世界一のアップルパイ

2023-01-31 00:00:05 | あじ
寒川神社に初詣に行った帰りに海老名サービスエリア(上り)にある「世界No.1のシェフがつくる世界一のアップルパイ」を買ってみる。鎌倉mille mele(ミレメーレ)というお店で鎌倉に二店と海老名SAにある。

しかし、「世界一」とは大きくでたものだが、世界一は巨匠シェフのことのようだが、「世界一のアップルパイ」という表現は、シェフではなくアップルパイのことを意味していると思う。



シェフの名はマルコ・パオロ・モリナーリ。マルコ・ポーロのような名前だ。20種類の世界一だそうだ。

「世界パスタコンクール」
 1995年、2005年、2015年3回連続優勝
「金のフライパンコンクール」
 1990年優勝
フジテレビ「料理の鉄人」
 1998年 和食の鉄人 X氏に勝利
料理のオリンピック大会
 2000年デザート団体部門 金賞
 2008年料理の団体部門 金賞
「イタリア料理グランプリ」
 2001年プリモビアット部門 優勝
「お米の料理世界大会」
 2005年優勝
「料理ワールドカップ2006ルクセンブルグ大会」
 2002年デザート部門 金メダル
 2006年ケーキ部門 総合優勝
 2010年デザート部門・料理部門 ともに金メダル
「大野賞」
 2010年ベストシェフ賞
「お菓子作り世界大会」
 2015年日本チーム代表コーチとして1位
「現代科学料理世界大会」
 2015年優勝・最優秀発明賞
「ジェラートの世界大会」
 2019年日本代表監督として1位
「洋菓子の世界大会」
2019年日本代表監督として1位
「ティラミス世界大会」
2020年10月イノベイティブ部門、デコレーション部門で優勝
「パネトーネ世界大会」
 2020年10月クラシック部門で優勝

普通のアップルパイではない。

パイの中にはリンゴだけではなく、豆乳チーズクリーム入りのカスタードが包み込まれている。



要するに、「料理」である。巨匠シェフの受賞歴をみると、2010年から2015年の間に、洋菓子の方に転進したように思える。

しかし、巨匠がなぜ、サービスエリア内の小さなスペースに店を持ったのかはよくわからない。そもそもなぜ巨匠が日本などにいるのだろうか。

それはそうとして、このアップルパイの味だが、それなりに高級な味なのだが、よくある甘いアップルパイとは、まったく異なるものなのだ。チーズだから。他に例がないということなら、論理的に世界一といっていい。(450円)

一文字拳序章(2018年映画)

2023-01-30 00:00:04 | 映画・演劇・Video
昨年後半から観始めたのがPFFの作品。ピア・フィルム・フェスティバルの優秀作品をMXテレビで流している。確か元旦に放送された作品。アクション映画だ。

新人監督のための映画祭なので、本作も手作業感が強い作品で、監督と脚本は同一(中元雄)。映画の三要素は脚本と監督と俳優なので、なかなかうまくいかない。

題名から言って、アクション系だろうと推測していたが、最初はストーリーに乗れない。漫画家志望青年と借金踏み倒し男が強面の借金取りグループに襲われる場面で、突然に助けに入ったのが一文字ユウタという青年。カンフーを使って全員を倒してしまう。

この段階で、スーパーマン、バットマン系かと思ってしまう。聞けば、ユウタの兄も格闘家で、試合で倒した相手が亡くなってしまい、格闘家をやめ、山にこもってしまい。自分は世界一の格闘家となるべく世界修行に出ていたが、兄が突然亡くなったという知らせを受け急遽帰国したということ。

そして、この3人は突然に襲われる。今回は敵側に覆面の人物が含まれていて、これが強い。カンフー技は通用せず、世界一のはずの一文字は破れてしまい病院送りとなる。

そして、三度目の戦いは漫画家志望者と借金男が捕まり、体に燃焼系の液体をかけられ、着火されそうになる。そこへ病院からオートバイに乗った一文字ユウタが登場するが、またしても苦戦。月光仮面風。

