新野辺村のため池
五ヶ井の流れは、神野町西条の城山(じょやま)のところで加古川から水を取り入れています。水の豊かな用水です。
用水は、池を伴うのがふつうです。
旱魃の時などは、田植ができません。そんな時のために水をためておく、ため池がつくられました。
しかし、五ヶ井用水ばかりは、その心配がほとんどないほど水の豊かな水がありました。
そのために、五ヶ井用水の村々(五ヶ井郷)には池がありません。
しかし、新野辺村だけは少し事情が違います。五ヵ井郷の村ですが、五ヶ井用水の終点で、水が確実に届く保障はありません。
そのため、五ヵ井用水の水を貯めておく池が必要でした。
寛延三年(1750)の明細帳には新野辺の溜池についての記載があります。そのカ所を読んでおきます。
(解読)
田地植付之
一 溜池 長弐拾間より百九拾弐間迄 拾九ヶ所
幅五間より三間迄
右は平松五ヶ井水之戸尻故植付之節例年水廻り遅ク御座候
ニ付植付かゑ水ニ而御座候
右同断
一 溜池 長六間より拾九間迄 弐拾弐ヶ所
幅三間半より六間迄
(文意)
新野辺村は、五ヶ井用水の一番最後(戸尻)にあたり、例年水廻りが遅いため、田植えのため、また、かえ水のために、比較的大きな溜池が19ヶ所と小さな溜池が22ヶ所あります。
新野辺村には、大小あわせて溜池が41もあったといいます。現在は、ほとんど姿を消しました。