天使のカンパネラ・ダイアナ湯川デヴュー!

2007-09-30 00:00:51 | 音楽(クラシック音楽他)
ヴァイオリニストのことを音楽以外の観点で見るのは、避けなければならないのだが、CDジャケットに色々書いてあるので自然にわかってしまうこともある。「天使のカンパネラ・ダイアナ湯川デヴュー!」がそうだった。



湯川ダイアナさん、1985年9月16日生まれ。22歳。新進気鋭というところだ。ラ・カンパネラをクライスラー編曲で仕立てた一曲。さらにツィゴイネルワイゼンや、大江光の夢。全18曲の中にはスキヤキ・ソングがあり、さらにエレジーというある航空機事故に捧げた一曲が含まれる。

結局、彼女の生まれた時の事情から書くべきなのだろうが、父親は大手都市銀行に勤めていて、傍らピアノを弾いていたそうだ。そして母親は英国人だった。そして彼女が生まれる1ヶ月前の1985年8月12日、彼女の父親は520人の犠牲者を出した日航機事故に遭遇。


それから20年、英国生活の彼女は2005年8月に御巣鷹山でヴァイオリンを弾くために来日。微妙な問題で報道されなかったもののちょっとした騒動を起こしている。20周忌式典を脚本どおりに進めようとする人たちとの軋轢だろう。まあ、結果的には彼女の考えていた通りにことは進んだようだ。

で、その件は深く考えるのはやめたい。


全18曲を聴いた第一感からだが、「軽快」「正確」「快走」といったところ。面白いもので、今まで聞いたことがない透明感のあるツィゴイネルワイゼンである。そして、ラ・カンパネラ。すっかり、フジコ・ヘミングの十八番になっているのだが、元々はパガニーニがヴァイオリン用に作曲したものをリストが換骨奪胎してピアノ用に書き換えてしまった。もともと「カンパネラ」は「鐘」を意味するのだからピアノの音の方が向いているということもある。

リストがどれくらいヴァイオリンが巧かったかはわからないが、おそらく、別人がヴァイオリンを弾いているのを聴いてからピアノに書き換えたのではないだろうか。彼女の「ラ・カンパネラ」もリスト風の絢爛豪華ではなく、もともとのパガニーニの時代のかもし出す、荘厳でかつ清清しい小曲である。ちょっと感情をゆさぶるところがある。このCDのあと、サン・サーンスのコンチェルトもCD化している。これから得意分野をどちらに求めるのか。少し気がかりである。


しかし、ピアノ曲「ラ・カンパネラ」を壮絶な一生涯、弾き続けるフジコ・ヘミング。そしてヴァイオリン曲「ラ・カンパネラ」からデビューした湯川ダイアナ。どうしても二人の女性の中に流れる日欧の血のことを並べて考えてしまうのである。

会館建設?

2007-09-29 00:00:17 | しょうぎ
以前から、うすうす噂が流れていた「将棋会館問題」が浮上したらしい。米長邦雄会長の「さわやか日記」9月18日号に、妙な記載があった。


投稿者:米長邦雄 投稿日:2007年 9月18日(火)17時18分15秒
連休といってもそうヒマではありません。
17日の敬老の日は「会館建設委員会」の準備会がありました。4人のタイトル保持者と谷川九段。いわば発起人会議ですね。
東西の将棋会館をどうするか討論する。私は冒頭に15分程挨拶。「とにかく若い人達が当事者意識を持って、経営を含めてこれからの30年間をリードして下さい」

この日は三段リーグの最終戦でもありました。
米長門下の一瀬は次点。名前は浩司ですので皆さん応援を宜しく。

一日館長は坂カナでした。
最近は将棋会館へ行くのが楽しいです。


一般的に、建設業者や不動産業者と取引するときは「速攻」がいい。あまり、早めに手の内を明かすと、さまざまな手口の餌食になることもある。しかし、この問題は、色々と複雑で、いずれ緒論沸騰となり、周知の事実になるのだから、情報漏洩の時期はあまり問題ないのかもしれない。古くは昭和49年に、現在の千駄ヶ谷の将棋会館の建設にあたり、連盟の役員の総解任とか大騒ぎになっている。当時の総工費6億円のうち、寄付金として1億2千万円を集めようとかなり強引な集金活動が行われたようである。また、当時、表に出ていなかったが、船舶振興会(現日本財団)から2億円を引き出して資金にあてているそうだ。

米長日記にある、4人のタイトルホルダーとは、数えれば、羽生・森内・佐藤・渡辺ということだろうし、これに谷川が加われば、一応、現役棋士で実力最強メンバーなので、文句をつける奴はいないだろう、ということだが、それはこの5人の考え方がまとまればの話だろう。また谷川浩司氏が入ったことは、一つは関西将棋会館の問題でドン内藤の首に鈴をつける役目と、さらに彼を自分の後任会長職と考えているからなのかもしれない。

ところで、なぜ、今、会館問題なのかということは、いくつかの要素があるのではないだろうか。考えられるのは、

1.老朽化
  東西の会館とも老朽化が進んでいて、ビル保全上の経費が膨らんでいるのではないだろうか

2.手狭
  千駄ヶ谷の会館は、対局室、将棋連盟事務所、会議室、将棋道場、売店といった機能が集まっているが、かなり手狭である。外に連盟機能を借りているかどうかはわからないが、以前は地下一階にあった将棋博物館や食堂も撤去。一方、対局中の棋士のカンニングを防ぐため食事時間でも会館からの外出禁止令が出ていたこともある。若い女性棋士がトイレでお弁当を食べなければならなくなったりもしている。

3.立て直した場合の問題
  数年前に、この問題を検討した時、建て直すと、元の床面積より狭くなることが判明したそうだ(既存不適格物件)。つまり、仮に巨費を持っていたとしても、単に老朽化による建替えでは問題が解決しないことがわかっている(何平米確保できるかは不明)。

4.スポンサーへの配慮
  さらに、大手新聞社の担当記者に対する利便を考えれば、遠隔地に対局場を動かすことは難しい。

となると、検討の方向は、次のようなものになるのだろうか。

A.将棋会館の機能の再評価。
  事務所と対局室と道場は同一ビルである必要があるのか。

B.関西将棋会館は必要か。
  東京に一元化し、土地売却して資金を確保する検討。一部をレストランとして賃貸しているように見えるのが懸念材料。
  関西在住棋士に対するフォローは必要か。

C.ビルを保有する必要があるか、貸しビル使用か。
  資金繰りとキャッシュフローの検討(免状乱発で免状料収入増かな?)

まあ、具体的な検討はこれからなのだろうが、個人的には、対局室の一角に、「詰将棋の間」を作ってもらいたいのだが、その夢は、深浦八段が王位のタイトルを奪ったからといって検討準備委員会に入れてもらえないのと同じ位、無理な話なのだろう(注:詰将棋の間=対局に不戦敗した棋士を雪隠詰めにして、反省を促す小部屋)。



さて、9月15日出題分の解答。

▲9ニ飛成 △5ニ歩 ▲3三歩不成 △2二玉 ▲2三角成 △3一玉 ▲8一龍 △4二玉 ▲3二歩成 △同角 ▲3三馬(桂成)まで11手詰。

狙いは3手目の▲3三歩不成と7手目に角の利きに移動する▲8一龍なのだが、1筋2筋の銀香歩の配置と9一玉(余詰め防止用など)が重い感じ。5五歩は、9一の駒を玉に限定するためだが、コトバでは説明しにくい。

もう少し改良の余地があるとは思っているのだが、・・




今週の出題は、テーマは「根気」。

妙手はなく、少しずつ読みを積み重ねていくと、しばらくして手数を忘れた頃に詰む。ゴルフ超初心者が打ち上げ600ヤードのロングホールでグリーンに到達するようなものかな。あるいは、入社25年、飲酒運転に気をつけてコツコツと危険回避をして係長に到達するようなものだろうか。まあ、19世紀的な保守的組織だと、14勝1敗よりも0勝15引分の方が出世したりする。新総理方式の詰将棋かな。


解けたかなって思われた方は、コメント欄に最終手と手数と感想をいただければ、正誤判断。いつものように、賞品はありませんけど。




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新聞没落(週刊ダイヤモンド)の浅さは?

