頓死の構造

2015-01-31 00:00:24 | しょうぎ
頓死といっても将棋用語のこと。本当の頓死は、サドンデスという言葉でわかるように予期せぬ時に亡くなることで、まあ書くと長いことになりそうだが、本日のテーマじゃない。

将棋の頓死は、プロ棋士やプロ崩れの人たちは、「トンコロ」と言うことが多いようだが、「コロ」は「コロッ」の略なのか「殺」の略なのかは不明。

語感としては、有利だと思っていたのに突然詰まされることというようなニュアンスを含む。先日の王将戦で郷田九段が渡辺王将に3手詰を食らったのも、最初は頓死と言われていたが、元々有利の状況ではあったが、一手の大悪手を指して、不利になった後の即詰であったことが判明したことから、頓死とはいわれなくなった。

形態としては、詰めろをかけられたのに、放置して別の手を指してしまうとか、元々詰まないのに特定の駒を持ち駒として与えてしまったため詰まされるとか、王手をかけられて逃げ間違えてしまって詰まされる場合などがある。

ところで詰将棋自体、頓死問題と言いかえた方がいいかもしれない。作家によってはありあまる攻め方の駒を用意して詰ませるのは、あまり頓死感はない。むしろどうみても攻め方の駒が少ないのに詰ませるパターンの方こそ「頓死風」といえるのかもしれない。

わたしの指将棋は、だいたい不利になって、遠くから気付かれにくい詰めろをかけて、さらに気付かれないように盤の別の方向を見ていたりして自分の手番になるとさっそく詰めて勝つことが多い。勝ち将棋の中のトン死勝ち率は、100%に近いかもしれない。


さて、1月17日出題作の解答。

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▲1一角 △同玉 ▲2一銀成 △同玉 ▲3三桂 △2二玉 ▲1一角 △同玉 ▲2一金まで9手詰。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

0129m


わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数を記していただければ、正誤判断。

不吉の予感の結末は、これだった

2015-01-30 00:00:31 | 市民A
1月28日にアップした「不吉な日の結末は」だが、

朝の新幹線が血塗られていた。→羽田空港行のモノレールの中で他人のスーツケース暴走を止めるもシカトされる→JAL機着陸前に大揺れ→別の乗客にカバンを取られそうだったが阻止。という展開で、事なきを得たのだが、・・実は、これで15万円の損失となる。

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スカイマーク、民事再生法申請

まあ、詳しくはわからないが(というか陰謀説あり)、現在の資金は回るも、今後の経営をギブアップということで、社長交代&事業の選択と集中ということになる。

まあ、100万円のNISAの隙間株として15万円(500株)を投資したのだが、29日の市場では数千万株が成行売りとなっていて、まあ諦めるしかない。残りの85万円分はとりあえず大勝利中なので、まあいいのだが、前にもちょっと書いたのだが、アベノミクスというのは中心的思想が欠落しているため、政策の矛盾だらけで、オープンスカイといっても外国航空会社が日本の中でコードシェア方式で儲けているだけのようにしかみえない。

NISAだって成長企業の株式を売ろうというのだろうが、成長企業にはリスクがあるにもっかわらず、損失額の損失計上ができないわけだ。

そして、色々と民事再生法適用の理由が書かれているが、要するにつぶれかけたJALを助け起こしたのが最大の原因のような気がする(自民党は民主党のせいにしているが、その時の政権が自民党だったらJALを見捨てたかといえばそうではないだろう)。

そして、要するに澤田氏(HIS→ハウステンボス)のカリスマ性でHIS子会社として出発したスカイマークが、すぐれた後継経営者を得られなかったというのも大きいだろう。今さら澤田氏に頼んでも「(ハウステンボスの)チューリップの球根植えで忙しいから」とか断られるのだろう。同様のカリスマの後継者問題、ジャパネットたかた、はこれからが試練だろうし、ソフトバンクやユニクロだって、なかなかNISAには組み入れられないだろう。

まあ、「稲盛氏を待つ!」ということだろうか。あるいは、JALは助けるがSKYは助けないということなのだろうか。

一つだけ期待しているのだが、民事再生法は、いわば米国の『Chapter 11』である。この『11』というのは、私の好きな数字なのだ。不安定かつ奇妙な素数。例えば、サッカーの選手11人。隣に10という超立派な数字があるのになぜ11人でやるのだろうか。夜11時。眠くなり始める時間だ。自宅にいれば、何かもう一仕事するか眠るかを考える時間。飲み屋にいれば、家に帰るか、もう一軒行くか。昼11時はそろそろ昼食のことを考えるものの、まだ食べるには早い。昼休みがあるので、時間のかかる難しい問題には取り掛かりにくい。11歳=小学校5年、卒業まで、あと1年ある。

