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春信の春、江戸の春 価格:¥ 840(税込) 発売日:2002-10 |
日本の賢人が、足繁く通ふ家に育つた氏は、今は浮世絵を研究していらした。春画がその中心であるが、その展覧会は日本ではできないといふ。東欧では、すでに開いたが、日本では未だポルノとしてしか見られないのではないか、さう危惧してをられた。春画が持つ意味をどうにかして、照れることなく日本語で表現したい。さう語つてをられた。
江戸といふ時代に対する評価をうかがつた。そこで出てきたのが、タイトルの「江戸は二度死んだ」である。一度は明治維新によつて、そしてもう一度は敗戦によつてである。福田恆存なら、関東大震災をあげるだらうが、いづれにせよ、江戸とは断絶されてしまつた。春画も仮名遣ひもさうである。
私は、江戸礼讃に與するものではないが、興味深いお話は続いた。
帰宅後、白洲正子の本を手にしたら、早川幾忠について書かれてゐた。新潮文庫の『遊鬼』の表紙絵は、その御尊父の描かれたものであつた。
遊鬼―わが師わが友 価格:¥ 460(税込) 発売日:1998-06 |
![遊鬼―わが師わが友](http://ec1.images-amazon.com/images/I/21N646PPCJL.jpg)