小浜逸郎・ことばの闘い

評論家をやっています。ジャンルは、思想・哲学・文学などが主ですが、時に応じて政治・社会・教育・音楽などを論じます。

ヨーロッパの深刻な危機に学べ

2017年02月18日 19時19分47秒 | 政治
       'Refugees' battle in Paris after jungle camp is closed 【助けてください!】ドイツ人少女が語る移民問題の陰惨な現実  EUはいま、グローバリズムの構造的欠陥と移民・難民問題のために、まさに風前の灯火です。ヨーロッパの主要都市では、至る所で難民、偽装難民、移民によるデモ、暴動が起きています。  2015年の9月にドイツ . . . 本文を読む
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トランプ氏の移民制限政策と「自由」の両義性

2017年02月14日 16時01分11秒 | 政治
        さる1月27日、トランプ米大統領が移民・難民の入国制限を謳った大統領令に署名したことで、全米が、いや世界中が大騒ぎとなりました。  2月3日、シアトル連邦地裁が大統領令を差し止める仮処分決定を下し、サンフランシスコ高裁は6日、仮処分決定の効力即時停止を請求した米司法省の訴えを棄却しました。  もし事案が最高裁にまで持ち込まれると話が厄介です。たまたま最高裁判事に一人欠員が . . . 本文を読む
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誤解された思想家・日本編シリーズその5

2017年01月31日 11時15分30秒 | 思想
       日蓮(1222~1282) 「日蓮」と聞くと何を連想しますか。 元寇を予言した人? 時の政権を批判・告発し危うく斬首されかけ、二度の流罪に処せられた受難の社会派僧侶?  当時の仏教界に新風を吹き込んだ改革者? 戦前の国柱会に見られるような国家主義者?  それとも創価学会のような大衆折伏主義? (ちなみに「折伏」は本来は、慈悲によって相手の心を包む「摂受」の対義語で、相手の . . . 本文を読む
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トランプ次期大統領に日本はどう対応すべきか(その3)

2017年01月19日 16時24分02秒 | 政治
       ⑦オバマケアの破棄と新しい保険制度の創出  アメリカの医療保険はすべてが民間保険会社に牛耳られていて、日本のような皆保険制度はありません。しかも各州で一社が独占していて、加入すると高い保険料を払わせられます。医療費は異常に高額で、低所得層は満足な医療を受けることができません。  そこでオバマ大統領は低所得階層にも十分な医療をという名目で、オバマケアを通しました。一見良い方向 . . . 本文を読む
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トランプ次期大統領に日本はどう対応すべきか(その2)

2017年01月19日 00時40分58秒 | 政治
        それでは、経済に関わるトランプ氏の政策姿勢から、日本は何を読み取るべきでしょうか。  彼が公約として掲げている経済政策の主なものは次の通り。 ①TPPからの離脱 ②NAFTAの見直し ③ラストベルト地域を中心とした製造業の復活による雇用の創出 ④劣化したインフラ整備のために10年間で一兆ドルの財政出動 ⑤米国企業の外国移転の抑制とグローバル企業の国内還帰のための法人税の値 . . . 本文を読む
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トランプ次期大統領に日本はどう対応すべきか(その1)

2017年01月15日 23時52分30秒 | 政治
        トランプ氏の大統領就任もあとわずかに迫りました。彼のデビューが世界にどんな衝撃をもたらすのか、いろいろと取りざたされています。ここでは国際政治と世界経済の二つの面から、今後予想される趨勢と、それについて日本がどう対応すべきか考えてみましょう。  まず国際政治ですが、彼が「アメリカ・ファースト」を強く訴えていることから、保護主義に走り、内政面に精力を集中して中東問題や東アジ . . . 本文を読む
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誤解された思想家・日本編シリーズその4の②

2016年12月22日 13時57分35秒 | 思想
       親鸞②  ここで、いささか余談めきますが、親鸞の妻帯について指摘しておくべきことがあります。 これも法然の項で当然の事実のように触れたのですが、そのいきさつは、佐々木正氏の『親鸞・封印された三つの真実』(洋泉社)という本に詳しく説かれています。  まず親鸞の伝記についてですが、明治後期からの実証主義偏重史観によって、覚如(親鸞の曾孫)作の『親鸞伝絵』と、大正十年に発見された . . . 本文を読む
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誤解された思想家・日本編シリーズその4の①

