誠品生活へ行ってみた

2023-10-05 00:00:19 | マーケティング
台湾に行こうと調べているうちに、異常気候のため蚊が大量発生していて、その結果、デング熱が流行していて、政府当局が大規模な消毒作業を町中で実施しているという情報を得て、先延ばしにした。台北には一回行っているし、まだ戦争は始まってないし、もう少し先延ばしにすることにした。金門島に双眼鏡を持って行くほど元気ではないが、台湾のことを少しだけ調べていたので、最近、ブームになっている『誠品生活』のことが気になっていたが、偶然にも日本の一号店が開店になっていた。日本橋のコレド室町テラスの2階の多くの面積を使っているという豪華さだ。



名前から行っても、良品計画=無印良品のような業態化と思っていたが、少し違うのは、イオンモールのように、誠品計画が場所を提供し、選別したショップを集めるというような形式のように思った。自社で直接運営しているのは、書店で、これは台湾でも同じだが、当然ながら日本では日本語の本を売っている。ただ、台湾関係のガイドブックは各種各様に無数に並んでいる。横浜方面では書店に2種類ぐらいしかないのとは大違いで、テーマごとに12冊買って毎月台湾に行ってもいいかなという気がする。ただし見たところ防空壕の場所の地図はなかった。

そして書店で平台の特設コーナーに並んでいたのは、早稲田大学の国際文学館の展示と同じように「村上春樹、小川洋子、多和田葉子」の三人セット。どこからかノーベル賞情報が洩れているのだろうか。以前はノーベル賞の賞金は約1億円で3人で分けると3333万3333円で1円割り切れないと言われていたが、円安効果で今は約1億5000万円だそうで、きちんと割り切れるわけだ。




台湾と言えば、お茶ということで、手短に「Daylily」という茶葉店で、「食べるお茶」と「蜂蜜系」を試食&試飲して購入。しかし一周するともっと大きな店があった。購入店を帰宅後調べると台湾には1店、日本に7店出しているそうだ。どうも伊藤園が関係しているようだ。

daylily2


といっても台湾には3000m級の山が沢山あり、2000m以上の高原だと害虫がいないので無農薬農法が可能と言うことで大掛かりに伊藤園が栽培していると前回の台湾旅行の時の記憶が蘇ってきた。さらに、台湾では、もともと茶を入れた後の茶葉を食べる文化があると教わったことも思い出してしまった。特別なものでないかもしれない。

給電スタンドは増えるのだろうか

2023-08-22 00:00:30 | マーケティング
自動車の定期点検でカーディーラーに行って、ガラガラの店内でセールスマンの方と雑談したのだが、ガソリンの高騰が本当に心配だそうだ。
要するに自動車メーカーは付加価値を上げるために車の大型化をはかる一方で、ユーザーは小型化を考えているということ。しばらく前まではエンジンの燃費改善に進んでいたが、もう限界感があるようだ。

それで話は、電気自動車のことになる。そのディーラーでも給電はできるが、電気を販売する行為は認められていないので、電気代は仕入れ原価ではなく店の経費になり、給電スペースを一定時間使った占有料として売り上げを立てているそうだ。

そもそも、ガソリンスタンドは世界中どこでも石油会社が精製したガソリンなどの石油製品をユーザーに販売しているわけだ。最終販売は特約店とか代理店という形態だが、すべて製品の売買になっていて、1リッター〇〇〇円というように買った数量に単価をかけるだけだ。ガソリン税も同様にリッター当たりの単価が決められている。

ガソリンスタンドの滞在時間とか給油用の計量器に使用料金を別に払うわけではない。

となると、電気を売っている会社(つまり東電パートナーズとかエネオス電気とか)が給電スタンドを作るのかと言えば、特に積極的のようには見えない。東電はそもそも無気力だし、石油会社系の発電は、原油精製で余ってしまう重油の処分に困っているからで、ガソリンの売り上げが減れば原油処理量も下がり、重油の生産量も減るはずなので本気にはならないだろう。

また、おそらく電気自動車が行き渡るようになれば、半分ぐらいの車は自宅でコンセントから給電すると思われるので、そもそもスタンドの数は少なくてもいい。ただし、セルフスタンドなら5分程度で給油が終わるが電気はもっと時間がかかる。つまり給油中に台数が増加する。一方、ガソリンスタンドの設備は大型の地下タンクが必要だが、電気スタンドはほぼ何もいらない。

一方、ガソリンや軽油からの税収は約3兆円/年だが、ガソリンから電気に変わると税収がなくなる。では、代わりに電気の購入者から徴収するにしても、電気はリッターで買うわけには行かないし、太陽光発電で自宅で発電している電器をチャージしている人から徴税するは難しいだろう。


