麦のワインを入手

2018-11-30 00:00:04 | あじ
神奈川県厚木市にあるサンクトガーデンビール社が8000本限定で醸造した新酒(解禁日11月15日)2本を入手できた。大麦ワインの『バーレイワイン』と、小麦ワインの『ウィートワイン』。

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いったいワインなのかビールなのか。

飲んでみると、どちらかというとビールに近い。つまり苦いわけだ。アルコールは10%なので、ビールとワインの中間だろうか。瓶につめてから瓶内で二次発酵するように、一旦発酵させたあと、用済みの酵母を除去した上、新しい麦汁とともに瓶に詰めるそうだ。元気な酵母がまた醗酵することによりアルコール分が増加し、ワイン味のビール(ビール味のワインともいえる)が完成する。

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価格は普通のビールの5倍以上。数量限定なのでもう手に入らないかもしれない。白ワインと黒ビールを混ぜると同じ味になる可能性がないわけでもないだろう(いや、大いに異なるだろう)。

もともと、イギリス人がワインを飲みたくても国内で葡萄が栽培できないため、大麦でワインを作ろうとしたことから19世紀に登場した飲み物らしい。この素晴らしい味のワインに合わせるべき素晴らしい料理がイギリスには存在しないということが最大の問題かもしれない。EU離脱しちゃったし・・

グラン・トリノ(2008年 映画)

2018-11-29 00:00:21 | 映画・演劇・Video
監督・主演が、クリント・イーストウッド。

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夕陽のガンマンとかダーティ・ハリーとか、どちらかというと知性よりも体力が勝る映画で主演を張っているが、監督になると。まったく異なる複雑な映画を作る。

本作でも、前半のイーストウッドはトランプ支持者そのもののような振る舞いを見せるのだが、アジア系の隣人と付き合い始めて、態度を豹変させる。「話の分かる白人老人」というカテゴリーに移動した。

そして、主演作ではライフルかマシンガンかダイナマイトを用いて撮影セットを大破壊するのだが、本作では、わけあって丸腰で修羅場に踏み込むわけだ。

なかなかいい映画だと思うが、彼が大事にしている愛車「グラン・トリノ」だが、日本で言えば、トヨタのマークXとかだろうか。米国車をそのまま日本に持ち込んでも10台くらいしか売れないような気がする。

片眼の猿(道尾秀介著 ミステリ)

2018-11-28 00:00:09 | 書評
ある人が絶賛していたので、読んでみたのだが、ミステリとは知らなかった。絶賛の文を後で読み直すと、絶賛のミステリとなっていた。もっとも嫌いなわけではなくプロンジーニとかコーンウェルの文庫本が書棚に無秩序に並んでいるし、ロス・マクドナルドもほとんど読んでいる。

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国産品はあまり読んでないのだが、知っている場所とか犯人の逃走ルートとか、身近な話が書かれていると、「それは事実とは違うのではないだろうか」とか作家の意識していない穴ぼこを探したくなったりして、ストーリーに集中できないということがあるからだ。

本作でも袖ケ浦駅から内房線で東京湾をぐるっと回って東京に通勤しているというところは、内房線は千葉市までで、そこからは総武線(あるいは京葉線)に変わるし、千葉から横浜まで行けば回るでもいいが、東京までなら単に北上ということだろうとか、奇術用のトランプにしては、縦横比が違うのではないかとか。

エンディングは、もちろん独創的に感じたのだが、実はどんなミステリでも独創的に感じるのでどれくらい凄いのかわからない。探偵社同士の戦いのようなミステリは読んだことないなとは思ったが、ありそうな気もする。

仁徳天皇陵の発掘

2018-11-27 00:00:18 | 歴史
一か月ほど前のニュースで、堺市の仁徳天皇陵を宮内庁と堺市が共同で発掘調査すると報道されていた。平成の最後に「開かれた皇室」が、こういう形で実現するのだと、感慨したのだが、もちろん、その発端ではあるものの、今回、何かを期待しても何もないだろうと予言できるほど小規模らしい。

