今年も登場

2010-06-30 00:00:40 | 市民A
ここ数年、梅雨入りの頃に決まって登場するのが、「ヤモリ」。裏口のガラス窓に張り付いて、こちら側に腹を見せる。



このヤモリが、毎年、同一個体なのか、別個体なのかははっきりしない。いつも一匹だけで登場し、仲間と二匹で登場するということはないので、案外、一匹なのかもしれない。もっとも寿命とか全然しらないのだが、一般に爬虫類の寿命は長い。

しかし、仮に同一個体としてみると、冬の間はどこに消えているのだろうか。ヤモリは『家守』と書いて、家の守り神として珍重されるのだが、実際に家が火災とかなれば、まっさきにヤモリは逃げ出すのであろうか。「ヤモリの黒焼き」という珍味にされて味わわれる風習があるのだから、ヤモリにしても適当ノルマで義理は感じないのだろう。

野菜畑の整理

2010-06-29 00:00:07 | 市民A
ほんの猫の額のような地面のすきまに植えた野菜類だが、ごちゃごちゃしてきたので、整理整頓を始めた。本当は、植える前に考えなければならないのを、試行錯誤になってしまった。無人島に漂着した時に、手当たり次第に食い物を植えたようなもので、最適解からは大きく違うだろう。




まず、ゴーヤ。あまり伸びない割に蔓(つる)を多数伸ばしてきた。このままだと、隣のトマトに巻きついて、共倒れの気配なので、思い切って二階まで網を張ってみた。ゴーヤのグリーンカーテンということ。

ただ、土が合わないのか、あまり上に伸びていかないので、失敗の予感もある。なにしろ、カーテンができても、実がなるようには思えないのだが、何しろ普通のゴーヤではなく、「白ゴーヤ」である。あるいは、重くなりすぎて、台風などで空中のネットが落下する危険も感じる。

植えているのが「白ゴーヤ」なので、もう1本、普通のゴーヤの苗を100円で買って、植えてみた。混血になるかな、「薄緑?」。



次に、ペパーミント。ついに繁殖し過ぎて、邪魔になり、植え替える。根は浅いが、たいして土も付けずに引っこ抜いて、別の場所に埋める。一応、ハーブエリアということにする。別に他のハーブは植えていない。枯れるかと思ったが、その気配はない。




ピーマン。パプリカかピーマンか見分けがつかないまま、じゃんじゃん実がなるので、少し食べてみたら、ピーマンの味だった。でも形はピーマンではないかもしれない。緑のパプリカがあれば、こういう味かもしれないが、実は、赤ピーマンという品種もある。

中国では愛犬ブームに乗ってプードルと称して子羊を売りつける業者がいるそうだが、食べるなら羊の方がいい。昔は「羊頭狗肉」という単語があったが、今は逆だ。次々に小振りのピーマンが収穫されそうな予感がする。これは皮肉なことにプランター植えである。




そして、トマト。かなり大きな実があちこちになっている。ついに、支柱を三角に組み立て、それにボディを縛りつける。近くの畑をみると、うちの2倍の大きさの支柱を使っているようで、やや不安を覚える。赤くなるのかな?




最後にズッキーニ。プランターの中で、最初は一番の成長だったのだが、途中で絶滅しそうになる。見るに見かねて、思い切ってペパーミントを引き抜いた穴に埋めてみた。なんとか、花を咲かせ続けているが、どこにどういう実がなるのか、さっぱりわからない。もしかしたら、雄と雌の二本が必要だったのだろうか。自分の花粉をかけてみようかとは、さすがに思わない。最後まで面倒を見ようかと思っていたのだが、愛読ブログの中で、ズッキーニを自宅で植えている女性の記事を見て、大仰天。この花を食べるらしい。ひき肉とか中に詰めて油で揚げるらしい。

この方は、日本人だが、諸般のつごうで、アルジェリアに住んでいて、楽しみは、庭のズッキーニ栽培と、時差なしでワールドカップをテレビ観戦できることぐらいらしい。

そして、調べると、花には雄花を雌花があるらしいのだが、よく考えると、いつも花は一輪しか咲いていない。交互に咲いているのだろうか。いまさらではあるが、二本植えるべきだったのだろう。このままではセックスレスのすれ違い夫婦になっている。(二本植えると、スワッピングパーティみたいだが)

スタバ株主総会で感じたことなど

2010-06-28 00:00:48 | 市民A
kirishimaすっかり、『賭博の殿堂』と化した両国の国技館へ行く。といっても、逮捕前の口裏合わせのためとかではない。スターバックスコーヒージャパンの株主総会のため。

とはいえ、相撲協会が国技館の施設をアルバイトに使って得た利益というのは、いわゆる公益性に乏しいわけで、公益法人の優遇税率は適用にはならないだろうが、それでも利益は残るはず。その利益が回りまわって力士の給料になり、その給料のうちいくばくかは、賭博行為によって暴力団の資金源になる。

