今号の紹介です。
1面の改革幻想批判は、まさにその通りといふしかない。「改革とは、諸外国の動向を真似て上から無理矢理日本社会に導入しようとすることの謂に他ならなかった」とは至言である。ただ大阪での「維新の会」の躍進と自民の大敗北は、「日本で衰退し続ける地域での『反動』」という解釈には異論がある。むしろ自民の自滅といふのが大阪に片足を踏み入れてゐる者としての実感である。吉村知事の功績に比べる実績が自民の政治家にはない。大阪人は、さういふ実利で判断してゐるだけである。良くも悪くも改革がいかなるイデオロギーに属してゐるかどうかを判断する感性には乏しい。それにしても、改革といふ名の扇動はいい加減にやめてもらひたい。権力闘争の大義名分に使はれてゐるばかりで実質的に成功した改革といふものはあるのだらうか。目指すなら改善、それでいい。
3面の投資に倫理をといふのも、どこまで信じてよいのか分からないが、改革幻想を打ち破るものとしては期待したい。私が学生時代には経済学部はフリードマンの利潤追求第一主義に毒されてゐたが、いま企業や社会で活躍してゐる人の大半はその信者たちである。さういふ人は競争一辺倒の価値観で、他者の利益をいかに自己に誘導するかばかりに注力する。見てゐて不快になるが、それで一言申し上げると「それは敗北者の感想だ」と一蹴される。こちらにはそれを言ひ返す言葉がなく、ただ「それだけであるはずはない」と独り言つばかりだが、「サスティナブル投資」といふ視点は有効だと感じる。しかし、そのサスティナブルといふ言葉も何だか陳腐化しつつある表現ではある。
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平成の「改革」幻想よさようなら
岸田政権による盤石なる「普通」の回復を祈る
甲南大学非常勤講師 山内雁琳
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コラム 北潮(議会制度の成熟と選挙権の拡大―政治学者のミスリード)
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かくして習近平は神になろうとしている
平成国際大学教授 浅野和生
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教育隨想 教科書で習近平個人崇拝を教へ込む愚(勝)
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投資に倫理は必要か――ブラック・ロックのサステナブル投資を考える
駒沢大学教授 村山元理
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コラム 眼光
共産党は「革命政党」だ(慶)
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コラム
大状況を語れない(紫)
未成年犯罪匿名報道の意義を問う(石壁)
今は垂直移動の時代である(星)
「同坑異土無し」なのか(梓弓)
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