2015/10/30 記
--------------
「わーくNo.059 β版」の校正を行いました。峯本佳世子氏の紹介記事を書いています。また神戸のNPO打診がひとつまとめられないかメール交換をしています。了解がとれれば、次回公開します。
----
胃の内視鏡病理検査の結果が出て、ほっとしています。胃内壁は正常でした。整形外科の足腰の治療も薬半減になり、薬の離脱に入りました。あちこちポンコツで、いやになります。糖尿病は一生のお付き合い。
「わーく」印刷は明日。11/1号にすればよかった…。
以下は「わーくNo.059」の一部(全8頁)
夜間傾聴:ひとり
(校正1回目済み)
---- ここから ----
「わーく OnlinePicUp No.059」
(P.1表紙)
☆☆「福島大鈴木ゼミの『いるだけ支援』に教わったこと/学生だからこそ出来る支援の形」☆☆
●NHKの「目撃!日本列島『“いるだけ”で何ができるんだろう?』」が紹介する支援に手ごたえを感じた。熱心な支援者がすでに行っている長期滞在支援であるが、「3ヶ月」という企画に微妙な匙加減を感じた。福島大学行政政策学類の「鈴木典夫ゼミの会」のゼミ生に出した宿題 「3ヶ月の『いるだけ支援』」は学生さんにはベストな支援であると感じたからです。方法は3ヶ月間、ただゼミ生が仮設に移り住み、仮設入居者と生活をともにする」それだけ。この支援は、仮設入居者の方々と仮設の日常生活のお付き合いを通じて、被災とは何か、そしてどのような悩みを抱えている方々がおり、それを自分達が支えようとしているのかということを肌で感じるものだ。
彼らは「盆踊り」を企画したが、別に企画しなくともよい。ただ入居者の方々と積極的に交際し、お手伝いをすることが義務付けられているだけだ。「盆踊り」は入居者の方々への良い置き土産になったようだ。若者が仮設コミュニティにいるということは、入居者にとっては若い活気を持ち込む価値がある。
仮設の3ヶ月間を終えたゼミ生から、実にいい感想が出ている。「これってボランティア、超えちゃっている」とか「災害ボランティアじゃないよ。田舎のじいちゃん、ばあちゃんのところに行くような感覚になったんだ」「これからもちょくちょくのぞきにくる」という言葉だ。
東日本大震災から4年半余経った今、本当に必要な支援は、公的な場の交流から、私的な対話重視に望まれる場面は転換しているように思う。被災者の多様化するニーズと、何気ない出会いの話題に込められた気持ちの交流から伝わることは、実は深く、そしてリアルだ。学生さんという柔軟な時間があるからこそ出来る、的を射た教育的支援活動ではないか。
「わーく」では引きこもり青年や社会人や、特に家族を持った方々に勧める支援として「被災者宅への民泊と対話」だと提案してきた。家族づきあいできたなら、なすべい課題が見えてくるだろうと言って来た。ただ一般の御宅にお邪魔することだから、先方の負担が大きい。また「"ナイター"と称する"対話"」は、やはり家庭の事情隠しという他人行儀な遠慮の壁が潜む。
学生さんでないと実現が難しいが、「いるだけ支援」は、その難点を解決してくれたように思う。この支援実践を教育関係者に紹介して行きたいと思う。
----------
(p.2)「<連載>個人医療情報QRカードの検討 018」
<マイナンバー・カードを生活総合カードにするのは危険/機能分割し、災害対策『お薬手帳QRコード版』を作ろう!>
//////////////////
●10~11月に、マイナンバー・カードの交換券が配布され、予定では来年1月から希望者に「マイナンバー・カード」が配布される。マイナンバーカードは、所得管理や身分証明証になるが、それ以外の生活諸場面の多機能を持たせる予定になっている。特に特定健診の受診記録や、生活必需品である生鮮食料品の消費税2%分の申請による年度末還付などの機能が考えられている。
●しかし、例に例えると運転免許証や健康保険証を掲示して、ポテトチップスを買うだろうか、分散管理されているとはいえ、カード紛失時の個人情報悪用の危険性を感じてしまう。「悪いことをしていなければ、秘密にする必要はないだろう」という論理、税務管理上の利便性はあっても、当人の必要性は納税手続き上の場面しか見えない。機能を多機能化していけばいくほど、自分のすべてを国家に預けて行くような不快感を感じる。このカードに商品ポイントカードや病歴管理を載せるのはどんなものだろうか。従来の機能分散は、ひとつのセクションから個人の全体像が見えないところに、個人のプライバシーが保たれていた。所得管理の必要性は行政の必要性であって、機能拡大は追加の付加価値。この機能拡大はするべきではない。
●「お薬手帳QRコード版カード」は、災害時の治療上の必要性と、生存情報管理の必要性から生まれた。「お薬手帳」の携帯性向上と、プライバシー保護の向上を目的にしている。処方箋書式の変更によって、治療中の病気名と常用薬リスト、緊急連絡先(自宅・職場)そして基礎情報の氏名・年齢・性別・住所そして、任意情報として体重・血液型・アレルギー情報・病歴概要をQRコード化してカード台紙に貼り付ける。それが「お薬手帳QRコード版」だ。応急処置後、入院や通院治療の際、役に立つ。看護師や医師の皆が持つ携帯アプリで読み取りができ、それはメール転送でき、エクセルにも直接読み取れ、手書きカルテより効率的にカルテ化できる。直接は文字情報よりも、記号のために秘密性が高い。自己表現できない乳幼児・傷病者・障がい者・高齢者・外国人の医療情報を保証する。また災害時の生存情報集団発信が出来る。こうした防災カードを公認の任意カードとして、コストと利用柔軟性を考え、わざと古いメディアで提案するものだ。このカードは、マイナンバー・カードの拡張機能として検討されているが、機能分散を担う別カードとして、あえて提案する。(つづく)