さらに、両国駅からよく見えるところに、8階建てに見える「ちゃんこビル」があり、その名は「霧島」。今話題の陸奥親方、賭博の達人でありながら、生活指導部長である。しかし、これも妙なもので、現役で理事を務めていながら、副業のちゃんこ屋経営である。それも勤め先のすぐそばだ。世間の常識とはかなりずれている。

実際には、野球賭博関係者はすべて追放して、番付は下から繰り上げて、序の口を廃止してしまえばいい。今後、公益法人を放棄したあとの収益改善のリストラも同時にやればいいからちょうどいい。


そして、スターバックスの話だが、苦しい中、あの手この手で、相変わらず利益を出し続けている。昨年度のヒットは、日本オリジナル商品。『さくらシリーズ』。

「さくらクリームフラペチーノ」、「さくらシフォンケーキ」、「さくら蒸しパン」。

そして、出店数は3月末段階で、国内877店舗である。全国42都道府県。

そして、42都道府県と言えば、残るは5県。かつて、「ユニクロのない街」というのが、イケてない場所の象徴だったのだが、今やイケてない県(や街)の象徴は、「スタバのない場所」。

あまりふざけて言っているのではないが、イラク戦争、アフガン戦争などの前線の兵士たちも、スタバの味が懐かしいというような声を上げている。新旧文明のボーダーラインである。

で、文化度ワースト5に選ばれたのが、次の5県(3月末)。

青森・山形・鳥取・島根・徳島

そして、6月・・・


徳島にスタバがやってきた。地元の徳島新聞では、興奮した記者のレポートが。

スターバックス初出店 6月、徳島駅ビル1階に
2010/4/8 11:36

世界約30カ国でコーヒーチェーン店を展開するスターバックスコーヒーが6月、徳島県内に初出店する。徳島駅ビル・クレメントプラザ1階に入居する予定で、本県への進出は、都道府県別で43番目、四国では4番目となる。

日本の店舗を統括するスターバックスコーヒージャパン(本社・東京)によると、駅ビル1階の商業フロアのうち、通りに面した一部で開設。現時点では、面積や雇用人数など「具体的な数字の公表は控えたい」(同社)としているが、同社の店舗としては中規模になるという。エスプレッソコーヒーを中心とした飲料をはじめ、サンドイッチなど軽食のほかコーヒー豆やタンブラーといった関連商品も販売する予定。

米国シアトル発祥のスターバックスは1996年、北米以外の市場として初めて東京・銀座に日本第1号店をオープン。セルフ方式の都会的な販売スタイルや店舗の空間演出が国内でも人気を呼び、全国875店舗(2009年12月現在)にまで拡大する一方、徳島はこれまで四国でただ一つの空白県だった。

徳島進出にいたった経緯について、同社は「かねてより出店を検討していたが、このたび条件に適した場所が確保できた」としている。


本当は、地元の喫茶店約10店舗の閉鎖とか、そういうことになるのかもしれないので、嬉しがっているだけじゃ、記者として失格だろう。

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総会出席のおみやげはいつもかさばるので、旅行用バッグを持って行ったが、3年間有効のスターバックスカード1000円分だった。このスターバックスカードを使わないで記念品にしてしまう人のおかげで、毎年1億円以上の「期限失効益」が出ているそうだ。

やまんばおゆき

2010-06-27 00:00:51 | 市民A
oyuki六本木で開かれた、麻布演劇市(6月25日から27日)で、『やまんばおゆき』を観劇。劇団ペルソナ。

この劇は、舞台を江戸時代の静岡の山中の農村に設定。民話なのか実話なのか、あるいは寓話なのかよくわからないが、姥捨ての話。

お人よしの夫婦がいた。妻の名は「おゆき」。一生働き通して、4人のこどもを育てる。しかし、そのうち一人は、いわゆる捨て子。よその村の誰かが捨てた子を育てていた。ところが、大飢饉が村を襲い、この子が村八分になり、とうとう富山の薬売りに預けてしまう。

さらに、この劇を重く息苦しくしているのが、村の掟。60歳になると、村から出ていかなければならない。そして、仏様になるわけだ。楢山節考では、村の裏山に捨てに行くのだが、あいにく静岡では、本人たちがどこかに消えていく。たいていは、野犬などの動物に食われるのだろう。

この18歳の時に16歳と偽って、村に嫁いできたおゆきの長い長い人生が、徐々に、60歳に近づいていくに従って、客席の空気を重くしていくわけだ。

旅立ちを宣告されたおゆきは、その決められた日の前夜、ふいに村から姿を消してしまう。

劇の題名からしてわかるように、山姥になるわけだ。以下省略。

なんというか、寄せ集めのキャストが、一本の脚本でまとまるわけだ。もちろん、セミプロ集団の劇なのだから、人はいないは、おカネはないは、という感じなのだが、熱い役者魂とそれを支えるスタッフ、そして観客。

