下り斜面は強気で・・

2008-10-31 00:00:37 | スポーツ
下落が続く株式市場のことではない。11月20日に予定されているボジョレヌーボーの世界同時巨大バーゲンの話でもない。ゴルフの話。



ゴルフの中でもパターのこと。ゴルフでもっとも多くの回数使われるクラブが「パター」。

パターの名手「世界の青木」が書いた一冊「必ず5打縮まる・パットの神髄」を読む。世界のシニアツアーを渡り歩く現役プレーヤーが、パターをペンに持ち替えて書いたとは思えないから、インタビューをライターが本に仕立てたのだろう。口でしゃべると当たり前の強気表現でも、紙に書くと傲慢に感じるものだ。


ゴルフのパターでよく言われるのは、上りは強くパターの芯でオーバーするように打ち、下りは芯をはずして距離を合わせて流し込むように、ということ。わかっていてもここ一番の下り1.5メートルなどで、力が入ってさらに往復運動を繰り返したりする。”もっと弱く打つべきだった”と後悔し過ぎて、弱気になり、今度は手前でストップする。手前でストップするのでは、どうやっても入らない。本書によれば、ショートしたパットは100年待っても入らないそうだ。

さらに、下りに加え、芝目の葉先がカップの方に向っているような順目の局面では、傾いたガラスのように微妙なタッチになる。手にはめていたグラブを脱ぎ、殻の薄いタマゴを転がすような技が必要になる(そんな技は持っていないが)。

しかし、・・・

おそらく、現役プロでは一番パットが巧いといわれる青木功によれば、

「下りの順目は強く打て!」ということになる。

バックスイングなどとらずに、ボールの芯を「パシッ」とパターの芯で打てばいい。小さめできついグラブをしたまま、直線的なラインで強く転がせば入る。

ということになる。長嶋茂雄のバッティング論みたいだ(来た球をバシッと打てばいい)。

説明としては、”強く打てば、曲がらない”ということだそうだ。

”芝の堅さは、ボールを置いた時にわかる”とも書いてあるが、それってルール違反じゃないかと思うが、芝面を触って調べたらいけないのだが、感じ取るのは違反じゃないということだろう。

そういうことが、数多く書かれている「強気ゴルフ」の本なのだが、それは青木功がプロだからだろうと思えるわけだ。パットを確実に二打ずつで入れていても、トーナメントでは優勝できない。1回優勝するのと10回10位になるのでは賞金は天と地なのだから、1パットのチャンスがあれば、リスクを追っていくのが当然の選択になる。投資銀行のトレーダーのボーナスと同じだ。失敗してもリスクなし、成功したら億万ボーナスということだ。

だから、技術が中途半端なアマチュアがマネをすると、・・・

実は、読んでからしばらくして、実戦でマネをしたのだが、

”無理”

まったく無理である。入る予感がない。

私は、ただの凡人だからだ。


ところで、本書の中で青木は、「パターがショートするようになったら、引退する」と豪語している。「届かなければ、入らない」というのを、英語で言えば、

「 Never Up , Never In . 」

と、言うのだが、知ったふりして、外国人シニア男性(&女性)がいるところで、口にしないように。

別の意味があるから。

エビ博士の講演

2008-10-30 00:00:53 | 市民A
まず、「海老」である。古来、腰が曲がった姿が長寿をイメージし、さらに、茹でると紅白に発色することから、縁起物として日本人の好物の一つになっている。



しかし、縁起をかつがない欧米人もエビが好物で、結構、海産資源として、あるいは養殖資源として、その流通ルートの変化はダイナミックで、かつ裏側に負の構造があるらしい。

このエビという単一商品を通じて、経済学をひもとく教授がいる。村井吉敬教授。早稲田大学の経済学の教授で、エビについての著書もある。講演を聞く機会があった。


ところで、いきなり、横道に脱線するが、『早稲田』『村井』といえば、かつて長きにわたり、早稲田大学に君臨していた村井資長氏という大総長がいたと記憶していた。まさか、とは思うが念のため調べると、この村井資長元総長の次男が、この村井吉敬氏。教授の世界も二世が幅を利かすようになっていたわけだ(周囲の関係者は皆、知っているのだろう)。


まず、日本の台所の話から。

日本の食糧自給率は約40%である。これはカロリーベースなので、実際に全国で米つくりや芋つくりを始めたらかなり数字は上がりそうだが、やや非現実的かもしれない。おおざっぱに約半分を輸入している、と思えばいいのだろうか。

食品別には、米が94%、小麦が13%。野菜が79%で、肉・魚が5割強。要するに、小麦が特に少ないように思える。そして本論の魚介類の中でも、サンマ、ホタテ、ブリ、アジなどはほとんど国産だが、まぐろが国産率38%、そしてエビにいたっては5%ということ。



もっとも魚介類はカロリーが少ないので、単に嗜好品のようなものと考えられなくもない。エビ好きは世界共通だが、古今東西を通じて、エビを主食にしていた人類はいない(はず)。

いや、貝が大好物だった民族もいるので、その時には海老も主食だったのかもしれない。貝殻は残るが、海老殻は残らないだろう。いずれにしても、エビ問題は、食糧危機問題とは、少し違うような気がする。



そして、大量に日本が輸入している先は、刻々と変化していて、かつて多かったインド、タイが減少しベトナムからの輸入が激増しているようだ。その背景には、中国の輸入増大があるそうだ。そして、現在は、東アジアではエビ漁による漁獲から養殖エビに供給源が移行しているそうである。エビ漁に限らず、大量の燃料を使う漁船による漁法から、養殖事業に産業が転換しているそうだ。(日本では漁民に燃料代補助なんか考えるから、その結果、サンマばかりを追いかけることになるのだろう)

しかし、このエビ養殖事業には、重大な構造問題があるということだそうだ。

それは、エビの生態が原因なのだが、養殖に適した熱帯性のエビには、マングローブ林が重要になるそうだ。海と陸の水際に、奇妙に曲がりくねった根を張るマングローブ林の、海とも陸ともつかない場所で、エビの卵は孵化し、稚蝦が繁殖するそうだ。だから、マングローブ林の存在がなければ、養殖はできないのだが、このマングローブ林そのものを削りながら養殖場が拡大しているそうだ。

つまり。金の卵を産むニワトリをかじりながらのビジネスということ。そして、マングローブ林がすっかりなくなると、そこは蝦の養殖場には不適地となる。そして、台湾では、中国向けの高級魚「はた」の養殖場に切り替えたそうである。つまり、「マングローブ林」→「日本向けエビ養殖場」→「中国向けハタ養殖場」というコースを辿る。



ところで、幸か不幸か、日本ではエビの需要は微減中らしい。その最大の要因は、エビ料理のプアさということだそうだ。日本の三大エビ料理といえば、「エビフライ」「エビの天麩羅」「エビのチリソース炒め」ということらしい。そして、特にフライと天麩羅は家庭では主婦に敬遠されているそうだ。結局、東南アジアの加工工場で、エビをさばいて、1日中、ピンセットで背腸を取り除いたり、パン粉をつけ続けるパートタイマーの労力の末、3分でできるエビフライや天麩羅が日本のスーパーに並ぶわけだ。



次に、海外の事情だが、日本の需要が落ち込む中、海外では海老ブームのようである。ノルウェー、スウェーデン、カナダというのは、あきらかに北洋的海洋資源のようだ。デンマークは輸出も輸入も多く、グリーンランド(国?)は輸出だけ、ということは、デンマーでは、北洋の海老も熱帯の養殖海老も両方食べているということだろう。