そして、ユウタが適わない覆面武闘家の正体がわかる。


AIで動き回るロボット。人間対ロボットの戦になる。

ロボットが出血するところで、大いに笑えた。

今年のねぶたは

2023-01-29 00:00:34 | 美術館・博物館・工芸品
遅ればせながら初詣に行く。例年通りの寒川神社。年が明けて直ぐに以下なかったせいか、年初に嫌な事態が起きたが、一段落。(後日記載)

正月の風物詩といえるかもしれないのが、寒川神社の御神殿につながる神門に飾られるねぶた。有名なねぶた師の作になる。今年は北村春一氏作。

題材は神話に取材ということで「瓊瓊杵尊と木花咲邪姫」(「ににぎのみこと」と「こはなさくやひめ」)



解説には、瓊瓊杵尊と妻の木花咲邪姫とこどもとの仲の良い家庭を表現しているようなことが書かれている。瓊瓊杵尊は三種の神器(鑑、剣、勾玉)を身に着けているそうだ。(勾玉はどこにあるのだろう)

しかし、神話の中ではこの夫婦はとんでもない仲ということになっている。瓊瓊杵尊は神の国から日本を収めるために高千穂に下りてきたわけだ。そして地上にいた美女(木花咲邪姫)に結婚を申し込むが彼女の父親は彼女に加えて姉も一緒送り込んだわけだ。一夫二妻だ。ところが姉の方は不美人だったため、家に帰りなさいと送り返したそうだ。そして妹の方と一夜を過ごしたわけだ。

そして、瓊瓊杵尊は忙しいため、一夜を過ごしただけだった(結婚詐欺のようなものかも)。ところがしばらくして木花咲邪姫は妊娠していて、その件を瓊瓊杵尊に言いに行ったところ「一晩だけでは妊娠しないだろう」と冷たい言葉を放たれたわけだ。

その後、木花作邪姫は怒り爆発で岩屋に閉じこもろ火で岩屋を包ませる。そして火の中で三つ子を産むことになる。この一人がねぶたとして登場した火遠理令(ほかりのみこと)で初代天皇の神武天皇の祖父にあたるわけだ。そして、天上の神は本来は瓊瓊杵尊や子孫に永遠の命を授けるべきだったが、あまりの不始末にあきれ、寿命を短くしてしまう。天皇も同様に寿命を大幅にカットされることになる。

まあ。色々あるわけだ。

AIを超えた男 藤井聡太(歯黒猛夫著)

2023-01-28 00:00:54 | しょうぎ
副題が、「証言で読み解く進化の軌跡」となっている。出版社が彩流社。2020年の初版となっていて、電子書籍で読んだのだが、2020年12月に電子書籍でも同時発売されている。

2年前の発売だが冒頭の方で「将棋界では今、4強といわれている」というように書かれている。うっかりしたことを書くと、書籍自体が古びてしまう。もはや1強時代になってしまった。21歳で早くも伝記が書かれるという異常事態なのだが、かなり著者は広範に調査をしたようで、あまり知られていないことが多く書かれている。是非、読んでもらいたいのでここに詳細は書かないが、四段昇段後の「炎の七番勝負6勝1敗」が彼の加速度的成長のロケット燃料だと思っていたのだが、その前に奨励会三段リーグの一期抜けについてのロケット燃料の話が書かれていた。

彼は2016年4~9月の三段リーグで13勝5敗で一期抜けしている。順位27位で、13勝で上がれたというのは、その時のリーグには競合が多く、約半分が現在棋士になっている。星のつぶし合いになったということもあるが、師匠の杉本七段(当時)が三段リーグ開始直前の春休みに「2泊3日の武者修行の東京旅行」を決行していたことが大きかったのではないだろうか。

1日目は島九段宅で中村修九段、森下九段、村山七段、石井四段。2日目は新宿将棋センターで森下九段、増田四段、中村大地六段、八代五段、梶浦四段、高見五段。3日目は中村大地六段と飯島七段。戦績は4勝7敗と冴えなかったが、おそらく感想戦は勉強になったのではないだろうか。まさに師匠の腕が冴えたわけだ。こんな豪華な研修会、普通は考えられない。

その時に7勝した棋士の方は、たぶん今も覚えていて、そのうち貸しを返してもらえないかと思っているかもしれないが、八冠制覇してしまうと、もはや対戦の機会もめったにこないはずだ。