2007-09-28 00:00:44 | 市民A
週刊ダイヤモンド9月22日号は新聞社の没落(低迷)をテーマにしているのだが、ほとんど良く知られていることばかりで、それらの既知の事実を法令や数値で表現しているということ以外に驚きはなかった。むしろ、本当は切り込んでフォーカスしてもらいたかったことの数々について、「わざと書いていないのかな?」といううっすらとした疑念も湧いている。



特集は、約30ページで、
 
 序 章 業界襲う構造不況
 第一章 新聞経営の瀬戸際
 第二章 宅配モデルの崩壊
 第三章 ネット戦略の懊悩
 第四章 新聞記者の生態
 第五章 米新聞業界の窮地

ということで、朝日新聞が2010年度に赤字の可能性がある、ということから始まるのだが、それは大阪中之島プロジェクト(大阪本社の高層ビル化→貸しビル業)で建設費を定率法で減価償却するからなのだろう。当初から、利益圧縮による法人税額圧縮効果も事業計画に組み込まれているのではないだろうか。むしろ、同様のことをして大失敗したサッポロビール(恵比寿地区再開発)のようなことがあると本業以外で命取りになる。

もともと、新聞社は本社で記事をまとめ、活字を組み輪転機で新聞を印刷するという工程だったので、都心に印刷工場をもち、配送基地に機能も保持していた。しかし、道路が混む都心ではなく郊外に印刷機能を置くようになったため、都心のビルは再開発されることになる。(他の業種にも同様例あり)

そして、この特集では新聞社が販売店に「押し紙」として、読者のいない新聞を売りつける行為を書いているが、その部数ごまかしはその新聞販売店が広告を受託する際に販売店の収益源になるのだが、ある特定の方面の方から強請られる事件があったらしい。

そして押し紙も問題ではあるが、もっと問題は「押し売り」である。景品やおどしで販売部数を相当数、確保しているのだろうが、そういう読者を相手にしているのだから「新聞の質」とかの議論もむなしいのではないだろうか。

宅配モデルの崩壊と言っても、零細な販売店に対して、カネを貸したり、販売店の建物の所有権も大新聞社だったりするのだから・・・

ネット戦略について、朝日、読売、日経が合同で新ニュースサイトを立ち上げることを検討しているようだが、それこそ野合というしかない。

新聞記者の生態として、長時間労働が当たり前になっている記者の実態から、多少給料が多くてもかまわないということが言いたいのだろうが、それよりも記者のコストダウンのため、カメラマンに記事を無理に書かせたりしている。また昭和40年代に新左翼系の学生を数多く採用しているのだが、それらの記者がそろそろ定年となる。

そして、新聞のページ数が毎日同一であるのは、規制限度上限(約50%)まで紙面上の広告面積を増やしているためであることがわかったのである(書いてはいないけれど)。広告の分量が決まっているため、日によって紙面のページ数がかわると、広告比率が変わるわけだ。ページ数が減る日は、広告ばかりの新聞になってしまうわけだ。
PS1:企業が新聞社に広告料を払うのは、本来の広告の目的の他に、自社不祥事の際の手加減を考えているのだろう。広告料N千万円がなくなると、さらに押し売りや押し紙を増やさなければならないという構造なのかもしれない。
PS2:新聞社は報道の独立性の目的のために、法的優遇措置があるようだが、日本に1種類しか新聞がないわけでもなく、新聞社を乗っ取って、ウソばかり流して国民をコントロールしようなどというのは、とても無理だと思えるわけだ。

名門時津風部屋が荒稽古に走ったのは?

2007-09-27 22:14:59 | スポーツ
両国駅周辺を歩くと、いくつかの相撲部屋があることがわかるが、その中でも時津風部屋は目立つ。高級マンション併設のビルである。いかにも金回りがよさそうに見えるのだが、ではなぜ?

もしや、と思うのは、この世界、もろもろの問題の結果、カネの力が効かなくなったから、ということではないだろうか。(単に憶測だが)

道州制のシンポジウム

2007-09-27 00:00:59 | 市民A
先週、自民党と日本経団連が合同で開催した「道州制で日本を変える」シンポジウムを傍聴に行った。経団連ホールには400人が詰めかける。



この道州制だが、一応、2015年目標ということになっている。その内容は国民に理解されているとは、まったく言えない状況だし、ある程度、同床異夢の人たちが多い。何というか、現在の日本の政治状況の行き詰まりを打破するための切り札と言うか、構造改革の最終ゴールと言う人もいる。

ただ、私見だが、あまりにも、その理想論が現実と乖離し過ぎていて、現在と未来をつなぐプロセスが想像できないということが結局は最大の問題ではないだろうかと、思わざるを得ない。だいたい、現在の日本がそれほどの革命的な方法が必要なほど問題かどうかという点と、道州制にしたら、問題が解決するのか、あるいは逆効果なのかとか十分に検証が必要ではないだろうか。

シンポジウムの内容に入る前に、少し歴史を遡って、日本の地方自治と中央政府の関係をオサライしてみる。

まず古代史。とりあえず、中央政権ができる前は、国家とはいえないので、奈良・平安初期あたりを考えると、中央政府が強大だったといえる。軍事力を背景に地方から税金を取り立てる。地方自治はゼロに近い。そのうち、武士が強くなり、平家・源氏による軍事クーデターの時代になる。その後、鎌倉・室町前期までは中央の軍事政権の盛衰によって地方豪族の力が増大したり縮小したり。ただ、中央と地方が敵対関係にあったため、「地方自治」というコトバはなじめないのかも知れない。

その後、商業資本が発達したり外国人がやってきたりして、日本のGDPは産業振興ということで急増していく。そして、中央政府が溶けてなくなるように消滅し、戦国時代に突入する。そうすると、各武将は武器(特に鉄砲)を購入するため、産業整備を重視せざるを得なくなり、地方政府に近くなっていく。そして、最終的には徳川家単独政権になった段階で、全国に大小数百の藩(幕末時は約300)を設置し、連邦制になっていく。ただし、国防とか鎖国政策とか士農工商制という国家体制は徳川将軍の専属事項である。

そして、明治になって、突然ながら明治4年に廃藩置県が発令され、200万人の武士階級が一挙に失業者ということになったわけだ。もっともその2年前に、版籍奉還があって、すべての武士の身分は、各藩主から中央政府に所属ということになっていたので、単なる公務員解雇と言えばそれまで。現代流に言えば、県の役人を国家公務員にした後で、国がクビにしたようなものだ。

