汚れた赤を恋と呼ぶんだ(河野裕著)

2016-05-31 00:00:28 | 書評
「階段島」シリーズの三作目。一作目が「いなくなれ群青」、二作目が「その白さえ嘘だとしても」。書名としては二作目の続きのようなイメージだ。

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実は、読み始めてしばらくは、大いにとまどうことがあった。登場人物の名前は全二作と同じだが、そのキャラクターが異なる。ずいぶん人間的(変な表現だが)な人物が登場する。しかも時系列的に全二作よりも数年前に遡っているようにも感じる(自信はないが)。

全二作では「階段島」という社会から隔絶された空間で、「魔女」によって現実世界の人間が、嫌いな性格を抜き取ってしまい、その「嫌な性格の第二のわたし」達が集団生活をしているわけだ。だからこそ純粋性格の高校生たちの美しい物語が描かれる。

そして、ボケた頭にもやっと見えてくるのだが、第三作は、その現実社会の中で、自分の嫌な性格を魔女にどこかに持って行ってもらおうかどうかを悩む人たちや、失った性格の一部をもう一回取り戻そうと魔女を探す人たちの話のわけだ。

本来なら、こちらが表であちらが裏のはずが、転倒している。

だから、二作を読んだ人じゃないと、解読不能の書かもしれない。

そして、シリーズは、表と裏と今後別々に進んでいくのだろうか。よほど頭のいい人じゃないと振り切られるかもしれない。

まだまだ、シリーズの結末は先の方だろうし、現段階で評価をすることは控える。

逃げたらどうなっただろう

2016-05-30 00:00:13 | 市民A
G7伊勢志摩サミットが終わり、街には安らぎが戻った感じだが、先週の始めに東京駅八重洲口から中央郵便局(KITTEビル)方面に行こうと、幅20メートルの横断歩道で信号待ちしていると、郵便局側に女性警官が10人ほど集まってきた。ちょうど9時の交代時間帯だったのだろうか。夜勤は男性がして、女性は朝からなのかな、とか考えながら、女性警官の先頭はモデルボクサーのような長身で筋肉質の遠目では美形に見えた。

となると、大きめのカバンを持っていたのだが、その中からデジカメを取りだそうとカバンに手を入れながら横断歩道の向こう側をみると、私の一件不審な行動をさっそく察知したらしく、すでに右手は腰の皮ケースにあてがわれているではないか。

お許しくだされ~って感じだ。あわてて行為中断し、カバンを閉じる。

しかし、20メートルの距離で、水平撃ちして命中するのだろうか。女性警官乱射事件になってしまうのではないだろうか。

さらに、仮に爆弾持っていたら、そんなの銃撃していいのだろうか。

後で思ったのだが、慌てふためいて走って逃げたらどうなったのだろう。近くの私服警官に暴行を受けるのだろうか。私服である場合でも、抵抗すると公務執行妨害になるのだろうか。もっとも私服警官ってどうみても刑事だよね。

植田正治写真美術館

2016-05-29 00:00:49 | 美術館・博物館・工芸品
米子の南にあたる伯耆町にある「植田正治写真美術館」へ。地元出身の写真家を記念して美術館になっている。建物そのものがアートという趣向である。

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まず、地元のループバスもあるものの、目印の少ない道を運転すると、「カーナビがなければ来られない、あるいは途中で断念ということになるだろう」と確信する。カーナビすら信用できないほど曲がりくねった道を走る。

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そして、思っていた規模の5倍もの大きな美術館が登場する。個人の美術館としては破格の大きさだ。バルセロナのピカソ美術館より大きいかもだ。

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今回は、植田正治氏が70歳代(1980年代)になした作品を展示している。どうも60歳代に次々に実生活で不幸が続き、意気消沈していた彼を、まわりの人たちが支えて復活させた時代の作品だそうだ。(わたしの場合は意気消沈したら周囲の人たちは大喜びなのだろう。)

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そして、コンクリートの建物と雄大な農地と巨大な火山である大山(だいせん)。色々な角度で撮影を楽しめる。