そもそも方向性がわからない国内のEV市場だが、出遅れてしまったある巨大自動車会社の顔色見ながら行政を行っていたからだろうか。創業家一家が社長に座るという世界の大企業にはあり得ない構造から脱却したものの、見当違いの方向に進まないことを祈りたい。

開戦で原油生産国の得失は

2022-02-22 00:00:09 | マーケティング
ウクライナ危機で、とりあえず民主主義国側からの制裁のうち大項目は原油・天然ガスの輸入停止だろう。天然ガスについてはテクニカルな問題があって、今までパイプラインで輸入していた分をLNGタンカーで受け入れる設備があるかどうかが問題になる。特にドイツが安全保障的に、余剰なタンクや船舶受け入れ設備を持っているかが問題。もともと東ドイツはロシアに依存していたはずで、完全ストップできるかどうか。

そのかわり、原油については大部分が大型タンカーで沿海の製油所で受け入れていたはずで物理的問題は少ないだろう。しかも米国がイランと何らかの核合意をして貿易再開となると様相は一気にロシアに不利になる。米国から他国をみた時の悪漢度はイラン>北朝鮮>中国だったものが、一気にロシアがトップになり、イランは番外になったからだ。

一部には、ウクライナで戦争が始ると米国のシェールオイルが儲かるという説があるが、実際にはそれで得られる米国の利益よりも、原油が売れなくなって損をするロシアの損害の方が大きいと思われる。

ある石油開発関係の団体の開発エリア別の損益分岐点の資料によると、

 サウジアラビア:10ドル/バレル
 OPEC内陸上エリア:20ドル/バレル
 OPEC内浅海エリア:30ドル/バレル
 米国シェールオイル:60ドル/バレル
 OPEC内深海エリア:65ドル/バレル

と推定されている。損益分岐点というのは生産コスト近似であるので、この価格と原油価格との差が利益ということになる。ちなみにロシア原油は欧州地域では20ドルぐらいでシベリアでは40ドルくらいではないだろうか。

つまり80ドルぐらいになるとシェールオイルの生産が増えるだろうが、利益がそうあるものでもないが、その分ロシアの生産量が減少すると、失われる利益はかなり大きい。ロシアとしては単に価格が上がる緊張状態が一番良いことになる。

ただ、サウジのようにお金持ち国家になると、「むやみに原油を掘って売ってしまうのは、現在手にできる現金は増えるが、その分地下資源がなくなるので国家の富としてはたいして喜ばしいわけではない」と考えるわけだ。

ところで、ドイツは原発ゼロを国論にしようとしているが、逆にロシアは米国が輸入するウランの40%を輸出しているし、最近は洋上浮体型の原発の運用をはじめている。発展途上国に輸出を考えているようだ。10年ほど前には原子力潜水艦を発展途上国に着岸させ、発電所のように電力供給を行うプランを持ちかけたのだが、同意した国は1か国もなかった。国の電力をロシアの原潜に委ねる国はなかったわけだ。ロシアが気に食わない国には、潜水艦から陸上につなぐ電線をちょん切って、「ではサヨウナラ」といなくなるのが自明だからだ。最初に書いたドイツが原油・ガスのロシアからの供給が止められたら困る、ということならば、発展途上国以下の安全保障レベルだ。

補助金でガソリン価格は下がるか上がるか

2022-01-28 00:00:23 | マーケティング
1月27日出荷分からガソリンの卸売り価格が下がる。170円オーバーの0.2円と今週上昇が予想される原油価格3.2円分を合計した3.4円分だ。

それなら小売価格もこの消費税分を込みにした3.7円分が下がるかということ。

実際には、下がるシナリオと上がるシナリオがあると考えていた。

下がるシナリオというのは給油所での最高価格が170円になり普通の店が165円ぐらいになるパターン。

上がるシナリオは給油所での最低価格が170円になり、つまり値上げ。そして高い方も173円程度になり、僅かな値下げ。つまり平均では値上げ。

ということで、当日の今日、給油所の看板を見ると、驚いたことに安売り店だった店も170円以上の価格を提示している。どうも値下げ前に、一旦、値上げしているように感じた。

つまり上がるシナリオの変型判だろうか。


しかし、ガソリン価格の数円以上にウクライナ開戦で、ドイツがロシアからの天然ガスの購入を停止した場合、天然ガスのスポット価格は暴騰すると思われ、ガス代、電気代が上がるのだが、政府はどうするつもりなのだろう。

神奈川ペイを始める

2022-01-27 00:00:05 | マーケティング
神奈川県在住なので、県の予算で買物補助金を出していることは知っていたが、補助金が1万円ということだし、盛り上がってなかったので、検討しなかった。

