春期講習が始まっている。私のような爺ぃは、取り出し指導という、気になる生徒を一斉授業の教室の後壁側に対面机席を用意して別指導する、いわゆる「キャッチアップ」屋になる。成績が悪い生徒を呼び出すのではなくて、いまひとつつかえて先の学習にひっかかりそうな生徒を、出来るだけ広範に引き抜く。私のひと言で、学びの便秘が治ればいい。一斉授業の担当講師に、生徒個々人の状況を返していく。チーム・ティーチング(TT)と書くと、顔文字では泣いている。私と組んだ若手講師は私が注文が多いから災難なのだ。だからというわけでもないだろうが、私に訪問指導の用件を作って教室外に押し出している様でもある。
年寄りのひがみはともかくとして、年度が代わる事は自分の取り残され感の付きまとう不登校・引きこもりの子にとっては、憂鬱な時期である。「ひとはひと」と諭されるが、それが割り切れれば苦労はしない。
ここ数日、不規則な授業支援への呼び出しと、訪問指導が一応入っていた。一応というのは、通勤時間の方が業務時間より長いこともあるからだ。約束の時間に行っても会ってくれなかったり、はずしてゲーセンや本屋に出かけてしまう者もいる。約束破りははっきりと怒るが、空転待機のあいだ、彼の部屋から私は幽体離脱して、彼のくそ面白くない顔に連れ添っている。彼は、ひと気のない通路を選んで、用事のあるふりをして雑踏を横切って、路地伝いに家に戻ってくる。私の幽体は、ひたすらそれを追っている。馬鹿だなあと幽体離脱していた私を自嘲し、彼の御宅から失礼する。勿論、実際に彼が何処に行ったのかを知ることは出来ない。
こんな日は、そのまま次のひとのところを回ることはしない。空転した彼の顔を思い浮かべなおす。一度彼との交流の経過を思い出せるだけたどりなおし、彼がまっすぐ自分を見たところで両手を重ねる。仕切りなおしの儀式のようなものだ。これをしなければ、つぎのひとに感情の余波をぶつけては失礼ではないかと思うからだ。
こういう空転を含むから、私の給与は単純な時間給ではない。成果あってなんぼ、彼と家族が訪問に価値を感じてなんぼの世界だ。交通費だけは保証されているから、それだけでも恵まれている。
今回はひとり空転した。巡回は終了後、一度茅ヶ崎か辻堂に戻る。そこで本校に確認を取って終わりとなる。
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私は今回巡回終了後、藤沢側の特養と、もうひとつ、茅ヶ崎の老健をまわってきた。藤沢側の順待ちは390人。茅ヶ崎市民は優先順位が下位になる。ここはそれでも待ち人数が少ないところ。藤沢市内なら400人台はざらにある。
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父は宗教団体の春の行事が頭に染み付いている。だから3月末になると落着かない。父の人間関係を絶ってはいけないと思い、宗教団体関係者も父の寝室まで迎え入れている。彼らの話から、今が3月でありその行事が近いことを知る。彼らは、父が行事に参加できないから、経過を報告するつもりでいる。ところが父は、出かけるつもりでいる。このギャップが埋まらない。話題に出すのを止めて欲しいと言っても事態を理解できないから、別人が来ると、また行事を話題にする。
だから門のチャイムが鳴ることに冷や汗をかくことになる。父が猛然と起き上がり、窓辺に走りよろうとして転倒するからだ。宅配便が来たときは、父が階段を降り始めていて、私が阻止しに階段に向かったが、宅配業者には事態が理解できず、何回と無く私を呼んだ。応答するが私の声は通りが悪く、先方に聞こえないために話はもつれていく。幸い母が機転を利かせて、トイレから飛び出し難なきを得たが、春期講習期間でもあり、父の転倒や危険行為で、いつ呼び出しの電話がかかるか、気が気ではない。
昨日は、窓辺にテーブルを置いて、父がそれ以上近寄れないようにしてあるのだが、窓の壁とテーブルの間に、逆立ちするようにはまり込み、時間が長かったのだろう、周辺が尿の海となり、郵便物を投函しに20分ほど家を空けた母が父を発見。訪問看護師に救急応援を頼む事態になった。私や看護師が手を貸さないと、重い父を動かせないのだ。帰宅した私は1時間ばかり、母からその事態の小言を聞くことになった。しかし父は、夕食の箸が床に落ちたから拾ってくれと、その説教の最中ですら、母の声を掻き消すような大声で怒鳴っている。憂鬱が流れ込んでくる。介護者がつぶされてしまうと思う瞬間だ。
