すごい勢ひで本を買つてゐる。
昨日までの1週間に購入した本は、次の通り。
『どう考えるか 文明の懐疑・ニヒリズム』山内恭彦ほか 1974年 二玄社
『マンガでわかる認知行動療法』大野比呂氏 2020年 池田書店
『一億総ガキ社会』片田珠美 2010年 光文社新書
『アランの幸福論』2007年 ディスカヴァー
『アステイオン 095』2021年 サントリー文化財団
『コロナ後の世界を生きる』村上陽一郎編 2020年 岩波新書
『寄宿生テルレスの混乱』ムージル 2008年 光文社古典新訳文庫
『大論争! 哲学バトル』畠山創 2016年 株式会社KADOKAWA
『名作をいじる』阿部公彦 2017年 立東舎
『ことばの危機』阿部公彦ほか 2020年 集英社新書
『21世紀の道徳』ベンジャミン・クリッツァー 2021年 晶文社
『デジタル馬鹿』ミシェル・デミュルジェ 2021年 花伝社
古い本は、古書店やネットで買ひ求めた。最後の2つは、その前の週の読売新聞の書評論や解説記事のなかで紹介されてゐて、関心があつて購入した。
アランの『幸福論』は別に2種類のものを持つてゐるが(肝心の岩波文庫版は持つてゐない)、どうも堅苦しい訳であるし、さらりと読むには長すぎるし、そもそも『幸福論』などといふタイトルが好きではないので、ツンドクで誤魔化してゐたが、故あつて少々気持ちが参つてゐるのであらう、とても読みやすい抜粋版を古書店で見つけて手に入れた。
そもそもが読めるわけもないこれほどの大量の本を買つてしまふ状況といふのが、今の私の状況なのである。なんだか心に穴が開いてゐて、それを埋めるのに本が必要なのである。もちろん、それは読むことによつて埋まるのであるが、その前の段階の「読むべき本は何か」を探つてゐるうちに、どんどん本だけが増えていつたといふことである。受験勉強をしようと思つてあれこれと参考書を探してゐるうちに時間だけが過ぎていつた、そんな懐かしい40年前と同じで、ああ人間は変はらないなと自戒してゐるばかりである。
読むこともなくツンドクだけが増えていく。
ちなみに今読んでゐるのは、白石一文『僕のなかの壊れていない部分』と石原慎太郎『わが人生の時の人々』である。後者は冬休みから読み始めて三分の二ほどで止まつてゐるが、今回の訃報に接して感慨と後悔とがある。
読書量は増えない。そして、嫌なことがあると、ますます読めなくなる。本を読むのは結構エネルギーがいるのである。
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デジタル馬鹿
ミシェル デミュルジェ(Michel Desmurget)
花伝社
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