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実は昨年、堺市の観光の一環で、そこに行ったわけだ。正式には、大仙陵古墳とか、仁徳天皇百舌鳥耳原中陵とか言われる。後で触れるが、確実に仁徳天皇の墳墓であるとは、まだ言い切れない部分もある。そして、大変な大きさなのだ。高さも40m近くあり、奥行きも500mほど。ところが今回の発掘は、取り囲む濠の外側の堤のごく一部だそうだ。つまり墳墓そのものは対象外のような感じだ。

つまり、崩れかけている部分の補修工事の前に調査しようということのようだ。しかも、その目的が、「世界遺産登録のため」らしい。この周辺には多くの古墳があるので、一括申請しようということらしい。

確かに堺市には観光地がいくつかあるが、それぞれがかなり日本的な歴史遺産で、しかもオリジナリティが少ない。例えば、与謝野晶子と千利休の生家はわかっているが、建物はない。坂田三吉の生家の場所もわかっているが、家はない。あえていえば鉄砲鍛冶町は残っているが、ポルトガル人から技術を盗用して国内にとどまらず東南アジアまで鉄砲を輸出していたというのが評価されるのだろうか。合羽橋ではないので、鉄砲鍛冶から工場直売で火縄銃を買うわけにもいかない。それに比べて、天皇陵はリアリティそのものだ。

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で、では誰が何のために巨大な古墳を作ったのかということになる。なにしろ古墳時代に最大の権力をもっていたのが第16代仁徳天皇(天皇というコトバは当時はなかった)。むしろ、仁徳天皇は墳墓の主ではなく墳墓をつくったのではないか、つまり仁徳天皇の父である応神天皇ではないかという説がある。

何のために、という謎には合理的な説明がある。当時の都は今の大阪市の南部(難波宮)だった。堺は大阪より南なのだが、海外(中国や朝鮮)からの使者が来日するためには、対馬を経て、下関から瀬戸内海に入るしかなかった。太平洋は危険すぎるわけだ。そして淡路島の北側の明石海峡を経て、やっと大阪なのだが意図的に堺を国際港としていた。大阪の町の面前で船を南に回頭させ、堺の海岸沿いに航送して港に到着する。その時に仁徳天皇陵の長辺と同じ方向に進むので、日本の大王の権力は極めて大きいと思わせる効果があった。

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朝鮮半島には古墳が多くそのため皇室の祖先は半島出身という説もあるが、逆に、朝鮮半島からの使者に対して、日本では韓国より大きな古墳を使っていると威張るために、作ったのかもしれない。なにしろ決定打がない。

碇星(吉村昭著 短編小説集)

2018-11-26 00:00:15 | 書評
毎年、吉村昭の本を数冊読んでいるが、今年は余裕がなく、やっと一冊の文庫本を手にした。1999年に発行されている。

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緻密な構成の長編とは異なり、いささか淡色的に、一つのテーマを距離を離して傍観的に描いていき、結論には多くの余韻を残す書き方である。長編では有名な歴史的事件を扱うことが多いので、結論を漠然と書くわけにはいかないのだが、本短編での登場人物は多くの市井の人々である。実話から起こした題材もあるだろうが、小説の終わりから先の人生は調べない方が花ということだろう。

全八編だが、自分的に好きだったのは、『牛乳瓶』と『碇星』。

『牛乳瓶』では日中戦争が始まった頃に町に進出してきた働き者の牛乳屋の主人が、やっと生活に余裕ができた頃に徴兵され、そしてまもなく戦死。残された妻と幼児の困窮を助けるために市民が牛乳を買いにいく話。しかし、努力しても努力しても戦火が拡大するなかでは次々に困難が起きていき、ついに町のほとんどが米軍の都市爆撃により灰燼となる。この作品だけは、明るい続編を読まずにはいられない(無理だが)。

『碇星』とはカシオペア星座のこと。形がWというのは、碇(いかり)の形だ。ある高齢社員が定年延長の見返りとして、社葬などの会社の葬儀関係一式を取り仕切る役目を引き受ける。当然、毎日仕事があるわけではないが、続けているうちにスペシャリストになり、役員や社員の個人的葬儀のアドバイスもするようになる。愛人宅で亡くなった会長を何も知らない妻の家に運ぶ時の偽装工作も登場する(余計な話だが、愛人宅で亡くなった社長の息子を自宅に運んだ実話は知っている)。その中で、ある元役員から、死んだあとでも棺の中でカシオペアを見たい、という要望を受ける話である。

