以下の記事は、昭和11年9月18日付・大阪毎日新聞からの転載です。
清子さんとの幸せな生活
・・・観光の旅でふと知り合った日本女性に熱砂そのまま灼つくような情熱を傾けて、日本を永住の地と決め、港都神戸に国際ロマンスを投げたアラビアオマーンの豪族千万長者タイム―ル・アルサイドは、愛人の元神戸キャピトル・ホールのダンサー大山清子さんに〝家財をまとめて秋にはきっと帰ってくる″と誓った通り、17日朝、神戸入港のドイツ船で再び来朝した。
・・・旅のつれづれに清子さんと踏んだステップが、そのまま愛のステップとなって二人は固く結ばれ・・・
明石で日本式に三々九度の結婚式を挙げ、家財の整理に帰国したもので・・・17日朝清子さんは、母親や親せきの人々ともにで迎え、愛の須として用意された葺合区中尾町の坂の上の真新しい、しょうしゃな洋館に入った・・・・
ブサイナ妃の誕生
二人はふかく愛しあって幸せそうな夫婦でした。
家にはオマーン人の料理人や下男がいて、清子さんはいっさい家事で手を汚すこともなくなり、高価な宝石やドレスを身に着け。王と二人で食事に出かけたり、ダンスを踊ったり、まさにシンデレラの生活でした。
そして、昭和12年10月ブサイナ姫が生まれました。
なお、「ブサイナ」はアラビア語で「美しい」という意味を持つ一般的な女性名です。(no3775)
*写真:タイム―ルオマーン元国王とブサイナ姫(昭和15年‐1950‐10月撮影)ブサイナ姫の母・清子さの死去後に撮影したもの。
◇きのう(11/6)の散歩(10.338歩)