---------
(p.7)
「10/21 阪神淡路大震災(都市型災害)の経験に出会うために、神戸に行ってきました」
<>
●「災害弱者援護・経験交流茅ヶ崎懇話会」は、年3~4回災害医療と福祉のゲストを招いて要支援者支援の懇談をしている。「わーく編集部」はこの懇談を支えている。第8・9回目のゲスト講師を捜すことを第一目的に、神戸に行ってきました。丸一日の短い時間だったので、事前に打診連絡を入れた上の日程でした。懇話会は「災害時要援護者支援関係者」の集まりで、今回はまず12月末の「高齢者支援」関係のゲスト、そして、来年度4月の障がい者支援」関係ゲストを懇談会講師として捜そうとしていました。
●20年前の阪神・淡路大震災をなぜ今頃とりあげるのかと思われるかもしれません。東日本大震災は、東北3県の太平洋沿岸部が主要な被災地でした。この地帯は第一次産業(主に農漁業)とそれに付随する加工業の、いわば自営業のモノ・カルチャーの町、地縁・血縁の絆の濃い地域という特徴がありました。非被災地からの支援も、「地元商品の購入が被災者の家計を潤す」という論理がそれなりに通用する地域でした。一方、湘南という大都市近郊地域は、様々な職種の人が「賃労働」をしているため、販売収益は被災者に直結していません。その職場に近い、地域との結びつきが希薄な「都市型」といわれる地域です。そこには「都市型」の支援の仕方がおのずと違って来る面があります。この「都市型災害と支援」を20年という長いスパンで追体験させてくれるのが阪神・淡路大震災でした。第二に、街という入れ物への支援から、避難も生活再建も自主解決力の弱い「災害時要援護者」たちを取りこぼさない「ひとへの支援」を関心の中心にすえる人道支援が、まだまだ外野の応援の域を出ない状況に留まっています。懇話会第二回の故・黒田裕子さんの講演の際、復興住宅入居後、絆を失い孤立死に追い込まれる単身高齢者が今も続いているという話に、支援活動は、被災者が復興住宅に入れば終わりというわけではないことを知りました。被災時に心身を負傷した被災障がい者のことも震災の記憶の希薄化によって、見えなくなっています。こうした「要援護者」支援を長いスパンで支えている体験者を捜していました。
●3つの行政・医療関係者と、1つの障がい者施設関係者、3つの支援団体、ひとりの学者さんとひとりの元地方紙記者さんに連絡を取り、すべての行政・医療関係者とひとりの学者さんに出会い、相談を持ちかけ、1件話がまとまりました。「わーく」としては、その経験懇談の中から、若年者の社会参加としての災害ボランティアの企画を抽出していきたいと考えています。「若い力が必要とされる体験」を企画する活動です。
●ゲスト探しの大きな壁は20年という時間の壁でした。災害経験者という条件が出会いを困難なものにしました。行政関係の方がふたりと、ひとつの支援団体代表が来年度ゲストの可能性を含んで継続調整中ですが、峯本佳世子さんという西宮市在住の学者さんが12月末、茅ヶ崎にやってくることになりました。つい最近「地震災害と高齢者福祉―阪神淡路と東日本大震災の経験から」(ISBN:9784861892578)という著書を上梓されています。第8回懇話会は峯本さんをゲストに、関西の長期支援の現状の懇談を行うことになりました。「都市型地域」の要援護者支援の眺望を懇談します。行政の方は来年、議会が終わった時期から後、第9回の懇談を設けます。 (飛田)
-------
(p.8)
<<11月/金曜災害ミニ・カフェ予定>>
それぞれ pm7:00~9:00 茅ヶ崎市民活動サポートセンターにて
11/6 第40回:
--------------
☆「いるだけで何が出来るんだろう? ~大学生“仮設”で暮らした3か月~」
●6月下旬、福島大学の学生が、被災地では珍しい取り組みを始めた。その名も「いるだけ支援」。仮設住宅に実際に暮らし、「いる」ことで、いつでもきめ細かなサポートをしていこうというものだ。福島県浪江町の被災者が暮らす、福島市の北幹線第一仮設住宅。住民の250人のうち、約6割が高齢者。仮設暮らしが長引き、引きこもりや孤独死も心配だ。果たして“いるだけ”支援は住民に届くのか。
☆「阪神・淡路大震災20年『あの日の記憶をつなぐ~舞子高校 環境防災科~』」
●日本で唯一防災を専門的に学ぶ兵庫県立舞子高校・環境防災科の卒業生に密着。1995年の阪神・淡路大震災の教訓を語り継ぐ取り組みを紹介。
11/20 第41回:
---------------
☆「ハートネットTV『明らかになったDV被害~東日本大震災の女性たち』
☆「ハートネットTV『鉄の扉の中の孤独~阪神・淡路大震災20年後の"教訓"」
●両者とも再検討番組なので、紹介を略します。災害避難生活が表面化を抑制していたDVが、広範に潜んでいた、また災害復興住宅入居後の孤立死急増等、被災後数十年後まで影響が続いています。その事例の記録。
(p.3~6 は、金曜災害ミニ・カフェのレポート。長いので後日)
---- ここまで ----
以上