言葉の救はれ・時代と文學

言葉は道具であるなら、もつとそれを使ひこなせるやうに、こちらを磨く必要がある。日常生活の言葉遣ひを吟味し、言葉に学ばう。

シドニー!

2011年04月27日 22時06分30秒 | 日記・エッセイ・コラム

 今月は、夜の九時半頃に帰宅し、食事をしたあとにコーヒーを飮んで部屋に入るとメールをチェックするのが精一杯で、もう眠氣に勝つことはできない。こんなブログでも毎日60件ほどはアクセスをしてくださる讀者もゐるのだが、どうにも書込むゆとりがない。

   一つには、思はぬ人事異動で中學校一年生の擔任をすることになり、忙殺される日日であるといふことがある。そして、その影響で文章を書く時間がなくなり、いよいよ筆を持つのが億劫になつたといふことも大きい。あるいは思考が何かをじつくり考へるといふところに向はないのである。なあに、これまでだつてそれほどのことを君はそもそも考へてはゐないではないか、と言はれればその通りではあるが、それでも無い智慧絞つて何かを書いてきたといふ自負もないわけではない。

  だから、やはり書きたいといふ思ひはある。今日は、夕方には歸宅が出來たので、書かうといふ氣持ちにまかせて書いてみようと思ふ。

   簡單な日記をリハビリついでに書くことにする。

   

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 じつは、今月の頭に、三泊四日のオーストラリア旅行に出かけた。20年ほどの前に東京で知りあつた韓國人の友人に會ふのが目的である。15年ほど前、彼は留學を終へ韓國に歸り、私は九州に轉居した。それ以來電話でのつながりだけであつたが、いつしか彼はオーストラリアに移住し、そこで結婚し、子供をもうけた。日本にゐたときには、本當にいろいろな話をした。喧嘩もした。禪に興味がある彼には、遠慮なくさういふ思辨に關心はないと言ひ、彼を憤慨させた。そして、私は絶對者を信じるから、自己の内面に眞理を探るのは邪道だとなほも言ひはなつた。上野のお好み燒きの店屋で何時間も話すことが何度もあつた。「こんちくしょう」といふ思ひがあるうちは、會はない期間も長くなつたが、それでもいつしか再會を願つた。また、コンピューターに疎い私は、彼を師匠としてパソコンについて學んだ。氣のいい彼は、組み立てたり新しい部品を組込んだりしてくれるために、我が家を訪ねて徹夜で作業をしてくれてゐた。隣で蒲團を敷いてさつさと寢てゐる私を家内が見て、「それでいいの」と訝しがつたが、彼も私もそれでいいと思つてゐた。今から思へば、わづか五年ほどの附合ひであるが、隨分長い附合ひのやうな氣がする。別れてからの方がずつと長い月日が經つてゐる。

   いつしかオーストラリアで彼はカトリックの洗禮を受け、また再び語り合はうといふ誘ひを受けた。「夏休みに行く」といふ約束を三囘ほど反故にして、ついにこの春にその約束を果すことになつた。南半球へは初めての旅である。奧樣や一人息子に會つて、彼とのつながりも立體的になつた。お互ひ老けたが、不思議に會はなかつた時間を意識することは無かつた。空港に迎へに來てくれた彼とは、上野での會話の延長をすぐにも續けられさうな感じであつた。

    しかし、今囘はもう何も話さなかつた。名所に連れて行つてもらひ、その日の夜は彼の自宅の庭でカルビを食べた。次の日は、また別のスケジュールを過ごし、晩夏のオーストラリアを滿喫した。

   

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時事評論石川――最新號

2011年04月18日 22時44分47秒 | 告知

○時事評論石川の最新号の目次を以下に記します。どうぞ御關心がありましたら、御購讀ください。1部200圓、年間では2000圓です。

 震災についての評論が目白押しである。戰時體制に匹敵するやうな施策をとるべき政府であるのに、現政權はさうした姿勢を全く見せない。見せる見せないはともかくとしても、確實に復興に向つてゐるといふ手應へを示してゐるかといへば、それもない。會議は躍るで、あらゆる會議は創設されるが何も決まらずにずるずると時間だけが過ぎてゆく、そんな成り行きである。まさに手詰りである。

   少し前に、北朝鮮がテロやミサイル攻撃で日本海側の原子力發電所を攻撃して來たらどうするかといふことが取り沙汰されたことがあつた。今囘の體たらくをみれば、そんなことまさに「想定外」であらう。しかし、原發政策は、國家の防衞問題と兩輪で考へなければならない問題である、奇しくもそのことが明確になつた。その意味で、自衞隊を「暴力裝置」と揶揄した人物を政府の重要ポストに登用する政權には、まつたく統治センスがないといふことになる。

   慙愧の念に堪えない。しかし、この政權が續くのである。待つしかないのだ。

   空海の言葉――物之興廢必由人(物の興廢は必ず人に由る)    これは空海が綜藝種智院を創設したときの言葉である。

民主党も自民党も要らない

    ―3・11の衝撃―

            ジャーナリスト 山際澄夫

今一つの日本の復活と再生

     外国から日本に向けられた視線                                    

                         明星大学名誉教授  和田正美

教育隨想       

東日本大震災と硬質の役割 (勝)

”原発”是か非かの国民投票を

     崩壊した安全神話、しかし電力も必要・・・・・・・・                                    

                         評論家 植田 信

奔流            

「3・11」にどう立ち向かうか

  ―問われる政治の対応―

          拓殖大学大学院教授 花岡信昭

コラム

        ちょつと待つた、原発撤退論  (菊)

        大震災の教訓は何か (柴田裕三)

        京都大學といふカオス(星)

        役に立たぬ空疎な社説(蝶)            

  問ひ合せ

電話076-264-1119    ファックス  076-231-7009

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