ただし、あくまでも大山から噴煙が見えないあいだだけだ。大山は、一万年に一回ずつ巨大爆発を起こしていて、前回の爆発から一万年が経過している。日本には、爆発したらその規模や被害が想像できない火山というのがあり、その一つだ。火山灰は東日本まで届くだろう。

鳥取じゃなく飛取で

2016-05-28 00:00:02 | しょうぎ
5月14日出題作の解答。

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動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

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鳥取シリーズにこだわっているのだが、将棋ネタにつながらないので、苦し紛れに鳥取ではなく鳥の親戚の[「飛取」にしてみた。「ひっとり」と読めばいい。おまけに名産の二十世紀梨に由来し、「持駒なし」。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

「のどぐろ」一山

2016-05-27 00:00:01 | あじ
のどぐろは日本海を代表する高級魚で、なかなかメジャー優勝できないテニスプレーヤーが推奨したこともあり人気魚である(彼が推奨している衣料品会社の製品の方は高級品ではないもののイマイチだが)。

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そして大漁港の境港にある「境港おさかなセンター」に行くと、30センチ近い成魚だと3000円前後なのだが、その半分ほどの小さいものは、一夜干しで一山1000円程度で、いわば叩き売りといった感じだ。

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それなら、捕まえないで大きくしてから漁獲すればいいような気がするが、漁法的な問題があるのだろうか。あるいはもっと深い経済的合理性があるのだろうか。

といっても目の前にある一山4匹の方が、一本物よりも消費者的には合理性があるように思って、買ってしまう。干してあるとはいえ、生ものなので、以後二日間のおかずが同一メニューになる。

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そしてフライパンに「こげつかないシート」を広げて焼き始めると、脂が果てしなく溢れてくる。思うに、のどぐろの特徴は、味と匂いと両面がある。味を重視して匂いを抑えるように、十分に火を通してみた。

大きいのどぐろと変わらないと思う。食べる前に喉の中を確認したところ、やはり黒っぽかったのでニセモノではないだろう。

にぎわう『とっとり花回廊』

2016-05-26 00:00:51 | 美術館・博物館・工芸品
鳥取ツアーも後半だが、最も賑わっていたのが『とっとり花回廊』だった。地元の人と、中国、韓国からの観光客。

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「花を愛する」という行為は文化の高級化度合いを示すらしいが、実際には数値化が難しいのだが、確かにそうだろう。今、日本は水族館ブームだが、鳥取県民(交通警官は除く)は高級だ。

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中国や韓国には、こういったものが少ないのだろうか。となると、国家を含めた行政のレベルよりも人々の民度の方が高いことになる(というかそうなのだけど)。

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この回廊ということばだが、イメージ的に使われているのではなく、本当に回廊がある。敷地の中央に建物があって、そこから直角に四方に屋根付きの回廊があって、それぞれに建物がある。そしてその四つの建物が回廊でつながっている。上空から見ると、クルマのハンドル状に見えるわけだ。

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もちろん、ほとんどの花は、地上に「花畑」という形状に広がっていて、なんらかの温度コントロールが必要な植物が建物の中にある。

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そして、敷地の奥の方では、背景を大山(だいせん)とした、ポピー畑が美しい。カイバル峠を間近にするアフガニスタンのケシ畑を連想させる(行ったことはないが)。

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花の栽培でもしようかな、という考えが大脳のどこかから発生し、通常は、そういう思いつきは瞬時に消え失せるのだが、まだ脳内から駆除されていない感じだ・・

皆生温泉のお風呂屋さん

2016-05-25 00:00:18 | たび
皆生(かいけ)温泉といえば、『蟹』と『色街』で有名という位しか知識はなかったのだが、米子と境港の間にあるではないか、と地図を見て発見。夏の昼間に行くとなると『蟹』も『色』も堪能できないので、日帰り温泉に立ち寄るという方針で調べ始めると、意外なことに、湯質について、あまり好意的な表現が少ない。