日本でも、北海道の「ボタン海老」とか富山の「白エビ」なんかが漁獲系のエビなのだろう。ボタン海老でエビフライなんかは作らない。そういう高級海老が5%の国産ということなのだろう。



ところで、海老のことばかり書いていたら、名古屋名物の「えびふりゃ~」を無性に食べたくなった。名古屋を本家とする『コメダ珈琲店』の巨大エビフライが頭を離れなくなったので、この辺で失礼。

消去法

2008-10-29 00:00:17 | スポーツ

自画自賛は大嫌いだが、弊ブログ10月16日号「WBC監督/はっきりしない人たち」で予言したように、WBC監督は原辰徳氏に決まった。

別に、彼が一番ということではないだろうが、ナベツネ嫌いな野村は断るだろうし、星野は勘違いもいいところ、落合は内弁慶だし、王は残念ながら、燃え尽きている。そうなると、そこそこのレベルにあるのが、原監督ということになる。消去法の一手である。囲碁や将棋でも、いくら考えてもいい手がない時は一番あいまいな手を指す。とりあえず先に進んでからということ。

星野の勘違いというのは、「野球はチームプレーであり、監督の私有物ではない」ことだ。「星野ジャパン」とか、「岡田ジャパン」とか、チームスポーツの経験のない記者が書くのだろうが、それを真に受ける監督というのもみっともない。さらに、人生「再チャレンジ」というのは極めて重要なのだが、それは、ある一つの人生で行き詰まり、別の方向の人生を歩むとか、同じ道にしても、負けた後、その反省と対策を立て、新たなレベルアップして数年後、再挑戦することを意味するわけで、五輪で負けたら次はWBCというのでは、「巨人戦で打たれたから次の広島戦では頑張って投げたい」と、根拠なく言っているようなものだ。まして、五輪より相手はパワーアップする。

そして、何となく、「日本一の監督がいい」という無難な意見にも近い。まだ西武戦が終わっていないが、今年が監督新入生の西武渡辺監督では、アンチ巨人の人でも賛成しないだろう。

ただし、巨人と日本代表とでは、かなり構成の違うチームである。言うまでもなく、巨人は外国人の大砲とかピッチャーをズラッと並べて力任せに押しまくろうという戦術が基本パターンである。前の戦争の時の米軍みたいな戦略である。

ところが、日本代表には、なかなかいい大砲が見当たらない。さらにいうと、WBCに大砲が必要か、という問題に行き着く。本気でアメリカがメジャーの最強投手を日本にぶつけてきたら、まず、2点勝負だろう。2-1とか。チャンスは3度か4度。2点取るには、確実性の方が重要な気がする。

同じく、10月16日の予言では、

「原監督では、イチローと城島は不参加だろう」

「大砲のいない大砲野球で大敗するだろう」

と書いたのだが、イチローも必要だろうが、城島はもっと必要ということではないだろうか。どの国のチームもメジャーの選手が大挙出場するからだ。たぶん、イチローと城島はセットだろうから、この二人が参加するかどうかが重要課題だが、イチローも星野を葬った上、さらに原にまでNOとは言いにくいだろうから、とりあえず出場するような気がする。

そして、五輪終了後、ただちに怒りの不参加表明した選手達が、思い直すかどうかだが、上原、宮本は参加するような気がする。

そして、問題はヤンキーズの松井。彼なら、大砲でもあり、確実性もある、と求められる日本代表の4番像にピッタリだが、故障がどうだこうだと逃げ回っている。

絶対に来ないだろう、と予測するわけだ。

振り返れば、原監督は、2002年シーズン、長島監督勇退の後を引き継ぐ。就任初年度にもかかわらず、4番松井をかついで優勝する。しかし一転、翌年、松井が米国に去るや成績は急降下、首位と15ゲームの大差をつけられ、結局、監督退任に追い込まれる。「憎き男、松井」と思っているに違いないわけだ。”君子危うきに近寄らず”だろう。怪我なのか仮病なのか疑われた横綱のようなヘマはしないだろうから、ギブスでもつけて解説者としてテレビに登場するかもしれない。

ところで、2003年、上記事情で原監督解任ということになったのだが、その報道された日の夜に知人の読売新聞社編集局の人と飲んでいたら、「クビじゃなくて、人事異動なんだよ。まだ読売の社員のままだって・・」とのけぞって絶句していた。

そして、2006年に巨人監督に復帰したわけだから、まだ退職金は受け取っていないはずだ。

しかし、既に50歳。現役選手時代には、「本物の名選手」には今一歩感があったのだから、この先10年で「本物の名監督」を目指すのなら、さっさと退職金を手にして、二流チームで辣腕をふるわなければならないのではないだろうか。WBCの結果がどうあれ、来シーズン一杯で、読売に辞表提出してみたらどうだろう。「少し休暇が必要」とか。

どうせ、2ヶ月もすれば、どこかに絶不調チームがあらわれ、監督解任ということになるだろうから、そこで弱いチームの監督になって勉強してみるといいだろう。

ただし、その時、クビになるのは、清原巨人監督かもしれないが。


真相はこれだ!(祝康成著)

2008-10-28 00:00:07 | 書評
ノンフィクションは小説や実用書に比べ、売上げが芳しくなく、文庫本出版にまで到達する例が少ないそうだ。そういう事情のなかで、本書は力作である。



「真相はこれだ!」という品のないタイトルは、売上げ対策だろうが、副題の「『昭和』8大事件を撃つ」というのも、やや品がない。

八大事件とは

1.美智子皇后の「失語症」の真相
2.「3億円事件」で誤認逮捕された男の悲劇
3.丸山ワクチンをつぶそうとした東大学閥学会
4.美空ひばり、紅白落選
5.成田空港の選定の謎
6.和田心臓移植の深い闇
7.潜水艦「なだしお」裁判で隠されていた事実
8.「猪木・アリ戦」の裏側

である。(都合上、短くつめてしまった)

特に、「3億円」、「丸山ワクチン」、「心臓移植」の出来はいい。

「3億円事件」では本当の犯人ではないかと思われる人物が自殺してしまい(著者は自殺にも不審を持つが)、捜査陣はなんとしても犯人を得たいと思い、ある人物の身辺調査に乗り出すが、毎日新聞がスクープ。あわてて逮捕するが、アリバイがあった。その男性のその後の人生の困難を追跡している。

丸山ワクチンについては、日本の医学界のことがよく見えてくる。産学官一体となった汚職の構造が裏側のテーマとして描かれる。大手薬品会社、東京大学、厚生省である。なんて汚い業界だ。

そして、本書の中で、もっとも怖い部分が、「和田心臓移植の深い闇」。昭和43年8月7日から8日にかけて、海で溺れたある青年の蘇生と、そのまだ生きていたと思われる心臓が、心臓移植の必要のない患者に移植された、と考えてもおかしくない事件のことである。

はっきりいって、トマス・ハリスの小説よりずっと怖い。何しろ、小説ではないのだ。死んでない人間の心臓を取り出し、別の人間の動いている心臓と交換する。そして失敗と隠ぺい工作。

実は、この事件は、後に警察によって掘り返されていくのだが、その背景には作家、吉村昭氏の調査があったそうだ。たまたま、アメリカで既に行なわれていた心臓移植のことを小説に書くために、資料を読んでいたところ、あまりに日本の事例が不審であることから、それを公表。

