2022/03/20記
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3/20
体調が芳しく無い母を留守番させておくことが気になったが、母の希望もあって、母方の墓参をひとりで、行ってきた。本数が少ない路線バスとのつながりや、帰りの予約制無料送迎バスの空席に入れたことなど、今回は時間がかからずに終わった。
墓石の清掃用の雑巾を忘れて、ずうずうしく墓苑管理事務所に相談したところ、汚れた雑巾では仏さんに申し訳ないからと、事務所の新品の雑巾を大騒ぎで探してくださった。職員の方に感謝した。珍しく暖かい気持ちで駅にもどることができた。この頃、弟夫婦は、やっとコロナワクチン副反応から抜け出したところだった。
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都内の父方の墓を次に廻るには遅いし、下北沢の「一瞬の涙」上映には4時間の間があった。JR相模原の塾が乗り換えなしだったので、思いつきで立ち寄った。
塾長は留守で、ウクライナの民族楽器バンドゥーラ奏者を探していると、奥さんが話してくれた。皆、考えていることは、同じだから、だめだと思うよという話。塾のチャリティー•コンサートを画策している模様。私を手伝わせようと、話がかわってきたので退散してきた。相模原ベースの話である。遠いから母をかかえていたら無理だからだ。実現したら券販売は協力する。
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町田乗り換えで下北沢に出る。母の様子確認。クロムッシュを食べているという。パンを買いに外出したのがバレた。これだから目を離せないと怒っていると、浜見平の@@さんの差し入れだという。@@さん、感謝です。
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下北沢は3回目。縁のない町だ。1回目は「上海バンスキング」だったか本多劇場、2回目は東日本大震災の被災犬猫の里親仲介、そして今度だ。「下北沢トリウッド」は、「餃子の大将」のそばまではわかったが、さあ、わからない。沽券もくそもかなぐり捨てて、目の前のブティックの学生バイト風の娘さんに聞いた。すると「おじさん、こっち」と案内してくれた。「おじさん」が気に入ってついていくと、眼の前の建物の階段を上った2階奥、50席弱の小さな映画館だった。これは、わからない。
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「一瞬の雨」は、秀嶋賢人監督•脚本による作品。試食販売員の中年女性が、非正規バイトとして解雇され、家賃を払えなくなり、路上を彷徨っていた。バス停横のベンチで座り込んでいた。その姿を近所の初老の男性が「目障りだ」という理由で撲殺してしまう。この事件を扱った作品だ。会場は10名ほど。
観終わって、学生作品によくある勝手な思い込みを押し付けられたときの二日酔いのような不快感をもった。
主人公は貧困のなかでも、笑顔を忘れず接客し、同輩の面倒を見ている。助けられた若い女性は、危機を公的支援につなぐことで何とか脱し、今度は解雇で路上化する主人公を、NPO職員となって、女性は主人公を励ました。 、逆にさとされて、挫折を脱するという場面で、何と突然終わってしまう。折れそうだった若い女性は、信念の正義の味方に変身する不自然さ。
だいいち、解雇した経営者、水商売の紐に追われて暴力をふるわれる若い女性を更に狙った暴力団風の男性、そして女性を撲殺した近隣男性については、なにもかたらない。不条理な社会は、手付かずだ。
貧困のなかでもステレオタイプな、賢明にいきる人物像。中ロや北朝鮮のプロパガンダ映画に出てきそうな正義漢。
頭が痛くなって、帰宅した。いただけない作品だ。浅い!
(校正2回目済み)