言葉の救はれ・時代と文學

言葉は道具であるなら、もつとそれを使ひこなせるやうに、こちらを磨く必要がある。日常生活の言葉遣ひを吟味し、言葉に学ばう。

健鬪を祈る

2012年02月24日 22時31分54秒 | 日記・エッセイ・コラム

   明日は、國公立大學の二次試驗。教へて來た生徒らの勝負の一日です。

   心より健鬪を祈つてゐます。

   大きく準備して小さく期待する――私はさうして歩んで來ました。時に小さな努力で大きな成果を期待してしまひさうになるけれども、強く戒めて道に戻らうとして來ました。

   君がもし大きく準備して來たと思ふなら、小さく期待してみてほしい。慾張らずに最初の頁をめくる前に一呼吸置いて、周圍の人人が慌ててめくる姿を見てゐる餘裕があればいい。

   「急ぐことなく、むしろ彫刻家の愼重さで」(アラン)そんな受驗の仕方もあると思ふ。

  準備が足りなかつたのなら、なほさら期待せずに、勉強するつもりで臨んでみるのもいいかもしれない。小さな準備なら、期待する方が間違つてゐる。

   一つの教科が終はつて、自分だけの手應へで考へるのはやめよう。その問題が難しかつたのか易しかつたのかはまだ分からないのだし、自分の手應へなるものも不確かなものなのだから。

    すべての教科が終はるまでは答へ合わせはやめること。自分一人の出來不出來では何も決まらない。

   心より健鬪を祈ります。

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『常用漢字コアイメージ辞典』への賛否

2012年02月15日 22時09分01秒 | 日記・エッセイ・コラム

常用漢字コアイメージ辞典 常用漢字コアイメージ辞典
価格:¥ 5,040(税込)
発売日:2011-10-22
 先日の毎日新聞の書評欄で、山崎正和氏が表記の『常用漢字コアイメージ辭典』を取上げてゐた。山崎氏らしいまとめかたで、その本の中心テーマをくつきりと浮び出す書き方は讀んでゐて興奮してくるほどだ。毎日新聞のホームページでも讀めるから、關心があれば一讀をしてみてはいかがだらうか。

                    ☆

 漢字學の泰斗白川靜の「摸寫圖形説」を根本的に否定する加納喜光氏のこの辭書は、漢字を生み出したで支那であつても、無文字時代があつたのであるから、音のイメージによつて文字のまとまりがあるはずだといふ學説によつてゐる。

                    ☆

 この支那にだつて無文字時代はあつたのである、といふ指摘にはびつくりした。なるほどさうだと、目を開かれるやうな思ひになつた。それで、早速本屋に行き、その辭書を見てみた。氣になる漢字をいくつか見たのだが、正直がつかりした。自身の學説に縛られ過ぎではなからうか。何でもかでも「音・イメージ」で捉へるといふのは、漢字の會意性や象形性を無視し過ぎてゐると感じられたからだ。白川靜の學説もあまりに漢字を呪術性に引き寄せ過ぎてきれいすぎる大系であるが、この「音・イメージ」説は、もつと恣意的のやうに感じた。

                    ☆

 山崎氏も專門家ではないと自身を斷つてゐるが、漢字學の專門家からの意見をうかゞひたい。値段は5040圓で、辭書としては妥當なものであるが、私は今囘手にすることをやめた(やつぱり高いですね)。

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福田恆存の『龍を撫でた男』

2012年02月01日 21時26分05秒 | 告知

福田恆存の『龍を撫でた男』が上演されるやうだ。

以下のやうな紹介文。本当にこの作品を理解してゐるかどうか心もとない。が、関心のある方はどうぞ。

オリガト・プラスティコ5回目の公演は、 福田恆存の昭和27年発表の戯曲に演出家・KERAが挑戦。 ある精神科医の家庭を舞台に繰り広げられる、 エロティックでへんてこりんな大人の悲喜劇。

【作】福田恆存

【演出】ケラリーノ・サンドロヴィッチ

【出演】山崎一 広岡由里子 緒川たまき 赤堀雅秋 大鷹明良 ほか

【主なチケット代】5500円

場所は、本多劇場。

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