岡本太郎の小さなおもちゃの第3集が、海洋堂から発売されることになつた。好きだから、早速手にして喜んでゐる。特に、「光る彫刻」と名付けられた照明器具の造型は、白い筒から何本も突起物が出てゐて、あるものは上を向いて曲がり、あるものは下を向いてねじれてゐる。かういふ形状は、太郎の特徴であるが、この形が気に入つてゐる。なぜかと訊かれても答へられない。http://www.youtube.com/watch?v=DxANGfjqwCI
岡本太郎の藝術は、背伸びである。無理をしてゐる。縄文土器を探りださうが、子どもの無邪気さを発見しようが、どうしようもない、私たちの近代の薄つぺらさを直観で知つてゐたやうに思ふ。その上で、なんとか日本の近代を造型しようともがいてゐるのである。そのもがきが、上のようなねじれになり、絵画に記されたやうな爆発の表現になつたのである。無理をしてしか生きられない、日本人の近代、それを体現した藝術家だから私は岡本太郎が好きである。
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