認定書代は

2012-06-30 00:00:51 | しょうぎ
将棋の普及指導員という資格を持っていて、地区の小学生向けの教室を頼まれている。

その小道具に使っているのが、『級位認定書』。こどもの名前と、与える級を書いて日にちを書き加えて渡せばいい。名刺サイズの紙切れと言えばそれまでだが、こどもたちは、結構必死になる。場合によっては親が登場して、どうしてうちのこどもの昇級が遅いのかとか詰問されたりして、困る。イエローカードを持っていると簡単なのだが、そうもいかない。

そして、乱発すると用紙がなくなるので、将棋連盟に発注することになるのだが、無料でもらえるので、まとめて数百枚を電話で頼むのだが、今回は、ちょっと違った。

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郵送料240円也を切手でいいから送ってほしいとのこと。特にこれだけで送らなくても他の郵便物と一緒でいいと言われる。

そして、現物が到着し、240円分の切手を用意したのだが、それを送るのに80円かかることに気が付く。他の郵便物と一緒でいい、と言われても、すぐに送るものは思いつかない。結局240円分の切手を同封し、80円の切手を貼って返送する。

難解詰将棋でもじっくり考えていくと、糸口が見つかることが多いので、長く考えていると最後の80円切手を貼らずにすむ方法を思いつくのかもしれないが、そこまでの辛抱はない。


さて、6月16日出題作の解答。

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▲1三角成 △同玉 ▲1四銀 △1二玉 ▲2三銀打 △同と ▲3二飛成 △2二角 ▲2三銀成 △1一玉 ▲2二竜 △同歩 ▲1二歩 △2一玉 ▲4三角 △3一玉 ▲3二角成 まで17手詰。

二手目、△1四玉は13手で詰むが、その変化筋の問題も作ってみた。

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動く将棋盤はこちら


今週の問題。

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指の数の手数で終わるが、何本の手足の指だろうか・・

わかったと思われた方は、コメント欄に、手数と最終手と酷評を記していただければ、正誤判断。

算私語録(安野光雅著)

2012-06-29 00:00:59 | 書評
3456著者の安野光雅氏は大正15年生まれ。画家であり絵本作家を本職とするが、本著はエッセイ集である。そして、本エッセイを読む限りにおいて、著者の本業は何か、それはわからない。あえて言えば算数の先生と思うかもしれない。

さらに言えば、すべてのテーマが10行程度以内にまとめられている。だから、元祖ショート・ショート・エッセイとも言える。252ページで345本のショート・エッセイが並ぶ。

まあ、そうなると読む方も気軽になり、本著のすべてで、「面白い」とか「納得」とかしなくてもよく、まあ1割だけ楽しんだっていいのである。

まあ、第9話で、TVで換気扇のCMを観ていて、そんなに煙をうまく吸い込むはずがないだろうと、自宅の換気扇でタバコの煙で実験してみたところ、換気扇を取りつけて以来、十数年間、外の空気を室内に送り込んでいた事が判明した、という筋の話がかかれていたのだが、事実はエッセイより奇なりということがある。

近所の一戸建ての人に聞いたのだが、住宅の十年目の定期診断の時に、換気扇を調べてもらったところ、室内から見ると普通の換気扇なのに、室外から見ると、ただの壁、といった事態になっていたそうだ。つまり壁に扇風機が取り付けられているのと同じ。

どうして、そんな欠陥工事が行われたのか不明だが、あらためて壁に穴を開け、換気扇一台を取り付けるために、大工事が行われたそうだ。

そして第190話。ドイツ東方の街ケーニヒスベルグ。ここは、数学者のオイラーが街を流れる川に架かる七つの橋を一筆書きで渡れるかどうかを数学的に考察したことで有名なのだが、本書の初版である1985年の頃には東ドイツに所属していて、さらにソ連流にカリーニングラードという名称に市の名前すら変えられていた。安野氏がモスクワの友人に、この街の地図を確認してもろおうとしたのだが、鉄のカーテンがあるので、無理とのことだったそうだ。

すでに、鉄のカーテンもベルリンの壁もないのだから、現在ならグーグルマップとかで、7つの橋を確認できるのだろう、とは思うものの、まだ着手していない。

というのも、大数学者オイラーともなれば、一筆書きの問題を地図の上の橋で確認したとは、到底思えないからだ。ご存知の方は多いだろうが、道の交点が重要で、その交点に集まる道の数が奇数であれば、そこが出発点で奇数交点が2つまでであれば、一筆書きが可能ということであり、橋(=道)事体を考察しても解は得られないからだ。