『花火』は吉村昭氏自身が戦後まもなく結核に感染したあと、一か八かの実験的大手術で生還した時の主治医が亡くなるときのたぶん実話である。実際、医師の方は義務感から手術するので、患者個人に感傷的になることはないだろうが、元患者の方からいつまでも感謝してもらうのは励みになるだろう。実際は、多くの患者は執刀医に感謝するのも1年位で、あとは徐々に忘却するのだろうなと思う。作家の強い思いを作品にするべきかどうかは別のような気もする。

そして作家は病院のベッドの上で。体に挿入された何本かのチューブを自ら引き抜いて亡くなる。

深瀬昌久『総天然色的 遊戯』

2018-11-25 00:00:03 | 美術館・博物館・工芸品
終ってしまった(~11/9)写真展のことを書くのは心苦しいが、六本木のフジフイルムスクエアで開かれていた深瀬昌久氏の『総天然色的 遊戯』のこと。

モノクロとカラーでは表現のしかたが異なるわけで、本来、色を持つ世界の事象をモノクロでは、白と黒の二元論に変えて表現するわけで、一方、カラーの場合、抽象化が難しく、報道写真ならともかくも芸術性、特に個性を加えるのは簡単じゃない。

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深瀬氏はモノクロにこだわっていたのだが、ポラロイドによる再現できない一過性の作品を切り口に、カラー写真にも作風を拡げていった。

主な活躍時期は1980年代で、まだデジタル技術は地球上に広まっていなかった時代だ。

思うに、モノクロからいきなりこんな世界に、という感じだ。

人生の後半は苦闘が続き、2012年、78歳で亡くなっている。人生は時に不運が続いてしまうこともある。

解答選手権2018(出版物)

2018-11-24 00:00:37 | しょうぎ
『詰将棋解答選手権2018』は出版物になっているが、詰パラ選者の方より、ちょっとした不運の見返りに一冊頂戴することになった。

もしかしたら、「あなたも出題投稿するように!」という無言の圧力だろうか。純文学の世界に大衆小説を持ち込むようなものだから難しいかもしれない。

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そして、本書。初級戦、一般戦、チャンピオン戦の全20題を280分(4時間40分)かけて解き直す元気はまったくないので、棋譜と解説を眺めるのみとし、各会場レポートや優勝者(藤井聡太六段(当時))のインタビューを読むことに徹する。(実は、自分でも解いていて、簡単に解けない問題はソフトで鑑賞していた)

藤井七段のインタビューは、いつものように優等生タイプなので読み流していたのだが、最後の発言で目が覚めた。

インタビューアー:次回もぜひ出場をお待ちしています。

藤井:対局が入らない限りは、参加するつもりです。またよろしくお願いします。

対局が入らない限り、といっても今までチャンピオン戦は3月末の日曜か、その周辺の祝祭日に設定されている。原則的に日曜には対局が組まれない。

ただ、タイトル戦になると、地方の旅館で前夜祭とか移動日が日曜になることも考えられる。「対局が入らない限り」という発言の部分は、本心では「タイトル戦に出場しない限りは」ということなのだろうか。時期としては棋王戦。来年の挑戦トーナメントでは既に敗退。もっと長期的展望で話しているのだろう。


さて、11月10日出題作の解答。

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中合は金か飛車(3二銀成を防ぐ)だが飛車は品切れ、金合には構わず銀を成捨て角道を通して、4二歩成で左側に王を寄せ、角が覗く。3二銀を成らずに、4二歩成は一目散に一筋に逃げられ、打ち歩詰で凌がれる。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

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感触はいいのだが、終盤で玉方の合駒が非限定になるキズがあるが、ご容赦のほど。

意外に手が伸びていく感じがあるが、長手数感はないと思う。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年 映画)

2018-11-23 00:00:30 | 映画・演劇・Video
日本アカデミー賞など大量の賞を集めた映画。主演は宮沢りえで、銭湯の女将。風呂焚きの旦那が蒸発し、銭湯は休業。パート先で倒れ、病院で余命2ヶ月の末期がんと宣告される。一人娘(とりあえず、そういうことになっている)を演じるのは、今や大女優然となった杉咲花だが、高校でいじめを受けていた。杉咲花こそ、本当は主演といってもいい好演なのだが、やはり主演は宮沢りえでないといけないということに最終的にはなる。