ところが、あまりに低い利用率で県があわてたのか、1万円上限が3万円に引き上げられる。さらに1月末までのポイントを3ヶ月延長して4月末までのポイントが対象になり、ポイント使用期間も5月末に伸びた。

kanapay


それでは3万円をいただくしかないではないか。

ただ、ポイント付与率は例外を除き一般の買い物は10%、飲食店は20%が多い。10%とすると3万円のポイント貯めるためには30万円の買い物が必要。

壊れかけている家電があるので買い替えとかで積み重ねてゆくのだろう。

そして、調べ始めると、神奈川ペイは少し面倒で、買物した後、神奈川ペイに金額入力した、5種類のペイのうち一つで決済することになる。

その五種類の中に、いつも使っているペイペイがないわけだ。ということで、適合ペイとして、AUペイを開設することにするが、今度はAUペイへのチャージ方法がわからない。とりあえずクレカからAUペイにチャージし、それを利用して近くのコンビニで使用してみたがやはり店員さんのご協力を得てしまった。

補助金を獲得するのには、まだまだ先が長そうだが、気がかりなのは「予算を越えた場合は終了します」という一行。たぶん、4月末まで必死にポイントを貯め込んで5月に使おうとすると「予算上限に達したので、終了です。残念でした」ということになるのではないかと不安な気持ちも少しはある。

万博キャラクターデザイン

2021-11-03 00:00:03 | マーケティング
「2025年大阪・関西万博キャラクターデザイン」の公募が始まるという通知メールがなぜか届いた。親戚にそういう仕事をする人物がいるので、間違えたのだろうか。



まあ理由はどうあれ、日本国民あるいは日本在住の外国人の方に応募資格があるようなので、みなさんも該当サイトを探し出してから応募されたらどうだろう。ただし応募期間は11月1日から12月1日まで。

もし、応募してみようと思われたら、まず勘違いしないでいただきたいのは、「ロゴマークの募集ではなく、「キャラクターのデザイン」であること。ロゴマークはもう決まっている。

キャラクターというのは簡単にいうと「フナッシー」のようなイメージだ。ロゴマークとはまったく違うものだ。

そういえば東京五輪の時は、競技場の設計変更の次に発生したのがロゴマーク類似疑惑だった。大阪や関西に関連があるものが良いとされているそうだ。何かに関連させると、盗作疑惑が始まってしまう。

とりあえず、何も浮かばないが。

「はなお」というのは不思議な名前

2021-05-10 00:00:36 | マーケティング
毎年、初夏になって新しく買うのが、MUJIで売られている草履型のスリッパ。だいたい半年でボロになり秋に買いにいくと売られていない。おそらく、この履物は裸足以外で履く人はいないと早合点して、秋に在庫一掃してしまうのだろう。ところが春秋は五本指ソックスを履いてからこの草履型スリッパを履く人もいる。足が蒸れないようにいつも履きたいのだが、MUJIでは爪先の開いているスリッパは売られていない。これも何かの勘違いだろう。



といって、春に2足買う人もいないだろう。今年こそ秋でも販売継続するのだろうと何年も期待しているのだが、今年も春に一足買うことになった。

そして実は予想はしていたが、もう一つの問題があるわけだ。それはスリッパの産地だ。インド製のはず。



で、商品タグをよく見ると、インドという単語が3回使われている。

1. インドの職人が組み紐を縫い合わせて、ひとつひとつ手作業で作り上げました。
2. インド綿混
3. インド製

「手作業」ではなく「機械で大量生産されました」と書かれていた方が安心する。

とりあえず晴れた日に裏と表を日干ししてみた。紫外線の利用だが、黄砂によって効果が遮られたかもしれない。さらに洗剤で洗うべきか考慮中である。

ところで、タグに書かれている商品名だが、「ルームサンダル・鼻緒」と書かれていて驚いた。鼻緒というのは下駄や草履や雪駄などの足の親指と人差し指の間に挟む紐のことだと思っていた。履物自体の名前が鼻緒というのは初耳なので、ネットで調べてみると、やはり履物ではなく紐の方の名前だ。念のため商品を確認すると、履物と紐は縫いつけられていてバラバラにはならない。商品名もインドの方が考えたのかな。

もっとも、インドより大阪の方が悲惨らしい。

キックスに試乗

2020-08-24 00:00:08 | マーケティング
日産のディーラーで、新発売されたキックスに試乗。新発売と書いたが実は、昔々、三菱のパジェロミニの姉妹車にニッサンマークとキックスという車名をつけて売っていたそうだ。記憶にないけど。