さて、1月14日の出題作の解答。







なお、初形図の4五歩は、不要駒でした。


今週の出題。



解ったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。



こうして地球、あるいは人類は終わる

2023-01-27 10:33:44 | 市民A
米航空宇宙局(NASA)が26日、マイクロバスほどの大きさという小惑星が日本時間27日午前に南米大陸南端の上空3600キロをかすめると明らかにした。衝突の危険はないというが、上空3万6000キロに位置する静止衛星の10分の1という「記録的接近」がSNSでトレンド入り、「本当に大丈夫なのか」「これニアミスどころのレベルじゃない!」「完全に映画の世界」などの声が飛びかった。  NASAのホームページによると、クリミアのアマチュア天文家が21日に発見した小惑星の大きさは推定で3.5メートルから8.5メートル。円を描くように太陽の周りを回っていたが、地球の重力で軌道が変形したという。記録に残る中では最も地球の近くを通り過ぎる小惑星の1つという。

つまり、このブログを読んでいるときに最接近して、もしかしたらズドンと地球にぶつかるかもしれない。なにしろ近い。

地球の円周は、約40,000KM。これは、北極と赤道の距離を10,000KMと決めたからだ。となると40000KM÷3.14=12,700KM位。だから3600KMは直径の1/4ぐらいだ。つまり半径の半分ぐらいのところを通過するようだ。

マイクロバスの大きさというのをキリンの大きさと表現する報道もある。

発見したのはクリミアのアマチュア天文家というのもすごい。クリミアというのはクリミヤ半島のことなのだろうか。本当に天体観測だったのだろうか。

結局、気が付いた時には、祈るしかないということか。

しかし、見つけてからわずかしかないのに小惑星と断定できるのだろうか。太陽系外からきたということはないだろうか。

なんとなくだが、ここ数年の、新型コロナ、ロシアの暴走というのは人類を滅亡させて地球を乗っ取ろうという宇宙生物のしわざではないかと疑っている。人間以外の動植物は知能が低いので生かしておこう。人間は危険生物なので、人類滅亡ウイルスと核戦争起爆装置を使ってみたのではないだろうか。そろそろ確認に行くか・・

まだ、人間がいる。

次は何を使おうかな・・・

いまどき「経済安全保障」

2023-01-26 00:00:17 | 市民A
月刊「経団連」誌は日本経団連の会員誌で、主に政治の課題とそれを支える経済界というスタンスなのだが、昨年12月号の特集は「経済安全保障の確保向けて」というもの。12月1日発売ということは、編集は10月頃からだったのだろうか。

確かにその頃は経済安全保障というテーマが重要とされ大臣が張り切っていたように思うが、その後、防衛費GDP2%問題が大テーマになり経済安全担当大臣が「私を更迭するがいい」という意味のことを言っていた。さらに今月の大テーマは少子化対策。

最重要問題が月単位でコロコロ変わるような国でいいのだろうかと思うが、経済安全保障の問題。重要技術の扱いについて米国との比較表があり、米国は農産物についても国家戦略物資と指定している。日本との差はそれぐらいだろう。韓国産シャインマスカット問題が一例だ。

ただ、大部分の記載は重要技術や重要データを盗まれないようにしようというのが骨子で、エネルギーとか食料といった生活のベースになるようなものは、いささか頼りない。

食料安全保障については、本誌の中心課題は穀物価格の値上げということなのだが、実際には価格よりも食料自給率の問題だと思う。自給率と言ってもカロリーベースなのか、金額なのか、あるいは穀物自給率なのかという差はあるが、いずれにしてもザックリ50%超といったところだ。

世界で人口が1億人以上の国で自給率が100%以下の国は日本だけである。それも大幅に少ない。しかも10年前には100%を切っていた中国、ブラジル、インドネシアは自給率を100%以上に回復している。つまり、他国は努力していたということ。何もしないのが日本。多くの事象と同じだ。

本誌では昨今の日本の農業の問題の原点を1999年に制定された『食料・農業・農村基本法』と書いている。昨年秋から見直しが始まっているそうだ。構造的に無理のある法律だったということのようだ。「良質な食料が合理的な価格で安定的に供給されなければならない」としているが、矛盾だらけのムリな話のわけだ。