人は、なぜ泣くのか

2012-06-28 00:00:04 | 市民A
町内会のゴミ拾いで、公園の掃除をしていたら、一斉に木々の梢から小鳥が鳴きだした。大騒ぎだ。

どうもカラスが、ある巣を襲って、一羽の鳥(親鳥かひな鳥かは不明)を捕まえて、大木の枝の上で、嘴で羽毛をむしって食べ始めたのだ。どうも、まだ獲物は動いているようだが、あまりに周りの小鳥たちが鳴き騒ぐので、くわえたまま飛び去った。

まあ、それも自然とはいえ、カラスって嫌われ者だ。色も気持ち悪いし、ずる賢い。政界のドンみたいだ。

で、ちょっと考えたのは、周りの小鳥たちがなぜ大騒ぎで鳴くのかというと、悲しいとか怖いとかいう理由じゃないだろう。さらに鳴くことによって、自分の居場所をカラスに教えることになるので、より危険なような気がする。

ということになれば、なぜ集団で鳴くのかといえば、一羽では立ち向かえない敵に、集団で立ち向かおうという、種のDNAなのだろうと想像がつく。


で、人間の話だが、仲間が死んだりすると、人は泣く。また幼児期においては、怖い体験をした時にも泣く。犬も同じだ。

一般的には、人は悲しかったり、怖かったりした時に泣くということになっているが、もしかしたら、小鳥と同じで、太古の時代にライオンなどの猛獣と東アフリカで共生していた頃、ライオンに仲間が奪われた時に、みんなで泣き叫んで種の保存をしたのではないだろうか。

ゴミ拾い

2012-06-27 00:00:39 | 市民A
先週末に、町内会のゴミ拾い。特に今年は班長を引き受けているのでサボれない。2ヶ月ごとのゴミ拾いの他にも、夏祭りとか秋祭りとか餅つきとか火の用心とか、警察署との懇談会とか、毎月1回の会議もあるし・・

で、ゴミ拾いも三回目となると、こんなものでも熟練してくるのが不思議だ。人間ってロボットよりもかなり能力は上だ。(犬だって熟練する)

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だいたい前進方向の10メートル程度の視野をとり、ゴミらしき物体を認識する。3メートル内に近づいたら、ゴミかどうかを判定し、1メートルに近づいたらゴミの種類とか拾い方とか決定する。バッチイものはスルーだ。パイロットが着陸する認識法と同じだ。着陸地点の確認→滑走路に進入するか、一回やめてやり直すか→タイヤを静かに接地させる。

それで、道路ではなく公園に行くと、かなり大量のごみが残されている。缶やポリやごみ、折れた傘・・

大人が捨てたと思われるゴミもあるし子供が捨てたと思われるゴミもある。人はなぜ、ゴミをそこいらに捨てるか、というのは一つの哲学的考察なのかもしれないが、実際のところ子供の頃にゴミを捨てていた人が大人になってもゴミを捨てるのだろうと思うわけだ。

社会的遺伝、というのかな。風習とか、文化とか、そういうのも同類項なのだろう。

経済成長率ランキングTOP5の国

2012-06-26 00:00:57 | 投資
先週号の「R25」に、経済成長率ランキングの話が書かれていた。

IMFが183ヶ国を対象として2011年の成長率を発表している。

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成長率と言えば、普通は「BRICS」ブラジル・インド・インド・中国とか、「VISTA」ベトナム・インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチンをイメージするのだが、全然違う。

 1位 カタール     18.82%
 2位 モンゴル     17.26%
 3位 トルクメニスタン 14.70%
 4位 ガーナ      13.61%
 5位 東ティモール   10.60%

ということだ。私は、それらのどこにも行ったことはないし、自分の人生の未来を決めつけるべきではないのだが、たぶんこれからも行かないのではないだろうか。(行きたくないし)

そして、これらの国の特徴は、資源。2位のモンゴルはレアメタルであり、その他の国は、天然ガスである。つまり、背景には日本の事情により、それらの資源価格が高騰したことが関わっていることがわかる。