一方、当時、同じ札幌医科大学に勤務していた医師、渡辺淳一は、この事件に対する憤りから、メスを捨てペンを握ることになる。

ところで、この8つの事件は、ある意味事件の構造がおよそ明らかになっている。その後、現代の我々の眼前に広がる不毛の荒野はまったくノンフィクションとして解決できないような種類が多いように感じる。

新、8大事件

1.拉致問題
2.疑惑の銃弾問題
3.世田谷一家殺人事件
4.和歌山カレー事件
5.小渕首相の遺言
6.雅子妃をとりまく闇、そして未来の皇位継承問題
7.難波ビデオ店火災
8.大相撲八百長問題

と列記してみた。

携帯を買い換える

2008-10-27 00:00:20 | マーケティング
5fceb5b5.jpgここずっと、懸案だったのだが、携帯を買い換える。

でも、本当によく判らないのは、携帯本体の料金も使用料金も。確か、簡単になったはずなのに、携帯本体も新型が1年たつと10分の1位になる。さらに、この8月あたりは昨年の半分しか売れなかったようだ。この業界も大破綻が近づいているのかもしれない。

そして、なんだかよくわからないが、新型を買ってしまった。Sharp製の「URBANO」。アルバーノと読むようだ。普通は「WT64S」とか無個性的ネーミングが多いのだが。なぜ、アルバーノなのだろうか。

結局、料金は何かを足したり、何かを引いたり、それを24で割ったりして、よくわからない上にオプション分は明日以降解約されても結構です、と意味不明である。


しかし、機能多すぎ。LISMOって何だ?Felicaって何だ?au Media Tunerって何だ?あっ、ワンセグが見られるじゃない・・、1日150円位でカーナビができるじゃない・・って。

日本がガラパゴス化していると言われる、最も典型的な事例である。マニュアルは薄いものと厚いものと二種類入っているが、厚い方を読まないとならない。

さらに、万歩計がついていたり、ゴルフスコープなる機能がついている。

ゴルフスコープは、ピンまでの距離を測定する機能で、グリーン上のピンをカメラ捕らえ、画像上でピンの上と下をマークすると、その長さを測定し、残り125ヤードとか表示される。

上手い人用なのか下手な人用だかよくわからない。実際には、前のパーティがグリーンにいる時にはピンは立っていないから、ピンが立つとすぐに打つことになる。それからおもむろに距離の測定をして、クラブを選んだりすると、かなりスロープレーになりそうである。いずれにしても、上手い人は使わないだろう。

5fceb5b5.jpgそして、携帯購入後2日後に、ゴルフ場で実戦使用したのだが、まるでダメ。明るいゴルフ場では携帯の液晶画面が暗すぎてほとんど見えないし、150ヤード以上先のピンは液晶上では極めて小さく、誤差が大きすぎる。というより、いつもバンカーの中にいるから、あまり必要ないし。

さらに、緊急地震速報が入ることになっている。

実は、数日前に「地震保険」にも加入した。

最近の米国、欧州を見舞ったサブプライム恐慌だが(ただの巨大金融詐欺という説もある)、頼みの綱の一つである中国経済も失速。おもちゃ工場が破産して、従業員が1000名以上暴動を起こしたそうだ。今後、暴動が広がっていき、ついに共産党の大崩壊から始まり、全土が無政府状態になるかもしれない。

そうなると、最後の砦が日本ということだが、そういう時こそ、日本の弱みである巨大地震が来たりする。神は苦難を人類平等にばらまくはずだ。


ところで、今後、お昼の食事がブログに多発しそうである。ホテルのバーのはしごでもしてみようかな。

白船来航

2008-10-26 00:00:14 | 歴史
日米関係史の中で、横浜が舞台になる大きな出来事が三つある。

一つ目は、幕末のペリー来航と日米和親通商条約の締結。三つ目は、マッカーサーの進駐である。そして二つ目は。



白船来航。10月26日まで、横浜開港資料館で「白船来航」にかかわる展示が行なわれている。(開港記念会館ではなく、開港資料館の方)

1908年、スペリー提督率いる米国大西洋艦隊の来航である。(スペリーという綴りは、ペリーにSを付けただけ)

なぜ、横浜に大西洋艦隊が16隻の軍艦で来航したか。

とかく、近代史にはタブーが多く、教科書に書かれないことが多い。その多くは、日本の他国占領に関係するものが多いのだが、日米関係に係わることも、それほどきちんと知られていないようだ。この白船についても、まさに今日まで続く日米間の、意識のねじれを象徴するようなできごとである。

まず、19世紀末から20世紀の冒頭にかけて、日米関係はどうなっていたか、というと貧しい日本から、どんどん西海岸に人口が流出していた。そのため、特に米国西海岸では日本人排斥運動が燃え上がっていた。弊ブログの古くからの読者の方にはお馴染みだろうが、その当時、混血のイサム・ノグチ少年が日米間を追われるように往復していたこと、童謡「赤い靴はいてた女の子」のモデルとなった岩崎きみちゃんの薄幸、そして、年齢をいつわって渡米した岡山出身の画家国吉康雄などの例がある。

さらに日本は、軍事国家の道を歩み始め、日清戦争につぎ、日露戦争を戦い、バルチック海戦に勝利するなど、特に中国権益を狙っていた米国にとって、大きな脅威になっていた。そういうかなり緊迫した関係の時期だった。

この時の米国大統領はセオドア・ルーズベルト。とある世界戦略を考えたわけだ。


威嚇外交。



どうも、日米ともに今のキタチョーみたいなことをしている。

16隻の白船艦隊は13,000人の兵員を乗せ、大西洋を南下、マゼラン海峡から北上し、サンフランシスコからハワイ、ニュージーランド、オーストラリアを回り、マニラから一路横浜に向かう。

実は、このルーズベルトの威嚇外交だが、アジア各国に、「いかに米軍は強いか、見せ付ける」ための軍艦行列だったわけだ。だから、日本は、なかなか招致しないだろうという読みがあったらしい。そして嫌がる日本の沖合いでデモンストレーションをしよう、ということだった。つまり黒船のまね。

しかし、米国のおもわくは、まったく空振りに終わることになる。他国に先立ち、まっさきに「Welcome JAPAN」を表明する。そして、さっそくの打ち合わせは、ホテルの食事とかおみやげとか、出迎えのセレモニーとか。

何か、ガールフレンドの家庭を訪問しようとしたら、彼女の両親に豪華パーティで出迎えられ、さっそく結婚式の日取りの話になり、「きょうは泊まっていきなされ」ということになって、寝室のベッドに枕が並んでいるようなもの。

実際は、日本の思惑は、「今は米国を味方につけておく時」という判断があったようだ。私の個人的見解だが、日本側は中国権益は米国と共有してもいい、と思っていたのではないだろうか。

そして、歓迎されたのに船体が黒というわけにいかず、今回は白の塗装をかける。遠路の果て、米国側の虎の子の大西洋艦隊のほぼすべての艦隊が日本に近づくとき、スペリー提督、またセオドア・ルーズベルトの胸中はどうだったのだろう。さぞ、不安だったと考えられる。



なにしろ、日本海軍は、数年前に、ロシアバルチック艦隊を全滅させたばかり。さらに向かう場所横浜は東京湾の奥の方だ。いかに米軍が強いと言っても、援軍もないし、袋のネズミになる。16隻の米軍に出迎えの日本側の同クラスの軍艦16隻が近づいた瞬間、おそらく米国側のすべての銃砲には実弾が詰められていたに違いないと睨んでいるのである。