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そして、女将は残された余生を走り回るために私立探偵に次々と調査を依頼し、遁走した夫と隠し子を見つけ、風呂屋に回収する。登場人物のほとんどに、何らかの人生上の諸問題があることが発覚していき、一人娘の出生の秘密も明らかになる。一方で、体力は徐々に衰えていき、入院したホスピスと風呂屋の間を行き来する杉咲花が活躍を始める。

そして、最後は問題のシーンとされる宮沢りえの葬儀である。ご遺体を載せた霊柩車は、火葬場に行くことなく人気のない野原で時間調整を行い、ついに柩は、風呂屋に到着するわけだ。そして、大量の薪とともに煙突の煙となり、その過程で発生する熱エネルギーで沸かされたお湯で、関係者一同が温まり、故人の冥福を祈ることになる。

思えば、大変に心の温まる葬儀の方法であるわけで、これ以降、全国に広がったのではないだろうかと思ったが、どうも実例はないようだ。実際に銭湯はあっても、今は薪は使われないからだろう。


ところで余談。宮沢りえの右眼の下にあった大きめのほくろが除去されたそうだ。多くのファンはもっと早く施術した方が、傷が残りにくいと思っていたようだが、今になったのは、何か理由があったのだろうか。もしかしたら、貴乃花? 彼に大きな黒星が付くのを祈っていて、ほくろに願掛けをしていたのかもしれない。

「持ちつ持たれつ」関係だったのかな

2018-11-22 00:00:46 | 市民A
カルロス・ゴーンが逮捕された。もっとも、新聞情報など総合的に考えると、黒に近いとは言え、起訴から有罪に持ち込めるのか一抹の疑問も考えられる。海外法人が絡んでくると一筋縄ではいかないはず。ということで、報酬を隠したとか、海外に住宅を4つも持っていたとか、焼鳥屋は自腹だが寿司店は経費だったとか、新しい奥さんとの披露宴の話とか前妻が文春に漏らした話に対する訴訟とかは、すっかり置いておいておくことにする。

実は泡沫株主なので6月の巨大株主総会に出席した時の違和感があったのだが、列挙すると、

1. 9人の社外取締役の一人は、女性レーサー(日本人)であること。
ゴーン氏が取締役で解職になるのは会長職で取締役ではないはず(それは臨時株主総会で、召集まで現実的には数週間は最低必要)。取締役会では、このレーサーがキャスティングボートを握っている可能性がある。

2. 些細な話だが、日英の通訳の女性の英訳が、シャークスピア悲劇のようなドラマティックだったこと。彼女が専属通訳だったらと、引いてしまった。

3. 業績が悪いこと。つまり経常利益が落ちて最終利益が増えたのだが、米国の法人税が下がったことに起因していたこと。

さらに、よくよく考えるとルノーと日産の協力って物理的にはあまり行われていないこと。単に配当利益だけ回しているというか、ルノーの連結決算に日産の決算の持ち株比率を足しているだけの関係に見えること。そもそもルノーの合併の目的はルノーのテリトリーだった欧州とアフリカに対して、日産は北米とアジアであったというところに行きつくのだが、そこから何ら変わっていないこと。つまり、あまり企業経営がうまくいってなかったように思える。

実際に自分が株を持っていたのは高配当という理由で、たいして上りも下がりもせず、親会社(ルノー)の不満が爆発しないように高配当していたということで、便乗していたわけだ。

実は、株主総会の時には「ルノーと合併することはない」と断言していたのだが、報道によればまもなく経営統合が発表される寸前だったようだ。

ということは、もともと日産という会社はゴーン氏の隠れた真実は知っていたものの、「合併しない」という主義を考え、てんびんにかけて見て見ないフリをしていたのだろうか。ところが、合併という事態により、ついにトリガーを作動させたということではないだろうか。