そして、その時以来、日本は中央集権的な巨大政府が誕生し、権力とお金をもって地方政府を蹂躙しているということになっている。明治から昭和初期までは、鎖国で諸外国に遅れたハンディキャップを埋めるという目的だったのだろうが、軍国主義に傾いていく。敗戦後、なぜかこの中央集権体制にはアメリカも手をつけなかった。たぶん、面倒くさかったのではないだろうか。イラクでもそうだが、さっさと日本駐留を終わりにしたかったから、中央政府に任せてしまったのだろう。

そして、現在どうなったかというと、いわゆる地方間格差がある。やや拡大している。早い話がやっていけない地方がたくさんある。それを埋めていたのが、公共事業のバラマキと、補助金・地方交付税の存在である。そして、とうとうバラマキ財源がなくなったことと、都会生活者からの税の配分に対する不満が爆発してきたわけだ。現在の税収は、中央6割、地方4割なのだが、使っているのは中央4割、地方6割。そのギャップ分の2割が、中央から地方に下りていくのだが、それが県知事の官庁詣の原因。例の「コクバルさん」が東京にくるのも大きくみればそのため。

それで、このシンポジウムは1回目として東京で開かれているので、早く言えば、全員賛成のわけだから、あまり盛り上がらない。現在、基礎自治体(市町村)、都道府県、中央政府と分かれている権限を、「下にぃ、下にぃ」とするわけで、大部分は基礎自治体が行い、警察機能や治水、公共事業といったある程度の規模が必要なものは道州に移管。そして中央政府の機能は1/10程度にして、大部分の役人は、道州に再就職する(といっても県や市の役人はどうなるのか、ということはまた別問題)。要するに米国や中国やロシアのような制度にするわけだ。現在、日本の国家公務員は33万人と言われるが、例えば中国では3万人くらいで、さらに「多い」といわれている。ようするに付加価値を生まない職業という点でも少子高齢化時代では問題だ。

国立大学なども、各県に相似形の大学を置くのではなく、数大学集めた総合大学の中に単科大学を作ればいいのだろう。例えば、北海道は現在でもオーストリーと人口もGDPも面積も同じくらいだそうだ。日本の一地方としてではなく、極東のオーストリーになればいいし、九州はオランダと同じだそうだ。某大物代議士は、「一々、国土交通省に『新幹線を作れ』とか『高速道路がほしい』とか陳情にくるのではなく、『自信があるなら』道州債でも発行して勝手に作ってしまえばいい」と吼えていた。

しかし、この道州制の問題点として衆目の一致していた点は、

1.基礎自治体が多すぎる
  大合併後1800だが、300程度、最低15万都市にならないと不経済

2.地方自治ができる人材がいない
  自分で経営しなければならないのだが、そういう人材は既存の役人には皆無

3.現状の補助金、交付税がなくなるとやっていけない
  患者で言えば、地方はモルヒネ頼りになっている。独自財政では即死する

4.地方格差は短期的には拡大
  要するに、日本は世界の多くの国より格差を少ないわけだ(税の再調整機能で)。どの先進国でも県や州の最大格差は2倍近い。道州制になれば、一時的には、そういう格差が開いて、安い労働力の地方に工場が移転したり、地方の地価が格安になってから、都会からの人口回帰が始まることが予想される。その期間は数十年かかるだろうし、その途中で、政権がコロコロ変わって右往左往するかもしれない。

ということで、冒頭に書いたように、現実と理想の未来の間のギャップを考えれば、相当の政治的な変動(中央政権の崩壊)がないと難しいのではないかと思ったりする。

私見なのだが、日本は狭い(と書くと、欧州の小国から怒られるが)のだから、物理的隣接を考えずに、一人当たりGDPの高い都道府県と低い県が合併すればいいんじゃないかと、思うわけだ。例えば、大阪と岩手とか、神奈川と島根とか、愛知と徳島とか。特にお勧めは東京と沖縄の合併。既に小笠原も東京都だし、”沖縄の痛み”とか沖縄で言っても共感が薄いのだから、東京で叫べばいい。ただし、今の都知事がいる間は危険。尖閣列島で火花が飛び散るかもしれないからだ。


シンポジウムの途中で、アンケートの記入をはじめたのだが、「個人的には道州は不要で、300の基礎自治体と中央政府だけで、いいのではないか(江戸時代方式)」と書き終えたところで、司会者から「ところで、民主党ですが、前原代表の時までは、道州制を主張していたのに、小沢代表になって、意見が出なくなりました。小沢さんの持論は、300市町村+中央政府の二層論だったのですが、公務員組合がありますからねえ、とても党の意見がまとまるとも・・」と。


ところで、このシンポジウムは日本経団連の主催だったのだが、冒頭に御手洗(みたらい)会長から結構格調の高いスピーチがあったのだが、会合終了後、エレベーターホールへ大勢の人並みが集まる時に、偶然に数十秒間、会長が私と並んで歩くことになった。意外に背丈は高くなく、前かがみで、ややメタボリ的体型だった。そして、肌はやや暗く、乾燥しているようにも見えた。何か健康上のリスクがあるのではないかと、うっすらと感じたのだが。


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満月ではない中秋の名月

2007-09-26 00:00:44 | 市民A
9d1de183.jpg2007年9月25日は旧暦で8月15日。つまり中秋の名月である。朝方の予報では、曇りか雨だったのだが、一転して夜空は晴天となる(横浜の話)。月と言えば、先の8月28日の皆既日食は全国のほとんどの地域が曇りで、「赤い月」を撮影しようと、デジ一眼にとりつけようと超望遠レンズを購入された人は悔しい思いをしたはず。思いがけずの中秋の名月に恵まれ、さあ、と不意に撮影しようとしたら、バッテリー充電を忘れていて、充電が終わったときには、月が雲間に隠れてしまった、などという方もいるのだろう。そういうのを運のツキと言うのだろうか。

さて、ありあわせのカメラとレンズで撮影したのだが、三脚まで使う気にならなかったので、それなりにしかならない。現物の月は白っぽいのだが、寂しいのでちょっと着色してみた。月の表面の凹凸が映らないのは、特に満月の時には太陽の光が正面から当たるので、クレーターなどの陰影がつきにくいためだそうだ。人間の顔もそうだが、正面写真だけでなくサイドビューもいいものだ。

そして、よく見ると、月は円形ではない。つまり満月ではないわけだ。この旧暦8月15日と満月が一致する方が少ないらしい。ことしの中秋の名月は十三夜である。二日後の新暦9月27日が満月にあたる。

太陽と地球と月という各一個ずつの天体だけでも、それほど割り切れないのだから暦の世界というのも面白いと思うのだが、うかうかしていると、地球温暖化がすすんでいくと、海水が宇宙空間に蒸発していって、やがて地球も月のようになってしまうのだろう、とちょっと心配してしまうのである。

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黒船で攘夷

2007-09-25 00:00:07 | あじ
先週、昼休みに虎ノ門にある「黒船」という、少しだけ有名なラーメン店のカウンター(全14席がカウンター)で醤油ラーメンをすすっていたら、突然、背中の方から女性に声を掛けられた。



 女:「これは醤油ラーメンですか?」

まったく奇妙な質問だ。よく見ると、女性は45歳前後の米国人と思しき中年男性白人と一緒だ。どうも、観光客とガイドみたいだ。どういうシステムかよくわからないが、白人男性1名に日本人女性ガイド1名という組み合わせは時々見かける。