さらに、これらの国には、おそらく巨万の富を得た人たちがいる一方で、何の恩恵も得られない人びとが大勢いることが予測できるし、その結果、社会に多くの不満が渦巻いていって、やがては国家が大破綻の危機に陥るのではないかとも想像される。

そして、それまでには長い時間はかからないのであろう。

亀裂が4つ

2012-06-25 00:00:54 | 市民A
6月20日13時25分、乗員乗客193名で成田国際空港に着陸した北京発ANA便(B767‐300)が、着陸時にバウンドして機体がゆがんだ、と言われていた事故だが、実際には、機体が滑走路に接触したわけでもないのにゆがみではなく10センチ弱の亀裂が4ヶ所もあったそうだ。もちろん亀裂と言うのは、小さくともそこから拡大していく性格があるので、小さくともたくさんあった、というのは大問題。

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画像を解析してみると、着陸時に機体は右に傾き、本来は左右同時に設置すべき後ろ側の車輪が右側だけで設置し、その直後に前のめりにジャンプ。今度は前輪に全重量がかかるというような状態になり、さらにバウンドして前輪が宙に浮き、後輪が接地。その後は前後にギッタンバッタンという感じで、やっと制御されている。なにしろ全長55メートルの機体の総重量は140トンだ。

おそらくは、後輪がはねた後の前輪に全負荷がかかった瞬間に、最大のたわみがあり、その後、反動で後ろに反った時に次のたわみがあったのだろう。

機長は着陸後「強めの着陸をしたので、機体を点検してほしい」と要請したそうだが、実際には「かなりまずいな・・」と思ったのだろう。

実際に、着陸時にどこまで自動着陸装置を使ったのかは明らかではないが、当日は15メートル/秒ほどの横風が吹いていたので、さらに瞬間的な突風があったのだろうか。いくら優れた計器があっても、対地速度250キロの状態では、「想定できるものの防げないリスク」という種類のものだろうか。ゴルフなら、強い突風が吹いてきても10秒ほどで収まるわけで、タイミングをはかってショットすればいいが、着陸時にタイミング合わせは無理だ。

ということで、「想定できるものの防げないリスク」に対抗するには機体構造ということになるが、どんな衝撃にも耐えられる構造にすると、重くなり過ぎて空を飛べない。なんだか原発リスクみたいな話になってくる。



ところで、最新鋭機のB787はアルミと炭素樹脂の複合素材ということになっているが、複合素材というのは溶けて混ざったものというのではなく、炭素樹脂の板を両側から薄いアルミ合金でサンドイッチ状に挟んだ構造になっているわけだ。

一般に炭素樹脂はゴルフのシャフトのようなもので、変形に対する対応力は強いと思われるのだが、実際には、「強い」と思われるというところにヒューマンエラーが発生するのはリスク学の常道であるので油断がならない。


さて、機体には4ヶ所の亀裂が発生したのだが、亀裂が4つということで、「ANA、民主党、巨人軍、AKB」という四題亀裂話ということになるのだろうか。

リヤドロ(?)

2012-06-24 00:00:24 | 市民A
今や崩壊寸前の通貨ユーロがキックオフとなる1ヶ月前(2001年末)にスペインに遊びに行っていた。結構、通貨は混乱していて、ペセタとユーロとの混用が始まっていて、クレジットカードはユーロで決済されることになっていて、買い物する時には、ペセタ-円-ユーロ-ペセタ-円-ユーロ・・・・とかグルグルと複雑な計算を頭の中で行って、結局、「えいっ」と、あれこれ買ってしまう。(ユーロからペセタに戻すのは、もっと大変だろうということは、想像に難くない。それぞれの通貨には、そろぞれのディフォルトリスクとそれぞれの金利率パッケージになるのだから、実際、可能なのだろうか)

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で、「えいっ」と買ってしまったのが、「リヤドロ」の陶器。壊れ物なのにいくつも買ってきて、親戚筋に配ったのだが、一つだけ自宅に残っている。いくらしたのかも覚えていないが、今、リヤドロ日本のHPを見ると、1万円位のものかなとは思うが、人気アイテムだと数十万円のものもある。まったくよくわからない。

さぞかし、昔から続く名門企業なのだろうと思ったら、どうも1950年代に創業となった会社らしい。それでは自分の寿命より少し長い程度じゃないかとも思うが、今までに産み出した価値はずいぶん違うなあという感じだ。