徳川11代将軍=家斉公(愛人16号。こども53人)。足利11代将軍、義植。まったく無力。前将軍に追われ30歳で没。北条第11代執権、北条宗宣。在位8ヶ月(最短は、第15代貞顕の11日間)。調べてみると、あまり、いい数字ではないよね。

奈良(直木孝次郎著)

2015-01-29 00:00:38 | 書評
naraせっかく西日本に仮寓を設けたのだから、歩いてみようかと思うのだが、一向に進まないのだが、ぼんやり考えているのが、奈良紀行である。古墳時代から大和朝廷の確立、そして数々のクーデターが起こり、ようするにテロの連鎖みたいなことをやって、統一国家になったわけだが、現在の奈良に行っても、仏教寺院と古代美術と鹿が歩き回っているイメージしかない。

それに、どこをどのように歩いていけばいいのか。奈良時代自体は短いが、数々の遺跡にも歴史の順序があるわけだ。

それで、奈良に詳しい先生が、歴史順にポイントをまとめて、さらに、テーマ別のみどころを書いてくれている。早い話が岩波新書版ガイドブック。

で、奈良のみどころの一つが古墳。数多くの古墳が形態的に2種類に分かれているということを発見されたそうだ。で、それが古墳作りを専門としていた2つの氏がいたことを示しているそうだ。長細い方と、短く太い方。そして、古墳の魅力の一つは、「誰の古墳なのか」という謎解きにあるのは言うまでもないが、実際、誰のものかわからなくなるというのは、そういうものを崇拝するという概念が日本人から消えた時代があるからだろう。

そして、奈良と言っても平城京があった地域、藤原京があった飛鳥地域、聖徳太子が本拠地とした斑鳩の地とわかれている。

とはいえ、だいたい3日あれば、観光にはよろしいだろうとのことで、法隆寺の西院だけで半日をかけるというつもりでいかないといけないそうだ。さらに、そうはいっても1日で駆け抜けようなどと思う人の気持ちを見抜いていて、わざわざ、次の一節を入れている。

午前中に法隆寺をはじめとする斑鳩の寺々、午後は西の京の薬師寺と唐招提寺と西大寺、などという日程は、古代美術の軽視いや蔑視である。


実際、暖かくなってくると花粉が飛び始め、それが終わると直ぐに梅雨になり、猛暑、台風の間隙に短い秋がある。芭蕉のように「菊の香や奈良には古き仏たち」というように晩秋に行くのか、「青丹よし寧楽の都は咲く花のにほふがごとくいま盛りなり(小野老)」や「打ち日さす宮道を人はみちゆけど吾がおもふ君はただ一人のみ(万葉集)」というように大勢が行きかう初春の都大路を歩いてみるべきなのか。

よく考えれば、秋を待たないならば、行くのは、「今」ということになる。

不吉な日の結末は

2015-01-28 00:00:05 | 市民A
昨日なのだが、どうも不吉なことが起きていた。

まず、朝。新横浜駅で東京行きの新幹線を待っていた。入線してきた「のぞみ号」の頭の部分というか、鼻の部分というか、向かって左下に血糊が相当量付いていた。

定刻通り到着したのだから、血糊は人間のものではないだろうと思うが、鳥なのか動物なのかよくわからない。まあ、あのまま一日中走行するのだろうか。あるいは運転士は気が付いているのだろうから、東京駅で緊急清掃でもあるのかな。逆に大騒ぎのような気がする。

そして、東京の仕事を片付けて、今度は羽田空港から西日本に向けて移動するため、浜松町から空港行のモノレール、快速急行に乗車。

すると、不用意な乗客の持っていたキャスター付きのスーツケースが列車内で暴走を始める。まったくうまいことに、通路を勢いよく前から後ろに向かって爆走し、それを追いかける乗客という笑える構造になったが、そのままだといずれ誰かにぶち当たって小惨事発生ということで、私は座ったまま手を伸ばしてスーツケースをキャッチ。