そして、この男性の服装は、どうみてもアメリカ人。赤いTシャツに白いショートパンツに何かザックを背負っている。一応、ビジネス街なんだけど・・東京でその格好を見られるのは高尾山だけじゃないかな。

 葉:「ええ。そうですね。」

しかし、「醤油」と「塩」の差なんてみればわかるじゃないの・・たぶん、ガイドブックかなんかで、日本食の一部としてこのラーメン店が紹介されているのだろう。

 女:「美味しいですか。」

はっきりいって、米国人の口に合うかどうか、わからないからなんとも答えられない。それに、塩ラーメンは絶対に食べないから比較できない。

 葉:「ええ、まあ・・」

後で、不味いとか言われても困るから、あいまいに。

 女:「今、塩ラーメン食べてる方いますか?」

やりとりを薄々聞いていた店内の客達、及びカウンターの向こう側の店員さん達からは、一様に”不愉快”の空気が流れてくる。排他主義の芽生え。尊王攘夷か。店名は、まさに黒船。しかし、だいたい、食事中の赤の他人に、そんなこと聞くかな。

 女:「醤油と塩とどっちがいいですか?」

知るか!ってところだ。

 葉:「辛味噌がいいよ。」

味噌といっても日本の味噌じゃないわけ。超激辛!!。液面は真っ赤だ。

 女:「どうもありがとうございます。辛味噌二つお願いします。」

 米人:「サーケ!サーケね」

そういえば、この前、台北行った時、ビジネス街をTシャツで歩いてしまったのだが、その時のたたりかな。

 葉:「じゃ。どうもね。」

右手一本でササッと暖簾を分け、日に日に夏めいて来る秋の陽射しの中を、できる限り足早に立ち去ったのである。


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マスカットとマスカットの語源?

2007-09-24 00:00:38 | あじ
いつまでも秋が来ないのだが、秋が宅急便で来た。「アレキサンドリア」。マスカットの高級品である。6房。たぶん、「末端流通価格で20,000円相当」とか言うのだろうか。まあ、ただより高い物はないとか言うが、・・



ところで、ブログ用に少しだけ調べるつもりが深みにはまってしまった。このアレキサンドリアはマスカットの高級品種ということではなく、マスカットの原種のようだ。古代エジプト産。そう、クレオパトラだ。このアレキサンドリアをベースにネオマスカットとかベリーAとかが開発されたようだ。高級品をベースに普及品を開発するという概念は、ちょっとわからない。

甘みは強く、しかしクレオパトラ的な高貴さ(淫乱という人もいる)はその酸味に十分に感じられる。ワインにすると、相当甘くなるはずだ。

そして、マスカットというと、オマーンの首都もマスカット。同じ語源かどうかを調べていたら大仕事になった。なにしろ、数年ぶりにアラビア語の辞書を開く。英語のスペルは、どちらも「Muscat」なのだが、さらにアラビア語的に調べると、オマーンの首都は、Masqattという発音で、ぶどうの方は、Maskatに近いことがわかった。

アラビア語の単語は、ほとんどが三語根といって、子音3つにそれぞれaのついた動詞を語源としていて、名詞はそれらの動詞の派生語になっている。約1時間辞書と格闘してわかったのは、オマーンの首都のマスカットの三語根はsaqattaといって、日が沈むことを指している。おそらく海洋港であるマスカットの海に沈む夕日は鮮やかなのではないだろうか。



そして、ぶどうのマスカットだが、「マスカーテル」という単語がワインを示すことになっている。しかし、マスカーテルというのは、一般的には甘い植物性の匂いのあるお茶の種類をさす。どうも甘い香りのついたお茶というのは、甘口のワインの香りを持ったものを指すようだ。

そして、さらに。このマスカーテルの語根はSakataである。これは、酔っ払うことを意味している。つまり、酔っ払いを語源としてワインということばができたことになる。そして、そのワインの原料として使われていたのがマスカットではなかっただろうか。

しかし、エジプトにしてもオマーンにしてもイスラム国家である。「禁酒」である。しかし、マホメッド登場以前は、いくら飲んでも犯罪ではなかったわけ。つまり、かなり以前はエジプトではマスカットをワインの原料にしていたのに、現代では、その他の国で生食用の果物に名前を残すだけなのだろうか。


そして、既に、アレキサンドリアを食べただけではなく、別の種類のブドウから作ったワインも飲みながら調査してしまったので、これ以上の調査は脳が受け付けないのでやめる。

そういえば、今まで何人かのアラビア語の先生に教わったことがあるのだが、その二人目の先生が小池百合子女史だった。当時は、とりたてのマスカットのような肌の艶だった。

日本のF1の場所

2007-09-23 00:00:51 | スポーツ
F1日本グランプリまであと1週間。今年から、サーキットが鈴鹿から富士スピードウェイに変更になる。鈴鹿はホンダ出資会社で富士はトヨタの出資会社。ホンダVSトヨタ戦争でトヨタが勝ったことになる。しかし、本ブログ、今年はこのF1の話題に全然触れていないような気がするが、原因は「地味だった1年」ということなのだろう。

まず、M.シューマッハ引退。タイヤメーカーはとうとうブリジストン1社になる。2006年からエンジン排気量は2400CCになるし、チーム数も1990年代の18から最近は11チーム。11チームに対するエンジン供給メーカーはフェラーリ3、ルノー2、トヨタ2、ホンダ2、BMW1、メルセデス1。と6社。自動車メーカー国籍別に見ると、日本4、イタリア3、ドイツ2、フランス2ということ。まあ、トヨタとホンダが喧嘩をして、どちらかが「F1辞めた」と言い出すと本当に困るだろう。

そして、もちろん最近のF1の最大の話題は、マクラーレン(メルセデス)によるフェラーリに対するスパイ事件。フェラーリを辞めた人間から情報を得ていたとも、レース中にドライバーとピット間の無線を傍受していたとも聞く。結局マクラーレン側に罰金1億ドルが課せられ、支払済み。イタリアメーカーをドイツ人がスパイする時代になったのだろうか。

また、2005年、2006年のの王者アロンソがスイスのアマチュアサッカーチームに入会したことが報道された。スペイン人の本領発揮だ。スポーツマンにとって、特に病気治療中のサッカーは要注意だ。

そして、既に2008年のレーススケジュールが発表になっているが、シンガポールグランプリ新設が決定。モナコに続く公道サーキットになるそうだ。以前、シンガポールでオートバイのサイドカーに乗って市内観光したことがあったが、結構スリリングだ。インド人街を走ると、カレー臭で眼がヒリヒリする。


そして、日本関連のビッグニュースは、日本グランプリが2009年から、再び富士から鈴鹿に戻ること。しかし、富士の顔も立てなければ、と隔年で富士と鈴鹿と交替することになった。今年、鈴鹿が富士に負けた一つの原因は女性用トイレが少なかったことらしいのだが、対策は立てるのだろうか。今回の富士スピードウェイには1,200ヶ所のトイレがあるらしい。

さらに2010年にはインドでの開催が決まったようだが、トヨタ・ホンダの顔を立てて、日本で二ヶ所開催の目がないか、と言えば、かなり難しいわけだ。レースが多くて支出が増大してお金に困っているチームがさらに困窮する。逆に新興国は自国への誘致に熱心である。日本のサーキットで二回開いても経済効果が二倍になるわけではない。

さらに極東で開催すると、欧州のテレビの時間帯からはずれてしまう。今年の開幕レースだったオーストラリアは、夜間レースを求められ、この先、開幕レースの座が危ないという説もある。

