孫弟子に恵まれた(ことを知らない)棋士

2015-05-02 00:00:48 | しょうぎ
to1「渡邊東一名誉九段作品集」をいただく。自作の詰将棋70題と付録4題。7手詰から19手詰めなので、パソコンのお世話にならなくても解き切る(最後の方は手間取るが)。

作風は、捨駒と捌き、良型と美手順。プロ棋士の詰将棋の典型か。今年の1月に編纂された本だそうだ。

渡邊氏は、本書によると、母親が関根金次郎名人の姪という縁で関根門下に入ったということだそうだが、「母方のいとこ」ということだろうか。

現役期間は、そう長くはないが、木村義雄名人に継いで、第二代将棋連盟会長を勤めた。任期中に名人戦の所属が毎日から朝日に移動するが、副会長の加藤治郎氏と、対立したとされる。

弟子には、北村九段、下平八段、二上九段、佐藤大九段、勝浦九段と詰将棋派が多いが、7人いる孫弟子の中には、羽生名人、森内前竜王の二巨頭がいる。

言い換えれば、「もっとも孫弟子に恵まれた棋士」と言えるのだが、渡邊九段が亡くなった時点(1985年5月)には、まだ両巨頭ともプロではなく、その年の後半に羽生四段、2年後に森内四段が誕生している。

ところで、孫弟子の件だが、棋士を「質より量」で数えるのはいささか方向違いかもしれないが、たくさんの孫弟子を輩出されている方がいる。将棋手帳の付帯資料を参考に、ランキングを作ると、

1位:関根金次郎13世名人 29人
2位:土居市太郎名誉名人 15人
2位:藤内金吾八段  15人
4位:木村義雄14世名人 14人
4位:石井秀吉七段  14人
4位:高柳敏夫名誉九段 14人
7位:佐瀬勇次名誉九段 13人

2位以下は大混戦だ。

一方、渡邊東一九段には曾孫弟子はいない。羽生、森内の両巨頭が弟子を取らないからだ。この業界に明日はないと思っているからだろうか。あるいは、自分の商売敵を増やさないように思っているのだろうか。

さて、4月18日出題作の解答。

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▲3七銀 △同玉 ▲2八銀 △4六玉 ▲3八桂 △3五玉 ▲2五金 △3六玉 ▲2六金 △4七玉 ▲2五角まで11手詰。

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今週の問題。

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