合理的な価格ということになれば、世界で行われている適地適作で輸入してしまうということになり、国内自給率は下がる。自給率を上げればコストが上がるし、規模拡大とか六次産業化などアベノミクス的にやれば優れた企業農家と零細農家の二極化を招き農村は疲弊する。つまり食料、農業、農村という同時にできない目標を掲げるところに無理があるわけだ。

一方、遊休農地が空き家問題と同じように全国に拡がったり、小麦を大量に輸入していながらコメが売れ残るというような、わけのわからないことになっている。

そもそも、現代の日本農業の基盤は戦後すぐに施行された「農地改革」。大規模地主による小作人の搾取が、日本が戦争を始めた原因の一つとGHQが判定したことによるのだが、奴隷に綿摘みさせていた国の言うことかな、と思うし、それで日本の農業が小規模零細経営になったわけで、そこに戻ってやりなおしてもいいのではないかと思う。

とはいっても、何もできないだろうという感じはある。

「安いパンを食わせろ!」という民意と「高くても国内生産品を食べよう」という民意のどちらが勝つかと言えば、前者だろうと思うし、それが政党の政策に影響するからだ。

うたの人物記(小池光著)

2023-01-25 00:00:42 | 書評
短歌の本である。まず、短歌と和歌の違いはご存知?意外と変な区別になっている。江戸時代までの作品が和歌で、明治以降が短歌というようだ。どうも俳諧と俳句というのもそうだが、正岡子規が「古典を捨てよう」運動をはじめて、古い作品を箱に詰めて「和歌」とラベルを貼ったようだ。

本書の題名である「うたの人物記」とは国の内外の著名人の名前を短歌に織り込んだ作品を集めて観賞しようという切り口の本だ。

例えば、
小沢一郎しづかに崩れゆくときの数の論理の美しきかな (岡井隆)

希土類元素(レアアース)とともに息して来し父はモジリアーニの女を愛す(俵万智)

硝子屑硝子に還る火の中に一しずくストラヴィンスキーの血(塚本邦雄)

窓ガラスかすかに揺るる八月の玉音に似てフルトベングラー(佐伯裕子)

*フルトベングラーはドイツの指揮者。戦後、ナチ協力者の裁判にかけられたが無罪となる。ヒトラーがベルリンで敗死したことが報じられたラジオニュースではワーグナーの「ジークフリードの埋葬行進曲」が流された。フルトベングラー指揮ベルリン交響楽団の演奏版だった。

八月の玉音とフルトベングラーはつながっているし、歌人佐伯裕子氏の祖父はA級戦犯として刑死した土肥原賢二氏(元陸軍大将)である。

同じ歌人が花火のような人生を終えた俳優を詠む。

むきだしの壁に画鋲でとめられて朽ちてゆけ私のジェームス・ディーン(佐伯裕子)

*本当は、ジェームスではなくジェームズではないだろうかということは置いて、「朽ちてゆけ」という表現は歌人がジェームズ・ディーン愛から卒業しようという意思のあらわれだろうか。

たった三本の映画に出演しただけの大スター。映画評論家だって、私だって3本観るだけだ。こういうのがいい。歌人だってファンになる。

個人名は歌に詠むというよりも、自作の歌に取り込むというか閉じこめるような感覚なのだろうか。もちろん、短歌に閉じ込めるにあたって、もし生者であっても本人に連絡などしないのだろう。単に地名と同じ固有名詞と割り切ってしまうのだろうか。

れいわローテーションについて

2023-01-24 00:00:41 | 市民A
れいわ新選組の水道橋博士が当選したばかりの参議院の議席を辞任することになった。多くの報道を読むと、国会議員としての責任の重さから「こころの病い」になり、直ぐには回復しない状態ということのようだ。

私も「メンタルヘルスマネジメント」という検定(Ⅰ種&Ⅱ種&Ⅲ種)を持っているので、書物で確認すると、うつ病系のこころの病いの罹患率というのは、理想的な職場でも1%、劣悪な職場だと5%で、平均的には3%程度ということのようだ。国会議員というのが、国会という会社の社員だとすると、定員713名(衆:465人、参:248人)の1%は7名。平均3%とすれば21人ということになる。彼一人だけが病気にかかったとすると、異常に低い比率だ。厚顔の人が異常に多い組織と言える。