まあ、それで走ってきた乗客に渡したのだが、予測していた「ありがとうございます」の一声もなく、そのまま元の場所に戻っていってしまうではないか。ちょっと指は痛いのだけどしかたがないなあ。「お礼がないなら手助けしない方がよかったのか」と自問してみたが、「やはりそれくらいの仕事はやるだろう」という自答に至る。もちろん爆発物だったら逃げるけどね。

で、朝の新幹線のことを思い出し、どうも不吉なことが多いので飛行機に乗りたくないなあと直感がさえずる。といっても、もはや空港にいるわけだ。

で、出発まで1時間ほどあったので、羽田第一ターミナルの屋上にある展望台「ガリバーズデッキ」に上がってみた。ガリバーは、巨人の国、小人の国、馬の国の三カ国を訪問したのだが、一般にガリバー=巨人を意味することが多い。第一部、第二部、第三部と段々読者が減っていくのは出版界の常識だ。最初に馬の国に行っていたら、アリス=兎、ガリバー=馬というようにファンタジーイメージになっていたかもしれない。

で、飛行機に比べれば我々は小人なので、ガリバーズデッキは、そういう小人国の意味かと思ったら、そうではなく、展望台の上から見ると、飛行機もその向こうの東京の街もミニチュアのように小さく見えるから自分がガリバーになったように感じる、という意味らしい。が、私の眼には、単に遠くのものは小さく見える、というだけの話に思える。

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そして、限られた時間の間にも飛行機は離陸を繰り返しているのだが、不吉な私がこれから乗る旅客機の身代わりとして、つんのめってくれる飛行機は一機もないわけだ。

そして定刻通り離陸した機内では、災いごととしては後ろのシートの男がおしゃべりで騒音公害で困ったこと。そして、悪天候でもないのに着陸時に大きく左右のバランスを崩して機内で若干の悲鳴が聞こえたこと。さっきのうるさい男が、着陸後、わたしのカバンを持って行こうとしたことぐらいで、実害はナッシングであったわけだ。

地球最後の日(コナン・ドイル著)

2015-01-27 00:00:16 | 書評
finaldayコナン・ドイルといえばシャーロック・ホームズということになるのだが、実はドイル自身は、それほど探偵物が好きではなかったらしい。さらに踏み込んで言うと、小説家であることすら好きでなかったようだ。元々は医者の道に進み、余技で小説を書いていて、さらに、戦地にいったり、政治家を目指したり。

そして、小説と言えば、推理小説、歴史小説、SF小説と分野は広い。本著は「地球最後の日」と題されているが、それは間違った訳で、The Poison Belt という正しいタイトルを訳せば、「毒ガス帯」ということになるが、ちょっと冴えない。

まず、別著「失われた世界」の中で登場したチャレンジャー教授が、「地球がまもなくエーテルの塊の中に突入する」といって酸素ボンベを持って数人の知人と部屋に立てこもる。

そして、窓から見える凄惨な人類滅亡劇を詳細に記述。さらにボンベの酸素が減っていき、悲壮感が漂うことになる。

で、実際には約1日で、エーテルの塊から脱出できるのだが、世界は死体ゴロゴロ状態。しかし、ここにスーパーマンが現れたりはしない、とある理由で、死んだはずの人間たちが、蘇生することになる。

全体に、厭世主義が漂っていると言えると思う。

コーランを読んでみたらどうだろう

2015-01-26 00:00:41 | 市民A
二人の日本人人質のうち湯川さんが殺害されたとされているが、もっと以前に殺害されていたのではないだろうかと、最初から思っている。最初の画像が合成であるのは、人物と背景の間に隙間があるのですぐわかるのだが、二回目の画像は後藤さんが写真を持った画像であり、その写真が合成かどうかは見分けがつかないだろう。

そして、イスラム国が戦闘地域を拡大すればするほど、兵站のための資金は飛躍的に増加してしまう。第二次大戦の日本と同じだ。中国大陸と太平洋という広大な戦線を維持することができなかった。さらに資金源は身代金と原油密輸。このうち原油については、大暴落した。仮に原油のコストが30ドル/バレルで80ドルで売れていれば、収入は50ドルだが、原油価格が40ドルになれば、利益はコストを引いて10ドルと1/4になってしまう。

そして、コーランの日本語訳というのはイスラム教では認められていない。コーランはアラビア語で書かれたものだけ。いかにも日本語訳なのは、コーランの参考書として扱われる。きわめて読みにくい本なのだが、一読するだけでも(岩波文庫で3冊ものだが)、イスラム教が成立したころには、コーランに書かれていたように超過激主義であったはずだ。