今後なのだが、ルノーが日産の子会社化を図るためには、一つにはTOBが考えられる。日産の株価は、そもそも安い。下がる余地がないほど安いため、今回の不祥事でも下げ幅が小さい。ただTOBとなると株価が急騰する。一方、一か八か株式を市場で売り飛ばすと言い出すと株価は下がる。実際には、その両面をチラつかせながら安く買い上げるという可能性もあるが、失敗すると元も子もなくなる。

株式市場で売買が交錯するなら株価に反映するだろうが、プロキシファイトみたいなことになると泡沫株主には声がかからないだろう。

実際は、株価暴騰に賭けて少し買ってしまった。1千万株位を買えればいいのだが・・

鬼が暴れたのだろうか

2018-11-21 00:00:06 | スポーツ
万城目学著の小説「鴨川ホルモー」では、数多く存在する鬼には、無害な鬼と有害な鬼がいることが明らかにされ、その鬼たちを操るもの(特別な人間とか神様とか)は鬼語を話し、修行により鬼を見ることができると、されている。

その日常的に鬼を操るのが平安時代の陰陽師である安倍晴明とされている。魔術を使うとされるが、普通の人間の目には見えない鬼を操ることができれば、多くの魔術的なことができるはずだ。

そして、晴明が祀られる京都の晴明神社だが、昨年から祀られる人物が変わった。今祀られるのはフィギュアスケートの羽生弓弦だ。ことの発端は2015-2016シーズンで、フリープログラムに「SEIMEI」という曲を用い、活躍した。その頃から晴明神社には国内外から羽生ファンが集まってきて聖地となった。

しかし2016-2017年には、「SEIMEI」を封印してしまう。2017-2018年は平昌五輪の年。このシーズンは再び「SEIMEI」を再利用、ところが11月に4回転ジャンプの練習中に転倒。SEIMEI封印の仕返しを受けたわけだ。

そして2018-2019年。またしても羽生は「SEIMEI」を封印する。その結果、

再び松葉杖に追い込まれる。4回転練習中に転倒し大けがを負うことになった。

どうすればいいのだろうか。

答えは簡単だ。

「鴨川ホルモー」に書かれているが、「鬼語」を覚えればいい。鬼の仲間になれば、仕返しされないばかりではなく、姿が見えない鬼たちの協力で、5回転ジャンプもできるし、リンクの中を空中遊泳することもできるだろう。

もっとも、鬼語をマスターするには2年は必要らしいので、それまでの対策が必要だ。

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晴明神社に行って、星印のお守りを購入すればいい。

鴨川ホルモー(万城目学著 小説)

2018-11-20 00:00:35 | 書評
映画にもなった小説で、ホルモーとはホルモンではなく、鴨川とは千葉県ではなく京都市内を流れる川のことだ。京都大学他に伝わる伝統的ゲームなのだが、現代人のほとんどが信じないような「鬼」の世界と「人間」の世界をつなぐ(いや、つながない)人たちが、この数名の大学生なのだ。

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まず、鬼語を学ぶところから修行が始まり、それによって世界の鬼たちを巧みに操って自分の味方につけて他の大学の鬼たちと戦うわけだ。

その長い伝統の中で、まれに鬼そのものを目撃する機会が訪れるわけだ。鬼にも良い鬼と悪い鬼がいるようで、人間に媚びる者と人間と敵対する鬼がいる。敵対といっても普通の人には鬼の存在が知れていないため、重要な入学試験の日に電車が遅れて遅刻し、1分差で試験会場に入れないとか、不意にめまいがして転倒して腕の骨を折るとか、「不運」と思われる事象も偶然に起きているのではなく、鬼が事態をコントロールしているそうだ。

そして、この行事や鬼との関係性については、どうも京都の安倍晴明神社と関係があるらしい。いわゆる陰陽道である。

そういえば、本小説の主人公は安倍明という名前で、晴明の子孫であるかのごときだ。

小説から離れるが、最近、晴明神社に対して失礼なことがあったようで、鬼が大暴れしたことを知っている。

出稼ぎなのか移民なのか

2018-11-19 00:00:31 | 市民A
日本の労働者が足りないのはかなり前からはっきりしていたのだが、ベビーブーマーが70台前後になった今、老人労働力に頼るわけにはいかないわけで、女性の社会参加とか急に言い出すのも移民問題と同根なのだろう(引きこもりというカテゴリーもあるのだが)。