そして、米軍一同は上陸したあと、臨時に乗り放題無料になっていた横浜‐東京間の汽車で、東京での連日の歓迎式典に出席し、1週間遊びまわった末、ほうほうの体で、アモイ、シンガポール、インド、そしてスエズ運河から地中海へと大名行列は進んでいったのである。


結局、両国海軍が実戦で大衝突するのは三十数年後、1942年5月の珊瑚海海戦になる。数度の、大海戦の死闘の末、1944年10月、レイテ沖海戦で、日本海軍は、ほぼ戦力が壊滅する。

付け加えると、その後、国家同士が巨大海戦を行なったことはない(フォークランド紛争は大海戦ではないだろう)。世界を見渡しても、海洋国家は、米国、日本、英国くらい。太平洋の日米軍事同盟は、他国にとっては、かなり強力なものに感じているのだろう(それもおそれずに、竹島に何人かの警察官を配置している無謀な国もある)。


ところで、こういう近代の歴史についての博物館というのが、東京にはない。白船だって上陸したのは横浜だが、目的地は東京である。本来、東京で資料展を開くべきだろうが、ふさわしい場所が見当たらない。なぜ、首都に近代・現代史専門の展示会場がないかと考えれば、やはり、様々な団体が、ああだこうだと抗議活動をするので収拾つかないからだろう。

古代をみれば、日本書紀と古事記が並存するように、歴史資料館も「政府に都合のいい正史館」と「差別と貧困と謀略にあけくれた裏面史館」と二つ作ればいいのではないだろうか。

『戦う将棋指し』

2008-10-25 00:00:59 | しょうぎ
本来は、経費4000万円をかけ、パリで行われた竜王戦第一局のことを書けばいいのだろうが、パリに行った意味がよくわからないというのが本当のところなので、あまり触れない。



フランスで将棋ブームを燃え上がらせようというなら、毎年、フランス各地でタイトル戦を開けばいいだろうが、読売新聞をフランスで拡販しようということではないだろうし、柔道のようにフランスの方が日本より競技人口が増え、フランス将棋連盟の方が隆盛を極めるのを容認しようということなのだろうか。まあ、公称1000万部の朝刊から言えば、1部あたり4円に過ぎない、と言うことなのだろう。

何か、竜王戦の契約料値上げの交渉のネタに使われるような気がする。

将棋の方は、渡辺竜王は、「羽生マジック」をくぐり抜けることができないような気がする。

4000万円の後に書きにくいのだが105円の話。ブックオフで購入した1冊の文庫本である。

「戦う将棋指し」

少し古い本である。1999年10月。別冊宝島編集部編となっているが、この文庫本の内容が、別冊宝島(MOOK)にまとめられたのはさらに遡り、1998年4月。新聞記者の方々やフリーライターの方々が、多くの棋士を対象に、さまざまなエピソードを書いている。そのうち、ある一人分だけを取り上げると、仮にこのエントリを見た方が、気を悪くする可能性があるし、さらに、将棋界の話と言うのは、実際より「話が大きくなっている」ことが多いので、大人気ないことは書かないことにする。

その中で、棋士へのインタビューというコーナーがあり、これはかなり本人の談に近いのだろうと思うので、そちらの方を触れてみる。

ただし、自分の経験でも、インタビューを受ける前にこちらの答えが期待されていて、まともに記者に対応していても、事実と違うことを話したような記事ができあがり、抗議をしても、なしのつぶて、ということもあるので、このインタビューをどこまで信じていいのか、まあ、そんなに硬い話でもないので気にしなくてもいいのかな。

そして、本書でインタビューを受けるのは、4人。時の名人の谷川浩司、中原誠、屋敷伸之、そして行方尚史。このうち、谷川・中原両氏の話は、あまり面白くもなく、「羽生さんにやられて、悔しい悔しい」ということばかりだ。中原氏の紳士ぶった発言は、すべてが発覚した今思えば、失笑ものであるが、薄氷に乗った状態だった、と考えれば、少し気の毒。行方氏の話は、当時、まだ若すぎて、面白くない。

それで。屋敷さんのインタビューだが、彼の考え方というか、「自分中心主義」が、読んで楽しいというか、1日1分しか勉強しないとか、競艇につぎこんでいる割に勝てない話とか。

どうも、奨励会の時には、朝から晩まで将棋の勉強をしていたそうだが、ある時、ぱたっと勉強をやめたそうだ。やめても勝率が変わらなければいいじゃないか。だいいちタイトル取ったのだから、ということだろう。

おそらく、屋敷氏は、もともとの将棋力が強いから、定跡からはずれたところでは凄く強いのだろう。つまり、定跡からはずれたところで勝負しようというのに、定跡研究してもしょうがないじゃないか、という実践主義なのだろう。大山名人もそうだったような。

そして、実際、彼は、ずっと高い勝率を続けているのに、なぜか順位戦はカメの歩みで、やっと今年B1級。おそらく3位、4位を何期か繰り返すのだろう、と予測。たぶん、今期は昇級枠2のうち、順位1位の久保八段は当確として、渡辺、杉本、山崎、屋敷の4人が、ラスト二局でぶつかることになっているので、一つの枠をトーナメント的に争うことになるのだろうと想像している。新聞で読みたい棋譜の代表なので、なんとかいつか上がってほしいところである。(羽生=屋敷戦も楽しみ)



さて、10月11日出題分の解答。

▲2二香 △同銀 ▲同歩成 △同金 ▲1一香成 △同玉 ▲2三桂 △2一玉 ▲1二銀 △同金 ▲同歩成 △同玉 ▲1一桂成 △同玉 ▲2二金まで15手詰。

「タバコ」という副題は、初型が漢字の「口」で、詰上り図が超ミニ「煙」詰(最終3枚)。「口から煙」ということ。

本当は、完全密集形を作っていたのだが、2手目が密集形になる。

こんな狭い場所でも、駒の種類を変えると詰まないか、余詰多発になる。



おまけ出題の偶数手詰の方は、元の作意は、

▲1七歩 △同玉 ▲1五と △同香 ▲2六銀 △1六香まで6手詰。だったのだが、4手目に△1二香という妙手があることを発見。あきらめようとしたが、無理やり詰ます筋を発見。

▲1七歩 △同玉 ▲1五と △1二香 ▲2四と △1六玉 ▲2五と △1七玉 ▲1五と △1三香 ▲2四と △1六玉 ▲2五と △1七玉 ▲1五と △同香 ▲2六銀 △1六香まで18手詰。

連続王手でないのがキズというか・・。

玉方は歩二枚を持つが、二歩で打てない。

8手目に△1三香は、▲2五と △1六玉 ▲3五と以下詰み。



今週の出題は、やや軽い手順の割りに盤面が重い感じ。実は、実戦的手筋である。最終2手はばらける。

わかった!、と思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評をいただければ正誤判断。

実戦で、こういう場面で詰めて勝ったことがないという人もいるかもしれないが、私は、こういう場面で詰めて勝つことが、かなり多い。要するに、詰まないような場面でトン死で勝つということだが、それにはコツがある。