しかし、日本で2レース開催のためには、ある条件が必要、と言われている。

市街地の「公道レース」である。”モナコ””シンガポール”の三番煎じである。


ところが、よく考えれば、東京には、そういう1周が5キロ程度のレース用の場所が見当たらない。例えば皇居一周コースではつまらな過ぎる。首都高都心環状線は道が細くて危険だし、道路標識が意味不明なので、外国人ドライバーが道を間違える可能性すらある。不適切。

a93d17ff.JPGそれで、日本国内で知っている街をいろいろと思い出してみる。そしてご推薦コースを考えてみた。

場所は:神戸である。(Kobe)勝手に線引きしてみる。

周回コースなので、どこからどちら向きにスタートしてもいいのだが、例えば国道二号線を西から東に走り、神戸中央署方面に左折。そのまま直線コースでJR線のガード下を抜け、一気に新神戸駅まで上り坂。

駅前で鋭角的に方向転換して長い下り坂を三宮に向って下っていく。スピードが出すぎて危険ならば、”風見鶏の家”とか”うろこの家”の路地に誘導してもいい(本物の西洋人が洋風館を見ると怒るかもしれない)。三宮の長いガード下をくぐって、そごうの先を右折。

元町アーケード街の中に寄り道。モナコにはトンネルがあるが、神戸はアーケードとJRのガードの下を潜る。ユーハイム直営喫茶店のあたりからブレーキを踏んで、途中で左折を繰り返し、南京街を戻る。そして再び、海岸の国道2号線に出て、高速コースになる。一周5キロ強を60周。

しかし、神戸と言えばポートタウンや、メリケンパークなど、広々とした空間があって、そこを使えば良さそうなのだが、そこが使えない理由がある。神戸市はこの2007年10月1日から「都市景観形成地域」を指定、施行する。指定される地区は、旧市街地より南側の埋め立て地区が中心である。海が見える眺望路が何本も整備されたり、屋上看板などの広告物が禁止になる。たぶん、マンガ家の赤シマウマの家も不可だろう。広告の塊であるF1ビジネスは、旧市街地の方で行うほかない。

が、そこには、別の団体の問題があるのかもしれない。

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将棋界の真相(田中寅彦著)

2007-09-22 00:00:52 | しょうぎ
9月1日号(チャンスとピンチ)で紹介した、26歳の加來三段の運命は、新人王戦は準決勝で敗退。三段リーグ最終日は2連勝で11勝7敗ということで、もっともニュース性のない形で一応終了。棋界の何ヶ所かで「ホッ」、「ホッ」、「ホッ」・・という声が聞こえ、別の何ヶ所かで「チッ」という声があったのかもしれない。


73dc684f.jpgさて、9月8日に触れた「将棋界の事件簿(田丸昇著)」に続き、その1年前、2004年11月に発行された「将棋界の真相(田中寅彦著)」について。

田丸著は、自らの理事経験や実話に基づき、ドキュメンタリー風な仕上げになっている。自分の意見だけではなく、客観的評価で組み立てるような構成になっている。

一方、この田中書の方は、彼の個人的な意見や、感想、推測などを中心とした構成になっている。もちろん読む方はどちらでも好き好きなので、田中書のように断定的な書き方が好みの人も多い。ただ、客観性は少し落ちて、あくまでも、彼の個人的意見であると言う認識が必要と思う。

羽生さんのことに多くページを割いているが、羽生さんの部分的発言のいくつかから、全体論を組み立てたところもあって、ちょっとなじめないところも感じる。羽生さんは、そんなにも怪物でもない、と思う。

話として面白かったのは、むしろ羽生世代に属してはいるものの、棋士としてのスタートは一歩遅れた藤井元竜王と丸山元名人のこと。同世代から一歩遅れて追いかけなければならないというハンディが、この二人に、特殊戦法である「藤井システム」と「8五飛車戦法」を磨かせ、竜王と名人というビッグタイトルに導いたという仮説を立てている。そういえば「郷田・先崎」はその「選択と集中モデル」に気付かなかったのだろうということなのだろうか。

73dc684f.jpgそういえば、筆者の田中寅彦自身が、「名人候補」と世間の耳目を集めたのが、デビュー後1年だけで、翌年登場した谷川浩司にすべての注目を持っていかれてしまった、というところから出発して「居飛車穴熊」を発掘し、再開発したのだろう、と納得するのである。

先々週、9月9日出題の解答。

▲2一桂成 △同玉 ▲3三桂不成 △1一玉 ▲1六龍 △同龍 ▲1二歩 △同龍 ▲同金 △同玉 ▲3二飛 △2二合 ▲1三香まで13手詰

たぶん、最後の3手を生かした三手詰にすればよかったのかもしれない。


73dc684f.jpg今週の出題は、一見、単純な問題。

だからと言って、13手詰ではない。

序盤がややこしく、中盤がダレて、最後は小技で決める。

わかったと思われる方は、コメント欄に最終手と手数と感想をいただければ、正誤判断。




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あるユダヤ人医師のこどもが辿りついた場所

2007-09-21 00:00:10 | 投資
73dc684f.jpg数日前に、ピーター・フランクルさんの講演会に行く。「伝統・安定・成長:欧州の魅力に迫る」、というタイトルだが、実際はフランスに本社を置くBNPパリバ銀行の投資部門の会社が日本で設定する投資信託の説明会の前座講演である。

六本木の有名なビルの、上の方にあるホールは、やや空席が残る。彼の講演回数、多過ぎなのかもしれない。そして、ヒルズと言うと、ビルに近づくのも服装に悩むのだが、その必要はまったくなし。本人は、クラウン(ピエロ)のスーツで登場。そう。お得意の大道芸であるジャグリングを快調に回しながら、出身のハンガリーのことから欧州を話し始める。

ところで、フランクルさんの経歴だが、1953年ハンガリー生まれ(北の湖親方やテレサ・テンと同い年?)。両親はユダヤ系で収容所生活を送ったことがあるそうだ。1971年に、数学オリンピックで金メダルを受賞。数学オリンピックというのは、コトバを聞いたことはあるが知見がない分野なのでよくわからないが、スポーツのオリンピックと同様にいくつかの部門があるのだろうか。金メダル1つ取るだけで、一生食っていけるというのは同じなのかもしれない。

そして、その後、博士号を取得した直後の1979年にフランスへ亡命。1988年から日本在住。数学のできる大道芸人として、全国各地での講演会で、ジャグリングの妙技を披露しているようだ。

そして、講演の中で明らかにされたのだが、このジャグリング芸を教えてもらったのは、2年間アメリカに生活している時に米国の数学者から、ということだそうだ(芸を覚えなければ、数学一本で、もっと人類のためになる道を進んだかもしれないわけだ)。


話は、ハンガリーのことからだが、面積は日本の1/4。とても小さいが、欧州の国はほとんどが日本よりずっと小さい(別の講演会で聞いたのだが、オランダ=九州、オーストリー=北海道と、ほぼ人口も面積もGDPも同じらしい)。欧州人から見ると、日本人が口癖のように言っている「日本はちっぽけな国だ!」というのは、米国やロシアや中国と比べているからで、そういう大きな国と比較して考えることがとても理解できないそうだ。