どうも「海水の化石」とかひどい表現もあるし、塩分で体がべとべとになるようだし、源泉かけ流しではないところは、消毒のにおいがあるとか・・

なんとなくネット上は作為的なものを感じないでもない。

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といっても、もともと計画外なのだから、深く考えなくてもいいわけで、海は見えないものの格安のスーパー銭湯「OU(おーゆ)ランド」へ行ってみる。

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温泉内では撮影しないことにしているので、パンフ写真を紹介だが、大規模施設なので、清掃はしっかりしているので、大浴場(おー風呂)も露天風呂も問題はどこにもない。

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湯質だが、べとべとなどしないし、無色だ。東京都内の大型施設の湯の方が塩辛いし、茶色だ。もちろん、温泉毎に湯質は異なるので、好き好きについては単なる個人的問題だし、比較するほど温泉めぐりをしているわけではない。ついでにチャポン派だ。

パンフを読むと、「創業120年の温泉供給会社」となっている。温泉の井戸元をやっていたのだろうか。近隣の温泉旅館などに供給していたのだろう。そして、近年になって、自分でも格安施設を始めたということなのだろう。つまり、「産地直売」方式。こういう産業にまで「サプライチェーンマネジメント」が浸透しているということなのだろう。

妖怪都市、境港へ

2016-05-24 00:00:17 | たび
米子から日本海に向かうと突き当りが境港(さかいみなと)。遠洋漁業の町が妖怪都市に変わったのは、この町の出身の水木しげる氏の「ゲゲゲの鬼太郎」のおかげだ。具体的には水木氏の実家が海運業者であり、ここを仕事の拠点にしていたからだ。水木しげるロードからほんの3分歩けば、日本有数の大漁港である。

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まず、足を向けたのが「妖怪神社」。妖怪パワーをいただける場所だ。1億円寄贈すると本物の妖怪の仲間に入れてもらえる。その場合、妖怪相互銀行の発行する1億円札が必要なので事前に用意しておく必要がある。近くに鳥取銀行の妖怪ATMもある。

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そして、テレビで知っていた鬼太郎が歩いていた。究極のご当地キャラというべきか。こどもサイズかと思っていたらジャイアントだった。ゲタなど飛ばさなくても格闘技が強そうだ。少女と一緒に被写体となっているが、この少女の素顔は、まさに猫娘と同じ顔だ。

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その他にも後姿がねずみ男と同じ服装の女性も歩いていたし、観光客の1割ぐらいは妖怪世界から実世界に送り込まれたスパイだ。妖怪神社でお賽銭を払わない人や観光地で財布を使わない人間には空からカラスが落し物を見舞うことになっている。

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水木しげる記念館は水木しげるロードのほぼ一番先にあり、相当立派である。彼の一生を俯瞰できるようになっていて、基本的に楽天的な人だったのだなあ、と感心する。「水木」は本名ではなく住んでいたアパート「水木荘」から無断借用したもので、「ゲゲゲ」の方はこどもの時の「あだ名」だそうだ。自分の名前である「しげる」がきちんと発音できずに「げげげ」と他人に聞こえたようで、いわゆるパワハラに近い。

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一番感心したのが、妖怪のキャラ作り。戦争で片手を失ったのは既知のとおりだが、それでも有名になり始めたころから、片手でバッグを転がし世界各地に妖怪探しの旅に出ている。その回数、数十回。単に旅行に行っても簡単に妖怪に会えるわけでもないし、そもそも文献で調べるなら密林や荒野を歩く必要はないし、風景画を描くわけでもなく、そこが常人と違うところなのだろう。

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近くに山陰線発祥の地の記念碑があるようだが、正確な場所が検索できなかったのでパス。発祥の地と言っても山陰線敷設のための鉄道資材を陸揚げするために境港が選ばれたということだそうだ。軍事用語では橋頭堡だ。ノルマンジー上陸作戦など。