ところで、調べているうちに「LLADRO」をリヤドロと読むのは。大きな間違いということがわかってきた。どうも日本に最初に輸入されて頃に、「Lladro」と表記される2字目の「l」を「I」と読み間違えてしまって、リヤドロとなってしまったらしい。さらに言えば、発祥の地のバレンシア読みすると、「ジャードロ」という方が正しい。

と、ここまで書いてきて気付いたのが「パエリア」。バスクでは「パエージャ」と発音するのは有名だが、もしかして「パエリア」の「リ」は勘違いなのだろうか、とスペルを確認すると、「Paella」となっているので、勘違いの匂いも漂う。あるいは、パエーリャから「パエリア」になったのだろうか。


そして、10年以上前にあちこちの親戚に各一体ずつ配ったジャードロのことを考えてみると、もしかして数十年後には、再び、それらが自宅に戻ってくるのかもしれない、という可能性を感じないでもない。(念のため、その総ての親戚の唯一の遺産相続人になっているということでは、まったくないので。)

将棋順位戦始まる

2012-06-23 06:48:18 | しょうぎ
名人戦も終わり、次年度の名人挑戦権を争う順位戦が始まる。さっそくA級では、谷川-渡辺戦があり、渡辺明の勝ちとなる。ここ数年、谷川九段が序盤に5連勝するというパターンが多かったが、今年は逆だ。5連敗してから4連勝するのだろうか。結果はあまり変わらないが。

ところで、今年は渡辺明さんの挑戦となるのかと思えば、やはり羽生さんが7勝2敗以上は堅いのだろうから、結局無理なのかもしれない。その他1回戦には「羽生×深浦」、「屋敷×橋本」という予想困難な2局が行われる。リーグ戦が混戦になった場合、屋敷、橋本両氏ともに十分にチャンスはあるだろう。


さて、6月9日出題作の解答。

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▲2七銀 △同玉 ▲5九角(途中図1) △3六玉 ▲5六飛 △同桂 ▲3七銀 △4七玉 ▲6五飛 △5七玉(途中図2) ▲6八角 △同桂成 ▲4八銀 △5六玉 ▲4七角 まで15手詰。

最後の手が、計算通りと言う感じかな。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

ちょっと軽い問題にする。

0623


わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

遠景過ぎて・・

2012-06-22 00:00:55 | 市民A
急に、遠景に臨めるはずのスカイツリーを見てみようという気分になり、観覧車に乗りこむ。ただし、曇り。カメラも持ってないし。

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間近に行くと高く見えるスカイツリーも遠くからではあまり高く感じない。しょせん人間の作りものであり、反対側に見える丹沢山系や富士山ほどの質量感がない。

そして、敷地面積の関係で、床面積がとれず、上に延びていったスカイツリーはいかにもバランスが悪い。

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そして目をこらすと、スカイツリーより右側に東京タワーが見える。なんとなくスカイツリーの方が右に見えるのではないかと思っていたが、そうではないようだ。後で地図でも確認した。

スカイツリーの開業で気になったのが、下町文化。スカイツリーと下町文化とは、どう考えても共通項が無い。カラーも地味な配色だし、どうも場違え感が漂っている。

結局、何が変わるのだろうか

2012-06-21 00:00:47 | 市民A
egyptギリシア再選挙の問題で盛り上がり、盛り下がった欧州だったが、それとは別に注目されていたのがエジプト大統領選挙。

その結果は、・・・



カイロ(CNN) エジプト大統領選の決選投票で対決したイスラム団体「ムスリム同胞団」系政党「自由公正党」のムハンマド・ムルシ党首とアフマド・シャフィーク元首相は19日までに、ともに勝利を宣言した。

一方、国営ナイルTVによると、シャフィーク陣営の報道担当者は19日、同氏が当選したと発表。同担当者は記者会見で、「手元にある数字が正しいと確信している」と述べた。同氏は旧ムバラク政権で最後の首相を務めた人物だ。

ただ最終的にどちらの候補が当選したとしても、新大統領がどれだけの権限を握ることになるかは不透明だ。暫定統治を担う軍最高評議会は人民議会(下院)の解散を命じたのに続き、暫定憲法の修正を発表。立法権と予算の決定権は、新憲法が起草されて次期議会が選出されるまでの間、評議会が掌握すると宣言した。軍の人事権なども評議会が握る。大統領は宣戦布告の権限を持つものの、評議会の承認が必要とされる。

