大関ヶ原展

2015-05-10 00:00:49 | 美術館・博物館・工芸品
sekigahara江戸東京博物館で開催中の大関ヶ原展(~5/17)に。超満員。建物の中が肉弾戦になってしまう。満員でも見られるように考えたのか、屏風がずらりと並ぶ。

数多くの合戦図だが、ほとんどは、両軍の配置図と武士が武器を構えて合戦寸前の図が描かれている。同じ屏風でも大阪夏の陣(黒田家所蔵)の絵は、クビがゴロゴロ、血が噴出し、逃げ出す大坂市民が追いはぎに裸にされ、川に沈むものや、市街戦の悲惨が伝わる(もちろん出展されていない)。

よく考えると、わざわざ関ヶ原まできたものの、どちらの味方かわからないように動かなかったり、裏切者が続々と現れたり、・・要するに、絵にならないということなのだろうか。

ビデオで、各武将の配置がわかるようになっているが、そもそも山の上に配軍すること自体が、怪しい。

そして、島津軍。西軍の中心で追いつめられるも、正面突破で逃げ始める。途中、捨て駒ではないが、奮迅の上、討ち死にして時間稼ぎを行う武士が多数現れる。小早川とは大違いだ。

小早川家本流は、江戸時代初めに狂い死にして滅びるが、一族の末裔は今に伝わっている。以前いた会社に同名の社員がいて、「あの小早川の子孫」と呼ばれていた。

もっとも徳川家康だって、秀吉が亡くなってから掌を返したわけだし、さらに幕末においては、姫路城や名古屋城のように徳川家が「絶対に裏切らないはず」の殿さまに託した拠点も、何の役にも立たず、こぞって裏切られてしまったわけだ。