10月から韓国語を学び始めた。ソウルにある高麗大学で語学研修を受けたのが、1989年だから、22年ぶりといふことになる。友人には韓国人もゐるし、教へ子にも韓国人がゐるので、簡単な(じつに簡単な)会話は出来る。
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とは言へ、未来形も「何々するつもりです」のスタイルでごまかし、現在形も丁寧語は使へても平易な言ひ方は苦手である。それでも一人でソウルで道に迷はない程度には出来ると思つてゐる。しかし、この春にオーストラリアにゐる韓国人の友人を訪ねたとき、彼が私には日本語で話し、当然ながら現地の生活は英語を使つてゐるのを見て、学びたいといふ思ひが決定的になつた。一カ国語はマスターしたいとの思ひである。
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それで、講座を受けることにした。じつは昨年も受講しようと試みたが、あいにく講座に空きがなく、断念してゐた。十月から始めたからまだ六回。一回二時間だから計十二時間。時間自体は大したことはない。しかし、いままでまだらであつた韓国語の運用知識が、きれいに整理されていくのが心地よい。毎回テストあり、知らない人ととの対話ありと、予習をせずに行くとエライ目にあふ。しんどいことはしんどい。いつまで続くかなといふ思ひもないわけではないが、学ぶ喜びを感じてゐる。
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先生は三十代の女性で、愛想はなく結構厳しいが、質問には丁寧に答へて下さる。それがいい。こちらもどんどん質問する。私の質問は受講生からは笑ひが出るほどの愚問のやうである。が、厚顔ぶりを発揮してお構ひなしである。それにたいして先生も、下手になれなれしくしてこないで、指導に専念してくださるのがいい。
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ただ、一つ苦手なのが、受講生がやたらにフレンドリーなことである。このあと皆で食事に行きませんか、忘年会やりますが参加しませんかと言つてくることだ。韓流スターやら、韓国ドラマやらから韓国語を学びに来た人には、さういふ情報交換も、語学学習のモチベーション向上には重要な要素ではあるのだらう。でも、さういふことは私には全く関心がないので、今は御遠慮してゐる。
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五年ぐらゐの計画だが、五年後には韓国語が話せて読めて書けるやうになつてゐる姿を想像して、今は学びの時間だけを大切にしたいと思つてゐる。