こうした軍の動きに対し、若者らの民主化グループ「4月6日運動」やムスリム同胞団のメンバーらが19日、タハリール広場で「100万人行進」と称するデモを実施した。広場には同日夜までに数千人の参加者が集まり、国旗を振りながらムルシ氏の名前などを唱えた。



結局、「ジャスミン革命」は、何のためのエネルギー放出だったのだろうか。フェイスブック上場の景気付けの余興だったのだろうか。

終身刑判決を受けたムバラク元大統領も脳卒中で意識不明との報もある。「アラブの春」で失墜した指導者のうち、カダフィは自称大佐という肩書にふさわしい最期を遂げたし、84歳のムバラクは、それにふさわしい最期を遂げるのだろうか。

長すぎる政権も問題だが、短すぎる政権も問題であるわけで、最近の日本では、政権から引きずりおろすのに、なんらエネルギーは不要で、1年で自動的に自壊していくわけだ。

クヒオ大佐(DVD・2009年)

2012-06-20 00:00:37 | 映画・演劇・Video
映画『クヒオ大佐』は、実際の事件を元にした犯罪映画である。アメリカ軍の大佐になりすました日本人結婚詐欺師である自称クヒオ大佐の活躍(?)と発覚後の破滅をテーマにしている。

まず、実在のクヒオの方は外国人になりすますため、整形手術で鼻を高くしていたそうだが、主演の堺雅人は手術すると後で具合が悪いので、撮影中は「つけ鼻」をしていたそうだ。映画でつけるのは眉毛とかカツラだと思っていたが、鼻を付けるとは大苦心だが、さぞかし気持ちが悪かっただろうと推測される。「つけ鼻」だからね。

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そして結婚詐欺で総額1億円をだまし取るとは大犯罪であって、たぶん騙された方の心痛を思うと、それぞれ寿命が10年くらい短くなったのかもしれない。しかし、結婚詐欺を映画にするとなると、どうしても喜劇にしかならない。というのも、いくらうまい話だって、結婚詐欺師の話って、どこかにほころびが出るはずで、事件としては、どうも間が抜けてくる。というのも、第三者的立場で観客は観ることになってしまうからだろうか。思い切って、結婚詐欺師の立場とか、詐欺師に騙されている立場でストーリーを組み立てると、まったく違った味の、ピカレスク系か悲劇系になるのかもしれない。

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それとカタコトの日本語に騙される女を松雪泰子、満島ひかり、中村優子のタイプの異なる三女優が演じる。

そして、こういう悲劇タッチの喜劇を演じる役者って、本気で悲劇的演技になりきること、難しいだろうなあ、と思うわけだ。一応、シナリオは最後まで読んでいるだろうし、まあ実際の事件では、詐欺と知らずに大金をだまし取られるので、シナリオはクヒオ大佐の頭の中にしかないのだから。

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本作に登場する各種の手口だが、自分でやってみてもスグに正体が割れてしまいそうなのだが、そこをうまくやるのがプロの詐欺師ということだろう。


ところで、結婚詐欺と言えば、連続練炭殺人疑惑の女がいたのだが、いずれ映画化するのだろうか。共感と言うものが存在しない映画って観る人がいないような気がするし、なにしろ喜劇として描くのは至難の技だろう。

ロボットセンタ見学

2012-06-19 00:00:59 | 企業抗争
少し前に、首都圏にある某社のロボットセンタの見学に行った。産業用ロボットが溶接作業をするのは20年ほど前に今はなき日産座間工場で見学したことがあるのだが、その後、どれくらい進歩しているのか、ちょっと興味があった。

で、都心からいくつかの乗り換えをして、目的地に到着。ただ、まったくの住宅街だ。縦横高さが50メートルくらいの4階建てのビル。この中で、溶接の火花や塗料の吹き付けなんかが行われている感じはまったくしない。

もちろん鉄腕アトムを組み立てて、胸に超小型の原子炉を埋め込もうとしている可能性も常識的に言ってきわめて小さい。国内で稼働している原子炉は、唯一米軍の空母や潜水艦だけだからだ。

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そして、ちょっと残念ながら、ここには溶接ロボットはあるものの、実際には溶接は行わない。火花が飛び散るから危険だそうだ。つまり、20年前からどれだけ進化したかは、わからないままになった。