小さな劇場で生の観劇はいいよ。ほんとに。

新クラス開始

2010-06-26 00:00:01 | しょうぎ
近隣地区の将棋教室の他に、先週の某小学校の臨時将棋教室に続き、新教室が始まる(というか、「始める」というのかな)。30分くらいの場所にある公的施設の一教室を借りて、数人の児童が対象。

こどもよりも親が熱心という感じも受ける。事前の相談の段階で、今まで、「他の先生」に教わっていたものの、「先生がイマイチだった」ということらしい。それなら、いつクビになるかもしれないが、「気に入らなかったら、いつでもクビにしてください。生活困ってないですから。」とあらかじめ話してある。クビを根に持って、車で突入する人間もいるので、前もって解約条件を決めておくのは両者にとって最重要だ。

実際は、一人では対応できないので、別の下請けの方にお願いする部分が多いので、もっと複雑な話になるかもしれない。

ところで、こどもに交じって、ヤンママたちも、パチパチと教室の仲間入りをしているのだが、結局、こどもでも大人でも手間は同じなので、2時間、休むことなくアレコレ教えなければならない。うち、一人のママの場合、盤上で駒を動かして、「こうやれば、こうなって、ああなって、そうなるのですね」とかやっていると、なぜか、しょっちゅう指が絡み合ってしまうのだけど、なんか変だなあと、ちょっと思っている。

そうしているうちに、またまた別の知らない人からの依頼メールがやってきて、メールを3往復ほどすることになる。どうも、人口密度の低い場所で始めていた将棋教室が、人口密度の高い場所へと広がっていて、さらに口コミ等で注文が増えているのではないかと思うのだが、なにしろ工業製品の生産ではないので、いくら作業の効率化をはかっても、そんなに対応できるわけでもないわけだ。

それと、普及指導員によっては、段級位を乱発している節もあって、「前の先生から6級をもらっているのに、なんでここでは9級ですか」というような鋭い詰問を、親子そろって発する場合もあって、ちょっと困ってしまう。連盟の営業からいえば、どんどん級を上げて、初段免状を3万円で売ってもらえば、なお幸甚ということだろうが、その行為による副作用は大きいだろう。

さて、6月12日出題の問題の解答。



▲1八角 △3八玉 ▲3九香 △2八銀 ▲3七角 △1七玉 ▲3六角まで7手詰。

一応、角の繰り変えという図式である。

動く将棋盤は、こちら

今週の問題。



あせらず、すこしずつ、正解に近づくこと。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただけば、正誤判断。

愛宕山参り

2010-06-25 00:00:42 | 市民A
毎年6月23、24日の両日は、港区の愛宕神社で千日詣が開かれる。さらに合わせて、ほおずき市。



雨の愛宕山に向かうと、まず有名な『出世階段』が待ち構える。この階段を上ると、出世するという迷信が流布していて、楽天の三木谷社長がここで足腰を鍛えたそうだ。毎年、一回はこの階段を上って、足腰の老化をチェックしているのだが、まだ、途中で休憩しなくてもいいようだ。後で、階段の上からの画像をチェックすると、途中で立ち往生している女性が見えるが、気付かなかった。雨で揺れた石段で足を滑らせたら、痛そうなので他人のことを考える余裕はまったくなかった。



いきなり余談だが、井伊直弼が江戸城出勤途上を襲撃された桜田門外の変で、水戸藩士たちは、この愛宕山で終結してから桜田門へ向かったのだが、当日は、大雪だった。転んだ者はいなかっただろうか。実際には、愛宕山は江戸城からは2キロほど離れている。襲撃団が出発した時には、まだ井伊直弼は江戸城に隣接した屋敷にいたわけだ。何しろ通勤時間は5分間ほどのはず。

なぜ、急襲が成功したかといえば、井伊直弼が通勤時間に正確だったからだ。昔から「遅刻をしない」は、出世の条件だったのだろうが、それがために首を失った。

話を戻す。



階段を登りきると、いきなり草でできた輪が待ち構える。茅の輪と呼ばれるそうだ。私の後ろから這い上がってきた秘書が写した画像では、輪の向こうに光が輝いていて、天国への入り口みたいだ。あの世への入り口。

実際には、この輪をくぐると、千回のお参りをしたことになるそうだ。だから、お賽銭を奮発しなければならないのだが、小銭がないからといって、また輪をくぐって外に出てしまった人物もいるようだ。千回分のご利益があるなら1万円払っても、1回分は10円に過ぎないし、1000円札を惜しむとするなら、1回当たり1円でも払わない、ということになる。



そして、ほおずき市。ことしは小振りである。一鉢2000円。まったく赤くなっていない。パプリカの苗を買ったらピーマンだった、という例もあるから注意が必要だが、そういう質問をしている人は誰もいないわけだ。

階段で下りるのはやめ、エレベーターにする。

ジャブラニとジョブラニ

2010-06-24 00:00:45 | スポーツ
ワールドカップのグループ予選も3回戦となり、ここからがデスマッチの始まりとなる。優勝するには7試合勝たなければならないのだが、優勝候補も、そろそろ本気になる頃だ。

