SFC(慶応大湘南)秋祭最終日に覘きに行く。FHCYのタイ障害児の絵画展があるとのこと、そこの関連サークルと、街づくりの実践をされている花田さんと出会えないかというのが狙い。自己紹介チラシを持って出かけた。これがどうもいけないらしい。
地域住民が学生サークルと出会える場所というのは、ありそうで少ない。だから学園祭とか公開研のような場を使わせてもらうのだが、今回は無残だった。学園祭は遊びの場、余計な理屈は持ち込まないという論も間違いではない。ただし面会も制限というのはおかしい。白けるというのだろうが、学園祭は内輪の宴会ではなく地域に開かれている。
辻堂駅からバスに頼ると一時間に1~2本しかない。湘南台駅行きに乗って「矢尻」というバス停で降りて20分強歩く。到着したとき、もう全体はフィニッシュ準備の段階。いそいで会場を探すがFHCYの展示がわからないし、プログラムにも出ていない。別の企画の中で絵を使ってるのだろうと判断。回るがいない。そこでプログラムに首っ引きで、関心を持ってくれそうなサークルを探すが名前からでは、やってることが判断できないサークルが多く、その多くがサークル名をはっきり出さずに、模擬店でステレオタイプの焼きそば等の販売しているので手に負えなくなった。片っ端に聞くわけにもいかない。
そこで学園祭実行委本部の場所を聞くが、皆方向違いを教えてくれる。知らないのだ。4・5回目に、やっと場所がわかり本部を訪ねた。
本部役員の方に面会を申し込んだ。自己紹介の名刺とチラシを渡して「11/28に…という行事をやる」関心があってお手伝いしてくださる方はいないかとここにきたのだと語る。
本部の委員は驚くべき突っけんどんなものだった。
ほ:「このような放送はできませんね。」
と:「放送依頼にきたのではない。関心を持ってくれそうなサークルの手がかりを求めてきたのです。」
ほ:「チラシを撒いてはいけませんよ。サークルを紹介するわけにもいかない。チラシを持ち出すことも禁止します。」
と:「ボランティア関連のサークルはないのですか。」
ほ:「お帰りください。面会も禁止です。」
学園祭は遊びの場、野暮なものを持ち込むなという話だろうと、名刺を返してもらい本部を去った。こんな失礼な対応をした大学は初めてだった。
看護医療学部関係ならいるかもしれない…。そう思い直して学部棟へと向かう。ぽつりとはずれたところに棟がある。道は閑散としてひと気がない。特別な展示もない。入口の守衛さんに確認して棟内に入る。ひと気のないYEARBOOKと描かれた看板のそばに立っている学生さんに相談する。FHCYの絵の展示というのは全く知らない。ただ2つボランティアのサークルがあるから聞いてみたらどうかと案内されたのがPulseという心身障害関連のボランティアのサークルだった。話し方が医療現場の職員の応対のような違和感はあったものの、親切に隣の障害国際交流のPeaceというサークルまで連れて行ってくれた。
事情を説明し、チラシを置いてきた。何枚かは他のサークルメンバーに渡してくれるという。Pulseは、地域共同作業所に出入りしている関係で、僕らのフォーラム祭実行委の上杉さんが関連しているトムトムと交流があった。話し込んでいると彼らが4年生であり、後継者がいないと悩みを語ってくれた。たしかにここは学園祭番外地のようだ。観客はサークル員の親御さんの祖父・孫がふたりぼんやりと壁を眺めていたが、全く人通りがないのだ。
片方ではボランティアを毛嫌いする本部役員がいて、こちらでは存続が危ぶまれている。SFCの学生さんとて視野は平板なのだろうと思ったり、道に迷ったときの熱心な応答などを思いつつ、十把ひと絡げは危険とセーブしつつも、この落差はひどいものだと思った。