さらに、日本人は近年、特に英語に夢中になっているが、英語ができても「二流のアメリカ人になるだけ」で、それよりも「一流の日本人になる」方がいいんじゃないか、とのこと(フランクルさんは実は10ヶ国語が使えるそうである)。同じような話を読んだことがあるのが、ガーシュインのこと。米国人のガーシュインがわざわざフランスに、ラヴェルを訪ね、オーケストラ用の楽譜の書き方を教わろうとしたところ、ラヴェルは「二流のラヴェルになるより、一流のガーシュインを目指すように」と忠告したそうだ。

そして、最近の欧州経済の好景気の背景については、よく言われているように、旧共産国の安い労働力を活用しているということで、まだ地域間格差は解消されないだろう、と妙な評価をされていた。私の住居のそばのIKEAを見ても、製品の大半はルーマニア、インド、中国製品で、本当に一部だけのデザインの入った製品がスウェーデン製で、それはすばらしく高額である。

また、現在の日本で話題の個人間格差問題についてだが、いわゆるジニ係数は欧州は20%程度、米国は40%。日本は20%の世界から30%に近づいていて、米国型に近いと、数学的分析をされていた。ジニ係数は、おおまかに言えば、上位10%の人に集まる富の比率みたいな指数である。例えば、日本人は一人1000万円平均の預金を持っているそうだ。3人家族なら3000万円。ところが、そういう平均値の人はあまりいないわけ。例えば、会社の同僚10人で預金残高を紙に書いてランダムに混ぜ、開いてみると、一人が1億円で残る9人がオケラだとすると、平均は1000万円だが、ジニ係数は100%ということになるらしい。

そしてフランクル先生がどうしてもなじめないのが米国人の性格で、どうみてもおカネを使うために生きている、と思えるそうだ。例えば、前述のジャグラーを教えてもらった70歳代の米国の数学者と時々オリンピックなどで会って話をすることがあるそうだが、話の内容は、おカネのことばかりだそうだ。最近は、サンディエゴにある床面積1000平方メートル(300坪)の、海が見え、アシカの声の聞こえる500万ドルの家を売って、700万ドルの家に転居する話を聞いたそうだ。特にアシカの声に不満だったのではなく、700万ドルの家が買えるようになったから転居するのだそうだ(日本でアシカの声が聞こえる家を探せば、相当、格安で買えるのは間違いないのだが)。

そして、フランクルさんは、日本人に対して、明治時代に日本が標榜した「脱亞入歐」をもじって、「脱米入歐」を勧められるのである。欧州人から見ると、人口も国土も資源も、まったく不足している日本が米国と同じ目標に向うのは、いかにも無理に見えるということらしいが、その忠告は1940年頃に聞くべきだったのだろう。しかし、私見なのだが、日本は米国や中国やEU全体を相手に、互角に張り合おうという意識がなくなったら、それでおしまいなのではないだろうかと思うのである。

そして、脱米入歐を目指そうにも、残念ながら環太平洋に位置する関係上、いざ戦争危機の時には、ハンガリー=オランダ=オーストリー連合軍からの助けを待つわけにはいかない事情なのである。


そして、彼は次なる講演会の場である北海道に向ってあわただしく会場を去ったわけである。実は、この忙しい講演ビジネスモデルはシステム化されていて、彼のホームページを見ると、10種類以上のテーマについて講演パッケージができているのである。依頼人は、その都合によってコースを選べばいいことになっている。落語家みたいだ。そして、ただ一つシステム化されていないのは、講演料ということなのである。応相談。


講演会の後半は、BNPパリバ関連会社の日本人部長の講演だが、当然ながら途中退席多数の上、質問はファンドのことに留まらず、BNPパリバ銀行とサブプライムローンの関係について。いくら説明されても、疑問の多々が残り、結局は「サブプライムローンの影響はまったくありません」と根拠希薄に安全宣言され、終了となるのであった。

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ある自民党議員の演説

2007-09-20 00:00:12 | 市民A
朝、最寄駅で街頭演説をしている政治家がいた。もちろん総裁候補ではない。その総裁選で一票を持つ、地元選出の自民党の衆議院議員。

通勤中というか、まだ電車にも乗っていないので、長く聞いているわけにはいかず、歩きながら1分間、聞いただけなので彼の論旨と異なっているかもしれないが、「今回の総裁選で、党員票がないのが、おかしい」とのこと。選挙制度への批判。確かに、党員になるには、年会費が必要だし、その年会費の最大の見返りが、総裁選の投票権ではないか、ということも言える。


その前に、政局のことだが、安倍首相は慶応病院に入院したまま、いつでてくるかはっきりしない。私の推測では、かつて、ジェンキンス氏が治療目的で使っていた部屋で、彼と同じベッドやソファーを使っているのではないか、と思うのだが、どうなのだろう。それより、入院したのに、臨時首相代行が指名されていないのだが、大国の指導者がそんなことでいいのだろうか(もっとも、朝青龍と同じ病名かもしれないので、いざとなれば、再び官邸に戻り、「やはり、辞めないことにした」と言えばそれでいいのかもしれない。しかし、朝青龍には帰る国があるのに、首相には帰って温泉につかる場所がないのが辛いところかもしれない)。

そこで、安倍総裁が選ばれた2006年の総裁選を振り返ると、

 安倍 議員票 267  党員票  197  合計 464票
 麻生 議員票  69  党員票   67  合計 136票
 谷垣 議員票  66  党員票   36  合計 102票

 合計 議員票 402  党員票  300  合計 702票

そして、この党員票300が二つに分かれいて、各都道府県均等配分が47都道府県3票ずつ(合計141票)、残り159票が党員数で比例配分になっているわけだ。

そして今回。国会議員票は387票。党員票は均等配分の141票だけ。党員票の比率は大きく下がった上、予備選挙もあるのかないのかわからない。地元の議員が演説していたのは、その部分の批判だったわけだ。


それで、争点のよくわからない総裁選で大部分の自民党議員の投票の動機となるのが、「自分のクビ」ということなのだろう。つまり、麻生総理では、早晩、民主党と激突ムードになり、やがて総選挙になる。半年内に落選(=クビ)になる可能性が高い。あるいは、民主党に乗換えなければならないかもしれない(3つの政党を渡り歩いて、防衛大臣になった例もある)。それよりも福田総理の方が、残る任期2年を全うできる可能性が高い。実際、2年先に、政権自体どうなっているのか、想定不能だ。

大部分の政治家にとっての最大の関心事は、政権が自民とか民主とかではなく、自分が国会議員であるかどうかということだろう。


73dc684f.jpgところで、その地方議員の演説場所で、二冊の自民党のパンフレットをもらう。

1冊は、「医師確保問題」。そしてもう一冊は「子育て支援ロードマップ」。

まず、医師確保問題だが、「自民党は、6つの緊急対策で、医師確保を実現します」

 1.医師派遣体制の整備
 2.病院勤務医の環境改善
 3.女性のための環境改善
 4.研修医の都市集中是正
 5.医療リスクへの支援
 6.不足を補う医師の養成

ということだそうだが、元々、医師会からの圧力で、医学部定員をコントロールして医師の平均所得を維持しようとしたにもかかわらず、
医療事故に対する、厚生省の追及により、過疎地区で医師をしていると、労働過重、所得低減、医療ミスによる刑事責任、などのリスク要因だけが高くなり、医師廃業、または、都会の検診医への転進といったことになったのではないだろうか。