絶景のはずの米子城が・・

2016-05-23 00:00:07 | The 城
鳥取シリーズは西部に移り、米子市周辺へ。


まず、米子城。鳥取県には、鳥取城と支城としての米子城がある。鳥取城は秀吉による飢え死に作戦にはまり日本史上最悪の落城となったことが有名になり過ぎているが、米子城についても、あまりいいことはない。

何しろ、金欠に泣き続けた城のわけだ。なにしろ天守閣を築き始めたのは吉川広家だが、完成前に関ケ原の合戦になる。実は広家は裏工作で大活躍して毛利家の存続には功績があるが、色々と板挟みになり、岩国城主ということに落ち着く。徳川にも毛利にも恨まれる。

ということで、米子城は城主を失い、豊臣家臣ながら東軍に寝返った中村氏が入城するが、これまたお家騒動とか色々あり、嫡男を得る前に病死し、お取りつぶしとなる。

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その後、加藤家を経て池田家が鳥取城主となり支城という扱いとなったのだが、実は米子城の方が大きいわけだ。しかも眺望は極めて美しい。そして明治維新となり、再び試練が訪れ、米子城はある家臣に数千円で払い下げられるも、維持困難となり、叩き売りとなる。叩き売り直前の古い写真が残っているが、結局、廃材扱いとして風呂屋の燃料となった。

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当時の城の残存物で唯一の物は、「はしご」。なぜ、はしごだけが残ったのかは不明だ。たきぎにするには、はしごの方が簡単な気がするが、おそらく、簡単にとりはずしして残せるものが一本のはしごだけだったのだろう。

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という財政的な不幸がつきまとう城だが、城の入口に到着したのは、夕方である。城まで車で行けるかと思ったが、地上から見上げた山の上に石垣が見えるが、どうも歩いて登るらしく、断念。翌朝のお仕事とする。

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一夜明け、最初に城攻めから始めるが、やはり駐車場は平地にあり、山道を歩く。たぶん、鳥取城のように「熊・猪・蜂」の三点セットだろう。散歩の人達から離れないように警戒しながら登るが、10年後には無理かもしれない。

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そして石垣を登り切ると眺望が開け、四方が望める。海と湖、山と人間の作った街。境港もかすんで見える。

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しかし、あまり絶景ではないわけだ。かなり黄色く霞んでいるが、これは鳥取砂丘のせいじゃない。前日の鳥取東部でもそうだが、空が黄色いのは、中国大陸からのプレゼントである「黄砂」の影響。気管支炎には悪影響だ。眼も痛い。

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そして、どうも米子城に天守閣を復元しようという計画があることを確認する。

前述の古写真が決め手になったのだろう。権威付けにはリアリティが必要で、架空の城では付加価値がない。たった一枚の写真で、その観光価値が高くなるのだ。しかし、財政的には不幸の連続の城なので、うまくいくことを願いたい。建設途中で、建設反対派の市長が当選して工事の長期塩漬けになったりして・・

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山を下り、境港に向かう。

白兎神社(白兎海岸)

2016-05-22 00:00:51 | たび
鳥取市街地から海岸沿いの道を米子方面にわずかに西に向かうと、白兎海岸がある。大国主命が、皮がはがれた白兎に親切にしたことで有名な場所だ。古事記に「因幡の白ウサギ」として、その逸話が記されている。

大国主命は、出雲の国の王様のこどもだったのだが、他の兄弟と競争してこの地に住む八上姫と結婚しようとやってきたわけだ。他の兄弟はウサギに対して海水浴をしてから甲羅干しすればいいと言ったのだが、もちろんそれでも治るのだろうが、痛い。逆に水で洗って蒲の葉の上に寝転べば治ると教える。

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実際には、ウサギは八上姫が放ったスパイだったそうで、大国主命が結婚相手として合格し、この土地は出雲勢力の配下となった。クレオパトラとシーザーの関係によく似ている。

来る前は出雲(島根)の国の話かと思っていたのだが、出雲からはかなり遠い。出雲勢力は大和勢力と大戦争の結果、滅びたのだが。やはり戦国時代のように各地の豪族の奪い合いとかあったのだろう。