ブラジルやアルゼンチンは、選手の多くが欧州に出稼ぎをしているため、予選を戦いながらチームプレーの練習をするようなことになるのだろう。

日本も、2試合で、たった1点を取っただけなのだが、デンマークに引き分け以上でトーナメントに出場できるというのは、当初予定よりラッキーということなのだろう。仮に0-0で引き分けると、1点とっただけで予選通過ということになるのだが、過去にそういう記録があったのだろうか。

弱気で考えるなら、専守防衛で、1点も取られない確率が3割ほどあるなら、最初からそういう戦略に出ることもあるだろうか。自衛隊方式だ。



それと選手からの不評が続く使用球。やっと韓国の朴主永がFK初ゴールを決めたが、強く蹴ると浮き上がるというビーチボール的性質をもっているようだ。弱く蹴るのがコツらしい。

思えば、FK専門要員と化した中村俊輔にとっても、自分の出場機会が激減したのも、この難しいボールのせいとも言える。

ボールの名前は、「ジャブラニ」。アディダス製ではあるが、日本のボールメーカーである『モルテン社』がOEMを受けている。たぶん中国製かな。

ジャブラニというのは南アフリカの公用語の一つであるズールー語で「祝い」を意味するそうだ。このボールは「11」という数字と深い関係がある。

アディダスのブランドでの11代目の公式球だそうだ。

11色で彩られている。

南アフリカには11の公用語があり、11の部族があるそうだ。

そして、サッカーの定員は、11人。(時には、10人に減ることもあるし、主審を抱き込んで12人になることもあるが)

ところで、この選手に不評のジャブラニだが、Wカップ全64試合の最後の一戦。つまり決勝で使われるのは、さらに特別のボールだそうだ。

その名は、『ジョブラニ』。ジャブラニと試合会場のヨハネスバーグの頭文字(Jo)を組み合わせたそうで、金色のボールだそうだ。日本語では危険な単語になる。

第二戦でダメダシ確認されたまま、ずっとベンチに座っていた日本人背番号10が、紆余曲折の末、決勝でキンタマキックを決めて優勝するイメージをほんのわずかに感じるのだが、その前に、まずデンマークの長距離爆撃方式に対しての防衛作戦を立てなければならないのだろう。

講演:どうなる日本の社会保障

2010-06-23 00:00:31 | 市民A
2009年11月25日に学習院大学教授の鈴木亘氏が雑誌フォーサイトの読者向け講演会で講演した内容を、欠席した私にもCDを送ってもらったわけだが、その後、フォーサイト誌は休刊し(Web版準備中?)、そのCDも聴かずに半年以上が過ぎてしまった。

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聴かなかったのは、たぶん講演の内容がおよそ予想されていて、その結末も悲観的な予想が行われるだろうということが予想されるからだ。日本の破滅シナリオだ。自分の死刑宣告を聴きたい人間は少ない。

そして、各種音源の整理のついでではあるが、ついに聴いてみると、やはり、破綻シナリオだった。

主な内容は、

1.3人の現役世代が1人の高齢者を支える日本
1970年には(65歳以上/15~64歳)の比率が1/10だったものが、今や1/3。2023年には1/2になり、2060年頃には1/1に近づくだろうと言われている(実際には、1/1だと、若者の稼ぎが全部老人にわたることになるから、本来、ありえない)。

2.人口変動が招いた格差社会
 格差社会は、小泉・竹中のせいだと思われているが、実際に格差が広がっているのは、老人の社会。もともと老人は人生の勝負けゲームの結果みたいな存在なので、元々、格差が大きいのだが、その格差が大きい世代の比率が増えたのだから、社会全体の格差が広がったことになる。
 また世代間の対立が増えていくのも、今後、2050年頃には、少子化の結果、こどもも孫もいない「おひとりさま」老人が、老人の4割を占めることになり、そうなると、年金などを払う若者たちにとって、まったくのアカの他人の為におカネを取られるような気持ちになるだろうということ。(現代の団塊世代問題より陰険な感じだ)

3.民主党の膨張予算のからくり
 社会保障費のごく一部のカットをはじめた小泉・竹中路線への反動で、膨大な予算を組み上げたものの、財源不足で実行不能になる。

4.民主党の年金改革案
 主に、厚生年金、共済年金、国民年金の1本化を図ることと、最低年金制(月7万円?)と一部所得比例(デポジット)方式の採用。そして、抜本改革は4年後ということなのだが、最低年金の所得制限がかなり高額なところになるのは、支持母体が労働貴族である「連合」であるかららしい。また、国民年金に入っていた自営業の人たちの動向も不透明である。なにしろ、4年間、議論を先送りにしたことが最悪だろう、