また、昨年の横浜の堀病院(産科)の事件では、看護士による診察が違法とされ、厚生省とマスコミと医師会による摘発大合唱があったのだが、結局、病院は不起訴となっている。厚生省は自分の仕事を作りたがっているし、マスコミは不勉強だし、医師会は、これを機に診療報酬の大幅アップを狙っていたのだろうが。それぞれ不発。結局、産科医は24時間営業なので、多くの医師を抱えないと開業維持が困難ということになってしまった。

自民党案にしても、パンフレットを作って、「あるべく論」を書いても、それで医師が踊りだすとは、とうてい思えないわけだ。ムチもなければ人参もない。


73dc684f.jpg子育て支援ロードマップ

駆け込み出産ということが多いようで、その多くは出産費用を払えなかったり、中にはこどもを置き去りにする場合もあるらしい。最近、同じ会社の後輩の奥方が出産したのだが、結局、ある期間、ベッドを予約したりしなければ不安ということになり、かなり余計な出費がかかったようだ。つまり予約ベッドの場合、その分のおカネを払っているのだから、緊急の入院患者にそのベッドを使わせるわけにはいかないわけだ。無駄が無駄を産む例なのだろう。 

そして、この自民党の「子育て支援ロードマップ」は既存の”子育て支援制度”をどうやって使えばいいか、というハウツー冊子なのだが、読んでみると、現実の「支援策」が、あまりにプアなことがよーく理解できるわけだ。

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スクープには遠い週刊現代

2007-09-19 00:24:19 | 市民A
23c18cce.jpg9月12日に突然政権を投げ出した、安倍晋三総理だが、その背景の一つに「週刊現代の脱税スクープ」というのがあった。案の定、多くの書店で売り切れになっていたが、運良く(運悪く)入手することができた。

が、・・・

記事のコピーを貼り付けると、違法行為になるのだろうからやめるが、その見出し、”安倍晋三「相続税3億円脱税」疑惑”と断定的に書かれていないのがすべてであり、あくまで「疑惑」というだけで、突っ込みがまったく欠けている。実は、12日に安倍総理が退陣表明をする直前に、安倍側と現代側で攻防があったようだが、12日の段階では、まだ記事は書かれていなかったはず。首相退陣で、記事自体がトーンダウン(あるいは何らかの取引)したのだろうか。

超簡単に要旨を書くと、晋三氏が神戸製鋼を退職し、父晋太郎の秘書官になったのが1982年。この後、政界で活躍していくのだが、ちょうどこの82年から晋太郎の病没する1991年までの10年間に、66の政治団体に約6億円を個人献金しているそうだ。その行為自体は、所得控除が政治家には認められていたそうだ。そして、晋太郎没後にそれらの政治団体は安倍晋三のものとなったのだから、実質的な相続税逃れである。として、国税幹部の発言として、財務省主税局の相続税担当の幹部に「脱税」と言わせている。

しかし、本当に脱税なのか、単なる節税なのか、よくわからない、というか記事を読む限りではセーフのような気がする。その政治団体が完全に安倍晋太郎の政治資金だけを扱っていたのか、あるいは晋太郎の生前から晋三の資金もプールしていたのか。また、現在、その団体から晋三の個人財産にのみ振り替えが行われているかどうか。それらについては、何も書かれていない。

さらに、登場する主税局幹部は”国税庁が見つけておく問題”と言っているが、主税局と国税庁は別組織である。現代では「国税幹部」と書いているが「国税庁幹部」ではないわけだ。第一、時効になってから調査を始めるなど話にならない。

さらに、現代がどう思っているか知らないが、こうした別団体を迂回して相続税を節税しているものは、例えば開業医などがそうである。医療法人として診察機器や診療所そのものなどの資産を医療法人に移管し、こども(医者)がその法人の理事長になる。また、個人経営の会社では、「非上場株」として、かなり安い会社資産として遺産相続が行われている。

早い話、まともな政治家になるには、親子(孫)の2世代(3世代)が必要となるならば、相続税など払っていられないだろう。その前に、相続税自体、廃止すべきという論もある。


それと週刊現代のその他の記事だが、信憑性に問題のある記事ばかりだ。この脱税疑惑についても、単にその中の一つ、ということになりかねないわけだ。狼少年というわけだ。

23c18cce.jpgまあ、この雑誌ほどではないが、同じく売れている「週刊ダイヤモンド/新聞没落」の方が面白そうなのである。









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ナンバープレートの秘密

2007-09-18 00:00:25 | マーケティング
40a5911f.jpg最近、小型車を買った。買い替えではなく、増車。ガソリン高騰の折、現在の車のガスイーターぶりに困窮している。何しろ、リッター5キロ位なので、・・

それで、軽自動車とも考えたのだが、遠出するときに高速道路では厳しい。近場をスモールカーにして、遠出を大きいので走るというのが普通の考え方かもしれないが、燃費的には大間違い。遠くこそ、スモールカーで走って燃費を上げるべきなのだろう。例えば、航空会社の飛行機の機体繰りでも、成田-欧州のように長いのがB-777、台湾とかソウルといった短いのがB-747となっているようだ(サプライチェーンマネジメントの基礎中の基礎)。ということで、小さな小型乗用車というカテゴリで検討、試乗の結果、妥協に妥協を重ね、N社のクルマにする。販売店には、N社の親会社のR社の車種も並んでいたが、聞くと、故障しない率が10%ということ。まあ、自動車大国日本に住んでいながら、故障の多い輸入車を買う理由もない。

実は、試乗して気がついたのだが、ハンドリングがトヨタみたいだ。軽くて、マイルドだ。悪く言えば、ゴムの棒を捻っているような間の悪さがある。まあ、慣れれば、これが世界標準なのかもしれない。考えると、ハンドリングには「軽いか重いか」、「マイルドかシャープか」という二つの要素の四つの組み合わせがある。「軽くて、マイルド」「重くて、シャープ」というのが標準的な二つのチョイスなのだろう。「軽くてシャープ」はやや危険だし、「重くてマイルド」は論外だ。ただ、すべて感覚には個人差があるのだから、「軽くてマイルド」か「重くてシャープ」かはユーザーがチョイス、または設定できるようにならないのだろうか。、まったく、たいした技術じゃないだろう。

そして、本体価格百数十万円から若干の自主的値引きをお願いして、諸費用を合計したものが、支払い債務になるのだが、諸費用の中に、悩ましい選択がある。

「希望ナンバープレート登録費用」。

2,000円強だが希望のナンバーの数字を選べる。まあ、それも含めて、キッチリ百何十万円ちょうど。ということにしてしまう。

が、「じゃ、何番にしますか?」と言われて、うろたえる。まあ、そんな簡単に番号を思いつくことはない。まさか、銀行のキャッシュカードの暗証番号にするわけにはいかない(逆にクルマのナンバーを暗証番号にする人はいるらしいので、同じ話かもしれないが・・)。

それで、一旦、番号の決定は先延ばしにして、熟考することにする。ネット上で、色々と調べてみると、この希望ナンバー制度にも色々な話があることがわかってきた。まあ、生まれた子供に名前をつけるようなものかもしれない。そして、2日後にやっと決定するのだが、その話は少しおいて、このナンバーの話で、簡単ながら、よく知らなかったこともあった。


40a5911f.jpgまず、ナンバーは、4つの要素で構成される。「地名」「二桁または三桁の数字」「ひらがな」「四桁以内の数字」である。そして、希望できるのは、最後の「四桁以内の数字」である。

