去するには、このような事態には、初動から自衛隊の治安出動で対処することは当然と言って良いであろう。

 政府の初動から自衛隊の出動はさせない対応マニュアルを直ちに見直す必要があり、また、今後、武装工作員の侵入には、日本は自衛隊の出動をもって毅然と対処することを内外に鮮明にすることが大きな抑止力になるのである。
(2002/12/19)  

この記事は「私の主張」第153号
  政府の武装工作員対応マニュアルで国が守れるか
~ SATに犠牲者が出てから自衛隊出動では遅い~
としてHPに掲載されていたものです。