そして、党代表の山本太郎氏は、残る5年強の任期を5人交代で経験させたい、という意思を表明した。

それに対し、多くの政党からは、前例がないとか国会軽視とか憲法の精神が・・といった意見が多数見える。またジャーナリズムも批判的に見える・


私は個人的には賛成。5人ローテに賛成ということではなく、法の許す限りでの政治実験に賛成ということ。

そもそも少数野党の1議席がどうなろうが、政治に与える影響はほぼゼロだ。一方で、民主主義、その選挙制度にはいくつもの欠陥がある。たとえば小選挙区では死票の率が上がるとか、中道的な政権がなくなるとか。一票の格差とか。まともな人間は立候補しないとか。

古代ギリシアは直接民主主義の国だったが、政治学者(プラトンやソクラテス)たちは、「優秀な独裁者がいるなら独裁政治の方がいい」と考えていた。優秀な独裁者がいない場合は民主主義の方が失敗がないということ。

つまり、常に民主主義という政治体制は、改正を続けなければならない。崩れやすいわけだ。

なので、1議席を実験的にやってみたらどうだろうか。

もう一つ実験してもらいたいのが1票の較差。過疎県の一票の方が都市部の一票より重いわけだ。地元の意見も重要なのだろうから、議席は認めるとも「0.5票」議員を作ったらどうだろう。国会の椅子はそのままにして、年棒を半分にすればいいだろう。

オール・ザ・キングズ・メン(1949年 映画)

2023-01-23 00:00:43 | 映画・演劇・Video
政治映画のお手本のような作品。実在したルイジアナ州知事ヒューイ・ロングをモデルとしている。

純粋な政治青年が、落選を繰り返すうちに、市民の不満を饒舌に煽り立て、票にしていく術を知ることになる。そして不正行為が行われている既存政治に穴を開け、ついに州知事に辿り着くが、そこから彼は自らの政治生命を保つために、ありとあらゆる不正行為に手を染めていく。あくまでも市民のためという言葉のために、無料の病院、学校、大きすぎる公共事業により州財政には穴が開いてくる。

そして、政敵を倒すためには手段を選ばず、アメリカ合衆国の大統領の椅子を思い描き始める。

しかし本映画の主人公は、その州知事ではなく、駆け出しのころからの州知事の取材を続けてきたジャーナリスト。および、その恋人。政治家のブレーンなのか、あるいはジャーナリストなのか、彼の心は揺れ動く。

実在のヒューイ・ロングは大統領選を目指していたが、暗殺されてしまい、大統領はルーズベルトが選ばれる。

余談:本映画でジャーナリストを演じたジョン・アイアランドとその恋人を演じたジョアン・ドルーは後に結婚し、その後離婚する。米国政界の腐敗をテーマにしているため、日本ではGHQが公開を禁止した。

2006年にはリメイク映画が公開された。同じあらすじなので、モノクロからカラーになっただけとも言える。

日本ではこの手の政治の裏側の暗黒映画がないのは、既知のこととして当たり前すぎて観客を集められないということだろう。

アンゴラ壁画のこと

2023-01-22 00:00:01 | 美術館・博物館・工芸品
駅に壁画があると言えば、渋谷駅で京王線に向かう途中にある岡本太郎作「明日の神話」が有名だ。横幅30mで縦が5.5m。メキシコオリンピックの頃にメキシコシティのあるホテルにされる予定だったが中止になり、長く倉庫に眠っていたのが岡本太郎氏の没後に発見され、日本で展示されることになった。



一方、横浜市にある市営地下鉄(といっても地上)のセンター北駅の1階にも大きな壁画がある。横18mで縦が2.5m。面積は渋谷の27%しかないが、それでも大きい。いったい何なのか。

実は壁画にはタイトルがついていない。テーマは「友情の証」ということで、地元ではアンゴラ壁画とよばれている。



斜めに撮影したものを台形補正してみた。ではなぜ、アンゴラ壁画とよばれるかというと、アンゴラ共和国の5名の画家たちが来日して完成したと言われる。

きっかけは2008年の第四回アフリカ開発会議が横浜市で行われた時に、市内では2つの動きがあった。一つは一校一国運動で、もう一つは一駅一国方式。このセンター北駅はアンゴラを担当。そうしたところ、アンゴラから画家が5人到着し書き上げた。

ちなみに他の駅でも何らかの関係性をアフリカ諸国と結んだはずだが、こんな立派なプレゼントはない。

長方形の画像は撮影できないため、歪んだ画像を台形補正してみた。

ところが、これほどのプレゼントにもかかわらず、アフリカ諸国と横浜の絆はあまり深まってはいない。アンゴラが中国と接近しているからだ。原油とダイヤモンドの国だ。

「殺人鬼」で逮捕!

