ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

素敵な文化財!…千苅ダム

2022-12-23 06:51:33 | 兵庫(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。今回は兵庫県神戸市北区道場町生野(どうじょうちょう いくの)にある武庫川水系の千苅(せんがり)ダムを訪れます。アクセスは国道176号「道場東」信号を「JR道場駅」方面へ曲がり、県道327号を道なりに行くと道場駅が左に見えるのでその先を左折。すぐ福知山線の線路を越えて右折し、しばらく行くと千苅ダムの駐車場があるのでクルマはそこへ停めます。

これがダム下から見た「ご尊顔」。これね、実際に見ると感動しますよ!


さて、駐車場に到着したはいいんですが、入口と思われる門扉が堅く閉ざされています。ありゃ、万事休すか?


…と思いきや、ふと傍を見ればこんな表示が。なるほど、羽束川(はつかがわ)沿いに歩いて行けばいいのか。じゃあ行ってみましょう。


フェンスに沿って道があるので進んで行きます。


もう少しかな?


まもなく上に挙げたような光景がドーンと現われます。その写真はダム下にある「せんがりはし」から撮ったもので、この橋は大正8年(1919年)5月に架けられたようです。「架」っていう表現は面白いですね。



橋の欄干には何やらありますね。

1998年12月25日に文化庁による登録有形文化財に登録されています。(参考

また2009年2月23日にはこの千苅橋とともに近代化産業遺産に認定されているそうな。


右岸側にはダム横へ通じる階段があるので登ってみます。いや〜、大正期に築造された典型的な石積みの美しいダムです。


ダム横に到着。ご覧のようにダム上に行くことはできません。


そこから見た貯水池の様子です。


そして、下流側を見下ろすとこんな感じ。


右岸、ダム横には「天助人」と記されたプレートが嵌め込まれたモダンなデザインの碑があります。そこには大正7年(1918年)と書かれていて、ダム下の「せんがりはし」の前年に設置されたもののようです。ちなみに「天助人」の出典は、中国、北宋期(977-984)に著された1000巻からなる類書(いわば百科事典みたいなもの)である《太平御覧》(983年編纂)の中の《兵部十八》の《機略六》の《後魏書》。


その下部にはいかにもモダンな神戸だなあと思わせる横文字の記載。そこを見ると工事開始(Commencement)が1914年6月で、竣工(Completion)が1918年12月とあります。

さらにその下には昭和4年(1929年)4月から同6年(1931年)3月にかけて水道拡張工事が行なわれ、堰堤の高さを20尺増し、貯水池の容積を倍にしたことが記されています。


千苅ダムは、さすが登録有形文化財に指定されるに相応しい素晴らしい築造物で、観光名所として是非とも訪れて欲しい場所だと思います。いや〜、すごいわぁ。
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