それと、最低賃金が上がったと言っても東京で時給985円、鹿児島で761円。仮に1000円として年間2000時間働いて年収200万円。これでは日本人を集めるのは無理だ。

一方で、企業も本来は技能研修生でなく留学生をアルバイトで雇いたいわけだ。学生アルバイトなら健康保険、厚生年金、雇用保険は会社負担は不要だが技能研修生なら半額は会社負担になる。

それと、今回の受け入れ要件の緩和は、企業からの要望と言われているが、細かく言うと、受入れを認められていない業界からの要望ということ。要するに、今までの特権には例のようによくわからない不公平があると感じているわけだ。なぜあの会社だけが大量に外国人労働者を認められているのだろうか、というような不満がくすぶっている。

さらに、こういう時こそ大活躍するはずの労働組合はどうなっているのだろう。傍観なのだろうか。あるいは反対?あるいは賛成?

労組的にいうと、研修生が労組に入るなら賛成、入らないなら反対ということだろう。ようするに組織率が低迷しているわけだ。一方で、例えば船員などについては、そもそも国内航路では外国人船員を拒み続けている一方で、外航航路ではほとんどが外国人船員なので、外国人の組合加入も行われているのだが、それはそれで、外国人組合員からは、組合に対して払った組合費に見合う成果を要求する声が強いらしい。

最後に、技能研修生の上限数を制限するような話が浮上しているが、どうやるのだろう。早い者勝ち?抽選?割り当て?割り当てとなると、外国人枠というのは個人に所属するのか会社に所属するのははっきりしない。受入れ枠の売買のような醜い形に変貌するような気がする。

すみだ北斎美術館に

2018-11-18 00:00:14 | 美術館・博物館・工芸品
最近、日テレの人気番組「イッテQ」で、やらせ疑惑が浮上している。ラオスで伝統的に行われているとされる「橋まつり」の放送が、「真っ赤なウソ」であったらしい。橋と言っても泥水の上に板を浮かべて、その上を渡り、コケると泥水に浸かるという、至ってファニーな祭り。実際にはタイとラオスの国境を流れるメコン川という大河のタイ側の流域では、この「橋まつり」があるらしい。とはいえ、日本の感覚だと「橋」というのはメコン川を渡る橋という意味だが、板を浮かべるのとはずいぶん違う。

現代でも国際河川のメコン川の橋は橋桁が低く、貨物船が橋の下をくぐれない。主に日本の技術で橋桁の高い橋ができているが、既存の橋が一つでも残っていると、船は上流に上れない。

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日本の橋はメコンの様な大河ではないため、江戸時代から木造の大橋が作られるようになった。その各地の橋は構造的に美しく、葛飾北斎は実は富士山よりも橋を描いた数の方が多い。その橋に魅せられた北斎の画を中心とした「北斎の橋 すみだの橋」という展覧会が、両国のすみだ北斎美術館で開催されていた(現在は終了)。

いや、上手いものだ、と感嘆するしかない。

奇抜な趣向の橋が多く、その橋を生かすために、富士が書き添えられたり、旅人や川や船、そして雨と、まさに遊ぶが如くの腕前だ。しかも見ていない橋まで、目の前にあるように描き上げている。

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本展に出展されている作品の中で、「岡崎矢はきのはし」は矢作川にかかる「矢作大橋」のことだろう。当時、日本最長の橋だった。秀吉が蜂須賀小六と出会ったのが、この橋の上とされる。数年前、岡崎城に向かう道に迷ってこの橋を渡ろうかどうか思案した。

岩国の「きんたいはし」は錦帯橋のことだろう。実際に行ってみると、橋の湾曲や向こうに見える岩国城の建物など、ほぼ正確だ。今のようにカメラもない時代に、よく描けるものである。


常設展の方も見てきたが、世界中から愛好家が集まるのだから、もう少し展示作品を増やした方がいいのではないだろうか。デジタル化した作品集をモニターで見るという方式は、どこかに勘違いがあるような気もする。