2023-01-21 00:00:03 | しょうぎ
元プロ棋士八段が、元妻に対してSNSに「殺人鬼」と書き込んだとして逮捕される事件が起きた。本人は書き込んだという容疑について、「同じようなことを書いたことはあるが、その日には投稿していない」と否認しているそうだ。もしそうならいい加減な話ということだが、殺人には関係ない人に「殺人鬼」というのは、まずいだろう。もっとも「殺人犯」ではなく「殺人鬼」ということばは、本来的には比喩的に使うことばなので純然と名誉棄損になるかには疑問があるかもしれない。

報道では離婚に関してトラブルがあったと濁しているが、こどもの親権に関する問題だったはずで、知っていて書かないジャーナリズムも無責任な感じがある。「元妻」ということであれば離婚が成立して、親権についても何らかの司法的判断が出ているはずで、それも併せて報じてほしいのだが、そうなると、相当量の取材や山のような視聴者や購読者や海外からの声が巻き上がって、収拾困難になるからということかもしれない。ヘビは藪から出さないということだろうか。


さて、1月7日出題作の解答。








「歩」と「と金」だけの図は「豆腐図式」という。さらに銀が四枚なので、「銀豆腐」ということになる。箱根強羅駅のそばに同名の実在の豆腐店があり、近くの「田むら銀かつ亭」という芸能人御用達のトンカツ店でこの豆腐を食べることができる。店内に詰将棋の色紙があるか探すのはやめた方がいい。本館と新館があるし。豆腐店ではなくトンカツ店だし。


今週の問題。難易度は新聞用程度かな。



解ったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

飢餓海峡(1965年 映画)

2023-01-20 00:00:07 | 映画・演劇・Video
映画『飢餓海峡』には長さの異なる二本がある。監督の内田吐夢が作ったのが183分版で、上映用のカット版は167分。自分の意に反するカット版ができたため、監督の内田は東映を辞めることになる。現在、カット版のオリジナルは存在していないらしい。

原作は水上勉。簡単に言うと推理小説だが、社会派でもある。北海道と下北、そして東京、舞鶴と空間も月日も10年に拡がる。観客の前には、大まかなあらすじが最初から見せられていくが、脱獄囚、放火殺人、青函連絡船の転覆、少しずつ謎と好奇心をまき散らして進んでいく。そういった中でおきた犯罪者とそれをかばう娼婦、さらに執念の捜査を続ける刑事と家族。迷宮入りに近い事件が、新聞の記事の顔写真で動き出す。

冒頭の中心人物は三國連太郎。逃走中に助けた娼婦は左幸子。そして最終盤は三國連太郎と刑事役の高倉健が対峙する。二人の戦いは刑事と犯人だから刑事の勝ちだが、内容的には三國連太郎が勝っている。つまり事件の全容がわからないまま、捜査は強制終了になる。

観終わった後、なにか充実感があるような映画だ。映画というのは趣味の領域にあるはずだが、なんとなく一仕事終わったというような感じがする。

「素晴らしい映画をありがとう」と言ってあげたいが、スタッフ、キャストのほぼ全員が既に石の下の住人になっている。


なお、この映画も、名作の運命として製作費が予算を大きく上回ることになったそうだが、映画の製作費について有名なことわざがある。

Good movie cost good money.