今回のキックスは区分としてはSUVで、国内ではX-トレイルの子分の位置付け。海外を含めてみると、X-トレイルより僅かに小さな「キャッシュカイ・ローグ・デュアリスの3姉妹」より小さいクラスになる。というかX-トレイルは、世界標準を少し大きくした車ということになる。大中小の大だけを日本は売っていて、世界的には中と小を売っていたわけで、今後日本は大と小を売ることになる。小といっても、小型車ではない。大き過ぎるクルマは、そもそも売れないということを知らなかったようだ。

kicks


そして、最も注目すべきは、e-Power というシステム。エンジンを発電機として使い、バッテリーを介してモーターでタイヤを回す。要するにガソリンを燃料にして小型の発電所を車に載せているということ。船の世界では特に客船がこのシステムを使う。潜水艦もこれが多い。

ガソリンを使うのでエコではない、と勘違いする人が多いが、圧倒的に燃費がいい。充電式の電気自動車は電力会社で発電した電力を送電して車にチャージするのだが、発電には石炭を使おうとしている。ずっとましだ。

そしてe-Powerの特徴として、ペダル1本でアクセルとブレーキを共用できる。ゴーカートと同じ仕組みだ。さらにプロパイロットが搭載されているのでアクセルや場合によってはハンドルを離しての自動運転もできる(赤信号は読み取れない)。

e-Powerは何回か試乗したことがあるので、運転的には驚くことは何もない。天井にSOSボタンがついているのが斬新ともいえる。

ディーラーの方の話では、注文してもいつ納車できるかわからないとのことで、「コロナで工場が・・・」とコロナのせいにしたのだが、コロナ対策先進国のタイの工場で生産されているはずなので、いくつかの事実誤認があるのだろう。

なお、ブランドマークは今のハンバーガー型で、新日産ロゴは次作の「アリア」からになるそうだ。アリアは完全な電気自動車で、キックスとX-トレイルの間の大きさになる。

ゴルフクラブは横向きには入らないので、後席を倒すか、ドライバーだけバッグから抜き出しておくことを推奨された。

ところで、最大の問題は、この会社に永続性があるかどうかだろう。

原油タタキ売り、思惑は(あるいは思い違い)

2020-03-24 00:00:13 | マーケティング
コロナ問題による中国の原油需要低下に対応して、サウジを含むOPECが協調減産を呼び掛けたことに対し、ロシアが拒否。このため、減産による価格維持が難しいことになり、逆にサウジが増産を決定。原油価格は暴落を始めた。そもそも60ドル/バレル程度だったWTI原油がNYMEXで20~25ドル/バレルまで下落した。

話を進める前に、バレルの量と世界の原油生産量のこと

*1バレルは約159リッター。ドラム缶が200リッターなので、その8割位の量だ。1バレルは42ガロンと決まっていて、それは元々は木の樽(バレル)に50リッターを積んでテキサスの油田から需要地に運ぶ途中で8リッター位がこぼれていたことによる。
1バレル60ドル、1ドル110円とすると、リッターあたりは42円になる。(60×110÷159)
それにしてはガソリンは高いと思うが、最大要因は各種税金、それと産油国からガソリンスタンドまでの各種運賃と、製油所の精製費、ガソリンスタンドの設備費と人件費と石油会社の必要利益が加算される(東アジア勢の買う原油は少し高いということもある)。もっとも原油と同じように、ガソリンも長期的にはコスト積み上げ価格に収斂するはずだが、短期的には需要供給の交点で決まる。さらに石油製品は差別化できないため、価格弾力性がきわめて高く価格変動が大きい。

*世界の原油生産量だが、短期的には色々なことが起きているし、不正直な国もあるので常に推定値しかないが、日量8500万バレル強と思われる。特にこの数年(トランプ時代)、米国の生産量がシェールオイルにより300万バレル増えたとも言われる。ということで、原油生産量のビッグ3はアメリカ(1300万バレル)、2位サウジ(1200万バレル)、3位ロシア(1100万バレル)、サウジ除きのOPEC(サウジ除き)(2400万バレル)とその他ということになる。

よく原油価格は需給上3%変化すると大きく動くということになるのだが、中国だけのコロナの影響であれば1~2%程度であったものの、増産という逆方向へ走るロシアとサウジによって、供給バランスが崩れたということだろう。さらに欧米でコロナが猛威をふるっている。

そして、この25ドルの価格でコストをまかなえる油田は、陸上にある古い油田しかないと思われる。原油はいつまでもあるわけではなく、現在、世界の40%近くは海底油田から採掘していて、その開発コストは50ドル/バレル程度と言われる。新規開発は海底油田に限られているわけで、新規参入はこの50ドルを市場価格が上回らないと難しい。さらに米国の増産の中心だったシェールオイルも50ドル弱あたりが限界値と言われ、25ドルになれば続かない。ロシアの原油は海底ではないが、内陸からパイプやシベリア鉄道で運ぶので、やはり厳しい。一方で、他のOPEC諸国は海底油田が多いが、サウジとイラクは陸上油田が主流である。