で、ここでは、畳まれた段ボールを開封して2本の手で、底にガムテープを貼るといったかなり人間には忍耐が必要な仕事や、その段ボールを決められた場所に積み上げる仕事などを、デモで公開している。工具箱の中の整理みたいな仕事は、赤外線センサーとの組み合わせで行っているが、仕事自体は人間の方が早いだろうか。ただし、人間は単純な仕事を長くおこなうと、必ず間違えるようになっている。要するに「飽きる」ということは、脳に組み込まれているわけだ。

感想と言うことでいえば、ロボットの能力は想像の域を出るものではなく、まあ鉄腕アトムが出現するのは今の人類の文明が滅亡したあとだろうか。超人類が現れて、今の人類のレベルの仕事を生き残って奴隷化した今の人類にやらせるかロボットにやらせて、人類を犬のようにペット化しようとか、そんな場合だろう。そもそも、人間が考えもしないこと技術をロボットがやってくれるはずもないわけだ。ソフトは人間が書くからだ。

そして、ロボットアームだけじゃなく人型ロボットの件だが、6軸とか7軸とかになる。つまり関節の数。立った状態の人間でいえば、腰、肩、肘、手首、親指、その他の指に関節が二つで7つのモーターが必要だ。指を5本にして人間のように3か所で曲がるようにするなら、もっとたくさんのモーターと関節が必要になる。

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その結果、重量が大きくなってしまう。長い腕を振り回すことのできる「パル君(性別不明)」は身長132.5cmで体重127kg。空港内でガイドをこなすだけの「ガイド君(下半身がないので性別不明)」は身長77.5cmで体重70kgだ。どちらも超メタボである。だから、近寄ってみると、とてもこういうロボットに介護やリハビリを任せるような気にならないほどイメージが怖い。なぐられたら、骨が砕けるし、いくらかっとしても、殴り返す気にはならない。というよりも人間そっくりに動くところが、逆に怖い。

そして、Q&Aの時間に、福島の原発で使えるようなロボットの開発について質問があったが、「個々の企業の力では、まったく無理」ということだそうだ。

個人的には、リハビリ用ロボットを改造して、ゴルフクリニック用ロボットができたら、いいかなと思うのだが、直ぐに自分の関節の方がバラバラになりそうな気がする。

もっとも、この会社の社員がロンドン五輪で男子マラソンを走ることになるそうで、マラソン用のフォーム矯正ロボットとか開発したのではないかと疑っている。

アメリカンブランド物語(ハナ・キャンベル著)

2012-06-18 00:00:38 | 書評
absこの本、原本は1980年以前に出版されているようだ。それを常盤新平氏が冬樹社から翻訳したのが1981年。旺文社文庫になったのが1985年。つまり、そのあたりの原作者、翻訳者、出版社などの事情が既に大きく変化している。まあ、27年前の本が段ボールの中に眠っているのも何かの偶然だろうが、読み直してみると書かれているブランドも、様々である。

コカ・コーラをはじめ多くのブランドは健在だが、中には聞いたことがないものもあるし、不幸にも途絶えたものもある。

たとえば、コダック。

コダックの製品名の由来は、「短くて、力強くて、スペルを間違えないように」という観点から、「最初と最後に『K』を付ける」ということで作り上げた人造語ということだそうだ。

そして、もちろんコダックは世界を制覇し、1980年頃には、誰しも企業の破綻なんか想像もしていなかった。おそらくデジカメなんかイメージできた人は、世界中に一人もいなかったはずだ。

で、イーストマン・コダックが破綻した経営学的な分析は、何種類でも読むことができるのだが、それではまったくつまらないので、創業者ジョージ・イーストマンのことから因縁話的に書いてみると、

ジョージはひどく貧乏な子供時代をおくっている。父親を幼少の頃失う。母親と二人の姉妹(一人は小児まひの後遺症をもっていた)を食べさせるため、14歳の頃から働いていた。最初は保険会社の使い走りとして週給3ドルだった。そのうち次の保険会社へうつり週給5ドル。その時に会計学の勉強をして20歳の時に銀行員となることができた。週給生活から脱し、年800ドル。