この話、どこに向かうのだろうか

2015-01-25 00:00:24 | 美術館・博物館・工芸品
kuniyosi2ベネッセといえば、福武書店。岡山の絵本会社が「赤ペン先生」という仕組みを考案し、中学お受験を目指す親と、在宅アルバイトをしたい学校の先生を組み合わせて通信添削教育を始めたところ大当たりし(売上の3割、利益の6割という説も読んだが)、その後、学生の就職試験に使われる適性検査(という名前の不適正検査)も成功。さらに発展するためマックの原田社長を引き抜いたのだが子供たちの個人データが漏えい。先生のデータが漏れたら大変だっただろうとは思うが、とりあえず経営上、大打撃を受けている。

それが直接の原因かどうか不明ではあるが、「福武コレクション」の名で有名な、国吉康雄作品、約600点を、岡山県立美術館に寄贈することを表明した。

国吉といっても浮世絵の「歌川国芳」とは何の関係もなく、岡山県出身で、17歳で米国に単身渡り米国で画家となる勉強をした日本人画家、国吉康雄(1989-1953)のこと。

20世紀前半と言う決して日本人が米国で生活するに楽ではなかった時期に芸術家として活躍。民主主義を愛する彼にとって、日本人=敵国人と認定していた米国に住んでいたこと自体、彼の居場所は世界のどこにもなかったということができる。

福武家は先代の哲彦氏が国吉作品の収集を始め、一時は自社ビル内に個人美術館をもっていたが、現在は岡山県立美術館に寄託という形で作品は保管されている。

それを寄託ではなく、寄贈する、つまり、タダであげてしまおうという気前のいい話なのだ。

私見なのだが、個人(個人企業)が有名画家の作品を買い集め例は、いくつかあるのだが、それは、実は画家のためになるのかどうか疑問がある。買い集められて倉庫に入ってしまうと、誰も見ることができなくなる。集めれば集めるほど、観られなくなる作品が増えていき、結局は画家の価値を貶めることになる。

そういう意味で、大公開するというのはいい方向なのだとは思うのだが。

実は、大きな「条件」が付いている。山陽新聞の記事によれば、

国吉康雄美術館の名を併記する条件で、・・・・すべてを同館に寄贈する意向を示した。


つまり、「国吉康雄岡山県立美術館」ということだろうか。「岡山県立国吉康雄美術館」だと、国吉作品だけみたいに思えてしまう。しかし、全国の県立美術館をながめてもそういう名前はない。となると、どうなるのだろう。

先日、神戸の横尾忠則現代美術館を訪れたのだが、そこは、兵庫県立美術館の分館となっていた。実際、国吉作品が600あるといって、既存の美術館内に全部並べてしまうと、他の作品は並べられない。ベネッセの要望を満たそうとすると、別の場所に岡山県立美術館の別館(国吉康雄美術館)を作った方がいいことになる。

そして、よく考えるとベネッセは瀬戸内海の島で美術化計画を進めている。特に直島では安藤忠雄設計の地中美術館や宿泊施設ベネッセハウスを設けている。本来は、その島に国吉美術館を作って、3点セットのマクドナルドみたいにするといいのだろうが、残念ながら直島は香川県だ。その隣の犬島は岡山県であり、ベネッセの仕掛けた犬島プロジェクトがあったものの、今一つ盛り上がらない。犬島にある小型の美術館(精錬所跡)が、国吉作品の安住の地となるのではないかと、10手先を読んでみる。

無心という厄介なコトバ

2015-01-24 00:00:00 | しょうぎ
数十年前に手に入れたかなり大きな湯呑み茶碗。内径が直径で7センチ、高さは9センチ。計算すると、3.5×3.5×3.14×9.0=346ml。約2合である。もっぱら、焼酎の湯割りを飲んでいる。元々、お茶を飲んでいて茶渋で汚れていたが、焼酎を飲んでいるうちに段々ときれいになってきている。

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それで、デザインだが「無心」と書かれていて、反対側に中原元名人の似顔絵が描かれているが、眠そうな顔になっている。勝負に対して無心になるというのが本意なのだろうが、その頃、別の場所である女性に対して無心していたわけだ。というか相手の女性が無心したのかもしれない。

で、無心というのは、勝負では「相手を屈服させようという心を抑える(つまりアドレナリンコントロール)こと」を意味するのだが、相手におカネや肉体関係をおねだりするときにも使われる。いったいどういうことなのだろう。

