昨日、夏休みを楽しんだ大阪の地を離れて愛知に戻つた。
早めに出ようと思つてゐたが、朝食を摂らうとしてゐたらテレビの下のレコーダーが点滅してゐるのに気づいた。前夜に激しい雨でも降つて停電でもしたのかと思つた(前日の夕方、一瞬停電したことがあつたので、とつさにさう思つた)。それで、電源を落とさうとしてみたが、まつたく作動しない。コンセントを抜いてしばらく置いておくことにした。といふのは二年ほど前に調子が悪くてメーカーに問ひ合はせたところ、静電気が悪いことをしてゐるかもしれないので、コンセントを抜いてしばらくそのままにして置いてくださいと言はれたことがあつたからである。
朝食後に再びコンセントを入れて挑戦してみたが、点滅してゐる状態は改善されなかつた。困つたことになつた。岡本太郎と太陽の塔関係の番組をたくさんハードディスクに録画してあつたが、すべてダメになつてしまつた(大阪では小さな枠でも特集されることが多く、こまめに録画しておいたのに残念だ)。
近くにあるヤマダ電機にオープンと同時に出かけ、症状を話すがたぶん駄目でせうといふことだつた。そこで仕方なく新しい物を購入することにした。
店員さんも不思議がつてゐたが、名目上の録画可能時間と実際に画面に映し出された録画可能時間とは結構差があることだつた。概ね7割しか実際には録画できないやうであつた。こんなことつてあるのだらうか。若い定員さんだから理由が分からないのかもしれないが、これでは客に不親切である。メーカーはこのことを承知で販売してゐるのであれば悪質である。
それはともかく自宅に持ち帰つてセッティング。これがなかなか難しい。たしか今あるものは、すべて業者に頼んだやうな気がする。10年前だからまつたく覚えてゐないが、今や電源とアンテナを接続すれば見られるといふ訳ではない。ケーブルテレビはあるし、ネットはあるし、もちろんテレビとの接続はあるし、レコーダーのリモコンでテレビの操作ができるやうにするのはこれまた一苦労であつた。かういふ仕事は大の苦手。いらいらして妻に迷惑をかけた。出がけにするものではないと知りながら、次に家内が来る時に使へない状態で置くわけにもいかず、悪戦苦闘。すべての操作が完璧といふ訳ではないが、一応これまでと同じ操作が可能なところまではできた、といふつもりである。
さうかうしてゐるうちに昼食の時間になり、残り物を食べて、いざ出発。昨日の雨が噓のやうに快晴。暑い。しかし、車の運転には晴れがいい。雨の運転は年と共にきつくなつてきた。
途中で、奈良に寄る。安倍元総理の衝撃的な事件(7・8事件)の現場への訪問のためである。思ひのほか狭い場所であつた。そして、こんなところで演説会をするものかといふ思ひもあつた。一ヶ月以上経つたが、今も手を合はせる人がゐた。それぞれの思ひを重ねていく場所でもある。そして何より、日本の痛恨事の場所である。改めて冥福を祈つた。
つい先日、この場所から歩いて数分のところに住んでゐる友人と話をすることがあつた。彼が言ふには、事件直後ははるかかなたにまで献花する人が並んでゐたといふ。それはそれはびつくりするぐらゐの人であつたと言ふ。「奈良県以外の方も多かつたはずだが、奈良県民としては、本当に申し訳ないといふ思ひで列に並んでゐるのだと思ふ」と語つてゐた。さうだらうと私も思ふ。
古代、奈良に多く住んでゐただらう渡来人は朝鮮半島出身者であつただらう。彼の国の言葉で「ナラ」とは「くに」といふ意味である。それが奈良の地名の由来になつたかどうかは分からない。しかし、新羅の国を追はれて大和の国にやつて来た技術者・専門家の彼らがさう名付けたとしたら、この地は「新しい国づくりの場所」といふ意味にもならう。奈良での絶望的な事件であるが、そこに意味を見出すとすれば、これを機に日本が少しでもよくなつてくれればといふ思ひである。
合掌
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