思うに北斎の魅力は、「構図」にあると思う。何しろ奇抜だ。そして自由だ。たとえばゴーギャンやルノアールにしても、描いた絵を、画商を通じて売ってお金を得ることになっていた、ある意味で売れる絵を目指すということは、構図は絵画を買う人の趣味や奇想に大いに影響されるのだろう。浮世絵は印刷物として市井の市民に広く販売されていた。市民による粋の精神と美に対する熱狂があったからこそ、北斎が活躍できたのだろうと思う。

ところで、この美術館の建物だが、斬新風だが、あまり好きにならない。四角なビルが大地震で崩れかけて亀裂が走ったような感じだ。ここに美術館ができたのは、生涯に93回も転居した北斎だが、ほとんどこのあたりに住んでいたからだそうだ。転居の理由はよくわからない。家賃問題かな。

今年の順位戦

2018-11-17 00:00:07 | しょうぎ
順位戦も半分以上進み、各クラスの成績を眺めてみると、

A級 豊島二冠が5連勝と先行。ただ、昨年も5連勝のあと1勝4敗。6人プレーオフでも3連勝の後、敗退の前例あり。全体が上中下の3グループに分かれているので、それぞれの目標が見えているような気がする。

B1 渡辺棋王が7連勝で、残り5局で2勝すれば昇級(実際には1勝でも)。2位争いは混迷だが2敗、3敗が6人。8勝4敗が目標だろうか。逆に降格ラインは4勝8敗かな。谷川先生は4勝4敗なので、全勝または全敗コースになった時のみ注目されるのかな。

B2 いまのところ特筆なしだが、うつ病から復帰した先崎九段は応援したいところだ。社会復帰がうまくいかないことが多いのだが、せめて降級した時に病気のせいにはしてほしくない。

C1 藤井聡太七段を中心に最もホットなリーグで、全勝者が3名。1敗が4名。2敗した者から不可になるのだろう。2月にならないと絞れない感じだ。

C2 そもそも毎年4人が入ってきて3人が昇級するということで、強い四段がたくさん残っている。現状44人で年に10人と対局ということで、運不運が関係する。こちらも全勝が3人、1敗が9人と前が見えない。このリーグは、2敗した段階で、泥沼の中を泳いでいるような感じなのだろうと推測。


さて、11月3日の出題作の解答。

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テーマは「押し売り」。飛車も竜も押し売りしなければならない。そのためには角が往復1回しなければならない。往復回数は2回しても3回しても詰むのだが4回すると「連続王手の千日手」で将棋のルール違反になる。あまり知られていない詰将棋のルールとして、「攻め方は最短手順を選ぶ」というのがあって、2往復は禁止される。

「押し売り」自体、法令に違反することがあるが、将棋の場合は「相手の嫌がる手が好手」ということなのだ。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

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斜めに動く駒を使って詰ませるのは、難しい。最後はピストル使用。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ、正誤判定します。

味噌ラーメンも時々

2018-11-16 00:00:51 | あじ
しばらく北海道に行っていない。となると、肌寒い日には味噌ラーメンを食べたくなるが、最近、味噌ラーメンにとって辛い時代が続いている。あまりに味が現代的じゃないからだろう。スープは濃厚系とか、動物由来と植物由来のダシをミックスしたり、一方、透明であっさり系とか。アメリカ社会と同じで、極端と極端に二極化しているのかもしれない(いや、多極化かな)。うっかり「味噌ラーメンが好き」とか漏らすと「昭和」マークのラベルを貼られてしまうだろう。あくまでも「隠れ味噌ラーメンファン」というスタイルがいいだろう。

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すすきのの味となればラーメン横丁の味噌ラーメンということで、代表的な店の一つが『満龍』。もうすぐ創業50年(1971年~)だ。さらに、首都圏にある東急電鉄と契約があって、東急系のSCに出店している。飛行機に乗るよりも電車の方が安いわけで、近くの『満龍』へ行く。実際、半年に一回位、味噌ラーメンを食べに行く。

ところが、満龍自体、すすきの感を薄めているようで、周りを見回しても「味噌」を食べている人は見当たらない。思えば、「平成」ラベルの人が多い感じだ。「辛みそラーメン」が人気のように思える。

といっても「味噌ラーメン」の味は、記憶の中の味噌ラーメンと同じだ。コーンやバターやチャーシューをのせないのはケチだからということではないから(念のため)。