つまり、仏教的には、心は、「相手を思いやる善の心」と「相手を痛い目に合わせる邪の心」があるとされる。勝負での無心とは「相手を打ち負かせようとする邪の心」を無しにすることを意味し、お金の無心の場合は、「相手を思いやる気持ちという善の心」を無しにすることを意味するようだ。

しかも、善の心と邪の心を統合した「統合的心」を無にするというのが、幼児的に「無心に遊ぶ」というような時に使われる。

さらに、漢字の本場の中国では、「心」は日本語の心より広い意味を持っていて、「考えて何か行動しようと思うこと」まで含んでいて、その場合、「無心」というのは、色々と考えたことを全部ナッシングにすることを意味するようだ。

私の場合も、一日の終わりに焼酎湯割りを飲んで、きょうのできごとをすべて忘れてしまおうというのだから、中国式なのかもしれない。

もっとも、機会があったら、誰かに何かを無心してみたいものだと思っているのだが、なかなか機会に恵まれないものだ。



さて、1月10日出題作の解答。

c12


▲4四歩 △同金 ▲同金 △同玉 ▲3四金 △5四玉 ▲3六角まで7手詰。

駒交換など詰将棋であってもいいのだろうか。

動く将棋盤は、こちら


本日の出題。

0124m


長いのだが、だらだらと惰性的に続く。初手を見つけた後は無心になるといいかもしれない。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数を記していただければ、正誤判断。

原油価格の落ち着く場所は

2015-01-23 00:00:49 | 市民A
ここ数日の原油価格の報道を調べていると、今後、原油価格はさらに下落し20ドルまで下がった後、40ドル前後で落ち着くだろう(元東燃社長)という論と再び上昇に転じ100ドルまで上がるだろう(元Shell幹部)という論がある。下落派も上昇派もいわゆるテクニカル分析の上に立つ。

実際、過去と異なり、原油というのが、特定の需給論理で動く時代は過ぎ去り、LNGやコンデンセート、石炭とか太陽光発電などと、ボーダーレス商品になっているため、予測はかなり困難なのではあるが、短期的にはともかくコスト論的にみると大きく二つの生産パターンがある。陸上油田と海底油田である(海底油田は海上基地で掘削するため海上油田と呼ばれることが多いが、おなじことである)。陸上油田のコストは約20ドルと言われる。そして海上油田のコストは約60ドルと言われる。そして、新規開発はほぼ海上油田であるため、いまや30%~40%強が海上油田と言われている。つまり海陸比率によって各産油国の収益は大きく異なる。そして、原油は徐々に枯渇に向かっているといえるわけだ。

そして、シェールガス付随原油は平均コスト50ドルと言われている。もちろんここまでの各コストは平均であり、その中にももっと高い油田やもっと安い油田がある。

そして、世界の原油生産量だが約87,000,000バレル/日と言われる。1バレルは159リットルなので、計算すると、毎日13,831,479m³もの大量の地下物質が地上に掘り出され、すべて二酸化炭素になるのだから恐ろしいとしか言えない。実は原油価格の急落や急騰は石油開発が始まった100年以上前から始まっていて、20分の1になったりする。その都度、破綻者が大量に現れ、大手(メジャー)に買収されてきた。

では、どれくらい需給ギャップが起きると価格が急騰急落するのかというと、総供給量の3%と言われる。87,000,000バレルの3%は2,600,000バレル。実はシェールオイル付随原油は2,000,000バレルと言われるのでほぼ同じようなレベルである。つまり起こるべくして起きた大暴落といえるわけだ。

そして、どこで均衡するかといえば、限界生産コストである60ドル位だろうといえるのだが、実は、これよりコストの高い人もいたり安い人もいる。その時に起きることは一つのシナリオはメジャーがシェールガス掘削装置を安く買いたたくとか、産油国の一つが壊滅するとかいうこと。しかし、ベネズエラで起きていることは経済崩壊というより通貨崩壊。実際には、少し前まで60ドルだったので、大したことは起きないのではないだろうか。と思うと、結局メジャーとサウジが再びエネルギ-の支配者となるのではないかと考えている。

新春経済講演は、なぜ景気がいい?