5.医療と介護
 どちらも、年金と同様の問題があるだろうとのこと。自由経済的市場性を無視しているために溢れる問題が処理できないということだろう。

というようなことを、アバウトではなく詳細に聴いたわけだが、日本崩壊シナリオは突然襲ってくるのだろうから、アバウトでもいいのかもしれない。

最後に、質問コーナーがあって、

A.少子化が克服できた場合、社会保障費に回せる資金が生まれるか、という質問に対して、

今、突然出生率が高くなっても、こどもが財源を払うのは20年以上先であるので、2020年頃に始める年金破綻シナリオには役に立たないだろうということ。

B.別の質問として、外国人の移民をどう考えるかということに対しては、

それ以外には手はない、ということらしいが、今後、中国も韓国も、ベトナムもそろって少子化に向かうだろうと思われているので、最後はインドから移民を受け入れるということになるのだろうが、日本人がそれに耐えられるかどうか、である。


というような講演だったのだが、やはり、ちょっと現実は、厳しいねえ。

意識の変化?

2010-06-22 00:00:19 | 市民A
日本に住む外国人向けの英語雑誌に「J・Select」誌がある。Roddy Charlesさんが、最近の日本のハーフタレントブームが国際結婚の日本社会での許容度につながっているのではないかという主旨の記事を書いている。(英語の記事を読んだのではなく、その記事と日本語訳が東横インの室内誌に転載されていた)



まず、代表として料理されたのが、「ベッキー」。レベッカ・レイボーンさん。

いままで、こういった父母が異人種間のこどもは、社会的に差別されていて、無理に日本名にして社会に適応しようとしていたのだが、例えば滝川クリステルは滝川雅美という名前でフジテレビの入社試験に臨んだところ落選。フランス名クリステルで共同テレビに就職したそうだ(コネがなかったせいかもしれないが)。

ベッキ―がカメラの前で、日本語や英語を使ったり、外国人の父親のことを話すのには今やまったく当たり前のことになり、特に何の違和感もなくなっている。

またウエンツ瑛士の場合は、英語が不得意ということで、さらに従来の常識と異なっているし、だからといって、それが妙なこととも誰も思わない。

Charlesさんは、それらの現象について、日本人の国際結婚の多様化という視点でとらえていて、少なくても、ハーフについては、社会的な差別はなくなっていると考えている。

もっとも、タレントとしては、はるな愛他のニューハーフも活躍しているものの、それらの人たちに寛容であるのは、新宿二丁目だけであると、こちらのハーフには冷たい。

そして、ハーフタレントは「ブーム」ではなく、日本人の血が薄まっていく過程での「シフト」であると、Charlesさんは結論を付け、アメリカのような「サラダボウル社会」ではなく「ふりかけミックスごはん」になるだろうとしている。

そして、その始まりはペリーの黒船が浦賀にやってきた時からはじまる、と締めているのだが、・・ちょっと飛躍過ぎかな。

米軍座間キャンプのゴルフ場問題

2010-06-21 00:00:41 | 市民A
政令指定都市でもある相模原市の加山市長が、直接、北沢防衛相に面会して、要望したのが、ゴルフ場の件。それも米軍キャンプ場内のゴルフ場から、ボールが飛びださないように配慮してほしいというのだが、かたや普天間問題とはレベルが違うようだが、実は同じような話らしい。

米軍ゴルフボール飛び出し、防衛相に対策要請 6月12日11時8分配信 読売新聞

神奈川県の在日米陸軍キャンプ座間ゴルフ場から相模原市の住宅街にゴルフボールが飛び出している問題で、加山俊夫市長は11日、北沢防衛相に面会、飛び出し防止のための抜本的な対策を取るよう要請した。
北沢防衛相は、「要請内容を米軍に伝え、改善策を米側と調整する」と答えた。

北沢防衛相に提出した要請書では、米軍による防球ネット増設後も、隣接する住宅地へのボール飛び込みが続いている現状を訴えたうえで、「抜本的な対策を講じるまでの間、レイアウトを変更するか、ゴルフ場を一時休止する」よう求めている。

加山市長は、ゴルフ場の図面や航空写真を持参、近隣の公園に飛び出す原因を詳しく説明し、「近隣住民が危険にさらされ続けている」と対策の必要性を強調した。


ボールの飛び出しは2008年、ゴルフ場のレイアウトが変わってから急増、小学校5年男児の顔に当たってけがをする事故が起きた。その後、米軍側が防球ネット増設や使用クラブ制限などの対策を取ったが、今年4月以降も8個のボールが確認され、住宅街へのボール飛び込みが続いている。



まず、座間キャンプなのに座間市長ではなく相模原市長というのは、米国陸軍座間キャンプの所在地は座間市と相模原市にまたがっていて、ゴルフ場は相模原市側にあるということ。

航空写真を見ると、たしかに、ホールとホールの感覚は狭いし、隣地との距離がない。方や敷地の内側いっぱいにゴルフ場を作ったら、住宅地が境界線まで広がってきてニヤミスになっているということだろう。順序は少し違うが、普天間の問題も同様。