知らなかった人は、今、覚えておこう。確か1985年頃にスピーチの途中で、即興でひねり出した。

幕末に散った男たちの行動学(2/2)(童門冬二著)

2023-01-19 00:00:57 | 書評
幕末に残念な死に方をした人たちは多いが著者はこの本の中に6人を記した。

前半の3人は、いわば討幕派で後半の3人は幕府側。といえ、幕府側を代表するべき人物である勝海舟は幕末に散ったわけではなく、むしろ大戦争を起さず政権を軟着陸させたわけで、特異な才能の人物といえる。

後半の三人は、

原市之進 ・・・徳川慶喜の側用人
平岡円四郎 ・・・徳川慶喜の側用人
徳川家茂 ・・・将軍

原も平岡も慶喜の側用人だが、両者とも暗殺された。先に側用人だったのは平岡で、暗殺されたため原になった。原が暗殺され、慶喜が一人で考え始めると、あまり大した将軍ではなかったことが明らかになってくる。もともと大名とはその程度のものだったと考えるべきかもしれない。世襲制だからだ。島津久光にしても頭脳明晰といわれるが、大久保利通に「いつ私は将軍になれるのか」ということを聞いたらしく、それが大久保が江戸時代とまったく違う国家体制を考え始めたきっかけとなったそうだ。

問題は、徳川慶喜は、そもそも攘夷論者だったこと。おそらく父のせいだろう。幕府でも最初は攘夷で行こうと思っていたのだが、黒船来寇から開国論に代わっていった。井伊直弼が登場して反対派をつぶしていた。結局、幕府は早々と攘夷をやめたのだが、幕府の中には、頭が切り替えられない者もいた。

歴史は奇妙にねじれるものだが、幕府の一部に生まれた開国論が、次々と攘夷論を抑え込む間に攘夷派は幕府内でも討幕派の中でも行き場を失っていき、テロリズムに走っていく。


徳川家茂の章は、政治的なことではなく皇女和宮とのことが多く記されている。

幕末に散った男たちの行動学(1/2)(童門冬二著)

2023-01-18 00:00:00 | 書評
電子書籍の一つの特徴だが、本の厚みということがわからないので、かなりページ数が長かったりする。リアル書籍をAmazonで調べて長さを確認してから手に取るべきだろうが、つい億劫になる。本著も意外に長く、取り上げられたのが幕末の男6人ということで、まず3人分を読んだ。

周布政之助・・・酒乱の長州藩士

岡田以蔵・・・人斬り以蔵

梅田雲浜・・・重商主義者だった若さ小浜藩士

幕末登場劇の中では中級の諸氏と言っていいだろうか。

周布政之助は長州藩の切れ者だったが、いつも酒乱で、特に公武合体をめざしていた土佐藩には藩主にも藩士にも毛嫌いされていた。長州藩が京都から追い払われた頃には、切腹したことにされ、藩に隠匿され名前を変えて生き延びていた。

岡田以蔵は土佐藩士だが、どうも土佐藩内部には江戸幕府以前の長曾我部派と幕府から押し込まれた山内派がいて身分に大きな差があったようだ。岡田以蔵はその藩内の下層階級の武士で、武市半平太の子分として思想なき殺人者となる。

梅田雲浜は幕末において尊王思想をばらまき、さらに経済権も幕府から奪うべきとの思想を持っていたようだ。このため井伊直弼は危険思想家として彼を抹殺。

シンビジウム、花芽が成長するも視界不良

2023-01-17 00:00:27 | 市民A
新聞販売店からいただいた再生シンビジウムだが、一鉢に2株ずつで、それが二鉢。つまり4株になったのだが、現在の状況は4株のうち1株は花芽が見られない。残る3株からは不気味な感じで花芽が斜め上方に伸びてきたのだが、花屋の店先のシンビジウムのように先が垂れ下がって鉄の針金で支えをつくるような感じでもない。



とりあえず支柱を何本か予備的に入れたのだが、支柱は曲線で花芽は規則性のない曲線。視界不良だ。ネットで調べると、様々なことが書かれている。1年目は垂れ下がったように花を付けるが、二年目は上向きに花が咲くと書かれているものもある。そもそも再生品が2年目の物なのかもよくわからない。3年目かもしれないし・・

最善解が判らない以上、もう少し、ウォッチということかな。何かことが起きてから対応ということか。そういうのは日本的官僚主義の特徴と思っていたが、サッカーでも点を取られてから慌ただしく選手交代を始めるという戦法の監督がもてはやされていた。

今のところ、何色の花が咲くのかも不明。仕立て直してくれた新聞販売店でも咲かないとわからないだろう。