2015-01-22 00:00:28 | 投資
倉敷市の企業経営者を対象とした経済講演会があり、経済評論家の岡田晃氏の講演を聴く。

岡田氏は日本経済新聞社出身で、その後テレビ東京で活躍し、現在は経済評論家として有名。テレ東の経済番組では、わかりやすい解説をされている。

そして、講演のテーマは、「2015年の景気を展望する‐日本経済再背の行方」ということ。

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基本テーマは、「アベノミクスをどう評価するか」という点で、アベノミクスの目的、目標、戦略についての評価を行い、デフレ脱却のための円安誘導の合理性と経済再生の必然性を力説される。つまり、先進国で「デフレ」になったのは、今まで日本だけで、その背景にはいくつかの要因で発生した円高が、さらにデフレ方向に経済を引っ張ってしまったからということだそうだ。詳しくは、著書「やさしい経済ニュースの読み方(三笠書房1200円)」を購入していただけないと、営業妨害になるのでこの辺りにする。

そして、アベノミクスの効果が表れた指標として、有効求人倍率や、鉱工業指数などを説明。そして、消費税増税についての議論。元々、消費税については懐疑的かつ批判的だった首相が第二弾を延期したのは当然のことで、解散に踏み切ったのも、財務省抑え込みの目的だったとのこと。(その餌食となったのが次世代の党という思わぬ結果になったが)

で、今年の日本経済については、

絶好調!!の予感。

ということだそうだ。

まず、追い風としては「アベノミクス政策、賃上げ、原油安、米国経済好調、円安」。

そして中長期的にも、

絶好調!!と予測されているようだ。

日本企業の競争力回復、資産デフレからの脱却、東京五輪の経済効果があるそうだ。

ところで、新春講演というのは、いつも明るい話(景気がいい)になるのだが、それはなぜかということを考えてみた。

要するに、新春講演は1月に行われるものなのだから、問題は1月とその年の年末の12月を比べて、上向きになるか下向きになるか、ということだろう。

言い換えると、次の4パターンになる。

「今年の景気は上向き」といって、その通り(上向き)だった。
「今年の景気は上向き」といって、はずれ(下向き)だった。
「今年の景気は下向き」といって、その通り(下向き)だった。
「今年の景気は下向き」といって、はずれ(上向き)だった。

実際には、上向きと言おうが下向きと言おうが、予測が当たった場合は、どこからも非難の声は上がらない。問題は予測がはずれた場合だ。

上向きと言って下向きだった場合、それには原因があるのだから、○○のせいだったとか、△△のせいだった、と予測不能な言い訳を考えればいい。

一方、下向きと言っておいて、景気が良かった場合は、あまり言い訳は見つけにくいものである。その場合、単に「バカ評論家」とか「弱気評論家」と呼ばれることになる。つまり、「今年は好景気」と言っておけば、結果としてなんとかなるが、「今年は不況」などと言ってしまうと、翌年から、出演ギャラが大幅に減額、あるいは自宅待機となってしまう可能性があるわけだ。

「大富豪、次世代の党、せっかち」のこと

2015-01-21 00:00:30 | 書評
プレジデント誌2015年2月2日号は、「毎日が楽しくなる時間術」という特集なのだが、まあ大したことは書いていないような気がする。むしろ、エンデの「モモ」の時間泥棒の方を読んだ方がいいかもしれない。

で、それなりに面白かった記事は三種。「大富豪、次世代の党、せっかち」について。これ別の記事なので、大富豪は次世代の党を支持していてせっかちだ、ということじゃない。そうかもしれないが。

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大富豪の24時間の秘密というのが特集されていて、大富豪をまず2つのパターンにわけている。

最初の大富豪は「年収5000万円以上」。まったくつまらない。
むやみに携帯やメールチェックはしない
通勤や移動中はオーディオテープを
昼・夜の会食を上手に使う
10年スパンで人を育てることを考える
SNSやネットサーフィンより、読書に費やす
資産を減らさないように情報チェック
ゴルフ、絵画、旅行といった趣味でストレス解消

次のカテゴリの大富豪は「総資産50億円以上」。これは異次元の人類だ
ホテルや別邸での朝食が好き
移動中は家族や友人に電話する
1回の会議は10分で回数も少ない
30年後を考えている
疲れたら昼寝する
勉強はしない
ゴルフとボランティアが好き

基本的に年収5000万円の人は税金を引かれて、貯金は2000万するのがやっとだろう。2000万円ずつ貯金すると、125年後に50億円の資産家になる。120年後の世界を考えなければならないだろう。