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私は年度替りを節目にして、諸活動の新年度の方針をまとめている。このとき、父の介護による中断があらゆるところに影響してしまうので、40年近く続けてきた教材開発や指導法研究の教育関係活動を絶った。(「湘南オンラインフレネ」はブログのみ活動)社会的困難を抱える方の地域就労支援活動とコミュニティ形成の地域放送等ミニコミ活動の中の、在宅活動が可能な部分を必ず入れて、ここに集中して活動することにした。
「『わーく』編集部」、私の参加活動として「さぽちが・地域就労支援PJ」、「湘南あすなろ会」、「スペアちがさき」の4団体の活動である。
元特殊研の方との視角シンボル研究のメール交換
教科教材開発の某研究会
通信教育開発関係の研究会
任意の部分の夜間傾聴(元の塾生)
軽度発達障害関係研究者団体
ここを休止した。活動量にして4分の1程度の比重の部分である。背水の陣の気分なのだが、放棄した活動は壊れるのは早い、取り戻せるとは思っていない。
今年、私が端緒をつけなくてはと思っている課題は、地域潜在する引きこもりの方や社会的挫折者、軽度障碍、野宿者の方、そして手帳のある諸障碍の関係者活動を横断する地域起業関連の対話の萌芽を作ること、すなわち「わーく」発刊、画像放送開始が最大の焦点となる。
野宿者自立支援関係では、「湘南あすなろ会」のビッグイシュー販売のモノカルチャーからの脱出。
生活支援関係>生活緊急連絡カード湘南版作成配布
地域起業関係>放置傘路上販売関連
この辺を詰めていきたい。
「わーく」と「さぽちが・地域就労支援PJ」、「スペアちがさき」関連は、別にまとめて書いていく。
夜間傾聴:大森海岸君(仮名・こちらから)
町田3君(仮名・久しぶり)
******君(仮名・母親)
------ いずれも3/27
p.s. 寒川町議会事務局・平塚市&藤沢市市民活動センターに、湘南HL便りNo.5を配った。個人宛配布8通済み。
月曜日は平塚市老健入所申請の巡回、2ヶ所の予定。
(校正2回目済み)
年寄りのひがみはともかくとして、年度が代わる事は自分の取り残され感の付きまとう不登校・引きこもりの子にとっては、憂鬱な時期である。「ひとはひと」と諭されるが、それが割り切れれば苦労はしない。
ここ数日、不規則な授業支援への呼び出しと、訪問指導が一応入っていた。一応というのは、通勤時間の方が業務時間より長いこともあるからだ。約束の時間に行っても会ってくれなかったり、はずしてゲーセンや本屋に出かけてしまう者もいる。約束破りははっきりと怒るが、空転待機のあいだ、彼の部屋から私は幽体離脱して、彼のくそ面白くない顔に連れ添っている。彼は、ひと気のない通路を選んで、用事のあるふりをして雑踏を横切って、路地伝いに家に戻ってくる。私の幽体は、ひたすらそれを追っている。馬鹿だなあと幽体離脱していた私を自嘲し、彼の御宅から失礼する。勿論、実際に彼が何処に行ったのかを知ることは出来ない。
こんな日は、そのまま次のひとのところを回ることはしない。空転した彼の顔を思い浮かべなおす。一度彼との交流の経過を思い出せるだけたどりなおし、彼がまっすぐ自分を見たところで両手を重ねる。仕切りなおしの儀式のようなものだ。これをしなければ、つぎのひとに感情の余波をぶつけては失礼ではないかと思うからだ。
こういう空転を含むから、私の給与は単純な時間給ではない。成果あってなんぼ、彼と家族が訪問に価値を感じてなんぼの世界だ。交通費だけは保証されているから、それだけでも恵まれている。
今回はひとり空転した。巡回は終了後、一度茅ヶ崎か辻堂に戻る。そこで本校に確認を取って終わりとなる。
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私は今回巡回終了後、藤沢側の特養と、もうひとつ、茅ヶ崎の老健をまわってきた。藤沢側の順待ちは390人。茅ヶ崎市民は優先順位が下位になる。ここはそれでも待ち人数が少ないところ。藤沢市内なら400人台はざらにある。
