先駆者は塚田賞

2015-05-30 00:00:44 | しょうぎ
故酒井克彦氏の詰将棋作品集『からくり箱』を読む。

karakuri


長いものや短いものがまじっていて、問題を見て、ある程度の筋を見てから解答の棋譜を読みながら解読していく。要するに、勉強しているわけだ。ご存知のように、見つけにくい手の多い作家である。

40mon


そして、驚いたのが第40問。1976年に発表され塚田賞を受賞となっている。この問題、いきなり▲2八金、△3九玉、▲9三角には、△4八角合以下、打歩詰になる。正解は、▲3八銀、△1八玉、▲2九銀、△同玉と銀を捨てると、先ほどの変化の先に、▲4九馬という手があり、以下△1九玉、▲2八角以下角が成って空王手に△3八歩という中合が出てくる。

h110306


ところが2011年頃に私が作った作と途中で極似となる。ちょっと六段目あたりの構造が異なるのはさきほどの▲2八角以下の空王手で角が成れないようになっていて、逆に3筋に歩が立つので中合が△3八香になり、さらに中合歩が登場し、香で詰ますことになる。逆に序盤の打歩詰変化がない。

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もちろん盗作のつもりはないのだが、先駆者がいたというのは、ややがっかりである。ということで、おおた作に酒井流の序盤の打歩回避を合体させると別の図ができるのだが、なんというか、それだけの話である。門外不出の秘蔵ファイル行き。


さて、5月16日出題作の解答。

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▲1三飛 △同銀 ▲同歩成 △2一玉 ▲1一飛 △3二玉 ▲4三玉 △3一飛成まで9手詰。

動く将棋盤は、こちら

なお、角が4六にいても詰む。


今週の出題。

0530m


比較的単純である。からくり無し。

わかった、と思われた方は、コメント欄に最終手と総手数と酷評を記していただければ、正誤判断。