そして、3年間、必死に働いたのには家計の問題のほかに、もう一つ理由があった。

カメラを買うこと。

ただし、当時のアメリカでは湿板カメラが使われていた。何しろロールフィルムを発明したのは、ジョージ・イーストマンその人だからだ。

彼は、銀行の行内旅行を計画し、その旅行先の風物を記念に撮影しようと思っていたわけだ。そして三年間貯めたおカネで、高額カメラを買い、その後、カメラの世界にどっぷりつかっていき、ついにロールフィルムを開発。このため、以前のカメラマンが、撮影後、暗室に閉じこもり手探りで現像していた状態から、撮影=カメラマン、現像=現像工場というように、仕事を分離し、世界中の家庭にアマチュアカメラマンが現れることになる。1888年のことだ。

というのが、この本に書かれているあらすじなのだが、一つだけ、ひっかかることがあった。初めてカメラを買った時のこと。

つまり、行内旅行を計画し、その時の撮影用にカメラを買ったことになっていたのだが、実は、カメラ代が高くて、実際には旅行に行かなかったということだそうだ。

なんとなく、予算が500ドルで、旅行代金が100ドルでカメラ400ドルの予定だったけど実際にカメラ屋にいったら400ドルのカメラより500ドルのカメラが欲しくなって、旅行の方をやめてしまったというようなシチュエーションが浮かぶ。

どうも、カメラとは被写体があって、それを表現するという原則を忘れて、カメラというメカニックの方に突き進んでいったということなのではないだろうか。

なんとなく、今回の破綻は、旅行会をサボった時のつけが回ったというか、バチがあたったとか、そんな気がする。

新版 5手詰ハンドブック

2012-06-17 00:00:04 | しょうぎ
浦野真彦さんの新作である。買ってから気付いたが、最終ページに「2004年の旧版を改訂したもの」とある。ただし、「5割以上の問題を修正し、修正しない問題は順番を変えました」とのことである。実は、旧版を持っていて、比べてみても順番が違うので、定かには検証できないが、注書きの通りだったら、半分、おカネを返してもらいたいということも言えないでもない。

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それで、今回二冊を並べてみると、驚くことに出版元が違う。旧版は日本将棋連盟で新版は浅川書房。表紙のデザインはそっくりだが、ページをめくると問題図のサイズが若干小さくなったような気がする。

5手詰だし、半分は解いたことのある問題で、残りの半分も改作ということで、実は新横浜から新大阪の間で200題を解き終わった。この手のシリーズ本は北浜プロも出版しているが、どちらかというと、浦野プロの方が好みである。北浜プロの場合、駒を取ることをかなり毛嫌いしているような感じが伝わってきて、その先入観を持って解けばいいのだが、浦野プロの場合は、読み筋のバラエティを広く取らなければならない。

ただ、図面は盤の右上に収まるように作られていて、入玉や双玉といった方向にはいかない。

個人的には、5手詰を作るというのは、かなり難しいと思っている。



さて、6月2日出題作の解答。

s12


▲2一金 △同玉 ▲2四香 △2三歩合 ▲同香 △1二玉 ▲2二香成 △同玉 ▲1三角 △1一玉 ▲2二銀 △1二玉 ▲2一銀不成 △1一玉 ▲1二歩 △2一玉 ▲2三竜まで17手詰。

2手目に△3一玉は、▲4二銀 △同金 ▲5一竜 △4一合 ▲1三角まで早詰め。

2手目の中合いがイノチである。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

0616


禁断の「玉型2二と」である。初手の変化、色々といったところなので、最初から正解筋に行くと「簡単!」ということになるかも。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数と酷評を記していただければ正誤判断。

ミニパト、家に帰る

2012-06-16 00:00:26 | 市民A
昨日、タカハシ容疑者が逮捕される。長期潜伏していた川崎の隣町である蒲田駅近くで。

何日も捜索して、日本の警察の能力が、これで明るみに出てしまった。朝方、川崎から千葉にアクアラインを通ったのだが、千葉側でもパトカーが巡回していた。アクアラインを歩いて逃げたと思っているのだろうか。


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もっとも、木更津側に大型アウトレットモールが開設されてからアクアラインも混雑していて、路肩には、「歩かないこと」と看板が立てられている。混雑時は、ドライバー以外は、高速道路の路肩を1キロ歩くのだろうか。それに紛れて千葉県逃亡とか。

そして、昼ごろに逮捕され、警察ムラに平和が訪れる。夕方の首都圏では、パトカーがあちこちでのんびり走っていた。