『遠い詰めろ』をかける。または、もうすぐ手に入る相手の駒を足すと、『遠い詰めろ』になる形。要するに「卑怯者」ということだ。「マジック」とか「光速」とは言わない。

各国の状況の雑感

2008-10-24 00:00:34 | 市民A
少し前に、米国の状態について、日本のバブル崩壊のデ・ジャブということを書いたが、事実、そっくりである。米国民も、当初は、税金投入に反対する声もあったが、自分の資産がどんどん減っていく状態に陥り、ポールソン、バーナンキに下駄を預けた。バーナンキは、「大恐慌の研究家」として著名で、1929年の株価暴落した直後の政府の無関心が経済破綻を招いた、という持論を持っていたのだが、研究テーマを実戦で使うとは思いもよらなかっただろう。

この経済危機からの脱出には、多くの困難の克服と政府によるリーダーシップが必要(簡単にいうと、大統領の体力)ということから、オバマ×マケイン戦の行方は決まったようなものである。第一、ブッシュだってマケインを支持しているようには見えない。

そして、自動車産業の危機である。日本でも1991年に日産が危機に陥る。その後、ルノーが資金援助し、カルロス・ゴーンの手で再建を果たした、と簡単に言うが、ルノーの前にメルセデスが交渉をしていて、最後の最後でギヴアップ。急遽、ルノーが登場したと記憶する。メルセデスはその後、クライスラーに出資するが大失敗。米国政府だって、クルマの売れないクライスラーに資金を注入しても焼け石に水になるのはわかりきっているので、むしろGM・クライスラーにしてから資金投入したいところだが、結局、カルロス・ゴーンの登場になりそうな予感がする。問題は、日産の場合は、トヨタ・ホンダという比較すべき優良企業があったからいいが、米国は、3社ともうまくいっていない。

日本では、次に登場したのがダイエー。アメリカにもスーパー大手があるが、早晩、苦しくなるだろう。アメリカ企業ではないが、IKEAなんかも、大爆発の可能性がある。世界に数百店舗の巨大店を出していた。家の購買がなければ、家具は売れない。

さらに、あまり意識していなかった2011年問題がある(日本も同じ)。いわゆる1946年以降生まれの団塊世代が65歳になり、年金受給世代になる。日本では、60歳になって退職する時期(2006年)が問題と騒いでいたが、会社にとって退職者の分は新規雇用を増やせば、解決するが、年金受給者が増えたからといって、どこかで人数制限できるわけでもない。年金財源の不足(401Kの悲劇)が悪夢のように近づいている。

アメリカが再起するためには、日本が90年代後半から始めた、中国の生産基地としての利用というような生産基地の確保問題がある。メキシコやブラジル、アルゼンチンといった国の労働力を活用することが必要だろう。


そしてヨーロッパ。かつてユーロが120円位だった頃、『今後、EUには、次々に経済の弱い国が加盟するだろうから、ユーロは弱くなる』と予言して、後で160円になったりして、笑いものになっていたのだが、やっと理論と現実が近づいてきた。

米国と異なり、再起が悲観的なのは、日本のようにバブル崩壊後の経済立て直しのために中国を利用したパターンではなく、既に中欧・東欧・スペイン経済を利用して急速に羽振りを効かしてからの沈没。もう利用できる新興国がない。

おそらく、トルコや北アフリカ諸国もEUに加入することになるのではないだろうか。

新興国の悲劇

アフリカ、南アジアなどの最貧国経済は大破綻し、あまり助けてくれる人がいない、ということではないだろうか。

では、我々は、何をすればいいか。

「買い物」だろう。

かつて、日産のセフィーロと言うクルマがあった。バブル期の終わり、1988年に初代登場。その後、経済失速下のモデルチェンジで普通のクルマになった。ようするに初代セフィーロはバブル的な豪華設計で、これを安売りすることになった。つまり設計から完成までのタイムラグがあるので、高額物件を安く買うチャンスがある、ということである。

携帯、液晶テレビ、マンション、ゴルフ会員権など、バブル設計の高級品を安く買うことができる。ただし、不況が1、2年続くと、設計段階からチープ設計になり、「割安」とは言えなくなる。買うなら「今だ!」。ただし、維持費(ガソリン代とか愛人のお手当てとか)が高くつくようなものはダメ。そうなると、意外に少ないかも。

戦争

こういうときに、最貧国では内乱風な戦闘が始まるものだが、かまう余裕の国はないので、深刻化するだろうか。中国の共産党支配も終わるかもしれない。内乱にならなければいいが、歴史上の中国の体制変化はすべて戦闘によるものだ。

青森県で何が起きているか

2008-10-23 00:00:30 | 企業抗争
青森県で発生しているいくつかの経済ニュースを見てみる。

まず、東京商工リサーチの人気サイト、大型倒産速報から


K石油 ガソリンスタンド・燃料販売 負債約70億円

K石油(設立昭和47年8月、資本金1800万円、K社長)は10月6日事業を停止。事後処理をA弁護士に一任した。

負債総額は約70億円だが、現在精査中で更に膨らむ見通し。

同社は昭和47年8月に法人化。設立当初は灯油の販売を中心に逐次業容を拡大、青森県全域に配送センターを設置し、平成7年7月期には設立来初となる10億円台の年商を突破した。

16年以降は、セルフ式スタンドを積極的に出店。現在までに青森県内25店舗のガソリンスタンドを設置し、付帯してコンビニエンスストア1店舗、女性専用のフィットネスクラブ4店舗、コインランドリー8店舗を手掛けるなど多角化経営を実施、16年7月期には約36億円の売上規模が、19年7月期では約95億円の年商にまで拡大していた。

しかし、相次ぐスタンド建設による設備負担が重く、固定資産偏重の財務内容だった。20年7月期に入ってからも、燃料価格は高止まり、採算確保に苦慮。資金繰り逼迫から燃料の確保が困難となり、10月5日の夕方から順次スタンドを閉鎖し、事業を停止した。

なお、負債総額約70億円は今年に入ってから青森県内で最大規模となる。

この倒産では、K石油が事業停止前に、県民に対し前売り灯油券(割引)を10万円、20万円と前売りしていたが、前売券がほぼ無効になった。説明会には1000名以上が集まったようだ。英会話学校のNOVAと同じような話。泣き寝入りとしては少額、とあきらめるしかないだろう。営業停止最終日は、各店舗に対し、「在庫切れまで販売するように」指示があったそうだ。最終日の売上金の行方も気になる。


次に、(株)青森汚泥処理センター。


(株)青森汚泥処理センター(設立平成19年2月、資本金1000万円)は、10月2日付けで事後をB弁護士ほか1名に一任。今後は破産手続開始を申し立てる予定。

負債は約36億円。

同社は、平成18年12月不法投棄が発覚し19年3月に事業活動を停止した(株)青森下水道開発センターの「し尿処理施設」、「汚泥焼却施設」などの施設を譲り受け、平成19年2月に設立。以後、し尿処理施設からの汚泥収集、運搬、中間処理、焼却の流れを一手に引き受け事業を展開。設立1期目の20年3月期には年商約3億7000万円をあげていた。

しかし、青森下水道開発センターが設備投資に投じた借入金約25億円も引き継いだことから、初年度から設備負担は重く、債務超過の財務内容に陥っていた。その後も事業活動は継続したが、採算確保に苦慮、運転資金の欠乏から事業活動を停止し、今回の措置となった。

この会社、設立からまだ2年も経っていない。公共投資くずれみたいな案件を基に、資金を借り入れに頼っていたようだ。売上げは下水処理やし尿処理なのだから安定しているだろうから、破綻の原因は運転資金の借入困難ということだろう。突然の融資打ち切りが背景にあるのだろう。