これは、希望番号の話ではないのだが、知らなかったのは、一桁、二桁、三桁の場合は、四桁の数字とは異なり、「-(ハイフン)」がないこと。つまり、四桁は、「12-34」だが、三桁は「・2 34」。ニ桁は「・・ 34」。一桁は「・・ ・4」というようになる。なぜ四桁の場合、ハイフンがあるかだが、覚えやすいということらしい。つまり「家族円満に」ということで、円周率「3.14」を選んでも、「・3 14」となり、「・」は3の前に付いてしまう。もちろん「3・ 14」はあり得ない。

次に、この希望ナンバーにも、人気の多い番号があって、いくつかは抽選になっている。現在、抽選になっているのは、「・・・1」「・・・7」「・・・8」「・・88」「・333」「・555」「・777」「・888」「11-11」「33-33」「55-55」「77-77」「88-88」の13通り。七五三と八に人気がある。漢字の「八」は末広がりだが、数字の8の形は、行き詰まり感があるように思うのだが、どうなのだろう。


ところで、この番号選びの方法だが、大きく二つに分かれるようだ。一つは、読み方の語呂合わせ。「4126=よいふろ」方式。もう一つは、数字自体の意味を生かす方法。誕生日とか、自分の目標年収とか・・

語呂合わせ方式の場合の弱点は、見抜かれて笑われること。よくあるのが、「11-22(いいふうふ)」、「11-88(いいパパ)」。まあ、自分で「いい」なんて言う人種は、臭くて近づくのが嫌だ。有名人関係というのもがっかりだ。自分が有名人になればいいじゃないかって思う。名古屋・大阪方面にあるのが「10-01(仙一)」。オバサマドライバー向きが「・・ ・4(ヨン様)」とか。

一方、関連数値派だって、誕生日とか記念日などが多いらしい。結局、暗証番号みたいに、以前の住居で使っていた電話番号みたいになっては、何のために希望番号にしているのか、さっぱりわからない。また、勤務先の会社の創業年とか、創立記念日なんかにしていると、「アイツ、上を狙っているな」と警戒され、真っ先にリストラされたりする。


ところで、クルマのナンバーを見た時に、「希望ナンバー」か「一般ナンバー」か見分ける方法がある。「希望ナンバー」の時には、「どうして、この番号を選んだのだろう」と第三者的に想像する楽しみが生まれるわけだ。見分け方のポイントは、ナンバーの地名の後の「二桁または三桁の数字」。

まず、二桁は、一般ナンバーである。希望ナンバーは三桁である。そして、例えば小型自動車なら5か7で始まり、普通自動車は3で始まるのだが、下二桁の数字に注目。希望ナンバーの場合は下二桁が(30~79)になる。531とか745とかだ(例外は前述の13種類の抽選ナンバーで、これは一般ナンバーと同じ)。

つまり、「横浜 332 あ 11-88」のクルマだと、「わざわざ、『いいパパ』とか家族で確認しなければならないほど、夫婦の危機は差し迫っていて、さらに『いいふうふ』ではなく『いいパパ』というのは、離婚後の車の所有権は夫側にあり、その代わり子供の親権は妻側にあるのだろう」とか妄想することができるわけだ。


そしで、2日間熟考に熟考を重ねた結果、販売店の営業マンに連絡した数字は、・・

1で始まり0で終わる3桁の数字。

つまり、買った車のおネダン。電話の向こう側で、営業マンの息が10秒間ほど止まったことが確認できた。

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テロ対策特別措置法、6年前の事情

2007-09-17 00:00:55 | 市民A
テロ対策特別措置法の延長問題が、総理交替でうやむやになりそうだ。どちらの問題が重要なのかは、よくわからないが、おそらくテロ特措法の方が重要な気がする。

まず、総理交替の方からだが、大局的に考えれば、もともと参院選で負けて総理交替をすることを前提に織り込んだ形で安倍政権が誕生したのではないだろうか。だから、昨年は大差で総裁選に勝つ。辞任時期が参院選の直後でないことや、所信表明した後とか、入院の前とか、批判と驚愕の声はあるが、「遅かれ早かれ」ということで、総理になる前は「美しい国」とか抽象的な美辞麗句を唱えておけばよかった、ということなのだろうが、本当に総理になっても抽象的な事しか言わないのでは・・

安倍ちゃんの成績について、私見を言えば、国家公務員法の改正は○、教育基本法改正は×。しかし、国家公務員法は彼の手柄じゃないし、教育基本法の問題点は、エスカレーター式の学校に行った人間が体感できるわけないはずだ。(公務員を減らした分を教員を増やし、もっと競争ルールを教員の現場に導入すればいい。優秀な先生が増えて悪いわけない。仮に、少子化が止まれば、教員数は必要だし、少子化が進んだ場合でも、優秀な国民が必要になるのだから。)

ついでに、政局の話だが、福田×麻生についていえば、麻生氏になってもらいたい気もする。より、正直者のような気がする。それより、福田康夫、71才。それほど総理になるべき器なら、もっとずっと前になっているはず。大国の首相としての若干のカリスマ性も感じない。(例えば、2001年の総裁選では、当初、有利と思われていた橋本氏が失速し、亀井、麻生の3人を抑え、小泉逆転勝利になっている。まだ麻生の眼はある)


それよりも、民主党に政権を委ねてみたら、どうなのだろうか。

というのも、このまま衆議院の数の論理で、自民党の誰かが首相を張っても2009年9月の総選挙(衆議院選挙)まで。福田、麻生どちらでもパワー不足なのだから、そこで国民のNOの審判を受けると、民主党中心の政権が4年になる。ところが、今まで政権を運営したことの無い民主党には長すぎる期間のようにも思える。普通の感覚で言えば、党内にまったく考えの異なる人達が共存していることさえ理解困難なのに、どういう政策を打ち出すのだろうかと言うこと。(選挙用の公約といった大きな問題だけではなく、小さな法案でも、国民対下級官僚、国民対労組というような対立は多い)

それならば、1年か2年、民主党に政権運営をしてもらって、その後で、総選挙を行えば、国民も正しい選択ができるのではないだろうか。


で、テロ特措法の話だが、もともとは2001年9月11日の米国同時多発テロに対する、国際的協力体制の中で成立し、期間2年の時限立法で、2003年に2年延長。2005年からは1年ずつの延長になっている。アフガニスタンが対象地区で、この法律とは別にイラク特措法がある。

そこで、当時の小泉首相は、この法律を通すにあたって、どういう説明をしたか。

「国益のため」。彼は、得意のワンフレーズで、こう言っていた。

現在、自民党も民主党も、さらにメディア各社も、アフガニスタンの現状に視点を置いているわけだ。ところが、2001年はそうではなかった。では、小泉首相が言う国益とは何か。

ようするに、当時は北朝鮮問題だったはずだ。何しろ1998年に北朝鮮のテポドン1号は津軽半島上空を飛び越えていく。1980年代後半に、ようやく拉致問題に北朝鮮が関与しているということが政府で認定され始め、テポドンで世論に火がついた頃だ。少なくても、当時は米国追従しか、対北朝鮮問題で国益を守る術はなかったはず。首相も、北朝鮮の見返りを口に出さず、「国益」と言っていたはずだ。

ところが、その「無言の了解方式」は外国人には通じない。

今思えば、当時の小泉首相は、「北朝鮮問題をリンクしている」と言うべきだったのだろう。そうなれば、現在でも、恥ずかしながら「アフガンの見返り」の話を米国政府にもできただろうに・・・。

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