この問題は、昨年来、地元では協議が続いていて、あれこれとやっているうちに、ついに市長が怒りだしたということだろうか。神奈川新聞のHPを読んでいると、昨年からたびたびこの問題が取り上げられていた。

まず、ボールが飛び出すのはおもに5番ホール。たまに1番ホールでも事故があるようだ。

5番ホールはパー5ということで、どうもティーショットが敷地外に飛び出すというとだそうだ。本格的に対応策が検討されたのが、昨年初。フェンスの設置が終わるまで5番ホールを使用停止にして、代わって6番ホールを二つに分割してパー3にするということだった。

しかし、2009年6月11日に、6番ホール分割では、プレーヤーの方が危険なので、5番ホールをパー3で運用することにし、8月に予定されるネットの設置後はパー5に戻すと通告がある。

しかし、ネットの設置は、遅れに遅れる。どうも20万ドル(2000万円)の予算がなく、工事の発注が遅れたということで、最初は8月の完成予定が遅れに遅れ、2010年1月末となる。

その結果、5番ホールはパー5に戻したもののグリーンの位置が境界線に近いため、実際には、飛び出しが相次ぐことになる。

また、前から問題だった1番ホールではティーショットが、35m×40mのフェンスを外れて飛び出すケースが続いているようだ。

5番ホールでは、さらに、「ドライバー使用禁止」ということになっているのだが、何しろセルフコースだし、使用禁止を破った場合、ペナルティが「1年間ゴルフ場使用禁止」ということらしい。

ただ、どうしても、下手ゴルファーの不確定スウィングの結果は、敷地外へのOBということになるような気もする。

その結果、市長が怒って、防衛相に対して陳情し、暗に、「フェンス代」を国が払ってほしいという要望をしている、ということなのだろう。


ところで、地元でこの問題が語られる時は、かなり問題の所在がずれているわけだ。

誰がプレーをしているのか

つまり、このコースを利用しているのが米軍そのものであるなら、問題は普天間的方向になるのだが、使用者の大部分が日本人であるということが問題になっているわけだ。

つまり、平日には利用者が少ないが、土日には多くの日本人プレーヤーが集まってくる。だから、外に打ち出す人も大部分が日本人であるということ。

といっても、誰でもこのコースでプレーすることができるわけではない。

このコースを回ったことがある人は、以外にも多く、知人にもいる。話を聞いてみると、「どこからとなく」、お誘いがくるそうだ。トモダチのトモダチのトモダチということらしい。

そして、事前に名前を英語で登録しておいて、当日、キャンプに行くと、顔写真付きの証明書のチェックのあと、12,500円を払うそうだ。プレーはカートに乗って回り、米国式で18ホール一気に回る。途中で売店があって、巨大なホットドッグやバーガーを食べるらしい。

コースの難易度はかなり高く、本格的なアイランドグリーンやアリソンバンカーがあるそうだ。難コースで結構詰まっていて6時間くらいかかるらしい。



つまり、本格的なコースである、ということ。

そして、このコースを回る権利というのが、基地の内側からつながる特定の利権ルートということになる。米軍の日本人対策ということ。



ただ、そういう特別なコネがなくても、普通の人がこのコースでプレーするための裏道がいくつかあるそうだ。

一つは、地元のゴルフ練習場で、ここに通って関係者と懇意になると、紹介してもらえるらしい。

もう一つは、『WWGA(ワールド・ワイド・ゴルフ・ソサイエティ)』というゴルフの会に入会すること。関東(静岡)地区のいくつかのゴルフ場で、大会を開いているそうだが、ここに入会すると、キャンプ内のゴルフ場が9000円で利用できるそうだ。

実際に、どちらの方法も選ぶことはないだろうから、私が1番ホールや5番ホールに立つことはあり得ないだろうが、もし、フェンスの外に打ち出しても、たぶん、打ち直した後、誰にも言わないだろうと思うわけだ。打つ前に、ボールの表面をよく拭いておくかもしれない。

高島易断を創った男(持田鋼一郎著)

2010-06-20 00:00:26 | 書評
takashima高島嘉右衛門伝である。以前、本ブログでも取り上げたことがあるが、幕末の英才の一人。

今で言う銀座(京橋)の材木商の息子が、南部藩と佐賀藩という二つの対極的な藩(貧乏と金持ち)の間で振り子のように揺れ動きながら、事業を起し、財をなし、さらに金貨の海外密売の罪で投獄され、脱獄計画に加担した容疑で追い詰められながらも九死に一生を得る。

出獄後は横浜で料亭経営のかたわら、外国人との交際をはじめ、その後、ガス灯事業や鉄道事業でさらに成功し、一方で伊藤博文などの政治家とのつながりを深めるのだが、ある時、思い立ったように事業を引退。入獄中に読んだ易経に基づき、『高島易断』の祖となるわけだ。

個人的には、大部分が知っている話であったが、どちらかというと、本書は後半生の易者人生に重きがあるように思えるのだが、読み物とするなら前半生の方が面白いだろうか。

彼の痛快人生が、今一つ伝わってこない感じがした。

新書の限界もあるのだろうが、もう少し、生地とか、入獄していた場所、現在の横浜高島町の名前にもなった埋めたて工事の概要とか、写真などがあった方がリアリティが伝わったかもしれない。

本書で初めて知ったのが、高島嘉右衛門の女好き。伊藤博文とはそちら方面の趣味が合ったのだろうか。もちろん6年間の入獄の反動なのかもしれないが。

こども手当のせいかな?