青森市民のトイレの使用にも影響が出るのだろうか。たぶん、まずいことになるだろう。トイレの使用は1日3回までとか・・。


一方、青森の金融機関ではこういうニュースがある。(NIKKEI)


八戸、あおもりの2信金が合併

青森県の八戸信用金庫(八戸市)とあおもり信用金庫(青森市)が来年秋にも合併する方針を固めた。10月16日午後に発表する。八戸信金が存続金庫となる。八戸信金の預金量は3425億円で信金では東北トップ。あおもり信金が加わり預金量は約5600億円となる。

あおもり信金は地元経済の低迷による与信費用の増加に伴い2008年3月期決算で約39億円の最終赤字を計上した。青森県南部を地盤に堅実な経営を続ける八戸信金と合併して、経営基盤の強化を図る。


さらに、地元地銀のM銀行の発表がある。

「債権の取立て不能または取り立て遅延のおそれ」として、上記K石油に対する負債額12億円のうち、担保のない11億円について、引き当て処理をする。

さらに、同日付けで、さらに20年度通期利益見通しの下方修正を行った。

経常利益は、前回発表50億円が、今回発表では14億円とマイナス36億円である。K石油分以外にも25億円の別問題があるようだ。

このM銀行だが、ここ数年来、積極経営を行っていて、ロシアに三店舗を作ったり、数多くのプロジェクトファイナンスを手掛けたり、一方方向の経営に邁進していた。背景は、地元の富裕農民から集まる資金を有効に再投資する先が県内に少ないからであるだろう(結果、無担保融資などを行っていた)。そういう未来に対する仕掛けをたくさん持っているはずである。今後(2011年頃まで)、次々に連続時限爆弾化する可能性を感じないでもない。

東北の地銀の宿命みたいなものだろうが、地銀への資本注入第一号になるかもしれないと予感している(全国には同様事例が無数にあるのかもしれないが)。



もっとも、もう一つの農民の預金先である「農中」だが、巨額をフレディマックやファニーメイにつぎ込んでいたらしい、との話もあるが、こちらはまったくの米国政府頼みなのである。(米国債くらいで妥協しておけばよかったのにと後悔しているかも)。見返りは牛肉の輸入規制緩和?。

八百長に白黒つくのか、証人却下

2008-10-22 00:00:44 | スポーツ
まず、産経新聞から、元若ノ鵬の証人申請が却下された記事から。

若ノ鵬の証人申請却下 大相撲八百長訴訟
10月21日19時18分配信 産経新聞

大相撲の八百長疑惑を報じた「週刊現代」の記事で名誉を傷付けられたとして、日本相撲協会と横綱朝青龍関らが発行元の講談社などに損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁(中村也寸志裁判長)は21日、講談社側による元幕内力士若ノ鵬(20)=本名・ガグロエフ・ソスラン=の証人申請を「尋問の必要がない」として却下した。

大麻取締法違反容疑で逮捕され、協会を解雇された元若ノ鵬は、9月に会見を開き、「アンフェアな取組を強いられ、お金を渡された」などと述べ、講談社側の証人として出廷する考えを示した。その後、週刊現代で、原告に名を連ねる力士の個人名をあげて八百長を告発した。

講談社側は、3日に行われた口頭弁論で、「複数の原告力士との八百長について証言する」と元若ノ鵬を証人申請したが、中村裁判長は判断を留保していた。


証人申請却下というのは、「話の筋からずれてるから、来なくていい」というものとか「既に、『八百長が行なわれていた』事実をつかんでいるので、これ以上の証人は不要」というのか、なかなか判別がつかない。

まさか、テレビやネット上で、裁判長以上に国民の方が詳しくなってしまったのに対する警鐘のため、証人にしなかった、とは考えにくい。

中村也寸志裁判長の過去の判決を見ると、

 マンションの階上で男児が走り回る騒音につき、「親のしつけがなってない」と騒音に対する損害賠償を認めた事例。

 受精卵の検査を行い、産婦人科学会の取り決めに違反したとして除名された産科婦人科医に対する除名無効請求を却下した事例。

などが紹介されている。比較的、体制側と思われるが、少し、大胆な判例のような気もする。

となると、ますます証人申請却下の理由がわからなくなる。


ところで、八百長が行なわれていない、などと思っている人の方が少ないだろうが、小説家渡辺淳一は週刊新潮に、もっと大胆な意見を載せている。

「『八百長も行なわれるスポーツ』と思っていればいい。」

思うに、立会いの一瞬で相手の得意な組み方になれば、あとは自然に負けるはず。また、途中で「まきかえ」に出て、その瞬間に攻めさせたりする。あるいはまきかえに成功すれば逆に有利な体勢になる。

最初はカネのやりとりなどなく、『何となく』次場所以降に自分が苦しかったときのための保険だったのだろうが、現ナマの話が出てきたらもう終わりだ。

いずれにしても、最高裁まで裁判は続くだろうし、その結果、なぜか、常勝横綱もいなくなるのかもしれない。

大ボケかなあ?

2008-10-21 00:00:40 | 市民A
野村證券のテレビ講義「野村の自由学校10月号」を見せてもらう。野末陳平氏の「ちょいボケ・ワールド」。同名の書籍を最近出版されたらしい。

別に、老人の生態を研究して、電話で何か売り込もうとかではないのだが、どうも老後の世界の話らしい。聴きに行くかどうか迷っていたのだが、妙なことに、陳平氏が「陳談日記」というページにこう書いていた。



ちょいボケ老人バカ日記 野村の自由学校に出てます 2008-10-4 11:41

野村證券が毎月一回、NHKと組んで、各支店で開催するテレビ講義に呼ばれ、今月は、ご隠居も40分のトークやってます。題して野村の自由学校、野末陳平の「ちょいボケ・ワールド」です。

相手に美女がいたせいもありますが、もう昔みたいに、受ける笑談ができなくて、普通の話でお茶をにごした感じです。

やっぱり、年齢からくる劣化と老化がわざわいして、思ったように喋れなくなりましてね、とり直ししたいくらいの出来です。

魅力あるトークなんてのは、どんなにいいネタでも、こっちに勢いがなければ面白くなりません。話術のうまい下手なんかではなく、聴衆をぐいぐい引っ張る話し手のパワーというか、発散するエネルギーですね。最近は、オーラともいってますがね。

残念ながら、ご隠居にはそれが失われた。だから、年内の予定や約束はこなしますが、程よきところでラストラン。これは前から言ってるとおり、人前でなにかやる役は、もう完了です。いつまでも未練たらたらで、現役の仕事にかじりつくのは疲れますから、ここらがいい潮時でしょう。



放送日の前に、「失敗作」を表明するなんて、よほどのことだろう、との邪道的興味があったわけだ。

そして、「>相手に美女がいたせい」というのは、キャスターの野中美里さんのこと。フリーアナウンサーの方で、以前、TVKテレビの全国的人気番組だった「新車情報」で活躍していた。この、野村の自由学校ではレギュラーキャスターである。

まず、いきなり、陳平氏は、「最近、ちょっとボケた」という話を実例入りでする。特にテレビでクイズ番組を見ると、「わざと間違えているおバカキャラ」以上に、答えが思い出せない、とのこと。特に、70を過ぎてからそういうことが多いそうだ。現在76歳。

まず、「自分は若くない」「若い時の自分とは違う自分である」ということを自覚することが肝心だ。と、ずいぶん謙虚である。長く国会議員を続けていたときは謙虚でもなんでもなかったのだから、この意識転換は相当なものだ。