ということになると、このサウジの増産で痛い目を受けているのは、1番が米国、次にロシア、さらに、他の産油国ということになる。恩恵を受けるはずの国は消費国。無論、サウジも高く売れるものを安売りするので大損であるわけで、こういう時に、我慢するべきプレーヤーが冷静になれずに違う方向に進むこともあるわけだ。

ただし、サウジの伝統的政策は「原油の安売り」であった。それには理由があって、大量の原油の地下埋蔵量を誇ってはいるが、多くが重質油であって、有益なガソリンやジェット燃料や軽油といった高価値の製品があまり生産できないという弱みがある。その重質油を高額で売るためには、世界中の軽質油が枯渇してしまえば、残った重質油が高く売れるということになる(と思っている)。

とはいえ、米ロという大国を同時に痛い目に合わそうという今回の野心的なチャレンジがどういうことになるのか、まったく先が読めないわけだ。

一方、中国は、価格暴落とみて、大量の大型タンカー群を中東に向けて発進させたそうだが、しょせんはタンカーや貯蔵タンクには限界があると思われる。

一方、隠れた問題が日本にはあって、今までコツコツと貯め込んだ国家備蓄の原油だが、公表されていないが、おそらく60ドル台で買っていると思われるので、原油価格暴落によって超巨大な隠れ評価損が発生していると思われる(決して、原価から時価への見直しは行わないと思うが)。

資料によれば、国家備蓄量は4954万キロリッターとなっている。換算すると311,607,000バレルである。仮に60ドルが30ドルに下落したとし、為替を1ドル=110円とすると、
 311,607,000×(60-30)×110=約1兆円 ということになる。

「くもんのこどもえんぴつ」を使ってみると

2020-01-21 00:00:31 | マーケティング
数か月前から新たに小学校低学年を対象とした将棋教室で、将棋を教えているのだが、主催者は講師のことなど考えずに、文字が読めない上、椅子に3分以上座っていられない幼稚園児も引っ張り込むため、講師は色々と苦労する。駒の文字が読めず、盤の前に座れないこどもに何を教えればいいのだろうか苦悶することになる。強欲な両親が自分のこどもを年収1億円のプロ棋士にしようとするわけだ。東大に入る方がずっとずっと簡単なのだ。東大合格者は毎年数千人だろうが、プロ棋士になれるのは男女合わせても毎年数人(10人未満)だ。さらに巨額を稼ぐ人数は、全棋士の中の1%ぐらいだから。

ところで、3か月単位で1クールなので、次々と児童は変わっていくのだが、その結果、鉛筆の忘れ物が溜まってくる。教室にサヨナラしたあと、使い古した短い鉛筆の忘れ物を取りに来る子は、今まで一人もいない。



そして、ある種の鉛筆が溜まってきたわけだ。それは「くもんのこどもえんぴつ」だ。くもんというのは「苦悶」ではなく「公文」。ある種の教育集団だ。まあ、ベネッセの赤ペン先生にしても、公文にしても公立小学校のあり方と現実のギャップの間に生じた必然なのだろう。学習塾や水泳教室の時間のはざまに息抜きに将棋教室に来るのだろうが、将棋教室は結果が勝敗として明らかになるため、救いのない世界でもある。

そして、この忘れ物のくもんえんぴつだが、使ってみると、なかなか快適だ。まず軸が六角形ではなく三角形。そして太い。芯も太いように見える。濃さは2B、4B、6Bだそうだ。長さも17センチ、15センチ、12センチと工夫がある。

ふだん、鉛筆を使う時は六角形の鉛筆か丸軸鉛筆を使っていた。丸鉛筆は筆の感覚なので達筆の人に向いている。そして、もっぱら児童の忘れ物を横領して使っているわけだが、鉛筆の芯が減ってしまった。電気鉛筆削り器に入れようとしたが、太すぎて入らない。