2010-06-19 00:00:04 | しょうぎ
将棋連盟の普及指導員に名前を連ねているのだが、最近、やたらに忙しい。

その前に、この普及指導員だが、連盟から委託されているのではなく、逆に連盟に会費を払っている。どうも華道や茶道の免許皆伝のように、将棋連盟が「看板」を有料で貸すので、あとは勝手に稼ぎ放題でやってほしい、という趣旨のように思える。とはいえ、初段免状の定価は、HP上で31,500円と明記されているので、希望者に勝手に上乗せして申請手数料をGETすることも、事実上難しい。

もっとも、謝礼目当てに、実力がない人にカネや利便を目当てに免状乱発したら、免状システムがなりたたない。

実際には、普及指導員で得る利益を生活の糧とするような人は、失業者か年金未納の結果、老後の生活に困った人ということになる。が、がいして、そういう人には、仕事が回らないわけだ。


ということで、過日、横浜のある小学校で、PTA主催の全1回限りの将棋教室があり、手伝いに行く。

連盟の正棋士一人、指導棋士一人、そして私。

まず、小学校に着くと、PTAの幹部に出迎えられる。小学校の敷地に入るのは数十年ぶりだ。そして控室へ通されることになるのだが、なんと、控室は、『校長室』。

人生二度目の校長室である。今回の校長室には、ほとんど威厳を感じなかったのは、まあ、現代だからだろうか。いや違うかな。

そして、名刺交換だが、奇妙なことに、正棋士の名刺には段位が書かれていない。もうすぐ昇段するつもりで、段位抜きの名刺を刷ったのだろうか。指導棋士は、少し前に奨励会を退会した方で、低位の段位がついている。一方、私はアマチュアではあるが連盟の免状の段位と詰将棋連盟の段位を併記しているので、合計九段。

どうも、誰が一番偉いのか、わからなかったのではないかと、思うが、一期一会だからいいか(熟語の使い方が間違っているが)。

そして、事前打ち合わせだが、参加児童60人を実力別に20人ごとに3クラスに分けたということだったのだが、これが自己申告だったので、後々、大変困ることになる。初級クラスのこどもを担当したのだが、「まったくルールが初めてな子」「ルールは知っているが、非常に弱い子」「結構、強い子」ということになる。

そういう3種類のこどもたちを、同時に2時間の間に教えなければならないことになる。PTAの方にも手伝ってもらって、なんとか任務終了。

どうも、自宅に盤駒がない子が多いようで、要領のいい指導員は、こういう時に、棋具のあっせんでもして、仕入れ値に3割ほど乗せたり、仕入れ先にバックマージンでも要求して稼ぐのだろうと、容易に想像。

そして、昼飯を食べる間もなく、次の将棋講座へ車を飛ばすことになる。

その上、次週からは、別の長期講座が始まるわけ。数人の児童グループの個別指導会。これらの多くが、「ご指名」。個人情報をかなり非公開にしているため、途中のバリヤーの人たちから、「問い合わせがあったけど、教えませんでした」という情報を得ているのだが、ついに依頼メールが到達するわけだ。

どうも、これらの要因としては、

1.小学校のクラブ活動の延長として、先生の方が生徒より弱いことも多いため、クラブ活動への純粋ボランティア。→即、お断り。(平日午後は不可)

2.優秀な弟子の活躍から、指導員としての腕前の評価があがる。(売り出し中のS三姉兄弟を育成中)

3.こども手当の有効な使いみちを、まだ見つけきれていないために、こどもではなく、ホスト代わりにカッコイイ講師につぎ込んでみようかと(深層心理)。

とか、なのだろうか。ヤンママたちからも、「こどもだけではなく、わたしにも教えてほしい」という声も上がっているのだが、もっと教えるのがうまい方面もあるのだが、どうしよう。


さて、6月5日出題作の解答。



▲3三香 △4一玉 ▲3二飛成 △5一玉 ▲6三桂 △6一玉 ▲9四角 △同飛 ▲7一桂成 △同玉 ▲7三香 △8一玉 ▲7二香成 △9二玉 ▲7三成香 △9三玉 ▲8二竜まで17手詰

これといった手は、▲9四角かな。最終手の逃げ道封鎖。駒数の少ない形で大きく盤面を使うことができた。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。