2016年12月20日 14時31分15秒 | 思想
       親鸞(1173~1262)①  親鸞については、すでにこのシリーズの一回目で法然を扱った際、親鸞人気の絶大さに比べて、彼の直接の師である法然の、思想家としての真価が正当な評価を受けていないと述べて、両者の比較検討を行いました。 そうして私個人としては、その宗教革命家としての偉大さにおいて、法然は親鸞に優るという結論に達しました。  よく知られているように、親鸞の弟子・唯円 . . . 本文を読む
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老人運転は危険か――高齢者ドライバーの事故激増のウソを暴く(その2)

2016年12月13日 00時38分09秒 | 社会評論
       主:まずこういう資料が出てくる。内閣府のデータ(*注3)だが、交通事故の「死者数」はここ13年間減少の一途で、平成25年では4373人、うち65歳以上の死者は2303人で、やはり減少気味だが、他の世代のほうの減少カーブのほうが圧倒的に急なので、交通事故死者全体の中で占める割合としては増加していることになる。でもこれは被害者のほうだからね。歩いている老人がはねられるというケ . . . 本文を読む
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老人運転は危険か――高齢者ドライバーの事故激増のウソを暴く(その1)

2016年12月10日 23時28分35秒 | 社会評論
       客:久しぶり。この前会った時よりだいぶ老けたな。 主:何しろもうすぐ古希だからな。そういうおぬしも人のことは言えんぞ。 客:そりゃそうだ。ところで君はまだ運転やってるのか。 主:何だやぶからぼうに。やってるよ。仕事で必要だしドライブは好きだからな。 客:いや、最近、ほら高齢者ドライバーが起こす事故が連続して起きているだろう。ここに新聞を持って来たんだが、11月12日、立川市 . . . 本文を読む
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日弁連「死刑廃止宣言」の横暴――死刑存廃論議を根底から考える(その2)

2016年12月04日 17時53分43秒 | 社会評論
        では死刑の意義とは何か。  普通言われるのは、国家が被害者に代わって加害者を罰して罪を償わせることという考え方です。しかしこれは完全な間違いとまでは言いませんが、不適切な捉え方です。死刑は国家による復讐の代行ではありません。  そもそも国家は共同体全体の秩序と国民の安寧を維持することをその使命とします。犯罪はこの秩序と安寧の毀損です。たとえ個別の小さな事件でも全体が毀損さ . . . 本文を読む
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日弁連「死刑廃止宣言」の横暴――死刑存廃論議を根底から考える(その1)

2016年12月01日 16時20分14秒 | 社会評論
       以下の記事は、月刊誌『正論』2017年1月号に掲載された拙稿に若干の訂正を施したものです。  去る二〇一六年十月七日、日弁連が福井市で人権擁護大会を開き、「二〇二〇年までに死刑制度の廃止を目指す」とする宣言案を賛成多数で採択しました。採決は大会に出席した弁護士で行われ、賛成五四六、反対九六、棄権一四四という結果でした。当日は犯罪被害者を支援する弁護士たちの反対論が渦巻き、採 . . . 本文を読む
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誤解された思想家・日本編シリーズその3

2016年11月23日 15時18分34秒 | 思想
       慈円(1155~1225) 『愚管抄』は、神武期から起こして自らの晩年に当たる承久年間までを綴ったユニークな歴史書です。ユニークなというのは、この書を「歴史書」というジャンルに収めることに大きなためらいが残るからです。  というのは、まずこの書には、単なる伝承や歴史事実が記述されているのではなく、摂関家を出自に持ちしかも天台宗座主という仏教界の最高位についたひとりの個人の . . . 本文を読む
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鬼才ファジル・サイの魅力

2016年11月19日 00時43分02秒 | 音楽
        久々にクラシックコンサートに行ってきました。ファジル・サイ ピアノ・リサイタル。 なんとオール・モーツァルト・プログラムです。 11月17日(木) 19時開演 紀尾井ホール 【プログラム】 ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調 K.330 ピアノ・ソナタ第11番 イ長調 K.331「トルコ行進曲付き」  休憩をはさんで ピアノ・ソナタ第12番 ヘ長調 K.332 ピアノ・ソナタ . . . 本文を読む
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日本はトランプ新大統領を歓迎すべきである

2016年11月02日 02時08分00秒 | 政治
        アメリカ大統領選もあと一週間に迫りました。ヒラリー氏かトランプ氏か、世界中が注目しています。  今回の大統領選は、いろいろな意味で、史上まれに見るセンセーショナルな選挙だと言えるでしょう。どういう意味でそういえるのか、以下思いつくままに列挙してみます。 ①政治の素人で泡沫候補だったトランプ氏が、あれよあれよという間に16人もの共和党候補を出し抜いて大統領候補に昇りつめた . . . 本文を読む
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