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位置的に言うと、白兎海岸は鳥取市のそばであり、出雲勢力はここから兵庫県北部まで進出してもおかしくないが、そこはもうすぐ京都である。京都と奈良は同一回廊の中にあるともいえるので、大国主命の影響力が強くなったあたりで大戦争があったのかもしれない。

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砂浜は広いが、白兎がいない代わりに黒いウェットスーツの人間がたくさん海の中にいる。

これより鳥取県の西部に移動する。

鳥取出身を隠した棋士

2016-05-21 00:00:35 | しょうぎ
鳥取県シリースの中盤なので、鳥取出身の棋士のことでも書こうかと調べてみると、意外なことがわかった。

鳥取で生まれたのに、宮城県出身と偽る棋士がいた。

N原誠氏。そう、元名人。鳥取県で出生後、1カ月で引越し。といっても鳥取出身のような気がする。

鹿野町で生まれたそうで、名誉町民になっている。名誉を傷つけるような行為が発覚したあとで名誉町民認定とは、笑いそうになる。

なお、町内には、武士の鑑というべき山中鹿介の墓がある。


一方、一日も住んだことがないのに鳥取県民をアピールする棋士が山口恵梨子女流だ。

先祖が鳥取生まれだが、本人は大阪生まれの東京育ち。

先日は、ご先祖の住んでいた三朝町の将棋イベントに招待されているようだ。タイトル一つでも手に入れれば、名誉町民間違いないだろう。



さて、5月7日出題作の解答。

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動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

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わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数を記していただければ正誤判断。

少し怖い鳥取城へ

2016-05-20 00:00:00 | The 城
鳥取といえば「鳥取城」と言いたいが、少し口ごもることがある。1580年に秀吉に包囲されて落城した時に、20日分しか食糧がなく、それでも2ヶ月は耐え忍んでいたが、それ以降は、味方の死人を食べ、埋められた死者を掘り起こして食べ、逃げようとして秀吉軍から撃たれまだ息のある者を食べ、城主の吉川経家が切腹し開城。

せっかく解放されたのに秀吉が用意した炊き立ての粥を大食いし、ほとんどの兵士がショックで亡くなったといわれる。毒を盛ったのかもしれない。

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実際に立地を見ると、険しい山を背に石垣が組まれ、後背地からの攻撃は無理なのだろうが、だから兵糧の補給に困難が生じた。

歴史的いうと、秀吉はこの前に三木城を同じように兵糧攻めにして落としている。さらに鳥取城の次は備中高松城を水攻めにしている。軍師は黒田官兵衛。

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一説には鳥取城は心霊スポットと化し、夜は妖怪が飛び交うといわれている。

実際には、「妖怪注意」ではなく、「熊、猪、蜂注意」となっている。いずれも逃げても追ってくる。強そうに太った熊蜂に頭を狙われ追い回されたが、奇跡の生還を果たす。整髪料にフェロモン系の香料が使われていた可能性があるかもだ。


ところが鳥取城は工事中なのだ。どうも石垣工事を行っているようだが、さらに天守閣を作ろうということらしい。

なんとなくうまく行かないような気がする。さらに、修復中の石垣だが野面積。大きな石だけを重ねて小さな石を詰めていないので、構造的にアブナイ。まだ完成までは遠いのだが、今でも観光地だろうが、何も努力はされていないようにみえる。

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ところで、秀吉が卑怯な戦法を使った相手は、すべて毛利輝元の部下だ。輝元は動かず、見殺し。結局、秀吉亡き後は五大老の筆頭として起用されたのだが、関ヶ原では加勢のタイミングを誤る。しょうがない奴だ。

河原城の意味

2016-05-19 00:00:21 | The 城
河原城(別名若鮎城)は秀吉が鳥取城に立て籠もる吉川経家を攻めるために、ベースキャンプとして急遽作られた城である。基本的に防御のためではなく攻撃のための城なので、天守閣はない。

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しかし、現在、城郭の復元と同時に天守閣ができてしまった。城域は狭いので不要の天守閣を作らず、いくつかの屋敷が建てられていたのだろう。まあ、城といえば天守閣ということで、観光用には必要なのだろうが、わからなくもないがどうしたものだろう。