そして、陳平流の老人五原則を披露する。

1.女房には逆らわない
2.友人には反論しない
3.他人の批判や悪口は言わない
4.時の流れには抵抗しない
5.主義主張にはこだわらない

元インド首相ガンジーみたいな話だ。もっとも、女房にはいずれお世話になるだろうし、頑固な友人と論戦を張っても、お互いに言ったことも覚えておけないし、他人の悪口を言っても無駄だし、新しい物にはついていけないし、今さら主義主張を老人が言っても誰も耳を傾けない。ということだそうだ。(実際には、これから選挙権を持つ老人が増えると、老人趣味の議員が増え、老人天国になりかねず困る。クルーグマン教授も経済学の本にそう予言している。米国の場合、老人問題は団塊世代が65才になる2011年からだそうだ。日本も同じだ。)

そして、そのあと、陳平氏の話は老人らしく、やや発言の中に矛盾が多くなり、キャスターを悩ませながらも、なんとか右往左往で前に進んで行き、最後にやっと老人が大切にすべき五原則に到達する(途中、あまり聞いていなかった)。

あれ、五原則は最初に出たじゃないか、とビックリするのだが、ちょっと違った。

1.健康
2.おカネ
3.友人
4.妻
5.極楽浄土

だそうだ。妻が最初の五原則では1番なのに、4番に落ちた理由をキャスターに突っ込まれたところ、「本当は4番目」とのことだそうだ。おカネが2番目になったのは野村證券への義理なのだろうか。友人とは立川談志のことだろうか。

そして極楽浄土のことでは、「病気で苦しんで亡くなるのは嫌だが、健康のまま、眠るようになくなるのが理想だ。」としながらも、

『ただし、今回下がった株が元に戻るまでは、死ねない!』と未練がましい。

不老不死を狙っているのだろうか。

あるいは、元に戻ったら・・。

徳川四百年の内緒話(川宗英著)

2008-10-20 00:00:27 | 歴史
家康以後の徳川家の秘密について、徳川御三卿の一つ、田安家の総領である宗英氏の著書。ちょっとした暴露本である。江戸時代は大名の家系について、著書に書くのは禁止されていたし、まして、徳川家の内幕について当事者が筆をすべらせば、徳川家の一員とて「お腹をお召され下され」ということになっただろう。



まあ、日頃感じている徳川家に関する素朴な疑問についての解答がずいぶん書かれている。事実を書き、論評するという構造だが、論評の方は、どうしても身内びいきになるものだから、事実だけを楽しめばいいだろう。

まず、『徳川』でなく『川』だそうだ。心の上に一本横棒があるそうだが、実際、そんなこと誰も知らないそうだ。高校の入試で、「江戸幕府を開所した、狸爺は誰だ。漢字で書け。」という問題を出題したら、全滅するはずだ。いや、それでもできる奴っているんだろう。

さらに、読み方が難しい人が多い。この宗英さんだって、「むねふさ」と読むそうだ。「いえなり」とか「いえさと」「いえよし」「よしのぶ」当て字ばかりだ。

そして、この田安家を含む御三卿は吉宗の時に、家康の御三家(紀伊、尾張、水戸)にならって、子供たちを(田安、清水、一橋)の三本柱にしたのだが、こちらはごく控えめに幕府のあてがいぶちみたいな感じで、屋敷は江戸で領地は全国各地に少しずつ散らばっていたそうだ。

そして、御三家だけではなく、この御三卿も将軍を出すにふさわしい資格があったそうだ。現に田安家から徳川宗家第16代、「家達」が出ている。残念ながら、すでに幕府はなくなっていた。その時、まだ8歳。その後、家達は明治政府の要人として活躍することとなり、貴族院議長も勤めている。さらに、この書によれば、大正3年、シーメンス事件で山本内閣が総辞職した際、内閣総理大臣の声がかかっていたということである。その時は、徳川家一同が集まり、「受けるか、断るか」大会議が行なわれ、結局、大隈内閣の再登板になった。

あと、将軍達の変人ぶりは歴史でもよく習うが、初耳も結構あった。まず、料理好きの将軍がいた。13代将軍家定。黒船対策が必要な時期だというのに執務を井伊直弼にまかせて、芋の煮込みとかカステラとか各種手料理・洋風菓子が趣味だった。その代わり、子作りの方にはまったく興味がなく、後継者選びで周囲が困り果てる。

また将棋で有名な家治公だが、実はその親である家重も将棋が得意だったそうだ。家重といえば、言語不明瞭で彼の言葉を解するのは大岡忠光だけ、というのが通説だが、将棋が指せるなら、少し事情が違うのだろうか。それとも将棋も大岡が勝手に考えていたのだろうか。どうせ、将軍と指して勝つ馬鹿はいなかったはずだからどうでもよかったのだろう。

また、15代将軍慶喜は、一度も大奥エリアに入らなかったそうだ。それでも、テレビでおなじみの篤姫と和宮という二人の才女の懸命な助命工作のおかげで、その後の趣味三昧の生活を楽しむことができた。そして姑と嫁の関係になる篤姫と和宮は大層仲が悪く、和宮は板の間に座布団なしで座らされていたそうである。NHK大河で、宮崎あおいさんが好演すればするほど史実から離れてしまう。

そして、歴代15代の将軍のうち4人について、謀殺説があるらしい。確かに、一般に健康とは言えない家系なのである。270年に15代は他家に比べて多すぎる。

徳川を名乗ったのは家康からで、宗英公によれば、だから、たいした家系ではないので、「徳川夢声」氏のようなニセモノがいても、あまり気にしないということなのだそうだ。だからといって、ミスター徳川と名乗る人物が投資話を持ってきても、騙されないように。たぶん、投資なんかしなくても、どこかに大金を隠しているはずだからだ。(本書の中では、「埋蔵金などない」と書かれているが、だからこそ怪しい。)

花の美術館

2008-10-19 00:00:26 | 美術館・博物館・工芸品


花の名前もろくに知らないのに、こんなところにいてもいいのか、と思うのだが、10月のある日、千葉市稲毛区にある花の美術館に入った。どこからどこまでが敷地なのかわからないが、ようするに無料。大きな温室もあって、そこに入るには燃料代80円が必要らしいが、当日は結構暑く、とても熱帯植物と付き合う気にはならなかった。

なぜ、そんな場所に行ったかと言うと、この近くのある場所に数名で行く途中に、お昼になり、この向かい側にある「千葉市中央卸売市場」の中の食堂街で昼食を取ったことが原因。まあ、中年が何人かで食事に行くと、「アレは医者に禁止されている」とか「カロリーがどうのこうの」とか「飲み薬との関係があって、食べられない」とか「歯が欠けていて、固いものは」とか全然楽しくない最大公約数探しがあって、結局、端から端まで食堂街を歩いて、蕎麦を食べたりする(参考:私はウニでもイクラでもトンカツでも、高いものは何でも食べるので、豪華食事への招待は大歓迎)。





その結果、大幅に昼休みが余ってしまい、地元に詳しい糖尿病系の方々が、時間が余った責任を埋め合わせようと、向かいの公園内にある花畑エリアでの園遊会を提案し、断る理由が見つからなかったわけだ。