やや、おおげさな配置だが、すこしずつほどいていって、最終手に結ぶことになる。

わかった、と思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

野菜畑の盛衰

2010-06-18 00:00:36 | 市民A
とりあえず、植えっぱなしにしていた各種野菜の盛衰がはっきりしてきた。

勝組:ペパーミント・トマト

負組:ズッキーニ

微妙:ゴーヤ、パプリカ(或いはピーマン)

ペパーミントは、伸びすぎである。邪魔になるので、だいぶ伐採して、葉肉の薄いものは、輪ゴムで根元を束ねて吊るしてみる。乾燥待ち。梅雨の時期なのでそのままカビが生えるかもしれないが、乾燥してから紅茶に混ぜる予定。

肉厚なものは、風呂に入れてしまう。菖蒲湯のまね。実際にやってみると、風呂に入れない方が香りが強くていい。むしろ、そのまま部屋の中においてもいいかもしれない。料理でハーブを使うときのように、掌でパンパンと叩くのがいい。夜になると、隣の宗教家の家から流れてくる“お香”の匂いに対抗できそうだ。



トマト。結構花が咲き、実がなっている。既にミニトマトの数倍の大きさだ。遅ればせながら、支柱を3本立てて姿勢を保持するように対応。勝手に伸びていたものを、支柱に縛りつけようとするのだから、若干の無理がある。無理やり枝や幹を支柱に縛っていく作業は、SM映画の助監督が上手そうだ。茎を傷めないよう注意しながら、縛られた獲物が動けないように固定する必要がある。



負け組はズッキーニ。要するに、この植物の正体がよくわからない。小さな実が付いているのだが、これが大きくなるとは、とても思えない。地下茎みたいなのが、地上に浮き上がってきたのも、破綻の構造の第一歩のように思える。これ以上手を加えず、自然に任せることにする。



ゴーヤ。景気よく蔓を伸ばしているが、成長スピードが遅い。また、他の作物に巻きついたりして、他の植物の成長を妨げている。最近、小さな黄色い花を咲かせたが、今後の状況がよく見えない。ネットを張って全面ゴーヤの日除けができるようだが、この分じゃ何もできない。



パプリカ(あるいはピーマン)。

ピーマンと思っていたのがパプリカということになったが、やはりピーマンみたいにも見える。あるいは緑色のパプリカが存在するのだろうか。

「淡麗W」の不思議な世界

2010-06-17 00:00:12 | あじ
以前、キリンから、プリン体99%カットの発泡酒が発売されていて、痛風に泣かされている人たちには朗報になっていたのだが、実は、あまり美味しくなく、結局、姿を見なかったのだが、新製品が登場。

 淡麗W



というと、どうしても早稲田大学を思い出し、早稲田大学といえば、サッカー界のワセダ閥を思い出してしまうのだが、その件はいずれの日か書くかもしれないが、元ベルリン五輪代表の故堀江忠男教授を総帥として、川淵三郎、釜本邦重、岡田武史というような表側の人脈と、政商泉井純一のような裏人脈で構成されているらしい。

さて、キリンの淡麗Wに戻るが、Wというのは、プリン体を99%カットした上、ワインポリフェノールを加えて、味を改善したということらしい。原材料に赤ワインエキスと書かれているのが、別の意味で、やや不気味である。赤ワインにもこのエキスを加えているのだろうか?あるいは、単に、味の調整に赤ワインをちょっと加えているのだろうか。

そして、味の方だが、なんとも言いにくいわけだ。

うまいも、まずいも、まず味がない。正確に言うと、今までに飲み物や食べ物として、「未体験の味」がうっすらと舌の上に広がる。

ビール的な味はまったく感じられないし、ワイン的な味も感じない。何らかの食べ物に合うという可能性も感じない。あえていうと、胃部レントゲンの時に飲む白いジュースのような味かもしれない。

商品寿命について、少し興味あり。

利休入門(木村宗慎著)

2010-06-16 00:00:56 | 市民A
rikyu新潮社のとんぼの本シリーズは、良書もあり、怪書もありという渾然一体感があるが、この『利休入門』も、ちょっとした問題本である。

茶でも始めようかと思い、まず、利休の足跡とその存在の意味について、ちょっと学んでみようと思って購入したのだが、かなりの利休批判の著だった。

どうも、著者は裏千家に属していて、その観点で、何か利休の「俗」を毛嫌いしているように感じた。

利休についても、たいした茶人じゃなかったとして、秀吉に取りいって、茶人として最高権威になった後、今度は秀吉の俗を批判したと、批判的である。

本著によれば、茶を武士の情報交換の場にし、自ら堺の武器商人としてカネを稼いだり、茶道具に法外な価格を設定して諸大名を茶道具投機に引きこんだりさせた、と手厳しい。

さらに、愛弟子だった細川三斎のこともシロオト扱いだ。

サムライもアキンドも茶道の世界ではシロオトで、真の茶の精神は家元伝来の閉鎖社会の中にのみ存在するということだろうか。


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