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城内は郷土資料館といったところだろうか。人工的に作られた物なので、眺望もいい。まさに要所を選んだということだ。山々に囲まれているが川筋に開けたところを進軍していけば鳥取市街地に至る。

鳥取城にはこの後行くのだが、険しい山を背景に高石垣で正攻法には強い城なのだが、それが災いして、日本史の中でもことさら惨い落城となった。信長にしろ、秀吉にしろ、目的のためには手段を選ばすということだろう。河原城を基地とし、鳥取城の傍に陣を張り、包囲した。

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展示物の中に、鳥取地方に伝わる「麒麟獅子」の展示があった。獅子舞の上を行く麒麟獅子。あやつるのは一人ではなく二人一組だそうだ。若い男が二人で組むのだろうか、あるいは男女で組んでラブロマンスの始まりになったりするのだろうか。男は地元に残り、女は都会に出ていき、十年の歳月の末、祭りの夜に再開する。中上某のような作家なら書きそうだが、鳥取出身でもないし、今はいないし。

浦富海岸で海鮮丼をいただく、プラスワン

2016-05-18 00:00:21 | あじ
浦富は「うらどめ」と読む。砂丘より北上。風光明媚の海岸として知られるが、陸上にいても良さがわからない。船で沖から陸をみれば美しさがわかるそうだ。といっても、そういうわけにはいかず陸上から海岸を眺めるが、当日は黄砂が多く、あまり美しく見えない。

海にはダイバーたちが遊んでいるが、こちらは昼食の時間だ。「シーサイドうらどめ」という宿泊もできる設備で、「海鮮丼」を注文。待つこと10分で、白っぽい海鮮丼が登場。高級品がずらっと並び、かなりの割安感を感じる。

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難を言えば醬油。関西風醬油だ。

この海鮮丼という食事だが、千差万別だ。あえてマグロに拘らないこちらの店の海鮮丼はとても感動的だ。

そして、プラスワンの話。

この店の駐車場の奥にも駐車場があって、あやまってそちらにクルマを入れてしまった。そうなると駐車場のはずれの方になるのだが、気がつくと、何台かのクルマの陰で人の気配ある。妙齢の女性ダイバーがウエットに着替え中だった。極小の黒ビキニ1枚だけになり、着替えの作業中だ。できれば、逆方向の着替えの方がうれしい。

一般論として、ダイビングスポットになっている海岸の近くの駐車場の一番奥が狙い目だが、各種犯罪行為は慎んでもらいたい。

砂丘美術館は意外な構造

2016-05-17 00:00:56 | たび
鳥取砂丘だけでは物足りないという人のために、砂丘美術館というのがある。やや、まぎらわしいネーミングで、砂丘を改造して美術化しているわけではなく、鳥取砂丘にあって、砂を原料として彫刻としての美術品を作るということになっている。

しかし、砂でできる芸術は「砂絵」ぐらいしか思いつかない人も多いが、砂に若干の水分を加え、こちこちの塊を作ってから、削っていくそうだ。コンクリート的な考え方だ。なんとなく札幌の雪まつりみたいに、そのうち暖かくなれば崩れていくようなことにはならない。

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テーマ別に展示替えが行われ、現在は南米特集。そのテーマは白人(スペイン人)による現地人への迫害と同化というようなことのようだ。そして、アマゾン。ワニとジャガーの戦いとか、私の嫌いなアナコンダも登場。

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たとえて言えば、体育館のような建物の中に、大型の砂製の彫刻があるということ。2階から鳥瞰的に眺めることもできる。色がないのが残念と言うところか。思うに、製作中に失敗すると、かなりまずいことになる。失敗作は砂の山としかいえない。

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鳥取砂丘への滞在時間が増えると、髪や顔面に砂の粒子が付着していく。合わせて当日は黄砂が飛び散る日で、治ったばかりの気管支炎がぶり返しそうになり、次へ・・