調べていると、ポータブルの鉛筆削りはネット上では200円位なのだが、送料は600円ということらしい。プラスティックに刃が付いただけで800円は高すぎる。

限られた実店舗では売られているようで、大手書店、トイザラス、イオン、ビックカメラ、西松屋、ヨドバシカメラにあることがあるそうだ。さがしてみようかと思う。

そして、トンボ鉛筆でも三角軸の鉛筆を売っていて、これも鉛筆削りは普通の鉛筆とも公文式とも互換性がない。

実は公文式を探しているうちに不愉快な真実がわかってきた。

愛用している『2B』だが、適用年齢にはこう書かれている、「4歳~6歳」。

実感としては、三角軸のボールペンを作ってほしかったのだが。

平成31年コインセット

2019-09-18 00:00:24 | マーケティング
予約していた記念コインが造幣局から届いた。といっても、『東京五輪記念の50万円金貨・金メダルデザイン』とか『真子さまご成婚支援の限定100枚4万円記念コイン・夕食会付き』とかではない。現行流通コイン6枚セット、おまけつき2000円である。500、100、50、10、5、1の6種で、すべて「平成31年製」である。もっとも造幣局が売り出すので、コインを集めるのには何の苦労もないだろう。



聞くところによると、通常の硬貨をケースに入れる前によく磨くそうだ。つまり、通貨6枚+磨き料+付属メダルやケース代+送料の合計だ。まさか通貨には消費税はかからないだろうから、2000円から666円を引いて1.08で割ると通貨以外の税抜き金額が計算できる。

長い間、数字が書かれている方が表だと思っていたら、逆だそうだ。



しかし、通貨の大きさとかデザインとかあまり統一感がない。500円と1円とはどちらが高額かはわかるだろうが、5、10、50、100の4種はそれぞれに個性的なので外国人には優しくない。カードもあまり使えない国だし。それでいて、どのコインも平均的に使われているので、小銭入れは油断しているとすぐに破裂しそうになる。

他国を見ると、USAは少額コインしかない。1セント、5セント、10セント(小さい)、25セント。あまり使われない50セントと1ドル。以前、日銀の方に聞いたところ、1ドル札があるのはチップ文化のせいで、コインは好まれないということだった。そのあたりの感覚はよくわからない。日本の最低紙幣は1000円札なので、チップにするには高すぎるのかな。最低時給単価だ。

韓国やユーロには「2」とか「20」とかあるし、米国でよく使われるのは20ドル紙幣、であるが、日本では2000円札の失敗で、当分「2」はあらわれないだろう。本当に1年に1回も2000円札を見ることはないが、廃止するのも難しい気もする。国民のほとんどが2000円札のデザインを忘れたとき、通貨としての機能はなくなるのだろう。

ところで、平成31年度硬貨だけではなく「令和元年硬貨セット」も予約販売が行われたのだが、こちらの予約は抽選になるそうだ。これからコインを作るのだから無制限に売ればいいのだろうが、意味が分からない。もしかしたら記念硬貨以外の鋳造は行わないのだろうか。それを期待したいところだが、値打が上がるとしたら令和の次の時代になるだろうから、それを楽しみにするのは、まずいような気もする。

郵便料金

2019-08-29 00:00:06 | マーケティング
先日観た映画(DVD)『ファーゴ』は1996年の映画で、ある大量殺人事件も小さなキッカケから始まるという筋書きで、最後は妊娠中の女性警察署長が推定容疑者にピストルを浴びせて解決するのだが、この女性警察署長の夫が画家なのである。たいして有名ではない画家なのだが、殺人事件が解決した後の夫婦の会話の中で、自分が書いた絵が3セント切手の図柄に採用されたと妻に語り始める。

画家によれば、「3セント切手では悲しい。29セント切手でないと、誰も切手を見てくれない」ということになるが、妻は「郵便料金が上がれば少額切手が約に立つから」と慰めるシーンがある。

ということは、米国の郵便料金は29セントで、値上げされると32セントになるということだろうか。日本でも10月から郵便料金が値上げになる(はがき:62円→63円、手紙:82円→84円)。こうなると買い置きのハガキや切手に少額切手を貼って対応する必要があるので、1円、2円の切手が必要になる。



ということで、日、米、中の郵便料金を調べてみる。

まず、米国:代表的な1オンス(約28グラム)以下の封書が33セント(約35円)である。1996年に29セントが現代では4セント上がっただけである。画家の描いた3セント切手はあまり役に立っていないようだ。

次に、日本:25グラム以下の封書が82円で10月からは84円。割高だ。

そして、中国は、20グラム以内で1.2元(=15円)だそうだ。ずいぶん安い。

では、この郵便料金だが、なぜこんなに国によって違うのだろうか。たぶん、人件費と物流費が異なり、扱い量も大小の差があり、その結果なのだろう。日本国内の物流費は極めて高い。

ところで、二国間の郵便料金だが、万国郵便条約というのがあって先進国からの料金が高く途上国からの料金が安くなっているのだが、トランプ大統領が条約からの離脱をちらつかせている。要するにネットで買い物をしたあと送料がかかるのだが国内業者からよりも中国からの送料の方が安い、と言うことらしい。しかし、よく考えると、郵便料金を値上げするというのは一見では送る方の負担が多そうだが、そもそも送る方にも受け取る方にも目的があるのでどちらも困るということになるはずだ。

