ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

肝心の「ご尊顔」が…青野ダム

2022-12-25 07:08:17 | 兵庫(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。えー、今回は兵庫県三田市加茂上平山(さんだし かも かみひらやま)にある武庫川水系の青野ダムを訪れます。アクセスは国道176号の「上井沢(かみいざわ)」信号を東方向へ曲がり、県道308号を道なりに進みます。そして「青野ダム→」の看板のある交差点を入って行くと目的地に到着です。

ダム名は青野川と黒川の合流するところに築造されたことに由来するものと思われます。ダムを築造したことにより出来上がったダム湖の名称は「千丈寺湖」。これはダムの上流にある千丈寺山(せんじょうじさん:標高590m)に由来するもので、ダム完成時の三田市長だった塔下真次(とうしたしんじ:1925-2013/市長在任期間:1979年8月-1999年8月)が命名したという。それを記念するモニュメントが千丈寺湖岸にあります。


モニュメントには「サンクレセント・ドルメン」と記されていて、その下には「湖底に沈んだ歴史のためのモニュメント 昭和62年(1987年)5月」と書かれています。これはどういう意味なんでしょうか。サンクレセント(saint-crescent?)は聖なる三日月、ドルメン(dolmen)は先史時代に作られた巨石墓という意味。つまり、地図で見るとわかりますが、ダム築造で生まれた千丈寺湖の形が三日月の形をしていて、ダム築造により水没した集落の歴史を記憶に留めるという意味で巨石墓という語を当てたのではないかと思われます。

これを制作したのは環境造形Q。環境造形Qは1968年に小豆島で開催された「日本青年彫刻家シンポジウム」がきっかけで共同プランニング・制作による都市空間の創出を目指して結成された組織。各地にモニュメントを建てていましたが、東京ドームに「ストーンプラザ」(1988年)を制作したのを最後に同年8月に解散しています。(参考

その隣にあるのが、おそらくドルメンと思われます。ドルメンは別名「支石墓」と訳されるように、基礎となる支石を埋葬地を囲むように並べ、その上に巨大な石を載せるという形をとるものだからです。


そこからダム方向に行くと青野ダムの案内板があります。

ダム築造の目的は、洪水調節、流水の正常な機能維持、上水道用水の確保で、

高さ29.0mの直線重力式コンクリートダムだそうです。

そして、築造の経緯は不明ですが、昭和42年(1967年)6月に青野ダム計画が発表され、昭和58年(1983年)10月にダム本体のコンクリート打設開始、昭和60年(1985年)11月に同打設完了。昭和61年(1986年)12月から湛水が開始されます。


その隣には「青野ダム」と刻まれた石碑。

裏側には概要と諸元が記されています。明確に書かれていませんが、おそらく以前青野川の下流で洪水による水害が発生したため水害防止と都市用水を確保するために本ダムは築造されたもののようです。そして昭和57年(1982年)12月にダム工事に着手し、昭和62年(1987年)3月に完成したとあります。さらに築造により湖底には家屋87戸が沈み、田畑と山林の215ヘクタールが水没したそうな。


石碑からダム方向を見ると何やら公園があり、

所定の時間になるとアーティスティックな噴水を見ることができます。写真では分かりにくいですが、実際に見ると面白いですよ。


で、この先にダムがあります。行ってみましょう。


ダムの手前にあるこの建物は「兵庫県阪神北県民局 青野ダム管理所」。



その近くには生野ダムでも見かけたのと同じロボットのような物体が。ん?何か書いてあります。読んでみましょう。

これはタイムカプセルで、青野ダム建設に関する様々な資料を「未来への手紙」として後世の人々に残す目的で作られたものだそうです。ただ、気になるのは「昭和63年(1988年)3月に完成」とありますが、上の石碑の記述と1年違うんですけど、どういうことなんでしょうねえ。


タイムカプセルの隣には「青野ダム定礎」と刻まれた石碑。昭和59年(1984年)8月とあります。

詳しくは1984年8月30日に定礎式が行なわれたんですね。ふむふむ。


で、その先が青野ダムになります。ようやくダムに来たという感じです。そこから千丈寺湖を見るとこんな感じ。


一方、ダムの下流側の様子です。


対岸(左岸)に来ました。振り返ると、こんな感じ。


千丈寺湖側から見たダムの様子。


このブログをいつもご覧の皆様なら、あれ?いつもとパターンが違うぞ!とお気づきのことかと思います。そうです!「ご尊顔」がありません。いや〜、実を言うと下流側に下りて行けば「ご尊顔」を撮ることができるかなと右岸側から下りて行ったのですが、道はあるもののその先は関係者以外立入禁止なのでした。というわけで、撮影できず。

ごめんちゃい。
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