言葉の救はれ・時代と文學

言葉は道具であるなら、もつとそれを使ひこなせるやうに、こちらを磨く必要がある。日常生活の言葉遣ひを吟味し、言葉に学ばう。

時事評論石川 2021年10月号(第810号)

2021年10月23日 08時49分27秒 | 告知

今号の紹介です。

 2面の「許しがたき罵詈雑言の横行」といふタイトルを見て、総裁選に対する立憲民主党の言ひがかりについて書いてゐるのかと思ひきや、河野太郎候補についての高市早苗応援団からのネガティブキャンペーンについてであつた。あまりそれらのことに詳しくはないが、確かに「贔屓の引き倒し」があつて大事な政治家たる高市氏への要らぬ「警戒心」を醸成することになつてはならないだらう。「保守」といふ名がほとんど護符のやうに思つて使つてゐる輩に会ふと私も辟易する。保守は思想ではなく生き方なのだから、他者に対する攻撃に使ふといふことはあり得ない。西部邁が「真正保守思想」などといふことを言ひ始めてから、保守が思想になり、保守するために革新するなどといふほとんど虚言に近い言葉遣ひに中てられて、保守の活動家が現れてしまつたのである。左翼的な思考に保守は語れないはずなのに。

 3面、川久保剛氏が「日本文明」研究フォーラムを主宰してゐたのを迂闊にも知らなかつた。本記事を読んで、そのウェブサイトを見たが、じつに充実した研究会を開催してゐる。そして、今回新たにインターネット放送局「ことのは」を開設すると言ふ。すぐに拝見した。素晴らしい。本紙では田中美知太郎が始めた日本文化会議と、惜しくも休刊してしまつた『諸君!』とを取り上げ、令和版の研究会と媒体を作り上げようとする心意気が感じられるが、それらを育てるのは現代日本の知識人と、生き方を保持する庶民の役割である。注目していきたい。

 同じく3面には留守先生のコラムが掲載されてゐるが、その最後に「暫く休載」との告知がされてゐる。欧米文学を読み続けられながら「欧米との『価値観の共有』なんぞと、日本は安直に口にすべきではない」と語れる研究者が、ほとんどゐないなかで、貴重な批評の継続を今後も願つてゐる。

 4面は、いづれも自民党総裁選について触れてゐる。時事評論の面目躍如。

 

 どうぞ御關心がありましたら、御購讀ください。  1部200圓、年間では2000圓です。 (いちばん下に、問合はせ先があります。)
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眞子内親王のご結婚問題 「公」と「私」のけじめなき皇室を危惧する

   明星大学戦後教育史研究センター 勝岡寛次

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コラム 北潮   (独裁化強める習近平)

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SNSと自民党総裁選  許しがたき罵詈雑言

  「愛国無罪」は許されない

   新聞記者 伊藤 要 
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教育隨想  中国に利用された教科書誤報事件後の日教組(勝)

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新学術機関・ネット放送媒体

「日本文明」研究フォーラムと「ことのは」放送の取り組み

   麗澤大学教授 川久保 剛

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「この世が舞台」
 『マーリオと魔術師』トーマス・マン
        早稲田大学元教授 留守晴夫
 
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コラム
  自民総裁選を見て(紫)

  平時移行内閣の今後を占う(石壁)

  知性の作法二つ(星)

  自民党の病巣(梓弓)
           

  ● 問ひ合せ     電   話 076-264-1119 

                               ファックス   076-231-7009

   北国銀行金沢市役所普235247

   発行所 北潮社

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政府や医師会は、イベルメクチンをなぜ無視するのか。

2021年10月10日 21時27分06秒 | 評論・評伝

 北里大学のウェブサイトには、大村智記念研究所の成果として、コロナの初期治療にイベルメクチンが効果的であるといふ論文が掲載されてゐる。

 そこには、世界で16か国が治療薬としてイベルメクチンを採用してゐることが示されてゐる。日本では、どうしてこの薬を承認しないのであらうか。

 もしそれが、特許が切れてゐる薬品であるから、それを使用すると薬品業界が儲からないからといふことであるならば、論外であるが、さうでないとすれば、どうして大規模な臨床実験を行はないのであらうか。

 今は感染者数が劇的に減少してゐる。しかし、感染者数が激増した時期に、「医療崩壊神話」を作り上げ、初期患者を自宅療養に追ひ込み人々を不安に陥れたのは、菅政権の最悪の選択であつた。初期患者こそ重症化しないために適切な治療を施すのが本当の医療崩壊を起こさない手立てであると素人目には思ふが如何だらうか。

 アベノマスクと言ひ、人流抑制と言ひ、さらには8時以降の飲食店閉店、外食での飲酒禁止などなど、まつたく目も当てられないほどの失政ばかりである。これらをして「将来、菅政権の政策は評価される」と涙ながらに訴へた環境大臣がゐたが、笑止であつた。

 本気でない人には、本気でないと言ふのが忠義である。政治家に忠義を問ふのはをかしいが、あれほど首相官邸や議員宿舎に通ひ詰めたのであれば、褒言ばかりではなく、苦言もあつてしかるべきであらう。しかし、彼の言葉はいつも贅言であるから、期待もできないが。どなたかが言つてゐたが、「当たり前のことを、ただゆつくり話すだけの人」といふのは、言ひ得て妙である。

 今日は、腐す言葉で終はる。

 

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