好都合の多い世界遺産、百舌鳥・古市古墳群

2019-07-09 00:00:16 | マーケティング
堺に行ったのは2017年の10月で、それから2年足らずで、「百舌鳥・古市古墳群」が世界遺産の認定を受けた。自分が行ったところがこういった名誉を得るというのはなんとなく嬉しい。逆に、自分が行ったところで事故や殺人事件があったりすると、嫌な気分になる。もちろん後者の方がずっと多い。



堺というのは実は外国人観光客にとって好都合なのは、関空と大阪の間にあることだ。関空から難波までは南海電車、また天王寺まではJRと二種類が選択できる。さらに体験したことなのだが、JRの堺駅と南海の堺駅とは離れていて、街の構造も両者に分かれている。観光地も古墳群はJRに近いが、他の観光施設は南海に近い。両駅間を歩くと1時間はかからないが30分以上必要。

ところが、この離れているということをメリットと考えれば、関空からJRで堺に行っていわゆる仁徳陵を平面的に見てから、高層ビルの堺市役所の展望階で鳥瞰的に見て、それから南海方面の見どころを回れば、そのまま南海電車で難波の町の混沌に潜り込める。逆ルートだと最後は天王寺の町の混沌に潜れる。同じ道を戻る必要がないから好都合だ。

さらに、このままだと堺市は消滅して大阪都堺区になるので、市役所も人員整理となって、展望室のある市役所も高層階は自由に改造できるだろうし、不要となった市役所職員も公務員を辞めてガイドになれば、いくらチップを受け取っても気にすることもなくなる。

では、堺の古墳以外の観光地とは何かというと、



1. 千利休の生家跡
千利休とか茶道とかいってもなかなか観光客には理解は難しいが、スターバックスの社長とは違うわけで、ドリンクとしての茶を、ああいう芸ものにしたわけだ。さらに時の権力者秀吉と対立し、殺されてしまうわけだ。権力への抵抗者の切腹。



2. 与謝野晶子の生家跡
与謝野晶子の出生地は、千利休の出生地のすぐそばだ。要するに大阪から和歌山に向かう街道沿いが町場になっていた。呉服屋の娘が女流歌人になった。この歌人というのがわかりにくい。女性詩人と一言ではいえないのは、日本には詩の形式がいくつもある。俳句、短歌、詩にしても洋式もあれば和式もある。わかりやすく言いかえれば、権力に抵抗する女性運動家で反戦詩人とすればいいだろう。



3. 鉄砲鍛冶屋敷
いわゆる死の商人だ。ポルトガル人が、難破した船を助けてもらい、種子島の実力者に2丁の銃を高額で売りつけた後、日本中に鉄砲が普及した。過去の歴史のことなど気にしない現米国大統領のような信長が、刀よりも馬よりも兵員よりも重要に考えたのが鉄砲。堺は大生産地であり、千両箱と引き換えに箱詰めの鉄砲が取引されていた。江戸時代になると、戦争は終わり銃の需要が激減したが、活路を東アジア一帯に求め、日本史上最大の武器輸出時代を謳歌していた。鎖国令との関係はよくわからない。



4. 阪田三吉の生家跡
実は将棋の名人といっても亡くなってから名人と認定された。将棋のイメージ、名人のイメージ、なかなか理解は難しい。さらに彼の資料室は「人権歴史館」の中にある。そう、非差別出身者だった。といっても大人になってから後は、将棋の強豪ということで、実力の世界で生きたわけなので、「人権」を売り物にするわけにはいかないだろう。例をあげれば米国の南北戦争のあと、キング牧師の時代の公民権運動までの「奴隷ではないが差別があった時代」のようなことかもしれない。英国などは今でも差別が露骨に残っているのだから、人権の切り口で彼を見るのは無理なのかもしれない。といって、将棋界の東西戦争とか朝日毎日の戦いとかさらに理解不能。まあ各種権力に抵抗する気持ちで戦っていたのは事実なので、なんとか堺有名人に入れてもらいたい。

ところで、世界遺産認定で、観光客が急増して、その分、市の財政が豊かになって、やはり大阪都構想は要らないとか言い出すのかもしれない。

令和初打ち

2019-04-12 00:00:57 | マーケティング
GWにゴルフをしようと思って、BC級コースを選んでいて、10連休の後半の方が前半より安い傾向が感じられた。それで、5月1日か2日ということに考えたのだが、5月1日と言えば令和元年の初めの日だ。システムトラブルで高速道路がストップということになったら大渋滞かもしれない。逆に、スピード違反取締り用のカメラが作動しなくなれば、カメラの直前に、みんながブレーキを踏んで渋滞になることが避けられるかもしれない。