それと、私の行動は50億円の資産家の行動の方に似ているかもだ。つまり50億円の資産家というのは凡人なのだろう。


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次に、次世代の党壊滅事件のインサイドレポートというのが書かれている。文中に登場するのは、Bさん。総選挙に東京X区から立候補を強要されて落選。党内に石原一家と公明党のバトルを持ち込んでしまったのが敗因ということで、Bさんの総括では「次世代の党とは、まったく保守ではない集団であり、自民党に入りたくてしょうがない議員の集まりであり、存在価値のない政党だ」と、溜息をついている。ところで、私の知人も神輿に乗せられて落選したのだが、文中のBさんと同一人物なのだろうか。

また、幹事長の松沢成文氏は神奈川県知事時代に、三選を目指さず、都知事の座を石原氏から禅譲されるはずだったのに、石原氏の気まぐれのため裏切られた過去があるのに、なぜ次世代にいるのだろうか。


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そして、個人的には一番参考になったのが、「せっかちとグズ」の話。測定法が書かれていた。

まず、ゆったりした気持ちになり、指でコツコツとテーブルを叩き始める。コツコツコツコツ・・・。自分にとって快適な速さになったところで、時間計測する。50とか100とかコツコツした時間を測定し、コツの間隔時間を計算する。「精神テンポ指数」である。標準的には0.4から0.9の間であり、0.4に近い方がせっかちで0.9に近い方がグズだそうだ。

さっそく自分で測定してみると、0.35ぐらいだ。超せっかちで、正常範囲から逸脱だ。

ただ。記事をよく読むと、「グズはせっかちには変われない」ということだそうだ。またその逆も。「性格を変えようなどと考えない方がいい」ということだそうだ。無駄な努力ということらしい。ストレスがたまるだけ。「今のあなたでいいのです」ということだ。なんとなく、とんでもない結論のような気がする。

プレミアムとリッチ

2015-01-20 00:00:31 | 市民A
SUNTORYから限定醸造としてちょっとだけグレードの高いビール類が発売されている。

本物ビールとしての「The PREMIUM MALT’S」アルコール5.5%。
第三のビールとして「金麦 RICH MALT」アルコール6.0%。

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早い話が、ソックリデザイン。高い方を安い方だと誤認して買う人もいれば、安い方を高い方だと誤認して買う人もいる。私も何か誤認した口だ。そして価格が約2倍なのだが、実際、味は2倍以上の差が感じられる。2.5倍位かな。

PREMIUMの方は「コクのブレンド」となっていて、RICHの方は「琥珀のくつろぎ」となっている。

つまり、RICHよりもPREMIUMの方が2倍から2.5倍程度グレードが上だということだろう。

ところが、実際のRICHとPREMIUMの差はもっと大きいような気がする。たとえばクレジットカードの年会費でも、1000円(とかゼロ円)、10,000円(ゴールド)、100,000円(プレミアム)というように10倍刻みになっているような気がする。

イオンのこと

2015-01-19 00:00:31 | マーケティング
大西宏さんが、『衰退してきた「総合スーパー」からイオンは脱却できるか』の中で指摘されているように、ホールディングの中で総合スーパー事業を担当するイオンリテールの売上(&利益)が不振に至っている。

たまたま、倉敷にいるので、イオンモール倉敷と言うのがあって、さらに先月、岡山駅前に西日本最大のショッピングモールと言われるイオンモール岡山が完成したというので行ってみたのだが、倉敷(8万㎡)に対し岡山は(10万㎡)というのでは、大して変わらないような気がしていたのだが、最大の違いは、モールの一部となるイオン自身の出店形態だった。倉敷の方は、まさに総合スーパーが出店していて、モールの中の店舗との関係が未整理の感じがして、さらにショッピングモールの楽しさである「非日常性」に対するスーパーの「日常性」が打ち消し合っていて残念としか言えないのだが、岡山の場合は、スーパーではなく「イオンスタイル」という形態で組み込まれているので、非日常性は全体として保たれている(しかし、イオアンスタイルなんて中途半端なものは必要ないと思うが)

もっとも、仕掛けは立派でも、岡山も倉敷も大都市じゃないので、各店舗が集められる人員の質・量とも限定されているのだろうが、オペレーター(店員)の不慣れ度は相当なもので、その対応はなかなか短期間では無理かもしれない。なにしろ日本は労働人口が、これから急激に減るので、大変なのだ。