そういえば、ルノアールやモネといった印象派の画家達は庭に花畑を作っていて、さらにあちこちに引越しも敢行している。日本人は空き地があるとすぐに大根やオクラや芋を植えたりするのだから、文化が違うのだろうが、日本の真似をしていたはずの中国は、最近、庭に花を植えるのが流行っているようである。まあ、花の写真でも写してみようかと。

しかし、自分でも呆れるほど花の名前を知らない。早い話が「サルビア」だけ。次々と名前を言い続ける同伴者に対して、思わず、「年取ると、興味が動物から植物に移るんですよね」と罵詈雑言をはく。未来の自分に対して言っていることに10秒後に気づく。

そして、場にまったく似合わないスーツ男たちは、所定の記念撮影場所で謎の営業用の微笑を作ってみたのだが、顔の部分だけピンボケになってしまった。



興味が「植物ではなく動物」という人のため、猫が放し飼いになっている。猫の興味も花ではなく、来訪者のお弁当のおスソ分けであるのは言うまでもない。

追記:猫が放し飼いになっているからといって、子猫や子犬を置き去りにしたり、隣接する池にカメを放したり、夜中に仏様を運び込んだりすると、その行為に対応した法律で処罰されることになるので、念のため。

女流王将戦休止&女流王位戦の鬼手

2008-10-18 00:00:37 | しょうぎ
先日、小倉方面で豪華食事会のつど、三回連続で芋焼酎「黒霧島」を飲んでいたのだが、その裏側で事態が進んでいた。

1978年から30期続いていた女流王将戦が、突然、休止に追い込まれた。

日本将棋連盟からの発表は、


女流王将戦の休止について(10/9)

この度、1978年より行われてまいりました女流王将戦が諸事情により今期(第30期)をもちまして休止することとなりました。
今後は女流王将戦を再開できるよう努力してまいりますので、ご理解を宜しくお願いいたします。
なお、第30期女流王将の清水市代につきましては、今後1年間(2009年10月31日まで)に限り「女流王将」のタイトル名を使用いたします。


日刊スポーツからの発表は見つからなかったが、朝日新聞は、こう報じる。


女流王将戦、30期で休止 将棋連盟「維持負担が増大」2008年10月8日21時50分

日本将棋連盟は8日、女流タイトル戦の女流王将戦を第30期をもって休止すると発表した。
1978年から実施され、女流名人位戦に次ぐ歴史があるが、維持するのに負担が大きくなったという。今年6月に防衛した清水市代女流王将(39)は来年10月末までタイトル名を使用する。

しかし、この朝日の報道では、維持するのに負担が大きくなったのが日本将棋連盟のような書き方に読めるのだが、真相はどうなのだろう。スポンサーの問題なのか、それとも経費の一部を将棋連盟が負担していて、「もう辞めた」というのだろうか。連盟の発表では、再開の努力を続けるというのだから連盟サイドの問題ではなく、スポンサーサイドの問題なのだろうか。あるいは、持ち出し分の問題なのか。

そして、スポンサーを見ていて、ちょっと驚く。

主催:日刊スポーツ

共催:霧島酒造

そして、2007年は青森の衣料品店ナカトも資金拠出を始めたようだ。ようするにこれらの中で、誰かがドロップアウトしたのだろう。

ところで、共催に名を連ねる霧島酒造だが、この宮崎の会社の主力商品が「黒霧島」である。ホームページにも女流王将戦のことは何もふれられていないが、『非食用事故米穀の不正規流通』については、まったくの無関係であることが発表されている。

しかし、やはり芋焼酎に米が使われているという一般的事情が広く知れ渡ったことが、芋焼酎全体の売上げを押し下げているのかもしれない。

この女流王将戦は過去にも一年(1992年)休止したことがある。今回の「女流王将タイトル」の使用期限の1年は、そのあたりの猶予期間なのだろう。

しかし、実際にこのタイトル戦復活の努力をするのは、誰になるのだろうか。何か責任者不在のような気がする。

この件について、週刊新潮は、かつて10期連続王将の座に君臨し、トップ棋士との愛人問題などで将棋界を離れている林葉直子氏との電話インタビューに成功したようだ。

彼女の説では、タイトル料は100万円くらいで、全経費で700万円程度とのこと。連盟が持出分を出さなくなったのだろうが、それ位ならトップ棋士のポケットマネーでできるはず、とのこと。

時の名人が、愛人を持つかわりに女流王将戦のスポンサーになればいい、ということだろうか(あるいは両方)。


f4be1cd2.jpgところで、現在進行形の女流王位戦、石橋-清水戦だが、既に第二局まで進行。この第一局で、鬼手が飛び出す。

先手の石橋女流王位が43手目に指した▲2四銀。棋譜を追っていて、「絶対、間違っている」と思った手。この銀、歩の頭に打たれたもの。よく最終盤でここに桂を打つ筋はあるが、銀である。まだ序盤の終わりだ。

これだから、女流棋戦は面白いのだが、こういうのは、盤面に並べるか、譜面を頭の中で並べられる人でないと、十分に面白さが届かないのかもしれない。第二局もずいぶん攻守ところを変えながら180手の熱戦になった(石橋王位の二連勝)が、勝負としては派手な手や地味な手が交錯して、面白い。


f4be1cd2.jpgさて、10月4日出題作の解答。

▲5一飛成 △2二玉 ▲3二飛 △1三玉 ▲1一竜 △2四玉 ▲1五銀 △2五玉 ▲1四竜 △1六玉 ▲3六竜 △1七玉 ▲2六竜 △1八玉 ▲2四銀まで15手詰。

これも、並べ詰みのように思えて、最後のとぼけた手を、どう感じるか、という種類の問題である。本当は、最後の手ができないような初型図にしておきたいのだが、なかなか難しい。

動く将棋盤はこちら



f4be1cd2.jpgそして、今週の問題は、双玉&逆王手である。うまく逆王手をかいくぐってほしい。比較的簡単。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数、コメントなどいただければ正誤判断。

ケシポン、やや微妙

2008-10-17 21:10:48 | マーケティング
プライバシー保護の問題がある。他人のことではなく、自分のこと。

さらに、資源ごみのリサイクルの問題がある。

さらに、どこからともなくやってくる大量のダイレクトメール(DM)がある。

大量にくるDMは、あきらかに開けなくても、内容はゴミとわかっているものが多い。



以前なら、ゴミ箱直行だったが、封筒の中に資源ごみが入っていたりすると困るので、封を切って、バラバラにして分類する。燃やすゴミ、紙ゴミ、とっておくもの。しかし、問題は、宛名である。多くは、宛名シールを使っていて、宛名を切り取るのに時間がかかる。宛名の部分はシュレッダーで、残りは多くは紙ゴミ。一部は燃やすゴミになる。

そこで、登場したのが「ケシポン」である。いや、ちょっとおおげさ過ぎる言い方だ。本当に、登場してほしいのは、金融危機に終止符を打てる大統領だが、「ケシポン」では不良債権は消えない。





ケシポンはプラスから売り出された宛名を消すスタンプである。シャチハタと原理は似ている。印鑑でなくスタンプである。ローマ字を縦横に向きを変え特殊インクで「ポン」と押す。いとも簡単。それで、あて先不明になればだ。

ちょっと実験してみた。

「おおた葉一郎」あてのタックシールにケシポンを押して見ると。

拡大してみると、やや微妙である。うっすら透けて見えるような見えないような。






まあ、刺青を整形美容手術で消すようなものなのだろうか。

宛名以上の超極秘事項には、向かないだろう。(そんなもの、あるかなあ)


では、またあした。