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父は宗教団体の春の行事が頭に染み付いている。だから3月末になると落着かない。父の人間関係を絶ってはいけないと思い、宗教団体関係者も父の寝室まで迎え入れている。彼らの話から、今が3月でありその行事が近いことを知る。彼らは、父が行事に参加できないから、経過を報告するつもりでいる。ところが父は、出かけるつもりでいる。このギャップが埋まらない。話題に出すのを止めて欲しいと言っても事態を理解できないから、別人が来ると、また行事を話題にする。
だから門のチャイムが鳴ることに冷や汗をかくことになる。父が猛然と起き上がり、窓辺に走りよろうとして転倒するからだ。宅配便が来たときは、父が階段を降り始めていて、私が阻止しに階段に向かったが、宅配業者には事態が理解できず、何回と無く私を呼んだ。応答するが私の声は通りが悪く、先方に聞こえないために話はもつれていく。幸い母が機転を利かせて、トイレから飛び出し難なきを得たが、春期講習期間でもあり、父の転倒や危険行為で、いつ呼び出しの電話がかかるか、気が気ではない。
昨日は、窓辺にテーブルを置いて、父がそれ以上近寄れないようにしてあるのだが、窓の壁とテーブルの間に、逆立ちするようにはまり込み、時間が長かったのだろう、周辺が尿の海となり、郵便物を投函しに20分ほど家を空けた母が父を発見。訪問看護師に救急応援を頼む事態になった。私や看護師が手を貸さないと、重い父を動かせないのだ。帰宅した私は1時間ばかり、母からその事態の小言を聞くことになった。しかし父は、夕食の箸が床に落ちたから拾ってくれと、その説教の最中ですら、母の声を掻き消すような大声で怒鳴っている。憂鬱が流れ込んでくる。介護者がつぶされてしまうと思う瞬間だ。
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私は年度替りを節目にして、諸活動の新年度の方針をまとめている。このとき、父の介護による中断があらゆるところに影響してしまうので、40年近く続けてきた教材開発や指導法研究の教育関係活動を絶った。(「湘南オンラインフレネ」はブログのみ活動)社会的困難を抱える方の地域就労支援活動とコミュニティ形成の地域放送等ミニコミ活動の中の、在宅活動が可能な部分を必ず入れて、ここに集中して活動することにした。
「『わーく』編集部」、私の参加活動として「さぽちが・地域就労支援PJ」、「湘南あすなろ会」、「スペアちがさき」の4団体の活動である。
元特殊研の方との視角シンボル研究のメール交換
教科教材開発の某研究会
通信教育開発関係の研究会
任意の部分の夜間傾聴(元の塾生)
軽度発達障害関係研究者団体
ここを休止した。活動量にして4分の1程度の比重の部分である。背水の陣の気分なのだが、放棄した活動は壊れるのは早い、取り戻せるとは思っていない。
今年、私が端緒をつけなくてはと思っている課題は、地域潜在する引きこもりの方や社会的挫折者、軽度障碍、野宿者の方、そして手帳のある諸障碍の関係者活動を横断する地域起業関連の対話の萌芽を作ること、すなわち「わーく」発刊、画像放送開始が最大の焦点となる。
野宿者自立支援関係では、「湘南あすなろ会」のビッグイシュー販売のモノカルチャーからの脱出。
生活支援関係>生活緊急連絡カード湘南版作成配布
地域起業関係>放置傘路上販売関連
この辺を詰めていきたい。
「わーく」と「さぽちが・地域就労支援PJ」、「スペアちがさき」関連は、別にまとめて書いていく。
夜間傾聴:大森海岸君(仮名・こちらから)
町田3君(仮名・久しぶり)
******君(仮名・母親)
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p.s. 寒川町議会事務局・平塚市&藤沢市市民活動センターに、湘南HL便りNo.5を配った。個人宛配布8通済み。
月曜日は平塚市老健入所申請の巡回、2ヶ所の予定。
(校正2回目済み)