横浜にもある中華料理店で食事をしたのだが、同じ料理でも、味は本家からはまったく落ちているし、サービスもでたらめ。まあそのうち何とかなるのだろうけど。

で、最近イオンが力を入れているのが、「おうちでイオン」。いわゆる宅配というかネット通販と言うか。午後3時までにネット上でオーダーすると、夜9時までに配達してもらえる。

ビール、米、缶詰のように重い物や冷凍製品、アイスクリームなど、溶けやすいものを運んでくれる。さっそく、新規加入して利用してみると、かなり親切な方が9時前に運んできてくれた。きっと、大流行するのだろうが、それを支える流通部門を組み立てられるのかが、今後の問題だろう。

一応、イオンモールのリートへ個人的に出資しているので、イオンの浮沈は気になるのだが、セブンと違っていて気がかりなのが、商品の安売り。5の付く日はイオンカード(WAONも)だと安くなったりする。また15日にイオンのレジでポイントについてガタガタしていたおじさんがいたのだが、どうも55歳以上の人はイオンカードの割引が多い日のようだ。値引きや上乗せポイントを売上減にしているのか販売奨励金にしているのかわからないが、実質的な商品値引きである。思えば、マックや吉野家も自社商品の価値を自ら貶めるように値引きを続けてしまい、レッドオーシャンで漂流中である。

そして、岡山と言えば、イオン王国なのだが、まったく不思議なのが「ミニ・ストップ」がないこと。ミニ・ストップのファンとしてはそれだけで不信感をもってしまうわけだ。スーパーの配送体制の中に組み込んでしまえば簡単なのに、なんで出店しないのだろう。セブン、ローソン、ファミマだらけで、隙間がなくなってしまうのではないだろうか。

羊がいっぱい展

2015-01-18 00:00:48 | 美術館・博物館・工芸品
青山の伊藤忠商事に隣接するシーアイプラザ内に「伊藤忠青山アートスクエア」が開かれていることは知っていて、午後の会議が早めに終わったこともあり、外苑前駅より歩いてみる。羊年にちなんで「羊がいっぱい展」が開催中(~1月18日)。

行く途中で「そういえば、ちょっと高級なトルコ料理があって旨かったなあ」と思い出す。「展覧会の後、しばらくぶりで行こうかな。そういえば財布の中に10枚以上入っているから・・」とか連想は広がる。「シシカバブって羊だったかな・・」とか考えながらシーアイプラザに到着。展覧会の後、トルコ料理を食べることはできないことに気が付く。

なにしろ、トルコ料理の場所が、アートスクエアになっていた。

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そして、入場無料なのだが、どうも作品リストには、作品名と各作品の制作者の名前だけではなく価格が書かれている。どうも美術館ではなく、ギャラリーであるようだ。作品リストをよく見ると、「価格表」と書かれている。

アーティストは36歳以下100名だそうだ。作品数140。

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で、羊の表現をじっくり見ていくと、羊を象徴する、あるいは認識する方法として、「角」「顔」「体のモコモコ」「群れ」というようにとらえ方が異なるわけだ。ただ、誰一人として、ジンギスカン鍋の素材とか外套の原料して描いた人は見いだせなかった。

そして、140枚の中から何枚か購入しようかと、視点を鑑賞者から投資家に変えて、いくつかの作品に絞ってみたのだが、「買おう!」と決断した作品に限って、売却済みの赤シールが貼られていて、結局買いそびれてしまったのだ。

「詰む」というコトバの違和感

2015-01-17 00:00:02 | しょうぎ
よく、「詰む」という言葉がネット民の中で使われることがある。

「高速道路で30キロの渋滞に巻き込まれて、詰んだ。」とか使われる。

「サラ金10社回っても、一円も借りられず、詰んだ。」とか。

「韓国大統領の詰み」とか、「マクドナルドの詰み」とか。


要するに八方塞になって、逃げ道がなくなったことを意味する。

「詰む」というのは、明らかに将棋からの転用語なのだろうが、ある程度将棋を指す有段者からみると、いささか語感が異なる。つまり、「詰んだ」と思う人よりも、「詰ました」というような感覚の方が実感だろう。

「詰む」というのは、やや被害者的な意味があって、「詰ませた」は加害者的な意味が感じられる。

実際に将棋を指す時には、詰まされることばかり考えるより、詰ませることを考えた方が自然だ。



さて、1月3日出題作の解答。

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0117k


まで11手詰。

お正月らしく、「1」の字をあぶり出す。


動く将棋盤は、こちら


きょうの出題作。

0117


わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数を記していただければ、正誤判断。