ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

歴史に負けぬスケール!…船上山ダム

2023-06-14 06:57:35 | 鳥取(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。さて今回は鳥取県東伯郡琴浦町山川(とうはくぐん ことうらちょう やまがわ)にある勝田川(かったがわ)水系の船上山ダムを目指します。アクセスは国道9号から大山/香取へ向かう県道30号に入り、しばらく進むと船上山と書かれた表示板のある交差点があるので左折。そのまま県道289号を進みます。やがて県道34号に合流するのでそのまま直進。船上山トンネルの先が目的地です。

なかなか規模の大きいダムですね。

順を追って見ていきます。上のアクセス通り来ると右岸に到着するのですが、そこに見える茶色の建物が船上山ダム管理事務所です。


その付近からダムを見るとこんな感じ。

右岸、貯水側には「船上山ダム」と刻まれた石碑があります。

これがダム上。行ってみましょう。

越流式の洪水吐は右岸側にあって、

溢れた水はこの水路を通ってあちらへ流れてゆきます。

「船上山ダム」「せんじょうさんダム」のプレート。ちなみにダム便覧では「せんじょうざん」とありますが、これは誤表記(参考)。現場を確認していない証拠です。


水利使用標識。灌漑を目的としたダムなんですね。

ダム上、中央へ向かう途中には小さな案内板と定礎の石碑があります。

その左にあるのは諸元表。「位置」項目の住所を見ると「鳥取県東伯郡赤碕町大字山川」と記載されていますが、赤碕町は1900年3月27日から2004年9月1日まで存在した町名で、同日に東伯町と合併して琴浦町が発足したため消滅。そのため現在は上に記した住所となります。高さ43.9m、ダム上の長さ232.1mのロックフィルダムだそうです。

定礎の石碑には平成12年(2000年)11月と刻まれています。じゃあ竣工はいつだろう。築造を担当した三井住友建設のサイト(参考)を見ると1997年6月と記載されていますが、これは明らかに間違い。なぜなら竣工後に定礎というのはありえないからです。またダム便覧には2003年竣工と記載されているものの、典拠が明示されていないので鵜呑みにはできません。竣工時期について上の諸元表の記載から推測するならばそこには旧住所が記載されているので竣工したのはおそらく2004年9月以前と考えられます。

ダム名でもある船上山の説明書き。船上山(せんじょうさん)は当該ダムの西に位置し、標高は687mの山(説明書きでは616m)で、大山(だいせん:標高1,729m)、三徳山(みとくさん:標高899.6m)とともに伯耆三嶺と呼ばれ、古来より山岳仏教の聖地のひとつとして修験者の霊場として知られているそうな(参考)。ちなみに船上山の由来は屏風岩と呼ばれる断崖の様態が船底に見えることからその上にある山という意味で命名されたらしい(参考)。

ダム上、中央から見た貯水側の景色。いや〜、絶景、絶景!

一方、下流側を眺めます。

対岸(左岸)に来ました。振り返るとこんな感じ。

左岸、貯水側から見たダムの様子。


鎌倉時代、隠岐島に流された後醍醐天皇が1333年に伯耆の豪族、名和長年に迎えられて幕府討伐のために挙兵した舞台として知られる船上山。討伐を目論むスケールの大きさはその麓に築造されたダムにも反映されているかのよう…ぬぁんてね。
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