湘南オンラインフレネ日誌

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発達障害者父親会主催のシンポに参加して/感動的な歌の光と影

2007-11-12 06:50:25 | 引きこもり
【お詫び】シンポの主催者団体名が間違っていました。お詫びし、以下のように訂正いたします。

(誤)日本自閉症協会神奈川支部父親会
(正)発達障害者父親会

以上です。


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発達障害者父親会主催のシンポに参加してきました。横浜の教育会館ホールが、75%埋まる程度の参加者。

以前私たちの集まりにいらしてくださった江原顕さん(横浜市健康福祉局障害企画課就労支援係)、横須賀の特殊研、齋藤宇開さん(国立特別支援教育総合研究所)、チョークを製造している老舗会社の大山泰弘さん(日本理化学工業(株)代表取締役社長)がゲスト講演とシンポを行った。

江原さんの論は、現在直面する課題の提案と、現行の組織によってなしうることに論点があり、この方は市民サイドから提案に答えてもらうと、かなり斬新な道筋を教えてくれる方だという認識を新たにした。

次の齋藤宇開さんは、発達障害児者の教育現場の状況をごっそり関連資料を交えて、猛スピードで語っていった。高等部の膨張とゆがみ。一般就労への希望率や福祉的就労からの離脱意欲の弱さと、再就職の門戸が閉じつつあることを語り、火急な課題への対応は、当事者・支援者のネットワーキングが必要であることを語っていた。資料が新しく、資料的な価値をこちらで吟味する必要を感じた。ぜひ一度湘南講演をお願いしたい方だ。ただ、そのとき大事なことは、齋藤さんの世界は広いから、テーマをしっかり絞っていかないと、参加者がオーバーフローしてしまうことだ。

大山さんは、企業の採用側が心することは、障害者の生活を支えているのだという自覚。知的障害者の再評価をすべきであるという提言だった。やはり当事者意識が抜け落ちた保護論。ダイバーシティ・マネジメントを論じている企業人と比較すれば実績の重さはあるけれど、時代に即していない感を受けたのだった。

最後の3分間は、父親会の力作のイメージメッセージ。「生きてこそ」と感動的な歌詞の曲が流れる中、生まれ育つ子のアルバムが投影された。涙腺が緩む渾身の提言だったのだが、私は寒気に震えていた。私は前日、辻堂駅の線路脇に突っ立っていた。故*君の誕生日、「生きていればこそ」とこぶしを握っていた。

私は主催者とおそらくお互いのつながりを感じ取っている参加者の方々を目の前に、深い淵を見てしまったからだった。私の目の前に、私と出会い、力及ばずして自害した引きこもり青年の希薄な笑顔や、身を引き裂かれる思いで、激痛を抱えて絶望淵に沈んでいった遺族の方々の表情が通り過ぎていったからだった。早すぎる切断、行き急いだ青年や遺族たちに、この曲は聞かせられないと思った。深い生への共感は、残酷な問いに転じてしまう。善意と信じて作られた曲でも、痛み堪える者に無自覚ではならないと感じていた。私はふたつに引き裂かれ、だから沈黙を守った。単純に情動で人を組織してはならないと思うのだ。強い光には深い影ができる。宗教や政治宣伝・扇動CMなどの危険性も同根だが、私の言いたいことは、泣く人を出すなということ。知らぬうちにひとの足を踏んでいることがある。この感覚は忘れないで欲しいのだ。

夜間傾聴:町田さん(仮名)
     旗の台君(仮名)
午前巡回:大森君 (仮名)

(校正2回目済み)
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