そこで思い出したのが30年前の平成元年の切り替えの時。平成元年1月8日である。実は、そのあまりめでたくない日に、寒川神社に初詣に行った。それなりに人出はあり、高速道路もシステムトラブルはなかった。当時の高速の料金所の領収書を調べると、元号と西暦が混在している。

rec1


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一枚目は、今は無き日本道路公団で、300円で89/01/08。西暦だ。
二枚目は、これも道路公団だが、100円。スタンプである。1.1.8。元号だ。
三枚目は、これも道路公団だが、30円。こちらも用紙が異なる。1.1.-8。元号だ。

それで、これらは寒川神社からの帰りで、最初の300円は新湘南バイパスの一期工事が昭和62年に完成している。ほんの短い区間で300円。料金所がインターの出口ではなく、本線上にあったようだ。次は横浜新道。戸塚から保土ヶ谷まで100円。そして保土ヶ谷から港北までが第三京浜で30円。格安だ。それで同一区間の料金は30年間で、どう変わったか調べてみると、

新湘南バイパス。300円 → 310円。
横浜新道。   100円 → 320円。
第三京浜。    30円 → 130円。

まったく不思議な料金だ。

大塚家具は・・

2018-10-11 00:00:48 | マーケティング
少し前から大塚家具の研究をしていたのだが、業態が見えないわけだ。どうも、大塚家具で製造した家具、国内の中小家具メーカーから仕入れた家具。主に欧州から輸入する高級家具の3パターンのようだ。要するに三越商法。3パターンの比率がわからない。

逆に、今や三越商法こそ中小企業の生きる道ということで、中小の家具店は、なんらかのこだわりを打ち出して、そこに顧客生涯価値を見出して生き延びようとしている。といって、それは、何かこだわりのコアコンピタンスがあればこその話だ。

しかも、いまや日本では家具はあまり売れないわけだ。IKEAでも個店ベースでは売上減少ということで、店舗数を少しずつ増やしているが売れているのは、レストランと小物類ではないかと思っている。

実態を調べても、よくわからないし、ウィドゥスタイル(We-do-Style)を目指すという意味不明のコンセプトだし、そんなに品質に自信があるなら金持ちの多い中国で売ればいいのにと思うし、そもそもソファー3点セットだってリビングルームで家族共有の時間なんて絵空事だし、親子げんかの会社のソファーに座って家族団らんなど、喜劇だ。


ところが、現在進行形で大塚家具は、「8割引きセール」を決行中なのだ。10万円の家具が2万円だ・定価というのははっきりしないので、とりあえず5割引きの5万円で売るのが通常としても2万円となると6割引だ。どうも在庫はまとめて銀行の担保になっているらしく、潰れる前に換金して、先取りしようということなのだ。つまりXデイは近いのかもしれない。生きたまま内臓を売られる某国の「内臓狩り」のような話だ。そもそも、売れない家具がどんどん増えていくなんて、無秩序経営そのものだ。

ところで、先日、家具店2社(ニトリと島忠)を歩いた。犬がソファーで爪とぎを繰り返した結果、皮が破れてしまい、穴を塞ぐものがないか探したのだが、どちらにもなかった。結局、破れたところに自分で人工皮革を貼ることになった。やってみると簡単だ。購入するに対し100分の1、修繕するのに対し10分の1の費用だ。

そして、島忠にはいくつかあったのだが、急に人気が出てきた家具がある。

食卓用の椅子なのだ。それもロボット掃除機対応型。

そもそも、高級で重くて動かないような椅子なら考える必要はないのだが、日本人は軽量の家具が好きだ。軽量路線を追求するのは無印。すごく軽くて動かしやすい。ベッドでも片手で移動できる。そういう場合、ロボット掃除機は椅子を弾き飛ばすわけだ。ということで、はじめから足が床から離れている食卓イスというのが流行している。

イメージできないだろうから、パターンを紹介すると、二段重ねの肘掛けを付ける方法がある。日本の肘掛けの間をテーブルの上面板に挟むわけだ。次に背もたれ可倒式。背もたれが90度回転して、その倒れて床に平行になった背もたれをテーブル上面に引っ掛ける方式だ。最後に背もたれ湾曲方式。背板が肘掛けほどではないが湾曲して両側が前面に延びている方式。湾曲した両サイドをテーブルに引っ掛ける方式だ。

で、普通なら重くて動かないような椅子という方針もあるかもしれないが、日本人のニーズはそこではないわけだ。